田中修のレビュー一覧
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この本は植物の巧みな生き方をわかりやすく解説している。
本書は本筋の理解に必要な化学や生物用語を解説しているので理系の知識に詳しくない人でもわかりやすく読み進めることが出来る。
また所々に日常生活で見る植物の例やそれにまつわる日本文化の由来が語られ読者の興味を引くように工夫されてとても楽しめるようにもなっている。
一章
植物は光、二酸化炭素、太陽光を利用して自身で栄養を作り出せる。また外敵から身を守る手段としてトゲを利用。
二章
味(渋み、苦味、酸味、辛味)を利用して身や種を守ったり、反対に成長した種を運ばせるためにわざと食べられるように実を甘くしたりもする。
三章
病気から身を守るために体液、カサブタや香りなどを利用する。
四章
毒で身を守る。
五章
太陽光の紫外線を耐える(活性酸素の除去)のために色素、ビタミンCやビタミンEなどを豊富に作り出す。太陽光が強いほど色素の量が増加し植物はより色鮮やかになる
六章
暑さと乾燥を防ぐために水を蒸発させ体温を下げる。
寒さを凌ぐため体の中に糖分を増やし凍りにくくする(凝固点降下の原理)。農業ではこの仕組みを利用し野菜や果物に寒さのストレスを与えて甘くしたりもする。
七章
植物のタネには実を大きくする物質を生み出す力がある。
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ネタバレ植物はすごい
生き残りをかけたしくみと工夫
著者 田中 修
中公新書2174″
2012年7月25日発行
植物の仕組みについて、種の保存の観点から分かりやすく解説した本。物語性があってとても楽しく読めるし、読んでいると植物はすごい、えらい、と思えてくる。なかなかの人気本らしい。
自分の身を守るため、トゲを備えたり、実や体に毒を含ませたり、まずい味にしたりと、植物は工夫する。しかし、子孫を同じ場所ではなく、他の広いエリアで繁殖させるためには、動物や虫の機動性を利用するしかない。そこで、柿のようにまだ種が出来ていないうちは渋く、種が出来たら食べてもらえるように甘くなる。食べてもらって、食べて貰うときに種を落としてもらったり、未消化のまま糞でまき散らしてもらったり。そんな工夫がある。
食べ尽くされたくはないが、ある程度は食べてもいいよ、という植物が多いようだ。
ところで、近年、日光は人の体に悪い面があると強調されている。一つは、紫外線が体内に活性酸素をつくりだし、体を老化させること。そこで、ビタミンなど抗酸化物質を摂って健康を保とうとする。それは植物から摂る。では、どうして植物には抗酸化物質があるのか?実は、植物も人と同じ悩みを持っている。植物は太陽光の3分の1程度以下の強さの光しか光合成に使いこなせない。強い太陽光は植物にとっても有害な活性酸素を生み出す。そこで植物はそれを消去するため、ビタミンCやEなどの抗酸化物質をつくり出したとのことである。それが、人間様にも役立っているとは。
杉や松、ツバキなどのなどの常緑樹は、どうして冬にも葉っぱがかれないのかという仕組みも興味深かった。例えば、冬に氷点下になれば水は氷る、水分を含んだ葉っぱも氷るはず、だが氷らないのは氷らないような物質を冬になる前にためこんでいるからだという。それは、例えば糖分。糖分の濃度が高ければ高いほど、凝固点降下で氷る温度が低くなっていく。
で、これと同じ理屈が冬を通り越した大根や白菜、キャベツなどの甘みだという。ほうれん草や小松菜は、温室で栽培し、最後の1週間は寒風を入れて冷やすのだという。それで甘みが増す。
もしかすると、白菜や大根を雪に埋めて保存するのも、その理屈かもしれないと思った。
種なしの果物はどうして実が成るのか、そして、どうして増やすのか?
みかん(温州みかん)は種がないが、時々入っていることがあるのは何故か?
