依田沙江美のレビュー一覧
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峰岸の愛人になることさえ厭わない響川の金に執着した生き方に、彼を想う気持ちから強引な取引をした志田。金を受け取らせるため、本当に体の関係を持つようになるが、頑なな響川の心は容易に志田へは向けられない。なぜなら響川は、志田の家が経営するレストランで出会った新人バイト・園村千鶴にぬぐい去れない罪悪感を抱き続けているからで…。何よりも志田を求めているのに、自分がしあわせになることを許せない響川。だがしかし、ついに呪縛から解き放たれる時が―。一方、高穂は蝶野の友人・芦屋の出現で再び彼を意識し始める。いよいよ高穂と蝶野の恋にも動きが?書き下ろしはパレス・シャングリラ五反田草創期の80年代を舞台にした「さ
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【あらすじ】 桜陵大学経済学部二年の三木高穂は、わけあって学生課から紹介された格安アパート、パレス・シャングリラ五反田の住人になる。そこは一階がアトリエ、二階が住居という風変わりな構造で、住人のほとんどは桜大の芸術学部生。高穂の入居初日には歓迎鍋パーティーが催されたが、寮のようなノリの和気藹々ぶりに高穂は閉口気味。特に不動産業者巡りをしている途中で出会った写真学科二年の蝶野洸には、いきなり写真を撮られたり部屋に侵入されたりと、気分を害されっぱなし。ところが、その蝶野にバーのバイトに駆り出されて以来、彼が高穂の心の不可侵の部分に入り込み始めて…。武蔵野を舞台に繰り広げられる、同じ屋根の下の青春群
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なんかイイなぁ〜…この二人。羨ましい(笑)相変わらずドタバタやりながらも恋愛関係が続いていた勇気と昇。しかし、見合い話や人の死などを経験することで昇の気持ちに覚悟が生まれる。そして勇気にも――。とても上質なBLを読みましたな。相変わらず笑わせてくれる部分もあるんだけど(篠田監督とのインタビューとか/笑)なんと言っても勇気と昇の関係がとても丁寧に描かれているのが良い。セリフ一つ、モノローグ一つ、コマの隅々に至るまで全てが丁寧。読んでいて嬉しくなる。パジャマのズボンを脱いだところで恥ずかしくて逃げ回る昇と追いかける勇気の日常とか。勇気がこっそり描いていた自分の絵を見て昇の感情が動くところとか。あと
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購入済み
よき
ありそうっていう設定の中での自然な心情が伝わってくるお話でした。
伝統工芸の和の良さがじんわりと興味を引き立てられて、節と同じ感覚である意味新鮮に感じられました。
無骨な中の優しさ、たまらんです。 -
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ネタバレ旧作に個人的に非常に思い入れがあるため、こわごわ手に取ってみましたが、怖れていたほどの改稿はなく安心して読めました。
なにより旧作のイラストが表紙絵込み(しかもカラー)で全部収録されていたのがうれしかったです。
新版として追加されていた後日談は甘かったので満足ですが、作者さんの中で時代を経てしまったせいか、本編にある繊細さが薄れてしまったように感じるのが残念。
改稿は気づいただけでも三点リーダが統一されていたり、時代を感じさせる「ワイドテレビ」「ビデオ」「フロッピー」「FAX」あたりが「スカパー」「DVD」「CD-ROM」「パソコンメール」になってたあたり。
文章自体は変わっていないのはほ -
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【真夜中を駆けぬける】の続巻。
このシリーズは、依田さんの描く心のほの暗さが秀逸な作品。
人を好きになるって、始まりは単純なのに継続はとても大変。
どんな約束も確証もあやふやで、ともすれば一年後の自分の気持ちさえわからない。
作中の勇気の「しかしもう…恋愛としては惰性かなあ…」というモノローグにドキッとして、あぁこの2人にも終わりは来るのか…と深淵を覗いた気がした(実際は違うけど!)
巻末には幸せエピソードが載ってるけど、そこに辿り着くまでが怖くて痛かった。
簡単に言うつもりはないけど、魂が呼応するような関係のこの2人には、幸せになって欲しいなぁ…