田中修のレビュー一覧
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毎年NHKラジオで行われる人気放送、「夏休み子ども科学電話相談」で植物を担当している、田中修先生が手がけた本です。
「いっぺんいうてみよか?」の名フレーズは、今年の夏に、Twitterでもちょっとした人気でした。
一応大人向けとなってはいて、高校生物程度の専門用語も出てきます。とはいえ全体に文章は平易です。
時折、漫画のように笑ってしまうような、コミカルなエピソードも挟まれています。
なので実際は小学校の高学年児童や中学生でも楽しめると思います。
因みに、巻末で謝辞を述べられている高橋亘先生も、今年の夏に電話相談の植物担当を行っていた先生です。 -
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植物学の入門書。とにかく読みやすい一冊。
著者はマスコミに呼ばれることも多い研究者。そのせいか、人がどういうところに興味を持つのか、どこで理解に苦しみ引っかかるのか、それをよくわかってるのだろう、という印象を受ける本の作り。
序盤は少々俗っぽい事例を取り上げつつ読者の興味を惹き、徐々に話を深めていく。
書いている内容は高校生物レベルのもので知識量を増やすという目的にはあまり適しませんが、植物関係の本を読んでどこか分かったふりになっている部分を押さえてくれている一冊なので、分野全体に見通しが付きやすくなる一冊。
高校教員との交流もあるようで、高校生向けの実験に関する記述もある。良い入門書。 -
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先日の『植物はすごい』がなかなか面白かったので、同じ著者のこちらを入手してみました。まずは第1章「春を彩る雑草たち」をこれまたなかなか面白く読み、第2章「初夏に映える緑の葉っぱ」以降はまたその時期に読むことにします。(笑
名前の由来についても、先のヤマケイの図鑑とは別の由来も記載されており、興味深い。
先の図鑑ではカラスノエンドウは「サイズ」が由来と書いてあったが、こちらは「実が黒くなるから」と。また、シロツメクサは図鑑では「詰め」が由来とのことだったが、こちらでは文字通り「爪」と。まあ、それだけいろいろな説があるということで、楽しいじゃないですか。
ハルジオンとヒメジョオン、なぜ片方は「ジ -
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ネタバレ[ 内容 ]
可憐な花や美味しそうな実に隠れてしまいがちだが、葉っぱは、植物そして動物たちすべての命を引き受けて、黙々と光合成をしている。
太陽の光と地中の水と二酸化炭素から、酸素とデンプンを作り出すその働きは、何ものにも代え難いのだ。
本書は、植物を心から愛する著者が、葉っぱの気持ちになって記した、葉っぱの本である。
[ 目次 ]
第1話 葉っぱがおこしたミステリー
第2話 時を刻む葉っぱ
第3話 光の色を見分ける葉っぱ
第4話 働き者の葉っぱ
第5話 葉っぱのパワー
第6話 葉っぱの悩み
第7話 葉っぱの運動
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆ -
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ネタバレ植物の雑学をたくさん知りました。セイヨウタンポポ強すぎる。
◎スミレ
生存戦略①
タネの表面にエライオソームというアリの好きな物質をつけることで広範囲にタネを散布させる
生存戦略②
花の後ろに袋状の「距」を持つことで花粉を運ぶ昆虫を選び、受粉効率を高めている
生存戦略③
花びらの縞模様はネクターガイドの役割を果たしている
生存戦略④
上記3つでもタネを残せなかった場合の保険として、閉鎖花(自家受粉する花)をつくる
◎オオイヌノフグリと松ぼっくり
フグリとは陰嚢を指す言葉で、実は松ぼっくりの「ぼっくり」もフグリが訛ったものと言われている。
松ぼっくりは乾燥時(晴天時)に開き湿潤時(雨天時)に -
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植物と動物の循環は芸術的。植物が光をデンプン等のエネルギーに変換して、それを摂取した動物は体内でエネルギーに変換して活動し、もとの水と二酸化炭素に戻って動物の体内から出てゆく。
植物は食べられる代わりに、動く動物に種を運ばせる。
動けないというハンディは植物を戦略家に仕立てた。
その戦略を確立する為には、夥しい先人(先植物)の命をかけたトライアンドエラーが重なっているだろう。
ピーナツの戦略など、どうやって確立したのか、どういうプロセスを経て行き着いたのか、とても想像出来ない。
人間と彼岸花の共生、紫外線他自然環境への適応、読みどころ沢山だった。 -
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植物はすごい! 自分では動けないけど、その生き残り戦略は動物となんら変わることなくすごい。
植物は水と空気中の二酸化炭素と太陽光でブドウ糖やデンプンを作っているわけだけど、それは動物には絶対にできないことだし、人間も今のところどんなにコストをかけても、それはできないこと。植物はそれだけではなく、アミノ酸も脂肪もビタミンも成長に必要なものは全部自ら作っている。これはすごい!
植物のすごい! が満載の本。
少しくらいなら動物に食べられてもいいように進化し、あるいは一定程度は動物に食べられるように進化したり、逆に食べられたいないものは渋みや辛みを持ったり、猛烈な毒を持つように進化したり。