田中修のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ植物の雑学をたくさん知りました。セイヨウタンポポ強すぎる。
◎スミレ
生存戦略①
タネの表面にエライオソームというアリの好きな物質をつけることで広範囲にタネを散布させる
生存戦略②
花の後ろに袋状の「距」を持つことで花粉を運ぶ昆虫を選び、受粉効率を高めている
生存戦略③
花びらの縞模様はネクターガイドの役割を果たしている
生存戦略④
上記3つでもタネを残せなかった場合の保険として、閉鎖花(自家受粉する花)をつくる
◎オオイヌノフグリと松ぼっくり
フグリとは陰嚢を指す言葉で、実は松ぼっくりの「ぼっくり」もフグリが訛ったものと言われている。
松ぼっくりは乾燥時(晴天時)に開き湿潤時(雨天時)に閉じるという性質を持つことで、傘の中にあるタネを遠くまで飛ばすことができる。
オオイヌノフグリの花にはオシベが2本しかないが、夕方萎れる直前にこの2本でメシベを挟むのでほぼ100%タネは残せる(自家受粉になるので、萎れる直前までは他の株の花粉を待っている)
◎タンポポ(セイヨウ)
生存戦略①
一年中花を咲かせる。花びらに見えるものは一つ一つが全て花でメシベとオシベを有している。
生存戦略②
できたタネがすぐ発芽する
生存戦略③
綿毛で遠くまで飛び散る。できるだけ遠くに飛ぶように、綿毛になると背丈をのばす。しかも綿毛が球状に展開するのは、乾燥時(晴天時)のみ。
生存戦略④
メシベだけでもタネをつくれる(単為生殖)
生存戦略⑤
少しの根さえ残っていれば、もとの完全なからだを容易に作り上げる能力がある
◎ウキクサ
生きていけないような窒素の飢餓状態に陥った時には子孫を残すためツボミをつくるしくみをもっている
◎変わった名前の植物
・博打の木…樹皮が絶えず剥がれ落ちる様が、まるで博打に負けて身ぐるみ剥がされる人のようだから
・小便の木…切り口から水が滴るように出てくるから
・目薬の木…樹皮を煎じて飲むと、目のかすみや疲れを除いてくれると言われている
・シャボンの木…樹皮や葉っぱを細かく砕いて水に混ぜると泡立つ
◎ネジバナ
万葉集にはねつこ草(根都古草)の名で登場。モジズリとも呼ばれる
◎カタバミ
シュウ酸が含まれているので、これで10円玉を磨いたらピカピカになる
◎ツユクサ
ツユクサの気孔は大きく綺麗に並んでいるため気化熱を放出しやすく、炎天下に強い
◎ヘクソカズラ
万葉集の頃は「クソカズラ」であったものが、江戸時代にはそこにさらに「へ」がついて「ヘクソカズラ」になった
◎ヒルガオ
アサガオ、ヒルガオ、ヨルガオはヒルガオ科。ユウガオはウリ科
◎ヤブガラシ
ヤブガラシの花は1日半〜2日という短い寿命の間に、色を3回も変化させる(オレンジ→ピンク→オレンジ→ピンク)
オレンジ色の方がピンクより虫の目につく
◎ドクダミ
英語名は「フィッシュミント」で、これは魚のにおいがするところから。
◎ネナシカズラ
根も葉もない「全寄生植物」
◎クズ
アメリカでは「ジャパニーズインベーダー」と呼ばれている
◎ヒガンバナ
またの名を「葉見ず花見ず」
葉は花が枯れた後の冬にしげる。これは、ライバルが少ないため。
ヒガンバナが墓地周辺に多いのは、遺体を虫や獣に食べられないようにするために植えられた名残(球根にはリコリンという毒が含まれている)
◎オナモミ
この植物のひっつく構造から、マジックテープが誕生。逆に「ヨーグルトがくっつかない蓋」等は蓮の葉の構造がモデルになっている。 -
Posted by ブクログ
評価が高いのは、納得。
タイトル「植物たちに心はあるのか」に対する中身ではないものの。(はじめに、筆者も丁寧に説明してくれている)
植物の生態を、私たちが思うであろう疑問から取り上げる形で、スッと専門知識に誘ってくれるため、とても分かりやすくて、良かった。
目的とは違った読書になったけれど、満足したし、中学生くらいからでも十分に読めるのではないかな。
個人的には、春や秋に花が咲くのはなぜか?という話の中で、寿命の長さに対する環境の受け取り方は違って当然だと、当たり前のことをふと再認識した。
