石川拓治のレビュー一覧

  • 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

    Posted by ブクログ

    肥料不足がニュースになっている昨今、「農薬も肥料も使わないリンゴ」を作った農家、木村秋則さんの記録です。非常に読みやすく、2~3時間で読み終われるボリューム感ですが、考えさせられますね…。

    まず、今我々が食べているリンゴは品種改良を重ねたもので、昔のリンゴとは別物だということ。その結果野生の力を失い、農薬に頼らないと実をつけられない弱い植物になってしまった…ということが説明されます。
    その上で木村さんが無農薬に挑み、失敗を積み重ねていく…。正直、かなり闇雲なチャレンジにも思えたのですが、最後には正解を引き当て、今では色々な人から教えを乞われる存在になっています。

    本著を読んで感じたのは「信念」です。
    木村さんが一家で困窮してるのに、近所からもウザがられてるのに諦めず、リンゴについた虫を手で取りながら無農薬をやり続ける…。しまいには自殺しようと思って山の中へ行き、そこでソリューションに出会う。
    ノンフィクション作家の手にかかった文章とは言え、まるで「死と復活」じゃないですか…。
    世が世なら木村さんは教祖になってると思いますし、ネットで検索すると既にちょっとそんな雰囲気も感じるんですが、凄いものだと思います。

    しかしこの手法、本著に書いてある事が全て本当なら、もっと広まっても良いように思います。
    例えば「通常医療」と「代替医療」の対比よりも、「通常農法」「木村さんの農法」の方がローリスク・ハイリターンに思えてしまいます。
    手間がかかるのか、単に知られていないのか、後者だったら勿体ないなぁと思う次第です。

    そろそろリンゴの旬。1回くらい木村さんのリンゴを味わってみたいものです。

    0
    2022年09月09日
  • 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

    Posted by ブクログ

    本書は、2006年12月にNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」で放送した、青森県のりんご農家・木村秋則氏による無農薬のリンゴ作りへの挑戦を描いた回の反響があまりに大きかったことを受けて、その後、ノンフィクション・ライターの石川拓治(1961年~)氏が、1年半に亘る追加取材を行い、それをまとめて書籍化したものである。2008年に出版、2011年に文庫化され、累計40万部を超えるベストセラーとなった。また、2013年に映画化され(出演:阿部サダヲ、菅野美穂)、フィレンツェ映画祭で、同映画祭唯一の賞である観客賞を受賞した。
    私はノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。
    本書は、1970年代後半、当時絶対に不可能と言われた無農薬によるリンゴ栽培に挑戦してから、20余年後、半年先まで予約が一杯という東京・白金台のフレンチレストランの看板メニュー(りんごのスープ)の材料を納め、国内外各地で無農薬農業の指導を行うに至った、木村氏の壮絶な闘いの記録である。
    今でこそ、環境問題、健康問題、サステナブル社会の実現などの様々な文脈で無農薬農業が志向され、社会的にもそれが共有されているが、振り返ってみると、レイチェル・カーソンが『沈黙の春』で、世界で初めて農薬等の化学物質の危険性を広く知らしめたのが1962年、また、ローマクラブが『成長の限界』で、資源と地球の有限性について警鐘を鳴らしたのが1972年であり、木村氏が1970年代後半に無農薬栽培を目指したことの無謀さ(良く言えば、先見性となるが)が想像できる。
    そして、本書に綴られた、木村氏の執念・頑固さと、家族の理解と支援は、他の人・家族では到底考えられないもので、それらが不可能を可能にしたのは間違いなく、本書の読みどころと言えるだろう。(私は偶々、木村氏の住む旧岩木町出身の知人がいるが、本書にも書かれているように、木村氏の畑で害虫が大量発生することを迷惑がる隣人・同業者は非常に多かったらしい)
    しかし、私として最も重要と考えるのは、どんな複雑な現象でも単純な要素に還元(分解)すれば理解できるとする、近代科学における「要素還元主義」的なアプローチの限界を、木村氏が事実として示していることである。いわゆる複雑系と言われる生態系や気象現象は、あらゆる要素のバランスの上に成り立ち、ある現象として表面化しているのであり、我々はそのことを漸く理解するようになったが、こうした発想は今後様々な分野で重要となって来るであろう。
    木村氏が不可能に挑んだドキュメンタリーとしても、我々がサステナブルな社会を目指す上で重要な示唆としても読める一冊である。
    (2022年7月了)

