大野木寛のレビュー一覧
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従軍記者(重大なネタバレになるため人物詳細は伏せます)が北極海へ向かうユーコンの艦内で撮影したスナップ写真とキャプションで航海日誌のようにストーリーが無声で進んでいく中盤の表現手法にまず感心した。こういうやり方もあるのか。
前半はシャアがマッドアングラー隊に着任するまで。
そのシャアにガルマの死について問い詰めるブーンのシーン(帯で公開されているのとブーンが疑念を持っているのは前巻で描写があるのでネタバレではない)での緊張感たるや。当 当然すっとぼけるシャアの声には脳内で勝手にCV: 池田秀一がついてきます)
そして、先述の静謐な中盤を挟んで後半は一転大きな動きがあり、クセの強い従軍記者と捕虜 -
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深海からの脱出戦。
死線を何度も何度も掻い潜り、ついに生き延びたマッドアングラー隊の面々。
もうこれが、物語のクライマックスでいいんじゃないか、と思うほどの熱量でした。ジーク・ジオンの大合唱が、命を振り絞っての叫びの圧がやばい。
ちょっと言葉で表すには、自分の語彙力が足りないのでもどかしいのですが、久々の心震える戦いをみた、という感じです。
鬨の声を、心の底から出る叫びを、脅威と興奮と覚悟で圧倒されてしまいました。
物語上、アムロとガンダムとの戦いが待っているのはわかっていることだけど、これ以上の興奮をくれるのでしょうか。どうも、自分としてはここで盛り上がりすぎた、という気がしています。 -
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フラガナン・ブーン。一年戦争でグラブロを駆り、ガンダムと水中戦を繰り広げたジオン兵。サンダーボルトでも、オマージュした一戦ありましたねアトラスガンダムとグラブロで。
一介のジオン兵である彼が、一年戦争に何を思い何を志して戦ったのか。
彼の思いは、ガルマの仇討ちに塗りつぶされているものでした。
ガンダムといえば、アムロというNTパイロットとのコンビで「白い悪魔」と呼ばれていたのは有名な話ですが、ジオンから見たガンダムがどれだけ悪魔であるかを見事に印象付けている作品だと思います。ガルマ死亡後、イセリナが仇討ちに出た場面が、もう怖い怖い。ビームジャベリンでガウを切り刻むシーンですが、圧倒的な強さ -
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ネタバレこれはこれで凄く良い終わり方だと思う。最後がちょっと急ぎ足だったので、もう一話くらい欲しかった。でも本編終盤の尺の短さに比べると、こちらの方がむしろすっきり終わった感じすらする。
クダンの限界の発生するトリガーが違うから、その設定自体が少し変わっている恐れはある。そういう意味で、設定的に色々な辻褄が合うかはともかく、ストーリーラインは魅力的に構築されていた。
金枝篇を最後にもう一度持ってきたり、デューイの役割こそ変わらないものの、彼自身の死が設定的により上手く機能していたりと、要素の回収や再構築の手腕は良かったし、1巻同様、二人のヒロインの対比により力が入ってた点も良い。バレエ・メカニッ -
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京田監督大絶賛ですわ。僕もそう思う。
エウレカ関連のコミカライズでは最も絵柄もシナリオも原作らしさがあるもの。
ちなみに朗読劇形式の第51話の副題である「ニューオーダー」とは関係無し。
物語は、人類のためにエウレカが月光号を出ていく所から始まるため
「交響詩篇」のどの部分から分岐した物語なのかは不明。
この先「交響詩篇」と「ニューオーダー」の世界が交わるかどうかも不明なので
完全新作と言っても過言では無いね。
しかしまあエウレカは不憫な子ですよ。今作だって
エウレカの記憶を大地に還せばコーラリアンの暴走を止める事が出来、人類は救われる。
っていう悲惨な設定よ?
