高橋啓のレビュー一覧

  • HHhH プラハ、1942年

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    歴史史料から話を紡ぎ出す方法について、作者がいわば種明かしをしながらフィクションとしての「歴史」を書いている実験的な作品。
    途中、核心である事件になかなか至らないし、ハイドリヒの細かいエピソードの掘り起こしが続くので辛いところもありつつ。その分、クライマックスから最後のシーンは想像力に訴えかける迫真性があったと思う。
    チェコ、スロバキア、ドイツと周辺国の歴史の理解にも役立つ。
    HHhHをあしらった本の装丁がかっこいい。

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    2025年05月10日
  • HHhH プラハ、1942年

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    ネタバレ

    ナチスのユダヤ人大量虐殺の責任者であったハイドリヒがチェコで暗殺された事件を描くお話

    ハイドリヒの生い立ちや、暗殺に至るまでの過程を大量の資料や、過去の小説、映画などを参照しながら書いていくのだけど、それを書いている作者の視点が随所に織り込まれて、歴史を小説という形で創作することについての考察が並行して語られていくという構成

    映画「ハイドリヒを撃て」を見ていて、暗殺計画の行く末は知っていたので、歴史的な部分よりも、歴史を創作することの是非を考える部分の方をとても興味深く読みました。

    読んでいて、これはあまりにドラマチックに描きすぎではないかと思っていたら、直後に作者自らがそのことをつっこ

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    2024年12月18日
  • HHhH プラハ、1942年

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    徹底して史実に忠実であろうとする姿勢と細部へのこだわり。またフィクションでもノンフィクションでもない語り口によって、歴史を過去の出来事として語り直すのではなく、今再び立ち上がらせ読み手に体感させる熱意と文体に脱帽した。読むのが少し時間かかってしまったけど、じっくり読めて良かったです。

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    2024年11月28日
  • HHhH プラハ、1942年

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    チェコスロバキア人の青年2人によるナチ高官暗殺を描いた歴史小説
    あらためてナチスとは何だったのか、そして1世紀も経ってないことに気付かされる

    そして史実を小説にする葛藤をそのまま文章にする奇抜さと、物語とその葛藤が融合していくラストは痺れる

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    2024年03月16日
  • HHhH プラハ、1942年

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    フランス・パリ出身のローラン・ビネのデビュー作であり、2009年に本国で出版、2013年に邦訳が出版された本作、『HHhH』。この謎めいたタイトルが渦めく装丁に興味を惹かれて書店で購入したのだが、その感覚がは大いにあたり、ストーリーテリングの面白さと、極めて技巧的・意識的な仕掛けに溢れた一作。

    タイトルの奇妙な4文字はドイツ語の「Himmlers Hirn heißt Heidrich」という文章に由来しており、”ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる”という意味になる。そのヒムラー、すなわちナチス・ドイツの親衛隊(SS)のトップであったハインリヒ・ヒムラーにその頭脳として仕えたラインハルト・

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    2023年09月09日
  • HHhH プラハ、1942年

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    ユダヤ人問題の最終的解決問題の実質的推進者で、「金髪の野獣」と呼ばれたラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画のエンスラポイド作戦を描いた小説。

    短い区切りの章が次々と繰り返される、ちょっと面白い形式で書かれています。その短い章も著者の現代や、物語の時間が入り乱れていますが、意外に読みにくくありません。書いた著者が上手いんですね。

    暗殺実行者が立てこもった教会で戦う最後のシーン。「なんかこの描写、何かの映像作品で見た気がするな??」と思ったら、この作品を映画化した『ナチス第三の男』を見ていましたw

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    2023年06月29日
  • HHhH プラハ、1942年

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    Himmlers Hirn heißt Heydrich.
    訳:ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる。
    タイトルは上記の単語の頭文字をとったもの。

    ヒトラーが生み出したナチという思想を、そのまま具現化したかのような金髪の野獣、死刑執行人、ハイドリヒ。

    ユダヤ人大虐殺の首謀者である彼を暗殺すべくイギリスから飛んだチェコ人、スロヴァキア人の青年二人を主人公に据えた史実に基づく小説。

    訳者あとがきに言いたいこと全てが書かれている。僕はその上澄みをここに貼り付けることしかできない。

    いわゆる歴史モノ、ナチモノ、ノンフィクションモノである本書だが、他と一線を画するのはその小説スタイルだ。

    脚色

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    2023年06月14日
  • ルーム・オブ・ワンダー

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    また本を読み始めることができた、きっかけとなった本です。読みやすく元気をもらえる本でした。
    子供欲しい…という気持ちも強くなりました。

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    2020年01月30日
  • エディに別れを告げて

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    実体験を書いている、らしい。
    20代前半の著者は、題名の通り、過去の自分にすでに別れを告げていて、子ども時代ーティーン時代にいた過去の自分について、具体的な出来事や状況の描写を通して書き記している。
    すさまじい。

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    2020年01月26日
  • ルーム・オブ・ワンダー

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    ネタバレ

    昏睡状態の子供のやりたいことリスト。
    実行しながら自分自身の人生も変えてゆく…。こんな状況でなくても、私も子供のおかけで開ける世界があることはしょっちゅう感じている。
    あのあとルイはどうなるのだろう?テルマの未来の自分への手紙みたいだといいな。
    どんな形であれ生きてさえいてくれればと思う。

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    2019年01月04日
  • ルーム・オブ・ワンダー

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    面白い。一気に読み、涙まで。「文学」からではなく「生活」から生まれた小説、との訳者の方の評に納得。素敵な小説。