    0
    2022年07月22日
  • 天才シェフの絶対温度 「HAJIME」米田肇の物語

    Posted by ブクログ

    一流料理人のドキュメンタリーとしても楽しめるが、それ以上に修行への取り組み方、独立(転職)のタイミング、努力の基準をどこに置くかなど、転用して活かせる金言が多い。

    「これで完璧だと思ったら、それはもう完璧ではない。この世に完璧というものはない。ただ完璧を追い求める姿勢だけがあるんだよ」
    「1年間で3年分の修業をするつもりでやった」
    「「95パーセントまでは誰だって努力できる」と彼は言う。みんな成功したくて努力してるのだ。95パーセントまでは誰だって努力する。けれど成功するのがほんの一握りの人でしかないのは、ほとんどの人が95パーセントで力を抜いてしまうからだ、と」

    0
    2022年01月04日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    2021.54
    日本で初めての一条校の、全寮制のインターナショナルスクール、ISAKを設立した物語。
    政策起業家研究として。

    法律を変えるということではなかったが、どうがんじがらめに見える結び目を解くか?は、信頼と情念というまとめ方な気がした。

    0
    2021年08月19日
  • 土の学校

    Posted by ブクログ

    奇跡の無農薬リンゴ栽培の木村さんの土に対する思いと今までが、わかりやすく質問&会話の形で書かれた本。
    いいなぁこんな土ー。

    0
    2020年11月14日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    【私なりの要約】
    日本初の全寮制インターナショナル高校のISAK(アイザック)をつくった小林りんという人の物語。

    小林りんは、自身が高校生のときにカナダのピアソンカレッジというインターナショナルスクールに進学し、そこで英語を身につけ、そして様々な国籍の友人を作った。夏休みに友人の祖国であるメキシコを旅した際、そこで初めてスラム街を見て衝撃を受ける。世界の圧倒的な不条理、矛盾、悪を目の当たりにして、そしてそれを他人事ではなく、自分の世界のなかに落とし込んだ。
    世界を変えたい、という夢を持った。

    その後、東大に進学・卒業して、国際的な大企業や、ベンチャー企業、政府機関など、短い期間で職を転々とし、様々な人から刺激を受けて、日本に全寮制のインターナショナル高校を設立しようと動き出す。

    資金・制度・人材・場所などの気の遠くなるような様々な困難を、多くの人の援助・協力や小林りんのまっすぐで熱い信念をもって、乗り越える様が描かれている。

    著者の石川拓治は、このサクセスストーリーを決して単調には描かず、ところどころで私見や解説を加えている。それが見事なスパイスとなって、この物語に深みと広がりを与えている。

    【この本を読んで感じたこと・考えたこと】
    私は留学経験もないし英語も全然喋れないし外国人の友達もいない、国際人とは程遠い人間なので、この本を読んで、学生時代に国際感覚を養える経験ができるのは、非常に「羨ましいな」と思いました。どれだけ世界が広がることか。

    これからの世界は、ますますネットの技術が開発され、世界中の人々が交流していく時代になるので、小さいうちから国際感覚を身につけていくというのは非常に大事になっていくと思います。

    自分の子供を、ISAKなどのインターナショナルスクールに通わせたくなるような1冊でした。

    0
    2019年10月12日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    茶色のシマウマ、世界を変える

    小林りんさんの話。
    何も決まってない状況から全寮制のインターナショナルスクールを一条校として作っていく話。

    圧倒的な行動力。
    自分が強い意志を持ったから、周りが無理に思える事にも共感して協力したんだ。

    だけど、自分で全部やらなければと思ったら周りがついてこなくなるし、自分もいっぱいいっぱいになる。

    権限委譲、そして人を信じて任せることは大切。

    そして自分を突き動かしてるのは紛れも無い幼少期の原体験である。

    ちゃんと考えながら意思決定をしたから綺麗なキャリアになったんじゃ無いと思う。
    自分の原体験に基づいて、自分のコンセプトなのか在り方だけは裏切らないようにして生きてきた結果、振り返ると一本の綺麗なキャリアに見えてるだけだと思う。

    自分の軸が何か。それが大事だとおもった。
    多分、俺の場合は周りの人が笑顔でいること。その笑顔に包まれていたい。
    最近、海外の津波のニュースを見て家を失った人がいた。仕事を失った人がいた。妻、友人を失った人がいた。
    そんな人のことを見ながらマックを食べてる自分。なんで、何もしなくて平気なんだろうって思った。

