中路啓太のレビュー一覧

  • うつけの采配(上)

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    中路啓太は日本の戦後を舞台にしたゴー・ホーム・クイックリーをドロップしたことがあったのだが、別のを読んでみようと手に取った。表紙から戦国ものだろうと予測したが、主人公は毛利広家で、関ヶ原の戦いで動かなかった毛利の武将かと思い出したのだが、よく知らない人物なので面白かった。ちょうど関ケ原の前で上巻が終了。たぶん下巻も読む。

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    2022年08月27日
  • 昭和天皇の声

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    切ない。物悲しい。でも、これが戦争なのだろう。
    様々な角度から語られる戦前戦後。
    読後のなんとも言えない気持ち。
    読者にそう思わせる本。
    ゴーホームクイックリーとは同じ世界なのに違う。
    ロンドン狂瀾とはあわせて読みたい。
    オススメです。

    ※評価はすべて3にしています

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    2022年07月17日
  • 火ノ児(ひのこ)の剣

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    新井伝蔵(白石)の若い頃を描いた伝奇小説。中路氏の作品は『ロンドン狂瀾』に次ぐ2作目。

    静の『ロンドン〜』とは正反対に、本作は非常に疾走感がある物語。話や構造はシンプルで、伝蔵の心理描写も上手く盛り込まれいるが、展開の強引さと伝蔵のキャラクターへの違和感が強く、読後感はイマイチ。頭脳明晰で侍講を目指すほどにも関わらず、性格は傲慢で冷静さに欠く印象。その癖に自尊心が強く、出世できないのを環境のせいにしている感じが強く、あまり好意を持てなかった。解説では本小説が経済低迷期に描かれ当時の社会と重ねてみることができるとあったが、時代性の違いが上記感想を抱かせるのかもしれない。

    徳川綱吉が酷く惨めに

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    2021年05月01日
  • ゴー・ホーム・クイックリー

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    日本国憲法制定時にこのようなやりとりがあったことを初めて知る。誰もが必ず時代の制約のもとで生きなければならない。この言葉こそ、本作品のもっとも大事なメッセージではないだろうか。その中で、いかに精一杯生きるか。当時奮闘した人々の生き様を通じて、思い知った。

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    2020年10月14日
  • もののふ莫迦

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    もののふについて、こだわった物語。展開は面白く、ぐいぐい読んでいった。もののふが何かと言うことについて、解釈がいろいろあるのかな。(イメージが違った)

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    2020年09月20日
  • ロンドン狂瀾(下)

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    ロンドン海軍軍縮会議をテーマに描いた物語。

    下巻は統帥権問題が中心で非常に動きが鈍く、読むのに一苦労した。国防という論点を離れ、自陣の利権・立場を守るための論争となっていく流れは今とそういないと半ば呆れながらも痛感した。その中で浜口雄幸の強い信念は輝いていた。まさに命がけの行動であり、その後軍の専横を許す時代の流れを見ると、浜口首相こそが最後の要だったことがよく分かった。

    終始情けない全権・財部彪だが、帰国後富士山を見ながら腹を決めるシーンは地味に好きなシーン。(その後も要所で外し続けるのだが…)

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    2020年09月20日
  • もののふ莫迦

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    どうして秀吉が朝鮮半島に攻め入るということをしたのか
    ということをこの本で趣旨としてはいないが

    しかし歴史的には加藤清正らがそこで戦をしたのである
    戦争は当然、残虐非道なのである

    秀吉の九州制覇から始まった、この物語の主人公「岡本越後守」(才蔵)」の
    男気・カリスマ性を軸にして非道の道を良くも悪くもまっしぐらの戦国時代もの

    秀吉もそうだが、一度手に入れた権力は死んでも手放したくないという
    我執の醜さがこの小説を読んで浮き彫りはっきりしたことだけは確か

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    2019年12月02日
  • ミネルヴァとマルス 下 昭和の妖怪・岸信介

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    岸信介の本というよりも、その周辺の歴史教科書的な本であまり面白くない。もっと「人間・岸信介」という面やその残した業績と負の遺産を掘り下げた本を期待していたので、あまり面白くはなかった。

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    2019年04月28日
  • ロンドン狂瀾(上)

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    ロンドン海軍軍縮会議に臨む外交官、雑賀潤を主人公に当時の日本の政治の裏舞台を描いた作品。
    条約締結賛成派の文官・政治家と対米7割は厳守!そうじゃなければ帰ってこい!という反対派の海軍将校たちとの攻防が、もどかしい。
    米英との交渉よりも、国内の当時の政治家と軍人の動向を描いており、日本史の教科書でしか知らないロンドン海軍軍縮会議も、その背景にはこんなにドラマがあったのかと思うとやはり歴史は面白いなと改めて思う。
    しかし、現実もこんな風に実際に外交に当たっている人たちは我々と違った考えでもって交渉しているのかもしれない。
    若槻礼次郎と浜口雄幸がカッコよかった。
    無事条約が批准されたが、その後の対米

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    2018年04月08日
  • もののふ莫迦

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    ネタバレ

    時代は戦国時代。豊臣政権下での猛将・加藤清正と、一人のこれまた屈強の男・岡本越後守との戦いのドラマだ。舞台は肥後国、そしてそこから秀吉の狂走である朝鮮討伐に巻き込まれて、舞台はさらに朝鮮に移る。

    本のタイトルの通り、ここに貫かれているテーマは、岡本越後守が自身の生き方の指標とした「もののふの道」だ。要するに、岡本越後守という男は、「莫迦」という代名詞に置き換えられるほど「もののふの道」にこだわり続け、死んでいく。「莫迦」と呼ばれるほどに信念を貫くところに、ある種の魅力が生まれるのだと思う。

    私が読む限り、この小説には他に3人の「莫迦」が登場する。加藤清正は、秀吉に忠誠をつくし続けることを信

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    2017年11月18日
  • うつけの采配(下)

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    ネタバレ

    H28.6.17-H28.6.21

    (あらすじ)
    始祖・毛利元就や叔父・小早川隆景ら名将たちの遺言を守り、毛利と徳川との全面対決を阻止しようとする広家。だが、安国寺恵瓊の策略により毛利輝元は反徳川勢の総大将に担ぎ出されてしまう。このままではお家滅亡は必定と焦る広家は、なおも戦闘を回避すべくぎりぎりの努力を続けるが、ついに関ヶ原合戦の火蓋が切られることに!

    (感想)
    恵瓊の策謀の隙を突き徳川と繋ぎをつけ、結果関ヶ原に負けた西軍。毛利は吉川の内応によって所領安堵を約束されていたが…。
    あとは知ってのとおりの歴史です。
    できるだけ広家を正義に描こうとしていますが、どうしてもモヤッとしたものが残り

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    2016年09月07日