石川拓治のレビュー一覧
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青森のりんご農家木村さん。とても可愛らしい笑顔で、様々な媒体で存在は知っていたが文庫で初読。
前情報として、無農薬、宇宙要素が詰まっていて読む前から何故か神聖な気持ちに。
出稼ぎや、同業から厳しい声のなか苦しい生活と、懸命に模索してきたお姿。
アセンションされるのは稀に見る一生懸命な人だとか。ロマンと、自分でも選択することで行動ができると、食への意識が変わった。
山中で「自然の中に答えは元からあった」というような気付きのシーンが印象的。
種苗法や農薬問題は長らく問題視されているため、現在の活動、国内・海外の自然栽培生産者への技術指導により日本から広がり、かつてのまたは未来の世界へ繋がると考えさ -
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Posted by ブクログ
表面だけをなぞるとただの天才だが、壮絶な苦悩の上に成り立つ物語に鼓舞された。グランメゾンパリを見た上で、やはりフレンチって奥深い。
・全てを自分の仕事と思えるか
自分が与えられたタスクは終わったからもういいや。自分の報酬に割に合わない。など考えてしまうから、それまでの人にしかなれない。
とことんギバーの精神で献身し続けることこそ、ブレイクスルーが見えてくる
・プロである意識
ミシュランだろうが日々の顧客だろうが、先方が誰であろうと、常に全力のアウトプットを出し続ける。相手によって態度やクオリティを変えることはプロではない
・ブレイクスルーに不可欠なスタンス
これで完璧と思った時点でそれは -
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Posted by ブクログ
205ページ
1300円
5月11日〜5月12日
無農薬でリンゴを作るのは不可能と思われていた。その不可能に挑戦した男、木村さんの半生を描く。完全無農薬に挑戦し、虫をとり、酢をかけ、考えうることをすべてやってみたが、リンゴは花を咲かせず、半分の木が枯れた。収入がなくなり、家族にも苦労をかけ、木村は首をくくろうと山を登る。山の上でどんぐりが元気に育っている様子を見て、そこからリンゴの根っこ、土に目をむける。9年ぶりにたくさんのリンゴの花が咲いて喜ぶ。『リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れて -
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農業の素人である私は、農薬の危険性があるなら農薬を使わなければ良いのに、と無責任に考える。
しかし、本書を読んでみて、その考えは浅はかなものだと理解した。
木村さんの無農薬リンゴの取組みは、本当に壮絶なものだったと思う。
自分が、同じ体験をしようなんて考えもつかない。
死を覚悟するところまで向きあい、奇跡のような出来事を起こした木村さん、そして支えたご家族に心からの敬意を示したい。
本来、自然はそのものが完璧なものであることにも、本書で気付かされる。人も本当は自然の一部にすぎないのに、自然を支配しようとし続けてきたわけだ。そして、その違和感に何も疑問すら感じることがなくなってもいる。
本 -
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農業という人工的な活動と自然な状態とのバランスの難しさについて考えさせられた。
言われれば当然かもしれないけど、今自分が口にしているほぼすべての農産物は人間が品種改良してきたものであり、それは害虫に弱いなどのデメリットを農薬で克服することを前提として甘くしていたり大きくしていたり収量を高めていたりしている。作物を農薬なしでは生きられなくしてしまっているという点で人工的だ。それが世界の食糧生産の効率を高めて飢餓の回避に貢献していると考えると農薬を安易に否定することはできないが、作物が人間の収穫ターゲットであると同時に微生物や虫とか鳥や動物とか他の植物とかいろんな生き物が構成する生態系の一部でもあ -
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“人生を懸けて夢中になれる何か”に出逢えたとき、それは自分が生きる意味を知ることができた瞬間なのかな、と感じました。
木村秋則さんの「人間は自然から離れて生きていくことはできない。だって人間そのものが、自然の産物なんだから。」という言葉が心に残っています。
人間は、目先の利益のために環境を破壊してきました。
人間に出来ることなんてたいしたことではないし立派な生き物でもないのに、自然に生かされていることや、自然から恵みを分けてもらっていることを忘れてしまう。
文明が進歩することよりも大切なことを教えてくれる一冊です。
木村秋則さんの伝えたいことをもっともっと深く知りたくなります。 -
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クロード・レヴィ・ストロースはいう「料理とは自然を文化に変形する普遍的手段だ。」食は、素材、季節、そして調理法、盛り付けによって成り立っている。それは、人類の作ってきた文化である。家庭料理から、レストラン、そして高級料理までを含めて成り立つ。そして、その極みもあるはずだ。
大阪で、フランス料理の開店から1年5ヶ月の史上最速で、ミシュラン三つ星を獲得したシェフ 米田肇。プロフェッショナル仕事の流儀にも出演した。その尋常でないこだわり方 温度計ではかり、定規で測るような緻密で見える化しようとする料理法に驚いた。米田肇は「食は希望」という。「食は五感を使う、最高のエンターテインメント」「何をしたいか -
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小林りんさんの、ISAKを作り上げるまでのドキュメント。実際にお会いできるのが楽しみだ。自身が日本の閉塞的なコミュニティにあわないと飛び出し、日本人としてのアイデンティティに、目覚める。日本に戻り、リーダーシップを育てる、全寮制インターナショナルスクールの開校にもっていくエネルギー。たしかに、情熱とその背景にあるストーリーが、ヒトモノカネを動かしていく様を感じられる。不動産から金融まで、プロ達を味方にしていくのは、何だろう。それは、やりたいという純粋な気持ちなんだと思う。やりたいことをやってほしいと、ちょうど会社のトップから聞いたところだった。哲学でも、死を意識して初めて、過去のやってきたこと