    富がすでにある世界で、富の最大化だけに目を向けるんじゃなくて、最低限の生活がセキュアされてない人達を持続可能な形で助けてあげられるのか。それが本当に周りの人を笑顔にすることだと思った。

    0
    2018年12月28日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    過程が細かに書かれていることが特徴。思いの強さで引っ張って行くこと、テーマ性の中で職業を探して行くことの大切さを学んだ。

    0
    2017年11月17日
  • 天才シェフの絶対温度 「HAJIME」米田肇の物語

    Posted by ブクログ

    三つ星シェフになるまでの修行、苦労、思考についてかかれたドキュメンタリー。幼少期のエピソードは蛇足だが、本質を捉えようとする考え方、徹底的に追求する姿勢は学ぶべきところがある。あやふやで惰性ですごすのではなく、目標を定めて優先順位をたて、余計なものは限りなく削ぎおとしたような生き方。忙しくて学ぶ時間がなかったり、新メニューを考える時間が取れないなら、赤字になろうがランチをやめてでも時間を創り、常に変革を続ける姿勢はすごい。つまるところ、全てを極めて全てを表現する。究極を目指す先に達成感や感動が生まれるということ。料理だけでなく、技術に関係する世界は皆これに尽きるのだと思う。誰にでも真似できないからすごいのであって、結局は自分にあった生き方を信念持って選んでいくのがいいのでしょうね。

    0
    2017年06月20日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    軽井沢のインターナショナルスクールであるISAKを扱った本としては「世界を変える全寮制インターナショナルスクール」と同じだが、創設者である小林りんの半生を中心に経時的に語られており、ISAKの目指すもの、熱意がより伝わってくる。

    ・学校の使命は、生徒に”答え”を与えることではない。
    答えの出てしまった問題は、人を真に動かす原動力にはならないから。
    学校の本当の使命は、子どもたちに生涯をかけて取り組む価値のある”問い”を見つけさせることなのだと思う。

    0
    2016年09月26日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    「リーダーを育てる学校」という当初の理念を貫いて全寮制のインターナショナルスクールを設置するまでの発起人のお話。学校作りにはまずは建学者の個性や魅力と強い教育理念の2つが必要だなと思いました。その2つがあると設置準備中に自然に支援者が集まってくる、もしくは必要な人材が部分的に巻き込まれていくこともおもしろく読みました。

    0
    2016年07月26日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    日本で初めて高校生を対象とした、全寮制インターナショナルスクールを作った女性のお話し。
    この作品の主人公である小林りんさんは、自身の留学体験や国際機関で働いた経験などから、世界を貧困から救うリーダーを育てるための学校を作る事を計画する。

    小林氏が作る学校とは日本の学校教育法に適合した「一条校」であり、主にアジアの途上国から生徒を受け入れる事が目的だ。留学中に見たメキシコのスラム街や、ユニセフ在職中に出会ったフィリピンのストリートチルドレン、これらの問題を根本的に解決できるのは教育である、という信念に基づいての行動である。

    作品中でも解説されていたが、このまま地球の人口が増え続ければ、今以上に貧富の格差が増大するのは間違いない。我々先進国の人間の大半は、貧富の差など見て見ぬふりをしているが、100年後も日本が先進国であるという保証はどこにも無い。そう考えると、現在貧困を経験している国々の若者と、日本の若者が一緒に学ぶ機会の重要さが理解できる。

    開校に先立ったサマースクールで、チベット人と中国人の少年が心を通わせるシーンや、参加したインド人少年に将来の夢を尋ねる場面で、「汚職をなくす事」と「エイズを撲滅する事」と答えていたのには非常に感銘を受けた、というか心を打たれるものがあった。

    本作の中で小林氏はナウシカやモモに例えられていたが、生まれ持った資質を正義のために使っているという意味では、「ジェダイの騎士」の方がお似合いだと思った。裕福な生活を送るために競争している、世界中のダースベイダーたちにも読んでいただきたい。