エウレカがどう足掻いても幸せに -
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新章開幕の「フラナガン・ブーン戦記」4巻。
発足したマッドアングラー隊は、北極への偵察任務に。目的は、白いMSの情報収集。
連邦の白いMSといえば、言わずと知れたRX-78-2のガンダムなのですが、戦場には他にも悪魔と呼ばれる白いMSがいるようです。その中の一機が、サクアが乗っていたとされているザクⅠ。そして、今回ブーン隊の前に立ちはだかったのが、白いゴッグ。
いや、ゴッグはジオンのMSなのに、なぜに敵対するのか。鹵獲されたのか?そもそも、白いザクⅠという存在自体がおかしいのだけど。これも鹵獲機を白くペイントした代物なんでしょう。
ガンダムが白い悪魔と呼ばれるのは、まだ先だと思うのでなぜにカ -
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「フラナガン・ブーン戦記」2巻。
個人的にガンダム界隈でいちばん名前を間違えやすいキャラクターではないかとおもlっています、フラナガン・ブーン。フラガナン・ブーンと勘違いしそう。自分もそうですしね、1巻のレビューでまんまと間違えていますし。反省。
フラガナン機関があるのがいけないんです。同じ1stガンダムに存在するから。あちらはNT研究所ということで、フラナガン・ブーンよりも様々なところで登場するし。気をつけたいです。
復讐と復讐の戦いになっていく2巻。なんというか暗い闇の中の戦い。
1巻でのガンダム描写がとんでもなく恐怖心を煽るものだったのですが、2巻はザクがやばい。己の心情の写し身とし -
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ネタバレエウレカセブンのエンデンィングを、当初の構想に従って再構築・漫画化したもの...らしい。
物理的にすれ違ってばかりの序盤、ピンチを救う爽快感、エウレカらしさはあるものの、本編の終盤よりもどこか悲壮感が強く、重苦しい感じがする。
世界を救うためにエウレカが犠牲になることを選び、そうじゃない道を探すレントンという構図は変わりがないものの、その過程でせっかく獲得した人間らしさを失わねばならない(=エウレカが姿形ではなく内面として、別のものになっていってしまう)ために、より辛さが増している感がある。
アネモネにもスポットが当たっていて、人間を理解するためのコーラリアンというエウレカに対し、真逆 -
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ネタバレまさに6期鬼太郎テイストバリバリな内容でした。
どれもアニメ本編かと思える話ばかり。
ホラーながらはっちゃけたラブコメ話とか(骨女)鬼太郎をもってしても完全解決と行かない少し後味の悪い話とか(貝稚児)妖怪より人間の方が怖い話(妖怪おとろし)など。
まさかのぬりかべと子泣き爺の掘り下げ話には驚きましたが。
ぬりかべ、あんなに喋れたのか……アニメであの話をまんますると中の人大変そうな話でしたが(6期はぬりかべと子泣き爺は同じ方)
6期鬼太郎だからこそ書けたと思えるのは、「3・11の獏」
まさか、ここまで明け透けにあの日の話を書いてくるとは思いませんでした。
あの日は妖怪にとっても悪夢だったのかもし -
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アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』6期の設定をベースにした短編集。
各エピソードは6期の脚本家等が担当。
『鬼太郎』アニメは各シーズンごとに、世界観やキャラクターの性格も違うことで有名だが、こちらの小説もアニメ6期同様に「人間のほうが怖い」印象の話が多い。
個人的には、
・恋に一直線すぎる思いこみの激しい骨女と、骨マニアの青年の恋を、テンション高めに描く『骨女』
(骨女の猪突猛進っぷりが可愛い)
・6期オリジナルキャラクターの犬山まなちゃんと転校生との出会いが、サスペンススリラーに発展する『貝稚児』
(まなちゃんがいると恐ろしげな話も毒が薄れて良い)
・アニメでも寡黙な脇役である印象が強いぬりかべ -
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ネタバレ※カテゴリの作者名はアンソロジーのため、原作者の名前で登録
青verの出来が大変よかったので、こちらも期待して購入。
青に比べて本編アニメの外伝、別視点話がある分、完全新作としての印象は薄い。
ただオリジナルの話はそれで一本アニメ見せてくれと言う出来で唸った。
ネズミ男でまさかああもハードボイルド話が読めるとは!
古川さんのお声で是非アニメで見たかった!
ミステリ仕立てにもなっている重厚な作りで大変興奮した。
現実と虚構が入り乱れる怖さを肌で感じることができたのは、金月氏の話。
初読時は本当に混乱して思わず検索をかけたほど。
流石の構成。
6期ならではのネタだったようにも思う。
あの怖さ、