ARUKUのレビュー一覧
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ネタバレ毒物研究の准教授×触れられると激痛が走る奇病持ちのサラリーマン。
織部くんは激痛持ちだったからどんな痛い話になるかと思いましたが、今回はARUKUセンセ比で激甘寄りでした。切なさもありながらのデロ甘。
奇病のせいで恋したいけど恋ができない囚われのお姫様のようなかわいいハートの持ち主の織部。ワラにもすがる気持ちで鰐淵のもとを訪ねるとミラクルが起きてしまう…って展開がもうセンセならではのすごさですね。
織部の痛みから逃れたいゆえの気持ちと、鰐淵のちょっとイジワルな好奇心が化学反応を起こして、どんどん本物の恋愛へと変化していく様子にドキドキさせられるし、胸キュンにさせられるしでたまらなかったです。
織部をイジメぬく悪役みたいなのが今回いなかったですね。助手くんはグッジョブ連発だったし、4兄弟のお兄ちゃんはマトモでした(笑)なのでちょっと希薄な感じがあったかもですが、その分Hシーンが満載で(しかもラブラブ)センセの絵柄で濃厚なの見せられるともう目を見開いてじっくり味わうしかなかったです。
そして、鰐淵が人を好きになる機能が備わっていない人間だったので、はたして織部を幸せにすることができるのかと随分心配しました。
だけど、鰐淵も織部という愛さずにはいられない存在を知ることによって人間らしい愛情に目覚めるというミラクルがおきたので安堵しまくり。
ラストのどんでん返しがすごく良かったです。
鰐淵がぜんぜん毒王じゃなくて、溺愛王になってたのが最高。もうこれからは棘姫は泣き虫じゃないですね。幸せになってほしい二人です! -
Posted by ブクログ
「30万円は 人を踏みにじるには 安すぎるんだよ」
ARUKUさんの中でも特に痛ましい作品でした。事故後の現在と、そこに至るまでの過去が交互に描かれ、サスペンスのような緊迫感がある話。
欲望のままに暴力で人を支配した事実は、簡単には許されない。「好きだったから」の免罪符で、なし崩しに攻が許されてしまうBLも多い中で、ここまで徹底的に打ちのめされる作品はなかなかないと思う。だからこそ、人を変えるだけの美しさをもった奏の魅力が光る。
奏が許すっていうならしょうがないけど、凍月はほんとにドクズである。でも、人は変われる。生きていればいつだって遅くない。 -
購入済み
丁寧な感じ
丸々一冊表題の話。
主人公のキラキラさは、読んでいるこっちも眩しかった(笑)
この作者さんの作品、4冊読んでみましたが、短編も含め丁寧に読み手に伝えようという感じが伝わってきます。もっと描いてほしいな。
最後の先が読みたいです。 -
Posted by ブクログ
読んでいる間中、痛くて痛くてたまりませんでした。
東京から来たドクズなエリート所長×寂れた地方都市に住む無垢な作業員。
時代は昭和50年代くらい。最初の方で時代背景の説明がなくて??となったけど、電話が昭和でした(笑)
cpにものすごい格差があるところはセンセらしい設定で、そこから起こる悲劇に胸を締めつけられました。
凍月は典型的で古典的な最低男で、前半とても腹立たしかったです。わかりやすい極悪です。そのくせ、見た目はすてきでハイスペックだから、ますます始末が悪いんですよね…
対する奏は顔も心もきれいでまさに清貧、というかんじ。病気の母親のために我が身を犠牲にする奏には、薄幸という言葉しか思い浮かびません。
この二人が、どうやって愛し合う関係に行き着くのか、とても興味がわきました。なんか、色々無理な気がして。
凍月みたいな人でなしが、純粋な愛に目覚めるわけないじゃん、とか、奏はあんなに酷い目に遭った相手を好きになるほど馬鹿じゃないよね、とかツッコミたくなるほど凍月最低すぎて。
だけど、ここから怒涛の展開があって読んでいて思わず引き込まれてしまいました。
わりと昏睡ネタがあるセンセ。陳腐になるかと思ったら、びっくり。後半亡命展開長くて心配MAXに。でも、いろんな意味で奥さんが一番怖かった…(笑)
悪意に満ちた世界で悲惨だった奏だけど、悪い事ばかりでもなかったのではと思わせるシーンもあり…泣けます。
特に、凍月の変化ですよね。彼は大切なものを失う辛さを知ったからこそあそこまで変われたのだと思います。
弱い者が強い者に復讐するだけのストーリーではなく、愛することについて深く考えさせられる話でした。
凍月が真実の愛に目覚めて、目覚めない奏に献身的な愛情をひたすら注ぎ続けるシーンは切なくて悲しくて、彼も前半の攻様と同一人物とは思えないくらいの変わりようで…
一体どうなっちゃうの??と心配したけど、きっと二人は幸せになれるのではと願わずにはいられなかったです。
エロ的には前作あまりエロがなかった分、今回てんこ盛りだったような~
