志村幸雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イグ・ノーベル賞創設の経緯からその意義、選考方法や賞の与えられ方について、過去の受賞研究などの一部紹介と日本人受賞者の取材、はてはイグ・ノーベル賞獲得のための方法論から著者独断のイグ・ノーベル賞候補まで、イグ・ノーベル賞分析に徹した本書。
バウリンガルやカラオケの発明、先ごろ読んだ『群れはなぜ同じ方向を目指すのか?』のレン・フィッシャーが受賞したビスケットを紅茶に浸す研究、中垣教授の粘菌、候補として、日本のトイレ文化、百万分の一グラムの歯車製作や阪大教授の石黒浩氏のジェミノイドなどなど、見知った研究があれこれ出てくる。
イグ・ノーベル賞は「まず人を笑わせ、そして考えさせる」研究が授賞対象だ -
Posted by ブクログ
「ほとんどの受賞者は、受賞のニュースに喜びを隠さない(少なくとも、少しは喜ぶ)」
という、あのノーベル賞のパロディであるイグ・ノーベル賞。レン・フィッシャーさんや(ビスケットを紅茶に浸す理想的な方法の考察)、マーフィさん(勿論マーフィの法則)が受賞しているこの賞のことが前々から気になっていたので、この本を見つけて即購入。いやニヤニヤしてしまった。この本自体、「まず人を笑わせ、そして考えさせられる」というイグ・ノーベル賞の授賞基準のような本でした。
だって普通に気になるだろう、「ピカソとモネの作品を識別するハト」とか。学術的価値だってあるだろう。イグ・ノーベル賞、けして馬鹿に出来ません。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「裏ノーベル賞」の異名を持つ「イグ・ノーベル賞」が隠れたブームとなっている。
その人気を語る上で欠かせないのが「パロディ性」。
「カラオケの発明」がなぜ“平和賞”なのかといえば、「人々が互いに寛容になることを教えた」から。
さらに、芳香成分のバニラが牛糞由来と聞けば誰しも目を丸くするだろう。
本書はイグ・ノーベル賞で世界をリードする日本人受賞者の取材をもとに、「まず人を笑わせ、そして考えさせる」研究を徹底分析。
[ 目次 ]
第1部 「笑う科学」の奇抜な司祭者(この特異なるイグ・ノーベル賞 ノーベル賞と比較して;イグ・ノーベル賞に見る「パロディ性」と「科学性」)
第2部 イグ・ -
Posted by ブクログ
イグ・ノーベルという名称、なぜなんだろうと思っていたが、やはりignobleのゴロからなんだとか。賞状には、本当のノーベル賞受賞者も三人、署名に名を連ねている。マーク・エイブラハムズによる本も出ているが、本書は日本人によるものだけに、日本人受賞者の研究内容について詳しいピカソとモネの作品を識別するハトバウリンガル兼六園の銅像がハトに嫌われる理由(昔の質が悪い銅でできており、砒素を含むために銅との境で電磁波が生じるためらしい)カラオケの発明バニラの芳香成分を牛糞から抽出粘菌による迷路の最短経路の解法(単細胞生物が集まって知性らしきものが生じるというのは面白い)