河野龍太郎のレビュー一覧
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私が著書を手に取ったのは、次の理由があったから。
1.日銀や政府の金融政策の解説を読みたかったから。
タイトルに日本経済と書かれていたので、金融政策に触れていると思った。
2.自分が経済的に豊かになれるヒントを知りたかったから。
読み終わった後、知りたいことがあったかどうか。
1.について、日銀や政府の金融政策や、大手企業の経営者の傾向が書かれていた。最近、日銀が利上げを行った背景を理解することができて、満足した。
2.著書の最後に、日本経済が豊かになるヒントが書かれていた。それは、限界生産性をあげること。自分が会社の仕事にどうアプローチすればよいか、また自分の事業をどう成功させるのかを -
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日本経済は過去30年、生産が上がらなかったのでは無く、大企業が人件費を抑え続けてきたために停滞していた。前半は日本経済について、後半は経済に影響を与える社会制度やイノベーションについて述べられる。特に興味深かったのは、イノベーションには収奪的と包摂的の2種類があるという論。蒸気機関による第一次産業革命においても最初の100年は労働者の実質賃金は上がらなかったという。むしろ工場での長時間労働により労働者は搾取されていた。それが鉄道網の敷設、電信網の敷設により経済全体が拡大すると労働者にもイノベーションの恩恵が広がっていった。イノベーション自体は元来野生的であり、社会として飼い慣らす必要がある。そ
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私が社会人になった頃、就職氷河期と言われ、何社受けても希望の会社は最終面接まで行けず、相当の苦労があった事をよく記憶している。そのうち就職先はどこでも良くなってきて、全く希望と関係ない業種にまで手を伸ばしたりした事も覚えている。結局、上場企業なら何でも良くなって(活動に疲れた事もあり)、一社合格した時点で面倒になってやめてしまった。今思えばその後の人生に関わる重大事にも関わらず、よくもそんなに早く諦めたなと、当時の自分に文句が言いたくて仕方ない。だが、毎日遊び呆けているような大学生にとっては、そもそも働く事自体にいきなり前向きになれと言われても無理な事だし、法学部で大半の友人が公務員になる中、
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論旨が明確。根拠も明確。
・日本では、労働生産性は上がっているのに、実質賃金が上がっていない。日本の労働生産性は、ドイツ・フランスより高い。ドイツ・フランスは、実質賃金が20%程度上がっている。
・企業(特に大企業)から家計への所得移転が進んでいない。バブル崩壊で、メインバンク制が崩れた。その後のリーマン・ショックやコロナで「貯蓄」があったことにより雇用を守れた。団塊の世代がおり、年配者が多いので、給与を上げると経営がきつい。大企業の意思決定層は、定期昇給があるので、ベアがなくても給与が増えているため、給与が上がっていないという実感がない。これらたくさんの理由から、企業は貯蓄をし、インフレ -
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P64
社会保険料負担の増大と非正規雇用の不安定化
高齢者社会保障費対策(2001年から2006年 小泉内閣)
子育て支援(2022年 岸田内閣)
P92
アメリカの労働生産性の高さ
コロナ禍でホワイトカラー含めリストラが増加したものの、その後、人手不足もあいまってより高い給与を得られる会社への転職が進んだ(リシャッフル)
日本はこのような動きがなく雇用が守られてしまった。
P98
ヨーロッパ
ドイツの停滞
ロシア、ウクライナ戦争
原発停止
中国からの輸入品
EV
太陽光パネル
リチウムイオン電池
2024年、中国での自動車売上No.1 BYD(フォルクスワー -
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ネタバレ直近の経済事情について学べる良本。特に良かった点は以下
・中国経済の評価として社会主義で企業統制が厳しい印象だったが、実際には寡占を防ぎ、スタートアップが活躍しやすい基盤を整えている(GAFAMに買収され続けるような状況を防いでる)
・アベノミクスによって株価が上がったのだと思っていたが、実際には金融緩和を強引に推し進め、出口戦略もないままだらだらと緩和し続けていることがわかった。結果今の円安につながっている。賃金は上がらず、企業の内部留保で上がった収益が分配されていない現状がある。日本はインフレ税を輸入しており、それにより経済が恰も良くなったかのように見える。物価が上がっても賃金が増えないの -
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非常に明快な経済書。
第1章の図1-1で示されるグラフ(日本の生産性と実質賃金)がすべてを語っています。
日本の実質賃金が低迷しているのは、生産性の問題ではないことを国際比較などから明らかにし、儲かっても溜め込んで、実質賃金の引上げも、人的資本投資にも慎重な大企業が長期停滞の元凶であることを確認した上で、なぜそうした状況に陥ったのか、歴史的に分析しています。加えて、社会情勢が大きく変化して、家計の直面するリスクが大きく変化したにもかかわらず、それに応じた社会保障制度のアップグレードを政府が怠り、セーフティネットで包摂されない人が増えていることも長期停滞の理由として挙げています。
こうした「収奪 -
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賃金が上がらないのは、生産性が低いからではない!
結構衝撃的ではないだろうか。
日本も生産性はアメリカほどではないが上がっていた。でも、その間、労働者への還元はなかった(ベースアップなし)。
それが四半世紀も。。。
これが、日本が貧乏になった理由だ、と。
労働者に還元されないから、日本国内でモノが売れない。そのため、日本への投資はせず、もっぱら海外への投資を行う。
この成果も日本には還元されない。
儲かってはいるから株価も上がるが、日本では現金以外への投資が少なく、これも国内には還元されない。
言葉を定義してから使ってもらえるともっとわかりやすくなるのに、もったいない。
最初の方か -
Posted by ブクログ
ネタバレ河野龍太郎さんのインタビューを新聞で読んで、この方の本を読んでみたいと思い、この本に辿り着く。
この本は、萱野稔人(津田塾大教授)が、安倍政権で推し進める金融緩和に反対意見を主張する3名、藻谷浩介氏(日本総研主席研究員)・河野龍太郎(BNPパリバ経済調査本部長)・小野喜康(阪大教授)とそれぞれ対談した内容がまとめられている。
感想。とっても面白い。読んで良かった。
備忘録。
①藻谷氏の見解
・リフレ論は「供給されたお金は必ず消費される」という前提に立っている。それは現実と乖離している。
・バブル崩壊以降の日本の景気低迷は、貨幣供給量不足が引き起こしたのではなく、モノの需要不足によるものだ