松永K三蔵のレビュー一覧

  • バリ山行

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     会社での生き方を登山になぞられているように思えた。他人の評価を基準にして私たちは会社で働いている。それは登山道を使った無難な登山に似ているのかもしれない。多くの人は栗城のようにありたいと願うのだろう。
     波多は山でも会社でも他の評価を気にせず自分の価値観をもち行動する妻鹿が羨ましかったのではあるまいか。最後の青いマスキングテープの目印は波多が妻鹿の生き方に一歩近づいたということなのだろう。

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    2026年05月08日
  • バリ山行

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    短めの小説を読みたいならおすすめ。日常生活から離れる登山を通し、不安や葛藤を自問自答する心情は、自身の経験からイメージしやすかった。目の前の死の恐怖に比べれば、その他の不安は二の次だなぁ、という感想を得られる。ストーリーの終わり方が斬新だった。

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    2026年05月07日
  • バリ山行

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    情景描写が抜群で、山の空気や鬱蒼とした山道の匂いまでも感じられた。短いけれど読んだことのない類の小説だった。
    会社の方針がある日変わることはよくある話で、それに惑わされない、ブレない自分を保つには会社生活とは別の何かを持っていることが大事だなと。

    主人公が感情に正直だった。バリ山行に興味を持ち、最初はワクワクしたものの、危険な目にあった途端に恐れとメガさんに対する怒りで、感情をぶちまけてボロボロになって帰るが、結局最後は山、しかもバリ山行に戻る。

    会社も山も描写がリアル。

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    2026年05月01日
  • バリ山行

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    面白かった。
    関西の不動産管理の会社で働きながら、妻と生まれたばかりの子を養う生活をしている主人公が、同僚との付き合いのために会社の登山部に入る。最初は山登りに普通に惹かれるが、登山部にも入らずに毎週末バリ山行をしているらしい会社のあぶれ者のメガさんに興味を持つ。

    バリエーションを略してバリ、公式の山道ではない藪を漕いで、崖をロープで下ったりする独自ルートを切り拓く山登りの話だ。

    人望の厚い高齢の専務が辞め、若社長が大きな経営方針の変更を打ち出し、新方針がうまくいかず、従業員のうち誰がリストラをされるかという疑心暗鬼の中、メガさんだけは従来の業務を秘密で続けつつ、休みの日はバリを続けている

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    2026年04月21日
  • バリ山行

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    ・面白かった〜。
    ・物語内で出会う人(物事)に関わる事で、物語の入り口と出口で登場人物が変化している(成長している)、振り返ってみると、そうした物語の定型に思いっきりなっていて、読む前からすると意外な程、王道な、清々しい気持ちになった。結構ストレートに面白い小説だと思った。
    ・話途中のいわゆる「バリ」登山のシーンは圧巻で、主人公の心情も相まって自分も一緒に登っている気に(しんどい)。
    ・エベレストの様な高名な山でなく、そこらの住宅街が近くにある様な山で、こんな事が行われるんだ、という驚き。めちゃ見慣れた世界の知らない側面、それを垣間見た様な背徳感と喜び、みたいな。

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    2026年03月22日
  • バリ山行

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    波多は転職して今のそこそこ大手の会社に入り、妻娘と社宅で暮らしているが、自分の生来の付き合いの悪さを反省するところもあり、会社の登山サークルに参加するようになっていく。登山の楽しさをわかり始めた頃、会社でやや浮いた感のある妻鹿さんが登山をやっていることを知る。しかも妻鹿さんの登山はバリという登山道じゃない道を行くスタイル。波多は妻鹿さんの生き方(仕事の仕方)にも山登りのスタイルにも反発しながらも引かれるところがあり、そこが描かれていく。
    バリ山行の描写などは楽しく読めたものの、主人公の心持ちが今一つ乗れない(共感できない)タイプで入り込めなかった。そもそも家事育児を奥さんに頼りすぎでイラッとす

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    2026年03月20日
  • バリ山行

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    登山という過酷な経験を通して、普段は蓋をしている内面の思考が溢れ出していく。山と対峙することが、そのまま自分自身と向き合う鏡のような行為へと変わっていく描写に、深い共感をおぼえました。
    「山を登る」という非日常が、かえって人間の本質を剥き出しにする。ページをめくるごとに、自分もまた険しい山道に立ち、自分自身に問いを立てているような、濃密な読書体験でした。

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    2026年03月22日
  • バリ山行

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    良い意味で芥川賞らしくない面白さがあった。生活に縛られた会社や仕事の嫌らしい描き方はサラリーマン小説っぽくもあり、街に隣接した低山に潜む「本物」の描かれ方は冒険小説っぽくもあり。

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    2026年03月16日
  • バリ山行

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    ネタバレ

    六甲山、芦屋、など聞き馴染みのある場所が出て自分で歩いてる気になる。山で誰もいない場所でひとり飲む珈琲は最高ー!わかるわ〜〜!
    山を歩きながら仕事のモヤモヤ家庭のモヤモヤを考えるけど、そういった事に頭を悩ませることがどうでもいいようになる
    この本を読みながら体感出来た気がする。ラスト、主人公は安堵感を覚えたのか。ほっとした

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    2026年03月13日
  • バリ山行

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    面白かったです。
    バリ山行というタイトルからバリの意味は?
    と。ああそういう意味か、と。
    megaさん達の山登り。
    最後の終わり方。文体も、良かったです。