だけど、ラブラブHではなかったので★が1個減りました。ストーリーは訴えかけてくるものがあって良かったです。 -
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不思議な世界観。登場人物たちを変えて語られる7つの短編集。共通しているのは、みなどこか歪でグロテスクでそしてハートフル。これほど傾向の異なる話を、ひとつの本として捉えるのは難しいけど、あえて言うなら、どの話もキャラクターそれぞれの“キラキラ”が語られている。“キラキラ”とは美しさや清冽さ輝き、どれにもとれるけど個人的には希望を推したい。どの話にも希望があった。
読むきっかけにもなった『マイガール』がやっぱり好き。二人の逃避行の一コマが口絵にあって嬉しかった。ちゃんとモップみたいな小動物つき。『インソムニア』視点が優しくて好き。意外な展開『レインキャット』など。
強い女性や美しい男、架空の生き物。カテゴリにとらわれない不思議なストーリーに綴られる希望と、そして、つかめない何かに惹かれる。またこの人の本を読んでみたい。 -
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この手のファンタジックですれ違いからのラブラブな物語には、この方の絵柄が合っているのかもしれない。恐らくそうなんだろうと思う、が、敢えて言う、ARUKUの紡ぎ出す物語はARUKUの絵だからこそなのである。いたいけさ、献身、その為に流れる涙の描写は原作者の絵柄合ってこそだなぁ…と思わずにいられない。こう言う読み手がいるから、絵を描いた作家さんには大いなるプレッシャーだった事だろう。
正直に書いてしまうと、初期の「どこでもない場所・国」を舞台にしたおとぎ話的要素とSF要素が色濃い作品の切れ味が少し「甘め」になっている様に思える。本来原作者が描きたかったのはこちらなのかもしれないが、『画家と音楽家』の様な、血を流して描いている感じが薄れてきている気がしてならない。
読者然り、作者も「現在進行形」なので、変化して当たり前なのだが、『おれの人魚姫』も含め、この作者には「原作者」側に回って欲しくない。むしろ絵が付いてない方がこの人の能力が発揮できるのでは…とさえ思う。小説を書いても漫画と遜色のない言葉を紡げる人だと思うので。 -
Posted by ブクログ
ARUKUは魂の純度を信じている作家さんだと思う。そしてこれまで描かれた作品のモチーフはほぼ全て「富める者」と「貧する者」の「身分違いの恋」であると言える。きっと作者自身が「何も持たない自分」と言うものとずっと葛藤して来た人だからだろうと思う。
私は遥々アルク名義で描かれた『猿喰山疑獄事件』を読んで以来、全てのコミックスを読んでいる。作者自身の魂の叫びを写し取ったような持たざる者の悲鳴が聴こえるような作品で、いつも涙が勝手に溢れて来た。これは言ってはいけない事かもしれないが、何ゆえに「原作者」になってしまったのだろう、業界の内情は知る由もない。ARUKUの紡ぎ出す物語は、作者の「絵」があってこそだと思う。
この作品は完全なるおとぎ話で終わっている。寓話的手法は遥々アルク名義時代に際立っていた。その時は「描く事」自体への作者自身の不安が重なり、そんな事をしても何もならないのだが、ずっと本を抱きしめていたい衝動に駆られるくらいに、情動が揺れて仕方がなかった。何かせずにいられない気持ちになった。
ツイッターなどの作者のツイートを読んでいると、作者自身が混迷の中に在るのだな、と言う感じが伝わって来て不安になる。
作者の絵は非常に癖がある。一見、表情が単一的、デッサンも狂っている様に見えて、「綺麗な絵」に慣れている読者には「物語」の良さが伝わらないかもしれない。そう言う事なんだろうか…作者原作のコミックスが2冊発行されている。
ARUKUは描かせる側に回るべきではない稀有な作家である。作者自身に作者自身の物語を描いて貰うべきである。本作を描かれた雪居ゆきの絵はARUKUの世界観を壊すものではなく、物語にとても合っていたと思うが、私は元々ARUKUファンなので、本人に描いて貰いたかったなぁ、と言う正直な気持ちは隠すつもりはない。 -
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ARUKUセンセ原作。
編集者の由比が、「俺と君は恋に落ちる運命なんだ」といきなり旅行ライターの雨森から告げられるところから始まる、予知夢を扱ったストーリーです。
こういうストーリーが最近巷で流行ってるのかよく目にするけど、ARUKUセンセの話は独特の切なさと優しさを伴っていて別格ですね。
コウキ。センセの繊細な絵柄が似合っていました。
前半の雨森がひたすら由比に恋心を告げるところは、まあよくある話だなと思ってましたが、後半…!
