鎌田東二のレビュー一覧
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そういえば「神道」というのは、身近なようで何も知らないなぁ、と思い、神道入門に読んでみることにしました。
自然への畏怖と尊敬が根底にあるというのは非常に伝わってきました。また、神道の歴史をざっくりと説明していたため、(こんな経緯があったのか)と興味深く読み進めることができました。
ただ、本書に限らないそもそも論的な話になりそうですが、未だ宗教というものが掴めそうにありません。読む途中途中、(ほんまの真面目に?)と感じてしまう自分が悲しかったです。まだまだですね…。
本書は神道における道具や神々の解説本ではなく、本質的なものを語っているため、目的に合致していれば面白いのではないでしょうか。 -
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鎌田東二氏は、上智大学グリーフケア研究所特任教授などを務める宗教学者で、神職の資格を持ち、神道ソングライターとして作曲活動も行っている。また、『神道とは何か―自然の霊性を感じて生きる』(2000年/PHP新書)は、「松岡正剛の千夜千冊」(0065夜)でも取り上げられている
私は、「死んだらどこへ行くのか」というテーマに弱く(?)、これまでにも、書棚・蔵書録をざっと見ただけで、『人は死んだらどこに行くのか』(島田裕巳)、『死んだらどうなるの?』(玄侑宗久)、『わたしが死について語るなら』(山折哲雄)、『輪廻転生』(竹倉史人)、『恐山』(南直哉)、『死生観を問い直す』(広井良典)などを読んだ。
そ -
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二点。ひとつは一元集約型の限界。もうひとつは善意や正義の押し付け。
まず復興について言及しているのは、やはり一元集約型じゃなく、分散して地域の特性に合わせること。これは一概には言えないが、大きくなりすぎた企業や組織もそうあるべきだと思う。もっと小単位でフレキシブルに自律的に動けるほうが、活動密度も濃い。「トップダウンがほしい」「上からの方針がないと」みたいに、いけしゃあしゃあと他責が簡単に許される大組織では先が思いやられる。
また、ボランティアでありがちな「自分は正しい」「良いことをしている」みたいな強すぎる思い。例えば、本来サポートに徹する立場なのに、過去の実績をこねくりまわして「こんな -
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ネタバレ[ 内容 ]
従来、弥生時代に起源を持つとされることが多かった神道。
しかし、本書で著者は、縄文時代、さらにはそれ以前から人々に宿るアニミズムの感覚に遡る、より大きなスパンで神道を捉え直すことを提唱。
その視点から神仏習合、吉田神道の登場、神仏分離令に至る、神道の歴史を読み解いていく。
大いなる自然から贈られ続ける生命に驚き、感謝して生きる「かみのみち」こそが、環境破壊・宗教不信など多くの問題を乗り越え、新たな世界を開くと説く、壮大なる神道文明論。
[ 目次 ]
第1章 神道の環太平洋ネットワーク
第2章 日常に宿る神道
第3章 神と仏はなぜ習合したか―神道の原像と展開
第4章 神仏分離令と -
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古代から現代にいたるまでの神道の歴史のなかから重要な事項をピックアップして紹介するとともに、宮崎駿のアニメや松任谷由実の音楽にも言及しながら著者自身の考える神道の本質的特徴について論じている本です。
著者は、さまざまな地域や文化に見られるアニミズムや、レイチェル・カーソンの「センス・オヴ・ワンダー」にも通じる生命論的な発想が、神道の根幹をかたちづくっていると考えています。こうした著者の主張は、これまでもさまざまな著作のなかで述べられていたので、あまり目新しさは感じませんでした。
また、鈴木大拙の「日本的霊性」に対する批判もくり返されています。これについては以前にも述べたように、個人的にはか -
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「神仏習合」を基軸にして、古代から近代にいたるまでの日本の宗教史を著者自身の立場から概観している本です。
著者は、「八百万の神」に祈りをささげるわれわれ日本人の宗教意識の基底をなしているのは「神神習合」だったと主張します。そのうえで、仏教の伝来以後の日本の宗教史においては、この基底的な宗教意識にもとづいて、「神仏習合」が推し進められてきたと論じています。仏教の影響を取り除くことによって神道の本質を明らかにしようとする試みは、しばしば玉ねぎの皮むきに喩えられますが、著者はそうした方法で日本人の宗教意識の基底を明らかにすることはできず、むしろ習合の事実を肯定的に認め、そのなかにこそ日本人の宗教意