その仕組み解説も楽しかった。
江戸時代前期、当時の薩摩で栽培されていたときに、ミカンに突然変異がおこり、「温州ミカン」が生まれた。花粉がメシベについてタネをつくる能力をなくす」性質と、「タネができなくても、子房が肥大する」性質を併せもつミカンが生まれたのである。
果物は、花粉がなくてもオーキシンという物質を与えると実が大きくなるそうだ。
しかし、温州ミカンも違う種類のミカンの花粉がつくと、メシベには生殖能力があるため種ができるそうだ。虫によってそれが起きるらしい。
やはりメスは強い。 -
購入済み
フルーツの話
後半に行くほど、あまり馴染みのないフルーツが出てきて、おもれーくいてーとなる。
メジャーな果物はたくさんの蘊蓄があるけど、そのマニアックなな方、もう少し情報があったらなぁ〜と。 -
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NHKラジオ第一で放送されている「子ども科学電話相談」回答者などでおなじみの田中先生の新刊(2020/1/25初版)。
季節別(新春・早春・春・初夏・夏・秋・冬)でそれぞれの時期に咲く花が挙げられている。
その他で「時刻を知らせる植物たち」もある。朝に咲くアサガオ、10時頃に咲くマツバボタン、夕方に咲くオシロイバナ、夜に咲くツキミソウ、夜中に咲くゲッカビジンなど。この区分は特徴的だと感じた。ご専門の分野でしたっけね。
さて。タイトルに「日本の花」とあるので洋花は含まれないと思い込んていたのだけど、そんなことはなくて、春にはチューリップやカーネーション、夏にはハイビスカス、冬にポインセチア。現代の(というか「令和の」)日本で親しまれている花を挙げたのでしょう。でも「日本の」と書かれると、伝統的な花を挙げた本なのかと誤解させられた、ので☆一つ減。 -
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植物に関する素朴な疑問の数々、「なぜ骨もないのに立っていられるのか」「なぜ芽は土を押しのけてこられたのか」「なぜ葉っぱは緑色なのか」「なぜ芽は上に伸びるのか」「なぜ根は下に伸びるのか」等々……これらに答えるべく並べられた様々なキーワードを軸に、植物の不思議な性質・生態が明らかにされていく。キーワードの例を挙げると、「吸収スペクトル」「フィトクロム」「頂芽優勢」「光周性」「フロリゲン」「FTタンパク質」「バーナリゼーション」……初見の言葉だらけですわw
中でも感銘を受けたのが「限界暗期」。これはツボミができるかできないかの境目の夜の長さのことで、なんと15分間隔の精度を誇るらしい。イネのある品種は、夜の長さが9時間45分ではツボミができないが、10時間になるとできる。オナモミは夜の長さが8時間15分ではツボミができないが、8時間半ならできる。シソは9時間半の夜ではできないが、9時間45分だとできるという。それはまるで退勤15分前にタイムカードが切れない、勤め人の哀しき性のよう!
入門編の域を遥かに超えた、植物学の良書。 -
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ネタバレオールカラーで見開き一ページ分がQ&Aになっていて読みやすく楽しかった。世界一大きい花、小さい花。毒がある花など楽しく読めた。あと言われてみれば当たり前のことなんだけど同じ種類の植物は一斉に花開き子孫を残す。花開く時間が決まっていて花時計になるほど正確だというがすごいなと思った。午前4時アサガオ、6時ハイビスカス、7時ホテイアオイ、8時キシンバイ、8~9時ポーチュラカ、マツバギク、オオイヌノフグリ、ハコベ、カタバミ、9~10時タンポポ、チューリップ、クロッカス、ムラサキカタバミ、タマスダレ、11~12時ゴジカ。午後2時ヒツジグサ、3時ハゼラン、4時オシロイバナ、7時ツキミソウ、10時ゲッカビジン、12時サツキツヅジ。本当だろうか?
花ごよみ1月ウメ、フクジュソウ。2月ツバキ、スイセン。3月モモ、ナノハナ。4月サクラ、チューリップ。5月フジ、カーネーション。6月アジサイ、ハナショウブ。7月クチナシ、ユリ。8月サルスベリ、アサガオ。9月ハギ、ヒガンバナ。10月モクセイ、コスモス。11月サザンカ、キク。12月ビワ、ツワブキ。だそうです。北海道は短い期間に一斉に咲くよね~ -
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田中修 「植物はすごい 」植物の特性を わかりやすく説明した本。植物のすごさに驚き、植物も 次の世代に 命をつなげるために 生きていることに 気づかされる。植物を見る目が変わる。特に 菜の花が 肥料、なたね油、バイオディーゼル燃料、土壌の放射能汚染緩和効果に驚いた
植物のすごさ
*少しくらい食べられても生きていける
*食べられないためのトゲ、渋み、辛み、毒を持つ
*カビや病原菌を退治するための かさぶた、香りを持つ
*葉が親株から落ちても 腐葉土となって 親株を育てる
食べられても生きていける
*小さい種から 大きい野菜に成長する
*自分でエネルギー源となるブドウ糖などを作る
*自分でアミノ酸を作るので、肉を食べなくていい
*全ての動物の食糧を補っている
*動物に食べられることで移動できる
「植物が果物を作るのは 子どもである種を作り、次の世代へつなげるため。果皮は 種を乾燥から守るためにある」 -
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電柱の上部に、ノウゼンカズラはどうやって芽吹いたのか。
元の株は何年も前に絶えてしまっていたのに。
赤色のレンコンを品種登録するまで、どんな過程を踏んだか。
ガラスビーズでどうやってキノコを育てるか。
こういった面白い話題が次々に上げられ、謎が解かれる。
特に面白かったのは、キノコの話。
高齢化が進むキノコ農家が、原木栽培をやめられない理由、しかし味がいいはずの原木栽培のキノコが高くは売れない理由など、社会的な問題から新しいキノコの栽培法が生まれていくのが読んでいて面白い。
本書の最後は遺伝子組み換えの可能性について述べている。
昔、バイオテクノロジーに脚光が当たった時、未来を支える技術として期待されていた...気がするのだが、いつの間にかあまりマスコミでも取り上げられなくなった。
当たり前の技術となったのか、意図的に看過されているのか?