中根千枝のレビュー一覧
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日本人が大好きな<タテ社会>という言葉を世に広めたすごい本。
人類学者の著者が人間関係や組織・集団について分析したもので、世界的に見て独特な日本の社会構造を丸裸にしてこき下ろし、トドメを刺しつつ最後にお情けでちょっとだけ光を照らしていくスタイルとなっている。
したがって、伝統ある日本的組織に臣従している愛国心に溢れたピュアな企業戦士のような人が読むと、かえって気分を害することになるでしょう。
いっぽうで、ある程度社会経験を積んでおり、会社という組織に違和感を覚えながらもやもやとした社畜生活を送っている大多数の人にとっては、言いたいことを全部言ってくれている気持ちの良い著作です。
初版1963年 -
Posted by ブクログ
名著『タテ社会の人間関係』を著者自らが解説し、さらにその理論を現代日本が抱える問題に適用することを試みた本。
『日本的社会構造の発見 単一社会(ユニラテラレル・ソサエティ)の理論』附録。
以下、『タテ社会の人間関係』の内容整理。
日本の社会的構造を他国のそれと比較する形で分析し、その特徴を解明することが本書の主題とされている。
本書における筆者の主張をまとめると、下記の3つ。
①日本社会における集団意識では「場」が優先される
② 日本人は「ウチ」「ヨソ」の意識が強く、人間関係の機能の強弱は実際の接触の長さ、激しさに比例する
③日本の組織の階層は強い「タテ」の関係で構成される
①は、 -
Posted by ブクログ
50年前に刊行されていまだに読み継がれているという日本社会を論じた代表的な書籍になります。いままで読む機会がなくようやく読みましたが、納得する点も多々ありました。原則ではなく人間関係がモノを言う、「ウチ」と「ソト」の意識、などの概念は今でも十分通用すると思います。ただ学術書ではなく一般書を意識してあえてそうしたのかもしれませんが、データの裏付けや検証部分については省かれていて、うがった見方をすれば「それは著者の周囲の偏った社会の中だけではないのか?」ということも言えるわけです。また海外との比較もたまに書かれていますが、英国、インドとこちらもかなり限られたサンプルとの比較であることは否めません。
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Posted by ブクログ
中根千枝 「 タテ社会の人間関係 」
会社などの社会集団から日本社会の特徴を抽出した本。
否定的な論調だが、会社に関しては、契約や論理より 感情や一体感を優先させる日本的集団の方が、明確な指揮命令や統率のとれた組織行動に 経営合理性があるように思う。
日本的集団の問題点
「序列で物事が決まり、個性が奪われ、法律が無視され、ウチとヨソモノの意識が強まり、ヨソモノ排除へ向かう」
日本的集団の特徴
*2つの集団の合併は、一方による乗っ取りでしかなく、序列により系列化しているだけ
*提携は 表現であって、実態の構造を反映していない
*リーダーは一人であり、リーダーの交代は困難
*集団は 乗 -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会集団構成の要因を「場」と「資格」の2つと捉え、それぞれの内部メカニズムを分析することで、こと日本におけるタテ社会の人間関係を描写した1冊。
特に印象的だったのは前述の2つの概念整理に加え、会社内における序列意識の一節(原文は下記)。日本社会は場を重んじる社会集団であり、大きくその特徴として①序列意識(年長者など)②集団内のエモーショナルな結びつきの2つが挙げられる。
これらを背景とした際、重視すべきは自分個人の能力ではなく、集団内における自己の立ち位置や結びつきであり、故に下記のようにどこまでいっても「オレだって」という不公平感が拭えないのだと理解できる。他国と明確な比較を行なったことは