依田沙江美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ月村さんにすっかり魅了されています。
受のうじうじ加減が最高にイラつくものの、何だか憎めなくて共感してしまう。
人間誰しも卑屈になることあると思うんですが、それをもの凄く上手に
書き出してくれます。
此処まで卑屈にならなくてもいいんじゃない?
と思うこともありますが、そこは小説なので多少脚色された方が面白いかなと。
こういう地味で抑揚のないストーリーでも、キャラクターの心の動きを
凄く丁寧に書いてくれるので、飽きません。
寧ろこの地味さで読ませるためには、心理描写に重点を置かないと
いけないので、こういった『つまらなそうな日常』を瑞々しく書ける
能力が凄いなー……と思います。
田舎が舞台ですが、この田舎っぷりが最高に良い味出てます。
田んぼのあぜ道の匂い、夕方の匂い、そして雨の匂いに風の音。
派手さのない端的な描写ですが、情景がキレイに浮かびます。 -
Posted by ブクログ
依田作品には「黒い影」のような怖さが付きまとう。既読作品の中では、それが一番顕著に現れていたのが「AMETORA-雨寅-」だったと思うが、どの作品にも端的に言うと「人間だれしもが持っている心の中の腹黒さ」がどこかに登場する。人物と言う分かり易さだったり、やはり人の一部分としてだったり。その黒さがあのほんわかした絵柄の下に隠れているので、心理的なおぞましさが倍増する。「星の君」などと呼ばれて優等生の仮面をかぶっている星弥は、柔和な外見に似合わず、心の中では好きな男の子の弱みを握ってから、避けられているように感じていた龍泉に接触をする。接点を維持する為に、更に弱みを握り、自分を避けないように仕向ける。やり口はずるい大人の汚なさを潜ませているのだが、やはりまだ思春期真っただ中の10代、弱気になって自分に気がある下級生の好意を翻弄したり、ホント、黒い(笑)。星弥の付きまとわれている龍泉が「狩る」獲物に思えなくもないのだが、依田作品はどちらかに「人間的に不都合だと一般的に言われそうな部分」を持っているキャラがいて、その人物を「好きになる」人物がいて、決して「その部分は直した方がいい」とは言わないのだ。「ブリリアントBLUE」の章造が七海に、「よろめき番長」の吉川がわかぺーに、言わない。相手のありのままを受け止めてしまう強さと言うのがとても好きだなぁ。依田さん作品に含有される黒い部分が一番明確に出てるのが星弥じゃなかろうか。龍泉が手ごわそうなので自分の自尊心満たす為、確認する為に後輩に手を出すとか、黒い部分が非常に解り易く描かれてる気がする。龍泉が怖がりで、怖がる事によってスキンシップ激しくなるから、って肝試し推すとかさー、鬼畜だよねーwww 相手が好きな事は間違いないんだけど、相手の事よりも自分の好きな気持ち優先してしまう10代の残酷さとか、凄くよく描かれてる。依田さん作品は一見あっさり味に見えるように描かれてる。もしかして依田さん、坊主萌えお持ちなんですかね、似合わなそうな七海といい、龍泉といい、綺麗に小坊主にされてる(笑)
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Posted by ブクログ
依田さんの作品はこのシリーズしか
きちんと読む機会を得ていないのですが、
何年でも続きを心のどこかで待ってしまいます。
情報に疎いのでこの本の発売も書店で偶然見かけて
出版に至ったことに激しく驚きました。
発刊が公式に宣伝されながら
数年に渡って延期延期であることは知っていたので。
さり気無くしつこくない画面絵柄描写に見えるのに、
人間の把握の仕方の峻厳さ、そしてその表現の巧みさに
いつも驚かされます。
今回もそうでした。
まだ続いてくれるといいなと思いますが、
続きを待つのも辛どいので期待せず
こころのかたすみあたりに置いておきたいです。