松永K三蔵のレビュー一覧

  • バリ山行

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    イメージとしての不安・恐怖と現実の不安・恐怖は別物である、みたいなことを考えている人の話。
    サピエンス全史にある、妄想を共有することで人類は繁栄したという話に通じる部分があると思った。
    このように考えることで日常の不安を軽くできる効果がある。

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    2025年11月11日
  • カメオ

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    『バリ山行』を気に入った母にプレゼントするために買った。プレゼントの前に読む。

    『バリ山行』と同様の読み応えに久々に浸れた。決定的な破滅でもなく、確実な安心感でもない、でも何か吹っ切れたような読後感が同じだ。これは、母も気に入るだろう。そもそも、出てくる地名がいちいちその辺の、よく行く、よく目にする地名だからより身近に思えるのがさらに良い。

    タイトルの『カメオ』。あの大理石でできたcameo、装飾品の女性の横顔的な、ペンダントトップのような、それを想起させるのに犬の絵が表紙ってどう言うことだろうかと思いながら読み始めたが。cameoとは全く関係なかった。

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    2025年11月09日
  • バリ山行

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    わざわざ危険な道を選んで山に入り「本物の危機」を愉しむ“おかしいのかもしれない”妻鹿さんと、妻鹿さんが気になって仕方ない主人公。人間、普通じゃない部分に魅力があるのかもなぁ。
    職場は変わらず危機的状況なのに、バリ山行前後で、問題の捉え方というか描かれ方が変わっているのが印象的だった。

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    2025年11月07日
  • バリ山行

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    バリ山行。バリ島で山登りすると思ってたら、全然違うかった。バリ(バリエーションルート)で登山する事だった。滑落する描写があったが、わざわざ危険な山道を進む理由は?奥が深い小説でした。

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    2025年11月06日
  • バリ山行

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    山登りを通して、人生や仕事への取り組み方を考えさせられる一冊
    山の情景が丁寧に描写されており、バリ山行を本を読むことで味わうことができる

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    2025年11月03日
  • バリ山行

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    私も山登りが好きです。

    バリエーションルートを一人行く、おじさん。
    遭難しないように気をつけてください。

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    2025年10月25日
  • カメオ

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    よく知る土地の名前が出てきて、その土地の空気感とか匂いもちょっとだけ想像してしまう。そして、私もむかしむかし建設業に関わったことがあるので、とってもよくわかる話。

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    2025年10月23日
  • カメオ

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    犬を連れた偏屈な男に、工事の妨害をされている会社の担当者が主人公。

    タイトルの「カメオ」とは、そもそもは妨害し続ける男の名前だが、一気に流れの変わる後半には犬の名前になる。
    引きこもり気味のクレーマーである中年男の言動も、その姉の振る舞いも、主人公の上司の仕打ちも、主人公のいい加減な不器用さも、すべてが無責任で理不尽だが、どこか可笑しさがにじむ。
    唯一魅力的なのは逞しい犬の存在で、主人公がどういう選択をするのかが気になって、一気に読み切った。
    芥川賞受賞作『バリ山行』同様、疾走感のあるユニークな作品だった。

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    2025年07月26日
  • カメオ

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    ネタバレ

    カメオ、って西洋人の顔のブローチ的なものを想像していたのだがまさかの展開。超ド級のクレーマーの出現、不細工だけどどこか愛嬌のある犬、その間で右往左往することとなる主人公。なかなかどうして面白かった。先日太宰治の『畜犬談』を読んだのだがそのバッドエンド版という感じで、畜犬談を非常に気に入った私としてはかなりツボにはまった。舞台の西宮も土地勘バッチリで楽しめた。そして犬の処遇がどうなるか、ということに密やかにハラハラ。お座敷犬で収まるタイプには思えず、スケールのでかそうな犬なのであの結末でもアリだと思う。

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    2025年07月07日
  • カメオ

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    物流倉庫に勤める主人公が、工期厳守の倉庫建築工事の担当となったが、犬を連れた隣地の迷惑な男がたちはだかり、さらにその連れていた犬と深く関わることになっていくというストーリー。
    純文学の範疇に入ると思うが、読ませる文章で面白く、良い読後感だった。クレーマーの男の描写も実にリアリティがあった。諸々の軛からの解放というのが一つのテーマなのかなと感じた。

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    2025年06月06日
  • カメオ

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    『バリ山行』で芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの「不条理な可笑しみに彩られたデビュー作」
    確かにね。主人公が建築指揮している倉庫の隣家のクレーマー男も、主人公に押し付けられた犬が本性を出してくる様子も、主人公を取り巻くあれこれが全部なんか不条理。でも不気味さではなく、それらに戸惑いつつ苦労している主人公はどこか滑稽です。
    ちょっと理不尽な小さな会社や、妙に職人気質な脇役。さらに主人公がきつい運動で自分の存在感を確認しようとする事など、『バリ山行』との類似点も多い。
    まだ、小説はこの2作だけの様です。まあ、じっくり面白い小説を書いていただければ。。
    ちなみに松永K三蔵さんのHPに以下の様な文章が有