    0
    2016年05月22日
  • 茶色のシマウマ、世界を変える

    Posted by ブクログ

    自伝ではないので、ちょっと著者の主張入れ過ぎじゃない?というところは置いておいても読み応えありました。
    本当に彼女あっての奇跡の物語である。
    ー 彼女のようなキャラが生まれたこと。
    ー 本文にもあるようにConnecring the Dotsであること。彼女の経歴・キャラからこの奇跡へのたどりついたとも言える
    ただ、普遍的に言えることは、
    ー 正しい志あるところに人が集まる
    ー 日本の省庁も捨てたもんではない( 某教育委員会は想定内としても) 彼らも日本のこの現状をかえたがっている。
    ー 本物のリーダーがいれば、日本もまだまだ変えられるんだ( そこはそれこそ他の国に比べれば恵まれている。)
    と思いました。
    世界を変える!はまだまだ始まったばかりだけど、彼女にはこれからもっと大きなことを成し遂げて欲しいですね。
    それこそ、政治家を目指されるのもいいかもしれないですね。
    うちの娘sにもISAK行かせたいけどな。

    0
    2016年04月03日
  • 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

    購入済み

    映画での感動が蘇ります!

    絶対不可能といわれることへの果敢な挑戦。挫折を乗り越えて掴んだ大いなる希望。困難に耐えて主人公を支えた家族と友人たち。映画での感動が蘇るコミックです。リンゴ栽培の話だけれど、あらゆる分野で同様にがんばってる人々にも読んでほしいし、また、そういう人たちを偏見で
    邪魔している人々にも読んでもらって考え方を変えてほしいな、とも思います。

    1
    2013年10月08日
  • 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

    Posted by ブクログ

    新たなジャンルのノンフィクションだか、感動した。無農薬栽培の9年目にしてリンゴの花が満開になった時の木村の行動に思わず涙が出そうにぬる。

    危険から守り給えと祈るのではなく、危険と勇敢に立ち向かえますように。
    痛みが鎮まることを乞うのではなく、痛みに打ち克つ心を乞えますように。
    人生という戦場で味方をさがすのではなく、自分自身の力を見いだせますように。
    不安と恐れの下で救済を切望するのではなく、自由を勝ち取るために耐える心を願えますように。
    成功のなかにのみあなたの恵みを感じるような卑怯者ではなく、失意のときにこそ、あなたの御手に握られていることに気づけますように。
    (ラビンドラナート・タゴール「果物採集」より)

    木村さんが自殺を考えたと言う人からの電話にこう答えた。とにかく思い直して良かったねえと言ったかな。それから、バカになればいいんだよと言いました。バカになるって、やってみればわかると思うけど、そんなに簡単なことではないんだよ。だけどさ、死ぬくらいなら、その前に一回はバカになってみたらいい。同じことを考えた先輩として、ひとつだけわかったことがある。
    ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ、とな。ひとつのものに狂えば、いつか答えに巡り合う。

    0
    2024年11月06日
  • 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

    Posted by ブクログ

    まごうことなき狂気の歴史。元々が科学的・合理的な人がいかに狂っていくのかが生々しく記されている。その先にしかブレイクスルーはないのだろうけど,突き抜けることのできなかった人が大多数なのではないか。生存者バイアスを意識させられる。
    これが常識になる時代が来るのが先か,自然が滅びるのが先か。

    0
    2024年10月21日
  • 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

    Posted by ブクログ

    木村さんのリンゴ食べてみたい。無農薬無堆肥の方法は言われれば納得。果たして今の食生活を続けていいのかと考えさせられる。

    0
    2024年01月28日
  • 天才シェフの絶対温度 「HAJIME」米田肇の物語

    Posted by ブクログ

    メディアで取り上げられている印象から、数学や物理学に精通している料理人だと思っていたが、前半ではアウトサイドな一面も描かれており雄味を感じた。もっと米田氏の料理に対する思考を細かく知りたいなと思えたので御本人にも執筆していただきたい

    0
    2023年11月29日
  • 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録

    Posted by ブクログ

    店頭に綺麗に並べられているりんごというのはたくさんの農薬を使って育てられた木から収穫されたものであるとあまり自覚したことがなかった

    木村さんは本当に長い期間を周りの目を気にしながら土のことに気づくまで耐えた
    小さな子供がいるのに奥さんが理解してくれて、また、義父も何も言わず見守ってくれてそれは救いだっただろう

    一度この木村さんのりんごが食べてみたい

    0
    2023年11月03日
  • 土の学校

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    高校生と大学生におすすめの本ですね。
    エビデンスに基づいた話はなく、彼の体験談や植物の観察について書かれている。彼の観察の仕方、その実験はとても情熱があり、手法としてすごいと思うし、画期的だと思いました。

    0
    2023年07月09日