村田奈々子のレビュー一覧
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106頁に1922年のスミルナ炎上の時の「ひとつのエピソード」として4行分書かれている話は著者がギリシャ留学中に初めて知った話との事。ギリシャやアルメニアでは有名な日本船の話でも日本では誰も知らない。著者はロイズ保険組合の古い資料などを調べていくうちに少しずつ目処がついてきても状況証拠ばかりで肝心な一次資料にはたどり着けないもどかしさがあるようだ。大連にあった会社の船というので航海日誌などは残っていないだろう。船長は正教会の信徒の一族というのでギリシャ軍に雇用されていたのだろうか?中間報告という形で本を書いたら読んでみたいものだ。
この本で不満が残るとすれば71頁の地図に「ドデカネス諸島(19 -
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ギリシャは、古代ギリシャ誕生後、ローマ帝国、ビザンツ帝国、オスマン帝国と、長い間支配された経緯がある。その後、オスマン帝国からの独立をかけて、ギリシャ独立戦争が勃発したが、歴史の教科書では、独立以降のギリシャは大々的に注目されない。本書は比較的マイナーな箇所を取り扱っており、この本を読むことで、近現代のギリシャの概要を把握できる。
まずギリシャと聞くと、古代ギリシャを連想するが、現在のギリシャの起源は18世紀だと見なすべきである。ギリシャに限らず、近代国家は社会、宗教、民族などのナショナリズムから誕生した。これに加えて、ギリシャ独立戦争の際、西欧列強が勢力均衡のために、ギリシャ側を支援した -
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近代のギリシャ人が古代のギリシャと自分たちをつなげ、アイデンティティーとすることに労力を注いでいる、という本書の流れが面白かった。
本書では国家としての「ギリシャ」という外見をつくり上げなければならなかった歴史背景、周辺環境の影響力を大きく取り上げている。
ギリシャは経済ではヨーロッパの周辺になり、観光業中心の外部依存型の経済になってしまっている。それにもかかわらず西側ヨーロッパの人々からは古代ギリシャというフィルターで見られ、自力で経済を立て直すように要請されている。
しかし、その古代ギリシャは経済的な自律性を持っていたのだろうか。
過去における古代ギリシャの諸都市は、その都市国家一つ -
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ネタバレふと我に返った時、古代ギリシャと現代ギリシャには断絶があることに気付いた。
古代ギリシャは都市国家として歴史に残っている。
オスマン・トルコの支配域はその領域を含んでいる。ビザンツしかり、ローマしかり。近代に至るまで、ギリシャの姿はない。
現代ギリシャを誕生させたものはなんなのか。
ヨーロッパの暗黒時代、という。また、西ローマ帝国が滅亡した後、その文化の継承者は西欧ではなくアラビアだったという(なぜか東ローマ帝国がスルーされていることに長らく気付けなかった)。アラビアではローマの文化だけではなく、ギリシャのものも大いに読まれたという。ローマによって支配されていても、書物がまだ大きく流通して -
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ネタバレ1ポリス200平米×1,000以上。
日本の市町村が一つのポリスと同じくらいの規模(面積)と考えるとイメージしやすい。日本の市町村は1,700くらいらしい。
英語表記を翻訳するとヘレネス共和国。「ギリシャ」は南イタリア・シチリア一帯を表すラテン語の地域名「グラエキア」が由来。
紀元前6世紀頃奴隷のアイソポスがイソップ童話をつくった。そんなに古い話とは知らなかった。奴隷の割合は人口の15〜40%くらい。
東ローマ、610年頃ヘラクレイオス朝に、皇帝の呼び名がインペラートル(ラテン語で「命令権の保持者」「軍司令官」)からバシレウス(ギリシャ語で「王」)に変わり、国名がビザンツ帝国に。聖職者や貴族階 -
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最近のギリシアを巡る経済的混迷を受けて再読。
これを読むと一国の「運」と「幻想」をどうしても考えざるを得ない。
まずは地理的場所というどうしようもない要件がこの国(地域と言った方が正確かな)の行く末を決定したんだろうと思う、それこそ大国から良いように蹂躙されたんだから。これに比し、日本はやっぱり極東だったことが結果的に幸いしたんだと思う。随分と酷いことを日本自身が行ったし、周りの国は大迷惑だった訳ですが、(良いか悪いかはさておき)世界の中心たる欧米から見れば遠くの場所だから放っておけと無視されていただけかと。
それに加えて本人達の大いなる勘違いも火に油を注いだ感あり。コンスタンティノプール奪還 -
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ネタバレドイツのバイエルン王室から招いた国王を戴く王国としての独立、領土拡大の過程、第二次大戦の枢軸国側による占領、左右勢力の内戦を経た軍事独裁政権の成立と崩壊、現代のユーロ危機の発端までが扱われている。個人的には現代のギリシャ人のアイデンティティがどのように形成されてきたのかを扱った序章が面白かった。序章ではビザンツ帝国以降のギリシャ人は自らをローマ人として規定していたことや古代ギリシャと自らの連続性をギリシャ人自身が意識し始めたのは独立戦争あたりからだということが述べられている。また、国境外のギリシャ人を扱った第6章、特に黒海沿岸に住んでいたポンドスギリシャ人を扱った部分が興味深かった。彼らの一部
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『ギリシャ語のかたち』(白水社)の著者による、ギリシャ近現代史の中からテーマを絞ってまとめられた「物語シリーズ」の一冊。
小著とはいえ、リチャード・クロッグ『ギリシャの歴史』(旧題『ギリシャ近現代史』(創土社)が1990年代までで終わっているのに対して、本書は2009年秋の政権交代までカバーしていて、いっそう臨場感が増す内容となっています。
まずは第五章「兄弟殺し」-第二次世界大戦とその後(一九四〇-七四)から、第六章国境外のギリシャ人、そして終章現代のギリシャ、の三つの章を読んで、この国が歩んできた「重たい」歴史がつかめると思います。
著者は「はじめに」で、「ステレオ・タイプ化されたギリシャ -
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ギリシャ史を全く知らない私が、とりあえずギリシャ史に触れるには良い本。
ローマやトルコの配下になったり、領土も小さくなったり大きくなったり、
苦労しているのですね。クレタ島は領土になったが、キプロスは問題を抱える。
イスタンブールはギリシャのものにしたいのだろうな?
以下備忘録
紀元前2600 ミノア文明
紀元前1600 ミケーネ文明
紀元前800 ポリス成立
紀元前776 古代オリンピック開催
紀元前492~371 ペルシア戦争してアテナイやスパルタやテーバイが覇権
紀元前337 マケドニアが覇権(アレキサンダー大王)
紀元前146 ローマの属州
395 東ローマ帝国