神坂次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「サライ」に2001~02に連載されたものです。そのため、各話が同じ長さの読みきりになっていて、非常によみやすくなっています。
さて、中身の方はと言うと、新田の嫡流と言う貴種ながら、家康に家系図を渡さなかったため、120石という新田岩松家最後の殿様、俊純の日記を基に構成した伝記ものになっています。伝記と言っても、その当時や江戸初期の出来事を幅広く取り上げていて、「江戸」フライデー的小説になっています。
話の内容に大きな華はありませんが、庶民に非常に近い(何と言っても年収380万円相当の殿様ですから)目線で描かれた、市井の物語として楽しく読めます。
どうやって、380万円でやっていけるかって言 -
Posted by ブクログ
明治時代に生きた女衒(ぜげん)村岡伊平次の青年時代の活躍を描いた本。
明治時代にこんな人が居たとは正直驚いた。
本書の描写によると、この時期に東南アジアで商売を始め、成功した人は多そうだが、島国とはいえ国王になった人はさすがに居ないのではないか?
男は行動力と懐の深さが肝心だなあ・・・と感じた。
また、この時期にこれほどの日本人が海を渡って商売をしていたというのにも驚いた。
当時の島原地方は貧困から海外に娼婦として出稼ぎに出る女性が多かったのだとか。
(それも本書の描写によると千人規模?)
改めて自分の国の歴史に無知だったことを知るとともに、もう少し勉強しようと思った。