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    2025年05月11日
  • カメオ

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    テンポが良くて、凄く面白かった!
    第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュ一作。第64回群像新人文学賞・優秀作

    「バリ山行」と同じように自然、心理描写が細やか。展開にハラハラして引き込まれた。
    個人的には最後、主人公の決断には⁇驚いたけれど、、、
    終始面白くて読めて良かった!

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    2025年04月26日
  • カメオ

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    「カメオ」は読む前と24頁あたりで頭の中で発音が変換した・・・。
    これは狙いか?

    前作もそうだったけど、今作も「何でこんなに面白いんだろう?」と思いながらも一気読みしてしまった。
    作者との相性ってあるのかな。
    主人公と私は何1つ共通点はないけど、共感できてしまう。特に劇的な盛り上がりがある訳でもないが、ずっとハラハラドキドキだ。
    リアルな人生ってハッピーエンドもバッドエンドもない。平凡だけど面白い。それを体感させてくれる作品だと思う。

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    2025年04月14日
  • バリ山行

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    山岳小説ではなく、サラリーマン小説 リストラにビビりながら山にのめり込んでいく話
    人生の辛酸が少し味わえるといった小説かな

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    2025年12月12日
  • バリ山行

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    バリエーションルートの内容が、かなりリアル。顔に絡みつく蔦、落ち葉に足がめり込む感触、崖にへばりつく恐怖などを今、この瞬間、体験しているようだった。バリをやっていなくても、ある程度低山を登ったことがある人なら共感できると思う。
    また、すべてを忘れるために山へ来ているのに、いつの間にか仕事の不安が頭から離れないところも、「ある、ある!」と頷いてしまった。
    芥川賞の割には読みやすいし、登山経験がない人でもサラリーマン経験者ならば、興味深く読めるはず。
    ただし、時間を忘れて没頭するほどドキドキもワクワクもなかった。また、読めない漢字が多い。なので満点にはならなかった。

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    2025年12月15日
  • カメオ

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    法律とか、社会規範とか、社内規定とか、明文化されたルールから取り溢れた問題への対応を間違えて、どんどん出口が塞がれていく話。

    設定されているルール無視で怒鳴り込んでくるクレーマーや言葉の通じない奴がノルマの障壁になっているときに、ルール通りに進めていると締め切りに間に合わないので、ルールからは少し逸脱するがその方がコストがかからずに解決できる、っていう方法があると、現場としてはそれを選ばざるを得ないときがある。
    とても小さな嘘を吐いてしまうようなものだ。
    でもその嘘と現実の整合性を保つために立ち回っていると、さらに厄介ごとがまとわりついてきて、仕事のためについた嘘に気がついたら自分の私生活が

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    2025年01月13日
  • カメオ

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    ネタバレ

    主人公の決断の是非は別として(普通に違法)、その行動に行き着くまでの描写に無理がないというか、すーっと読み手側に伝わるのがすごいなと思った。なんにせよ読後爽やかな気持ちになれる一冊

    読むとタイトル【カメオ】のイントネーションが変わります

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    2025年01月04日
  • カメオ

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    亀夫やバリ山行の妻鹿さんのような、社会の中でバランスをとるのは難しいだろうなというような人たちが物語のど真ん中にどーんといて、その比率が新鮮なのかなと思う。

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    2025年01月01日
  • バリ山行

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    自分の知らない世界を見させてもらって、惹き込まれるように読み切った。最後に含みを持たせているのが、心残りだった。

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    2025年12月11日
  • バリ山行

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    ネタバレ

    会社組織の中で誰とも連まず、黙々と仕事をする妻鹿は、山歩きもコースを外れて道なき道を進む「バリ」を好む。
    どうしてそんな危険な登山を好むのか。私にはわからず、妻鹿が得体の知れない人物のように思えたが、終盤、そんな見方が逆転した。
    仕事も山も、周囲に決められるよりも自分で決める。自分の信念の下に生きる方がスッキリする。
    潔いし、カッコいい。どんな条件でも生きて帰って来るバリ山行ができる妻鹿なんだから、生活もどうにかなるでしょ、と思うのはあまりにも楽感的過ぎるかしら。
    そしてしがらみだらけの羽多はどうするのかなぁ。バリの面白さに気づいたようだが…。
    含みを持たせる終わり方だった。

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    2025年12月06日