何度も巡る季節に、人間は対応し、耐えているわけだけど、春しか生きないような短い生の、環境の見方がある。(うまく言えない)
時間の長短の視座をどこにおくか。
なかなか、自分の実感から離れにくいものだけど、そんな中で植物の生き方を知るのも面白いと感じた。 -
Posted by ブクログ
植物と動物の循環は芸術的。植物が光をデンプン等のエネルギーに変換して、それを摂取した動物は体内でエネルギーに変換して活動し、もとの水と二酸化炭素に戻って動物の体内から出てゆく。
植物は食べられる代わりに、動く動物に種を運ばせる。
動けないというハンディは植物を戦略家に仕立てた。
その戦略を確立する為には、夥しい先人(先植物)の命をかけたトライアンドエラーが重なっているだろう。
ピーナツの戦略など、どうやって確立したのか、どういうプロセスを経て行き着いたのか、とても想像出来ない。
人間と彼岸花の共生、紫外線他自然環境への適応、読みどころ沢山だった。 -
Posted by ブクログ
植物はすごい! 自分では動けないけど、その生き残り戦略は動物となんら変わることなくすごい。
植物は水と空気中の二酸化炭素と太陽光でブドウ糖やデンプンを作っているわけだけど、それは動物には絶対にできないことだし、人間も今のところどんなにコストをかけても、それはできないこと。植物はそれだけではなく、アミノ酸も脂肪もビタミンも成長に必要なものは全部自ら作っている。これはすごい!
植物のすごい! が満載の本。
少しくらいなら動物に食べられてもいいように進化し、あるいは一定程度は動物に食べられるように進化したり、逆に食べられたいないものは渋みや辛みを持ったり、猛烈な毒を持つように進化したり。
熱中症にならないために自分の体を冷やす冷却能力を持ったり、寒さに耐えるために体内の糖分を増やしたり、ロゼットという形態を得たり、地下茎を形成したり・・・とにかくすごい。
これだけすごいと、実は植物にも意識や知能があるんじゃないか・・・とさえ思ってくる。でも、それは違う。植物はそんなもの必要ないよ、という進化をしてきたんだなぁ。生き延びるや遺伝子を残すということに関しては意識や知能の有無が上位にあるってことではなく、種の戦略に過ぎないんだってことなんだろう。植物はすごい! -
Posted by ブクログ
栽培方法から美味しく食べられる保存方法まで簡潔にまとめてくれている。果物の入門書ってところか。
初版の‘13年以降情報系のテレビ番組が増えているからか聞き覚えのある効能もチラホラ出てきたけど、何だかんだでいざ子供に聞かれると自分なんかはたちどころに回答に困るんだろうな。
栄養学みたいな分野って、いつも難解な横文字成分を中心に講じられる印象だったから、クイズもまじえた子供にもやさしい解説は有り難かった。(いい歳してそれを言っているのも問題だけど…)よく口にする果物でさえ種からヒラヒラとした花が咲いて、実(固体)になる過程を追うと生命の神秘を感じてしまう笑
メロンの網目模様の謎なんか今まで知ろうともしなかった分意外で面白くて、出来上がってく過程をビデオに撮って早回しで見たいくらい。
名前の由来といい、自分の思い込みがどんどん覆されていく。小学生みたいに驚いてばかりだし、スマホ片手に調べれば分かる事だろうけど偶然知るってやっぱり嬉しい。
臭みを抑えたドリアンに(料理に絞る際邪魔な)種を除いたスダチ…etc.と、品種改良が思っていた以上にされていたのにもビックリ。幾らでも作れるのかと思いきや、元から改良できない果物もあったりと運命まで決まっている…
それを踏まえてまえがきを読み直すと、別で先生のメッセージが勝手に脳内で続いてく。
“果物たちの役割を理解し、美味しくいただきましょう。あれこれ無闇に食べてはいけませんよ”
きもにめいじます!
【その他】
・「果物の王様」「ビタミンCの女王様」…と君主が大勢おわして笑った。
・「果物語録」(と勝手に呼んでいる)は無関係な話も多かったけど、ちゃんと栄養を考えるヒントになる。「朝の果物は金」、肝に銘じます!