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Posted by ブクログ
読み進めるごとに、他のどこでも聞いたことのないような、いのちのあり方をめぐる大切なことを教えてもらいながら、凝り固まった頭と心がほぐされていく感覚を味わった。
著者は、何より、自分の目で見ることの大切さを説く。自分の目で見て、聴いて、触れて、嗅いで、そして自分の頭で考え、いろいろ試してみることの大切さを。著者の発見は、結局世の中の常識を覆してしまったわけだから、その言葉にはとてつもない重みがある。
そして、かつ、著者は大切なものは、目に見えない、ということも教えてくれる。
種から最初に出るのは、表に見える芽ではなく、根であり、根がしっかりしていることこそが、その植物にとって最も重要であるということ。
目に見えない細菌をはじめとする微生物との共生こそがいのちを生かしているということ。
著者の実践している肥料や農薬を使わない自然栽培は、自然に任せきりにするのではなく、たくさんの人の手を必要とする、という事実に、とても心を動かされた。
手で虫を取り、食用の酢を薄めたものを散布し、そしてたくさんの添え木をする。
著者はりんごの木の一本一本はそれぞれに名前をつけてやりたくなるほど個性的なのだと言う。
「一本一本がみんな違う。その違いにしっかりと目を向け、同じ生き物同士、一対一で向き合うのがりんごの木との唯一の正しいつきあい方であることを、私は長い百姓の末に学びました」
そして著者は次のように付け加えることを忘れない。
「もちろんそれはりんごだけでなく、この世界に生きとし生けるものすべてがそうなのです。」
「もちろん、人間だってそうです。」
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