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    2026年03月11日
  • カメオ

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    倉庫の施設保全担当である高見のもとに、本社から新たな倉庫の建設を命じられた。必ず期日に間に合わせなければならない高見の前に、不恰好な白い犬を連れた近所の男:カメオが立ちはだかる。彼のクレームはヒートアップし、現場に座り込み始める。犬を隣に座らせて———

    ただただ面白かった。
    人間のカメオの死によって、犬を預かることになった高見。彼の義理堅さには脱帽する。押し付けられた犬を、そうするしか無いものの、ペット禁止の自宅へと連れ帰り、その日のうちに数々のペット用品を購入する(餌とかお皿とかだけでなく、おもちゃとかも! )。そんな優しい彼は、犬を無意識のうちにカメオと呼び、なんだか愛着が湧いてきてしま

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    2026年03月09日
  • バリ山行

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    山という様々な面を持つものに向き合う人々の考えなどに触れながら、人間関係や仕事との向き合い方が印象的だった。

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    2026年03月05日
  • バリ山行

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    登山をしている人でもしていなくてもおのずと引き込まれる。
    山と人生、未来ではなく"今"を見据える大切さ…未来がどうなるかなんて誰もわからないのに、きっと多くの人がまだ起こるかわからないことに不安を覚えている。それはあまり意味のないこと、教えてくれる。
    妻鹿さんのような自分の信じた道を突き進む人に好感を持てる。身近にいたら応援したくなる。

    ところでバリってインドネシアのバリのことだと読むまで勘違いしてました。

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    2026年02月28日
  • カメオ

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    『バリ山行』を気に入った母にプレゼントするために買った。プレゼントの前に読む。

    『バリ山行』と同様の読み応えに久々に浸れた。決定的な破滅でもなく、確実な安心感でもない、でも何か吹っ切れたような読後感が同じだ。これは、母も気に入るだろう。そもそも、出てくる地名がいちいちその辺の、よく行く、よく目にする地名だからより身近に思えるのがさらに良い。

    タイトルの『カメオ』。あの大理石でできたcameo、装飾品の女性の横顔的な、ペンダントトップのような、それを想起させるのに犬の絵が表紙ってどう言うことだろうかと思いながら読み始めたが。cameoとは全く関係なかった。

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    2025年11月09日
  • カメオ

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    よく知る土地の名前が出てきて、その土地の空気感とか匂いもちょっとだけ想像してしまう。そして、私もむかしむかし建設業に関わったことがあるので、とってもよくわかる話。

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    2025年10月23日
  • カメオ

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    犬を連れた偏屈な男に、工事の妨害をされている会社の担当者が主人公。

    タイトルの「カメオ」とは、そもそもは妨害し続ける男の名前だが、一気に流れの変わる後半には犬の名前になる。
    引きこもり気味のクレーマーである中年男の言動も、その姉の振る舞いも、主人公の上司の仕打ちも、主人公のいい加減な不器用さも、すべてが無責任で理不尽だが、どこか可笑しさがにじむ。
    唯一魅力的なのは逞しい犬の存在で、主人公がどういう選択をするのかが気になって、一気に読み切った。
    芥川賞受賞作『バリ山行』同様、疾走感のあるユニークな作品だった。

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    2025年07月26日
  • カメオ

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    ネタバレ

    カメオ、って西洋人の顔のブローチ的なものを想像していたのだがまさかの展開。超ド級のクレーマーの出現、不細工だけどどこか愛嬌のある犬、その間で右往左往することとなる主人公。なかなかどうして面白かった。先日太宰治の『畜犬談』を読んだのだがそのバッドエンド版という感じで、畜犬談を非常に気に入った私としてはかなりツボにはまった。舞台の西宮も土地勘バッチリで楽しめた。そして犬の処遇がどうなるか、ということに密やかにハラハラ。お座敷犬で収まるタイプには思えず、スケールのでかそうな犬なのであの結末でもアリだと思う。

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    2025年07月07日
  • カメオ

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    物流倉庫に勤める主人公が、工期厳守の倉庫建築工事の担当となったが、犬を連れた隣地の迷惑な男がたちはだかり、さらにその連れていた犬と深く関わることになっていくというストーリー。
    純文学の範疇に入ると思うが、読ませる文章で面白く、良い読後感だった。クレーマーの男の描写も実にリアリティがあった。諸々の軛からの解放というのが一つのテーマなのかなと感じた。

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    2025年06月06日
  • カメオ

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    『バリ山行』で芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの「不条理な可笑しみに彩られたデビュー作」
    確かにね。主人公が建築指揮している倉庫の隣家のクレーマー男も、主人公に押し付けられた犬が本性を出してくる様子も、主人公を取り巻くあれこれが全部なんか不条理。でも不気味さではなく、それらに戸惑いつつ苦労している主人公はどこか滑稽です。
    ちょっと理不尽な小さな会社や、妙に職人気質な脇役。さらに主人公がきつい運動で自分の存在感を確認しようとする事など、『バリ山行』との類似点も多い。
    まだ、小説はこの2作だけの様です。まあ、じっくり面白い小説を書いていただければ。。
    ちなみに松永K三蔵さんのHPに以下の様な文章が有

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    2025年05月11日
  • カメオ

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    テンポが良くて、凄く面白かった!
    第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュ一作。第64回群像新人文学賞・優秀作

    「バリ山行」と同じように自然、心理描写が細やか。展開にハラハラして引き込まれた。
    個人的には最後、主人公の決断には⁇驚いたけれど、、、
    終始面白くて読めて良かった!

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    2025年04月26日