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    2018年11月12日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    あとがきによると、著者は、この本のモデルはカポーティの「冷血」でした、と答えているそうです。
    「ローズ・アンダー・ファイア」と続けて読んでしまったので、まさに彼女たちに施された人体実験の首謀者である悪魔の医師が、このような卑小な人物であると知ると、やりきれなさが倍加します。
    イスラエルの諜報機関であるモサドに対する見方が変わりました。何故、ターゲットを地の果てまでも追い詰めるはずの執念深さでは地上最強のはずの彼らが、メンゲレを最後まで捉えることができなかったのか…意外な理由でした。

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    2018年11月08日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    「アウシュヴィッツの死の天使」メンゲレの戦後の逃亡の記録。そう言えばアイヒマンも捕まったのは南米か。戦中戦後、建前中立だった南米がナチの巣窟だったってのは聞いたことはあったけど、そこメインで書いてる本は初めて読んだ。なかなかおもしろい。

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    2018年11月01日
  • 7

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    ネタバレ

    ・エリセエンヌ:精神だけが若返るドラッグ
    ・木管:不思議な楽器には過去のあらゆる名曲が刻まれ〇サンギーヌ:スーパーモデルと対になる傷を負った男
    〇永久革命:共産党を離党した老人性医師が1973年に革命が成就した世界と現在とを精神になって行き来する。
    ・宇宙人の存在:宇宙人を研究する兄とその恋人
    〇半球(ドーム):同じ原理主義思想の者同士が通信を遮断したドーム内で暮らしドームの中に更に分派のドームという分断社会。
    〇第七:何度も生まれ変わり、公務員、ノーベル賞学者、革命家、宗教家、極悪人、作家を生きる。7回目に不死性を失うが、恋人に。

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    2025年11月15日
  • HHhH プラハ、1942年

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    ネタバレ

    ◼️ ローラン・ビネ「HHhH プラハ、1942年」

    タイトルの奇抜さに気が惹かれ、やがて来るその瞬間に向けて集中力が高まっていく。

    書評と受賞歴で評判はなんとなく分かり、読みたいと思っていた。本を読む前に予備知識はあまり入れない。単純に知らない方が楽しめるから。今回も最初の方のページに書いてある紹介文にはほとんど目を通さなかった。ナチもの、という程度の認識だった。

    ナチスの大物幹部、ハイドリヒ・ラインハルト。天才的な実行能力と、狂気とを併せ持ちドイツ第三帝国領内のユダヤ人を絶滅させようともくろみ実行した男。チェコを統括する地位に就いたハイドリヒを暗殺すべく、ロンドンの亡命政府が刺客を放

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    2025年05月28日
  • HHhH プラハ、1942年

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     1942年のプラハで、ナチのゲシュタポ長官であるハイドリヒを暗殺しようとした「類人猿作戦」を描いた小説、を描こうとした「僕」が何を調べて、何を伝えたくて、何をためらい、何を取り上げたり取り上げなかったりしたのかを逡巡していくうちに、歴史の出来事の記述がコントロールしづらくなっていく様を描く小説。原書はフランス語。
     ある事件を描いた、というだけだったら歴史小説として読めばいいのだけど、「僕」が一体何なのかを理解したり慣れたりするのに少し時間がかかる。なんかこれまでに読んだことのない感じの小説で、割と前半は、「僕」の話と何人かの登場人物の整理がつかなかったり当時の政治状況に関する無知のせいで、

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    2025年05月06日
  • HHhH プラハ、1942年

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    その名はラインハルト・ハイドリヒ
    「第三帝国デもっとも危険な男」、親衛隊将軍、国家保安部長官、ユダヤ人虐殺の司令官。

    強制的に併合されたチェコの総督となったハイドリヒ。
    暗殺すべく、チェコ人、スロバキア人のパラシュート部隊員がプラハに送り込まれる。

    ノンフィクションでありながら、フィクション。
    独特の手法で書かれたディティール。
    作者、ローラン・ピネのデビュー作であり代表作。

    タイトルの「HHhH」は「ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる」の略だ。(ヒムラーは親衛隊のトップ)

    (ちなみに「ヨーロッパでもっとも危険な男」と当時呼ばれたのは、これまた親衛隊のオットー・スコルツェニー大佐。幽

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    2024年06月26日
  • HHhH プラハ、1942年

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    歴史小説の新しいスタイルで評価は高く、文学的意義もありそうだが、単純に私にはちょっと読みづらかった。没入しづらい。でも終盤は集中して一気に読める展開で面白かった。諦めず頑張って読んで良かったな、という感じ。ナチの歴史ものだが知らなかった史実もあり、興味深く勉強にはなった。

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    2024年04月11日
  • HHhH プラハ、1942年

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    ’14年に単行本で購入(検索したら文庫でしか出て来なかった)。構想を練り、物語を構築する過程も物語の内という奇妙な小説。
    初読時、ナチスドイツへのズデーデン地方割譲の経緯経過が、ロシアのクリミア併合と被って見えたことを思いだした。

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    2023年09月07日
  • 認知アポカリプス――文明崩壊の社会学

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    ネタバレ

    文明・技術の発達で自由時間が圧倒的に増えたはずの人間だが、得られた自由時間はネット漬けにされている。商売や自己顕示欲を満たすという目的からネット空間やメディアが人々の注目を奪うための戦略に特化していった結果、脳が生理的に注意を向ける仕組みに沿って刹那的な注目→満足を繰り返すことばかりで時間が浪費されるようになり、人類の進歩を促すような長期的な利益が得られなくなっているというのが趣旨だと思う……のだが、広くいろいろな分野の関連情報を次々並べたてているのと結論が弱いためにまとまりがない印象を受けるかも。
    そういった状況に陥っているのは清き人間本性が資本主義や特定の人物・団体の陰謀に歪められているの

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    2023年05月28日