ARUKUのレビュー一覧
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この手のファンタジックですれ違いからのラブラブな物語には、この方の絵柄が合っているのかもしれない。恐らくそうなんだろうと思う、が、敢えて言う、ARUKUの紡ぎ出す物語はARUKUの絵だからこそなのである。いたいけさ、献身、その為に流れる涙の描写は原作者の絵柄合ってこそだなぁ…と思わずにいられない。こう言う読み手がいるから、絵を描いた作家さんには大いなるプレッシャーだった事だろう。
正直に書いてしまうと、初期の「どこでもない場所・国」を舞台にしたおとぎ話的要素とSF要素が色濃い作品の切れ味が少し「甘め」になっている様に思える。本来原作者が描きたかったのはこちらなのかもしれないが、『画家と音楽家』 -
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ARUKUは魂の純度を信じている作家さんだと思う。そしてこれまで描かれた作品のモチーフはほぼ全て「富める者」と「貧する者」の「身分違いの恋」であると言える。きっと作者自身が「何も持たない自分」と言うものとずっと葛藤して来た人だからだろうと思う。
私は遥々アルク名義で描かれた『猿喰山疑獄事件』を読んで以来、全てのコミックスを読んでいる。作者自身の魂の叫びを写し取ったような持たざる者の悲鳴が聴こえるような作品で、いつも涙が勝手に溢れて来た。これは言ってはいけない事かもしれないが、何ゆえに「原作者」になってしまったのだろう、業界の内情は知る由もない。ARUKUの紡ぎ出す物語は、作者の「絵」があってこ -
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ARUKUセンセ原作。
編集者の由比が、「俺と君は恋に落ちる運命なんだ」といきなり旅行ライターの雨森から告げられるところから始まる、予知夢を扱ったストーリーです。
こういうストーリーが最近巷で流行ってるのかよく目にするけど、ARUKUセンセの話は独特の切なさと優しさを伴っていて別格ですね。
コウキ。センセの繊細な絵柄が似合っていました。
前半の雨森がひたすら由比に恋心を告げるところは、まあよくある話だなと思ってましたが、後半…!
このまさかの壮大などんでん返しにはうるっときました。
愛の力のすごさです。そして運命の相手にはどんな困難が待ち受けていても、必ず巡り逢え愛もまた甦るのだという希望を -
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一途で切なすぎる恋の話でした。
ARUKUセンセ原作とのことで購入してみました。雲居ゆきセンセの絵柄はやさしくて繊細で話のイメージにぴったりで、特に薄幸なねずみちゃんがとてもかわいかったです。
ストーリーはあのARUKUワールド全開で、涙が止まらなかったけれど読後は心が洗われました。雲居センセは原作の独特の世界観をきちんと描き出していたように感じました。
大手文房具メーカーの若手常務×消しゴム工場の工員。
爆発事件で失明してしまった悠馬は、敵が多い自分の味方として「名無し君」だけに無防備な姿を見せるようになるのだけど、本当の恋を知らずにいい加減な人生を送ってきた金持ちの顔だけ男というのは絶え -
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ARUKUさんの本質は「ロマンチスト」なのかもしれない。『ほんとは好きだ』からその傾向が顕著になっている気がする…と言う事に今頃気付いたARUKUさんの大ファンな私である(笑)。本作はARUKUさんのロマンチシズムが全開な作品であるが、やはりARUKUさんである、モノローグの詩的(と言うより小説的)表現、持ってない人間の慎ましやかな生。
登場する二人はダブル不倫と言う実に生々しいものを抱えていて、個人的に社内不倫などを現実で目の当たりにして嫌悪感を覚える性格としては、最初は素直に物語に入り込むことが出来なかった。結婚したからには一生添い遂げなければならない、と言う部族の掟がある訳でもない現代に -
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この世界観が大好きです。ファンタジックで郷愁を誘う背景。今ではないここではない、いつかのどこか。
すべてに惹かれてしまいます。
変わった名前のチロリ。清く貧しく美しく生きる姿に胸キュン。
へんな生き物たちもだんだんかわいく見えてくるから不思議。
自然と共存して日々過ごすチロリたちの村にリゾート開発の話が持ち上がります。推し進めるのはアキラの親である市長なのですが、市長にはある思惑があって。
BL色は薄いんですが、バカバカとチロリをいじめるアキラに激萌え。好きなくせに素直になれなくていじめることしかできないちょっと憐れないじめっ子の典型です!
ぜんっぜん恋心に気づいてもらえないところに萌えま -
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ARUKU名になる前の、初期短編集。どれも心に沁みるいい話で余韻が残ります。
表題作、よかったです。つつましく不器用で、でもびっくりするくらいダイレクトな愛情表現。グレゴリーはきっと幸せにしてくれるに違いないと確信できるラストでした。
センセの作品は、いつも孤独な人生を送っている人にスポットライトが当てられています。都会の片隅でひっそり生息しているような…
そして、貧乏だったり。
そんな彼らが包み込むように甘い愛情を得て幸せになっていく様子は、至福の一言。
「ギャンブラー大竹」はこの1冊の中ではキュンとさせられて笑えるところもあって、カワイイ話でした。鈍すぎるギャンブラーってww
独りぼっち -
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ネタバレアルクさんのシリアスでちょこちょこはさまれる、ちょっと独特なテンポのすっとぼけた雰囲気が全般なお話でした。
これはこれで読みやすくていいと思います。
ハスネくんがえらい乙女で、仕事の相方のべっしー(女子)が一番男前でした。あ、川合さんも(笑)
そして、攻が王子様なのは変わらず。
カウンセラーの旭さん、一番まともで男前なのに少々可哀想でした。新しい出会いもあった(?)からいいか。
何だかんだで、蓮根くんは途中くらいからずっと藤原さんの事好きで両思いなのを認めるまでのお話でした。
そういえば、川合さんもすごい王子顔でしたね。漢らしい。 -
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久しぶりにBL。家族を事故で亡くし一人生き残った主人公秋緒。
親戚の伝手で古道具屋の商売を受け継ぐことになるけれども
そこは不思議な、この世のものではない客ばかりがやってくる―。
古道具と亡き人々にまつわる不思議でちょっとホラーなお話?という雰囲気でスタートしますが・・・
さすがのストーリーテラーARUKUさんの作品、
完結する2巻の最後までぜんぜん気が抜けません。
それにしてもホラー描くの上手ですね・・・怖い。
昭和な香りの色濃い稀有な作家さんでどんな方なのかすごく気になります。
主人公も秋緒さんだし、なんだか秋の描写が美しくて文学的なのも素敵です。
ARUKUさんの作品最近読んでなかっ -
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表紙めくってすぐにあらすじ?解説?が描いてあって、そのとおり、モテない蓮根がモテ男の藤原に迫りまくられ、そのせいで女に襲われ、悩み戸惑いながら真実の愛にたどり着く…というわりとありきたりな内容なんですが。
すっごく面白かった。夢中で読んじゃいました。
切ないところもあるけどもう、胸キュンでした。ハスネが天然で、無自覚に恋をしちゃって、どんどん思考が乙女になって、かわいすぎ!これはもう反則です。
DTで恋にも不慣れでひとりでぐるぐるした挙句、会社の隣のカウンセラーのところに駆け込んで、あれこれ相談しちゃったり。
いやいや、旭も最初はめんどくさい奴めみたいな対応だったのに、だんだん絆されてしまって