このまさかの壮大などんでん返しにはうるっときました。
愛の力のすごさです。そして運命の相手にはどんな困難が待ち受けていても、必ず巡り逢え愛もまた甦るのだという希望を感じさせてくれる話でした。
タイムスリップものはロマンあふれていて好きですが、ARUKUワールドはそれだけにとどまらず、人生そのものを考えさせられる力があります。
由比のボールペンじゃないけど、些細な事柄も愛おしくさせられます。愛する由比にかかわるどんな小さなことも見逃さなかった雨森がステキでした。
今回もARUKUワールドに心を揺さぶられました! -
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一途で切なすぎる恋の話でした。
ARUKUセンセ原作とのことで購入してみました。雲居ゆきセンセの絵柄はやさしくて繊細で話のイメージにぴったりで、特に薄幸なねずみちゃんがとてもかわいかったです。
ストーリーはあのARUKUワールド全開で、涙が止まらなかったけれど読後は心が洗われました。雲居センセは原作の独特の世界観をきちんと描き出していたように感じました。
大手文房具メーカーの若手常務×消しゴム工場の工員。
爆発事件で失明してしまった悠馬は、敵が多い自分の味方として「名無し君」だけに無防備な姿を見せるようになるのだけど、本当の恋を知らずにいい加減な人生を送ってきた金持ちの顔だけ男というのは絶えず見え隠れしています。
一方のねずみちゃんはやさしくて心がきれいな男の子なんですが、吃音のせいで周囲からは誤解されてばかりの損な人生を送っています。
道雄が悠馬を好きな理由にキュンときました。悠馬にもすごくピュアな子供時代があったのね…
消しゴム工場!?っていう設定に驚きました。
でも毎日単調な作業に一生懸命向き合う道雄と、かわいいのにできそこないとして廃棄されてしまう不良品には似たものがあって、胸が締めつけられます。
金持ちのお坊ちゃんの悠馬にとってはお弁当やパンなんて些細な好意だろうけど、そこにはねずみちゃんのせいいっぱいの思いやりがつまっていて、胸が熱くなりました。
ねずみちゃんの遺言をみつけて悠馬の悪友の柏原が追いかけるシーン涙が止まりませんでした…!柏原を見直した!ねずみちゃんに言い聞かせた言葉もよかったです。
それにしても恐ろしい女でしたね~
悠馬が真実に気づいてくれてほんとに安堵しました。
本当の恋も知った悠馬。よかったです。それもこれもねずみちゃんの献身愛のおかげですね。
おい、とか名無し君、としか呼びかけてなかったけど、最後に人魚姫って呼んでてラブラブでよかった!
今後はねずみちゃんに感化されていい男になっていい経営者にもなって、幸せにしてくれると思います。
「ダリアの恋」は、戦時中の商家の下男とその家の病弱な長男との恋物語。こっちもイジワル継母が嫌な女で。
辛さを乗り越えて結ばれる胸を熱くさせるお話でした。 -
Posted by ブクログ
ARUKUさんの本質は「ロマンチスト」なのかもしれない。『ほんとは好きだ』からその傾向が顕著になっている気がする…と言う事に今頃気付いたARUKUさんの大ファンな私である(笑)。本作はARUKUさんのロマンチシズムが全開な作品であるが、やはりARUKUさんである、モノローグの詩的(と言うより小説的)表現、持ってない人間の慎ましやかな生。
登場する二人はダブル不倫と言う実に生々しいものを抱えていて、個人的に社内不倫などを現実で目の当たりにして嫌悪感を覚える性格としては、最初は素直に物語に入り込むことが出来なかった。結婚したからには一生添い遂げなければならない、と言う部族の掟がある訳でもない現代に在って、結婚後、契約を結んだ伴侶より愛する者が現れれば、不倫ではなく、離婚と言う法的手段を自分の責任で持って行い、それから愛する人に向き合うべきである。その決意がなければ、好きな気持ちを黙って飲み込むことだ。何故なら、結婚と恋愛は別物だから。結婚は誓約書にサインをし、それによって社会的な責任を負う、と言う自分の意思だからだ。自分の意思を違えるのだから、それ相応の覚悟をして愛する人に向き合うべきだ、と思うからだ。火遊び程度であるなら、相手への想いもその程度なのだ。そこに「愛」だの「恋」だのを並べ、人間味を持ち出して甘えるんじゃない…間違いなく伴侶なり子供なり親なり、周囲の人間を傷つけている訳だから。
理性でそれが解っていながらも落ちる「恋」が描いてある。当事者の二人、真壁と花岡の苦悩の身を切られる様が描いてある。「恋」は感情、「愛」は理性なんだなぁ…