沢田康彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は今まで短歌を読んでも、分かったふりをしていた。
この本で、歌人たちが表現をどれだけ工夫して読者に伝えようとしているかが少し分かった。
・助詞にこだわる も、だけ、さえ…など強い助詞には要注意。読み手がそうですか、と引いてしまう。
・短歌は具体的に(心情的)、俳句は抽象的、感情表現を差し込む余地が少ない。だから短歌は癒される?自分のことを歌うことができる。
・同じ音数でも、ひらがな、カタカナ、漢字、どれを使うか吟味する。一度両方で書いてみるとよい。
・短歌の表現の軸には「共感」と「驚異」がある。しかし、本当に共感性の高い歌は背後に「驚異」をもっている。わざと特殊な表現…「しぼりこみ」をすることで読者を惹きつける。物事を順番通り並べず、ここだと思う部分を強調する。単なる日記にしない。言葉選び、順番、目線…虚構でもいい、エッセンスを加える。
言い負かしふと見る吾娘のどんぐりを五つ握ればいっぱいの手 本下いづみさん作
泣けた。口は達者でもまだまだ子どもなんだよな。親として反省する歌と解釈した。 -
Posted by ブクログ
う~ん、やっぱり面白いっ!
私はこのシリーズ(『短歌はじめました。』『短歌があるじゃないか。』。執筆者はこの本と同じ)で短歌を読み始めた人間なので、その続編にあたる本作が出たときは「また『短歌~』シリーズが出たんだ! やったーーー!」と心の中で一人歓声を上げたくらいなのである。
(この本に収録されているものと『短歌があるじゃないか。』で収録されている内容が、半分ほど被っていると知ったのは、もう少し後のこと)
短歌同人・「猫又」メンバーの提出作品を、主催の沢田さんを進行役に、穂村・東の両氏が批評するという体制のこの本。
相変わらず、よく言えば肩の力が抜けた、悪く言えば脇が空きすぎな短歌たちが、にぎやかにそして時に真剣に評されていく様子がたいへん面白かった。
たとえばこんな歌。
君と乗る深夜のタクシー窒息しそう閉じ込められた好き好き好き好き 本下いづみ
いいでしょう? どれもこれもそれらもね ほんのわたしの あれ なんですわ 平田ぽん
君の字がやけに綺麗で風鈴の音も忘るる残暑のころに 清野ゆかり
全体的に、プロの歌のような「完成度」はそこにないものの、伸び伸びとした印象を受け、読んでいるうちに同人それぞれの性格も見えてきて、大変親しみやすい。
穂村・東両氏の的をついた批評も、歌の「読み」にぐいぐい分け入ってくれて、歌を読む可能性の大きさを感じる。穂村さんがドライ、東さんがウエット、と作風が正反対なことも、批評に良く作用していると思う。進行役の沢田さんのツッコミの上手さも○、です。 -
Posted by ブクログ
有名無名年齢性別既婚未婚等一切不問のファックス&メール短歌の会「猫又」。穂村&東の人気歌人ペアと「猫又」主催者が、短歌について語ります。
このシリーズ(もう一冊は『短歌があるじゃないか。』)のおかげで、私は短歌に目覚めまることができました!
というわけで、まずはお礼を言いたい。どうもありがとうございます。
いやー、短歌がこれほど面白いものだとは知らなかった。
というか、この本を読むまでは、一体何が短歌の良し悪しなのか、そもそも自分が短歌を良い・悪いで判断できるのかすらわからなかった。
でも、このシリーズを読み進めていくうちに、自分が短歌を読める(詠めるではなく)ことがこんなに面白いものなのか、と気づくことができた。
この本では、「猫又」のメンバーが作った歌を、人気歌人の穂村さんと東さんが愛ある(?)評でコメントをつけ、主催の沢田さんが進行係みたいな形の対談集形式になっている。
「猫又」のメンバーはほとんど素人で、どうやら澤田さんもそこまで短歌に詳しくない人のようなので(本歌取りを知らないくらいだから・・・)、初心者でも気軽に読める。
対談形式なのでかなり読みやすく、肩肘張らずに読める短歌の本。また、評者が複数なので、ひとつの歌でも人によって解釈が違うのだ、ということが自然にわかっていいと思う。
本はずっと好きで、人生の友だった。
けれど、短歌のことはこの本ではじめてきちんと向き合った気がする。
新しい世界を開拓できたことがうれしい一冊だった。