佐々木正美のレビュー一覧
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絵本作家の岡田千晶さんの挿絵が、本当に子どもの手触りを写し取ったかのような柔らかさ。そして、著者の語りかける姿が伝わってくる目次。何度も読み返したくなる、やさしい本。
児童精神科医であった著者が一番伝えたかったことは、子どもを甘やかすことを恐れないこと。いい子にしているときだけではなく、どんなときにも話をたくさん聞き、のぞむことを与えてあげる。
個人的には、同著者の『子どものまなざし』よりもスッと伝わってくる気がする。2016年発行の本なので、子育てする時期と近いからか。もしくは、著者が重ねた月日が年輪のように言葉に厚みを与えているからか。
今は亡き佐々木正美さんの語りを、折に触れて読み返 -
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3歳までにこうすべし!という言説はよく聞くのだが、なにもしてないな。。ということで、3歳が差し迫る今読んでみた。
これまで3冊くらい読んだと思うけど、何度も何冊も読みたい佐々木正美先生の本。子供が大きくなっても忘れずに、怠けずに、おざなりにせずに、読み続けたいなあ。
これは保育者全般に対して書かれているし、イラスト中心で読みやすく、でもポイントはよくまとまって書かれていて、パパ向けにもおすすめと感じた。単純だけど、親の対応に応じた子供視線の思い、感情がイラストでかかれており、それは切実さが入ってきて、理解に役立つ。
今回実践したいと思ったのは一緒に遊ぶの項目で、役割の交換をすること。早速やっ -
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ネタバレ私が求めていた全ての答えがこの本の中にありました。
ずっと拭えない自分自身への自信の無さ。自身の育てられ方への不信感。家族というものへの恐怖。
私は子育てをしながら、ふとした時にいつもそんなものに心をがんじがらめにされています。
とても苦しい。暗くて真っ黒で逃げ出したくなる。
全部置いて1人になって、この世から消えてしまいたくなる。
こんな気持ちは実親と良好な関係にある人には絶対にわからないと思う。私と夫はとても仲が良いと思うけど、この気持ちを理解してもらおうとは全く思わない。
それでも自分なりに、その辛かった過去を反面教師にして、子供たちには自分が言われたかった言葉を言おうとした -
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ネタバレ読書対象者は
3歳までの子に関わるみんな
(パパ、ママ、祖父母、保育園や幼稚園の先生)
3歳までの関わり方、よくある困りごとへの対処法
について書かれている。
母性とは何か、父性とは何かを教えてくれ
また読み直したいと思える1冊であった。
著者は、児童精神科医である佐々木正美先生
専門家が執筆した1冊であり、読みやすく非常におすすめである。
基本的な考え方は
子のきもちを最優先する
ということだと理解した。
以下はネタバレを含む感想となります。
・なぜ3歳なのか
P58:多くの心理研究にて
2歳ごろまでに愛情と信頼を抱き、
3歳ごろまでに心の基礎ができ -
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「佐々木正美先生の子育てお悩み相談室」2016、主婦の友社。
本当は、この作者の「こどもへのまなざし」という本を読みたかったんです。
(いずれ、読みたいとは思っています)
まあ、いわゆる「子育て上の、気持ちの持ち方について」という本です。
なにかの雑誌に連されたものであるらしく、一問一答の形式。
全体に貫く態度としては。
乳児、幼児の子育てについて、「甘えさせていい」「わがままをきいてあげる」「無理に良い子にするように躾けない」「とにかく愛してあげなさい」みたいなことです。
それだけまとめて言うと、「なあんだ」となりますが、具体的に読んでいくと、「なるほどなあ」という項目もけっこうあっ -
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職員の感動が伝わるカウンセリング研修の報告を読んでいて、中に出てきた「エリクソンの発達段階」をあらためて掘り下げてみたくて、辿り着いたのがこちらの本。
発達心理学の授業で学んで以来でしたが、佐々木先生の人生を振り返りながら、関わってきたお子さんや家族の様子を踏まえながら、日本に今起こってきている人とのかかわりの薄さが生み出す病理のようなものをひも解きながら展開されていく8つの段階が、心に深く沁みてきます。
発達課題のひずみは置いてきた部分を丁寧にやり直すことが大切であり、それは大人になっても言えること。
自分自身も、職員の育成をしていても感じること。
「人間の本当の幸福というのは、人間関係の中 -
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大人はどうしても、発達障害のある子の困った行動に目が行きがちですが、それを子どもの視点で点検しなおして、大人側が無理な要求や関わり方をしていないか、見直すことが必要、ということが書かれていた本でした。
確かに、発達障害の子のほとんどは五感+平衡感覚などの感覚の発達がでこぼこしてうまくいっていなかったり、過敏または鈍感だったりするので、その子自身の世界の感じ方が違います。
それだけに、「この子はどんな感じ方をしているのか」を子どもの立場でみてあげることが大事だなと思います。
そう考えると、発達障害またはその疑いのある子は、どの感覚が鈍いのか過敏なのかをチェックして、親やその子に関わる大人は知っ -
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ネタバレチェック項目11箇所。子どもを健全に育てるためには、まず母性をたっぷり与え、そのうえで必要なところで父性を与えていけばいいのです。「母性」とは、子どもをありのままに認めてあげる力、許容し、承認する力、無条件にわが子を愛することが母性的な愛情の本質です。「父性」とは、規律や規則、約束や責任を子どもに教える力、いわゆる社会性を身につけさせることです、そして、そこに基づく愛情が父性的な愛情なのです。第二次世界大戦後、私たち日本人は自由で豊かで平和な時代に生きてきましたが、その半面、いつの間にか”自己愛的”になってしまった気がします、その結果、子どもが期待する親になるのではなく、自分の望みを叶え、満足