名越健郎のレビュー一覧
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Foresightでおなじみ名越さんの渾身の一作。戦後政治史の影の一面というか、光の当てられなかった部分というか。少なくとも戦後の一定期間においてほとんどすべての政党に外国からの資金が流入していたという認識は持っていてもよい知識なのかもしれません。
しかし、国務省の歴史家が公開しようとする文書についてCIAが反対するのはわかるけれど、わが外務省も積極的に反対するというのはなんとも反応に困るというか、なんというか。もちろんすぐに公開できない事情はすごくわかるけれど、相当程度の期間が経過したら公開し、あとは歴史の評価に委ねるべきではないかと思いますけれど。 -
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旧ソ連はスパイ大国として知られているが、リヒャルド・ゾルゲ程、有名なスパイは他に居ないだろう。スパイであるから、世に名が知られている時点で、スパイとしての意味を失ってしまっているとも言えるのであるが、その活動や成果が研究され、太平洋戦争に突入する以前の日本での様々な活動が、少なからず歴史の流れに影響を及ぼしている。ゾルゲは独ソ不可侵条約下にあるドイツが条約を破棄しソ連へ攻め込む事を察知、再三スターリンに対し警告をしていたし(スターリンは無視したとされるが)、日本の真珠湾攻撃が起こる事も予測していた。
その生い立ちは、ドイツ人の父とロシア人の母の間にロシアの地に生を受け、国籍としては父のドイツ側 -
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公開文書によって、ゾルゲ事件の新事実がいくつか判明し、従来のゾルゲの見方が本書を読むことで変わる。現在、日本の南進論の情報を報告したことで評価されているゾルゲだが、当時は必ずしも肯定的に評価されたわけではない。公開された文書を紐解くと、ゾルゲもスターリンの粛清対象内であった可能性が高く、全面的に信頼されたわけではなかった。またゾルゲはソ連の安全保障という観点から、1941年の日米外交交渉の情報収集に関心を持っており、その分析は正確であったことが本書で明かされる。ちなみにゾルゲの名誉が回復したのは1964年頃、すなわちスターリン批判が盛んだったフルシチョフのときである。
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日本の政治では、政治資金規正法あるいは公職選挙法より、外国からの資金援助は禁止されている。しかしアメリカやソ連で公開された文書に注目すると、自民、民社、社会、そして共産党は、上記二か国のいずれから資金援助されたことがわかる。本書によると、自民党は50年代後半から60年代前半にアメリカから多額の資金を得ていたこと、また共産党は60年代の途中まではソ連から資金援助されて、共産党が自主独立路線を掲げてから、ソ連は社会党の援助へとシフトしたことが公開文書から読み取れる。しかし90年代のアメリカの文書公開でCIAが反対したこと、またロシアはときの政権、政治事情に左右されるというように、本書で紹介された
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出張先で気の利いたジョークを言いたい願望があって、時々この手の本を読む。鉄板パターンはいくつもあるが、時代とともに少しづつ変化してして行く。
P30
問
新型コロナウイルスの特効薬は、どうやって開発されるか?
答
ドイツ人が発明し、
アメリカ人が投資し、
フランス人がデザインし
日本人が小型化し、
イギリス人が実用化し、
イタリア人が宣伝し、
中国人が海賊版を作り、
韓国人が起源を主張する。
P93
ドイツ人、オランダ人、ギリシャ人、イタリア人がレストランで食事をした。
食事が終わりに近づいた時。
ドイツ人は、全員の食事代がいくらになるか考えた。
オランダ人は、割り勘でいくらになるか -
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このような資料がアメリカやロシアに存在し、一般人が閲覧できることは当たり前のこととは言え、我が国の状況を見ると悲しい気持ちになる.自由民主党、日本社会党、日本共産党が当時の米ソから資金援助を受けていたことは事実だろう.戦後間もないころの各政党の発展のための重要な糧となっていたことは、ある意味で強烈な皮肉だともいえる.戦後の政党史を総括する意味で楽しめた.ソ連の資金が共産党から社会党に移ったことも興味深い.ただ、その金が党として還流していたのではなく、自民党では岸派、共産党では野坂派に集中していたようで、与える側と受ける側の癒着に近い形だったことも注目すべきだ.自民党にはその一派が存在しているこ
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ソ連邦崩壊後、大量の機密文書が公になった。日本共産党や
社会党(現・社民党)は、ソ連共産党からの資金援助を必死に
なって否定するが、ロシアの公文書館に保存された膨大な文書
からは日本への資金流入が明らかだ。
ソ連共産党からの援助資金はふたつの党の選挙資金として活用
された痕跡がある。海外からの政治献金は法に触れるので、
ソ連のスパイだったとして100歳にして除名処分になった
元名誉議長・野坂三参個人が勝手にやったことにしちゃって
るしなぁ。
未だ解決の糸口さえ見えぬ北方領土返還にしても、日本側からの
2島返還の提案があったとか、ソ連が売却しようとしていたなんで
話も出てくる。ロマノフ王朝時 -
Posted by ブクログ
本書はロシアを率いるプーチン氏に迫ったものです。個人的には今度から彼の声を日本語に吹き替える際には、池田秀一氏に一任していただきたいと思っております。「ダークヒーロー」としても彼は魅力的です。
日本とロシアの政治を比べてみて、気がつけば為政者がころころ変わる一見『平和』な世界と、ロシアのように三権分立もへったくれもなしに一人の独裁的な人間が実質的に国家を動かしていき、その周りには時として命を落としかねないような『愛と嫉妬』の渦巻く政治の世界。政治がむしろダメだからこそ、国民が政治に関心を持つ社会と、安定したいい生活や国家の安全、さらには経済的なものを保障する代わりに政治に関心をできるだけ持 -
Posted by ブクログ
「元スパイ」。それだけで充分魅力的なのである。そういう人が
国のトップに立つ。ロシアならではだろう。
ウラジーミル・プーチン。ロシアの国家元首。イタリアの前首相で
あったベルルスコーニも興味深い人物だったが、プーチンの前
ではその影もかすむ。
元KGBとは言え、派遣されていたのは旧東ドイツなのでスパイと
しては決して敏腕ではない。そんなプーチンが何故、ロシアの
トップに立つようになったのか。
本書はプーチンの生い立ちから、実力者が逃げ出して人材不足に
陥っていたエリツィン政権末期に表舞台に登場し、大統領1期目から
現在のプーチンの政治までをかなり批判的に取り上げている。
2期目の終盤、