松永K三蔵のレビュー一覧

  • カメオ

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    倉庫の施設保全担当である高見のもとに、本社から新たな倉庫の建設を命じられた。必ず期日に間に合わせなければならない高見の前に、不恰好な白い犬を連れた近所の男:カメオが立ちはだかる。彼のクレームはヒートアップし、現場に座り込み始める。犬を隣に座らせて———

    ただただ面白かった。
    人間のカメオの死によって、犬を預かることになった高見。彼の義理堅さには脱帽する。押し付けられた犬を、そうするしか無いものの、ペット禁止の自宅へと連れ帰り、その日のうちに数々のペット用品を購入する(餌とかお皿とかだけでなく、おもちゃとかも! )。そんな優しい彼は、犬を無意識のうちにカメオと呼び、なんだか愛着が湧いてきてしま

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    2026年03月09日
  • バリ山行

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    山という様々な面を持つものに向き合う人々の考えなどに触れながら、人間関係や仕事との向き合い方が印象的だった。

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    2026年03月05日
  • バリ山行

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    メインルートではなく、地図にないルート「バリエーションルート」で山を登る「バリ山行」。登場人物の仕事と登山を通してそれぞれの人生観が語られる。芥川賞受賞作。

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    2026年03月02日
  • バリ山行

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    登山をしている人でもしていなくてもおのずと引き込まれる。
    山と人生、未来ではなく"今"を見据える大切さ…未来がどうなるかなんて誰もわからないのに、きっと多くの人がまだ起こるかわからないことに不安を覚えている。それはあまり意味のないこと、教えてくれる。
    妻鹿さんのような自分の信じた道を突き進む人に好感を持てる。身近にいたら応援したくなる。

    ところでバリってインドネシアのバリのことだと読むまで勘違いしてました。

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    2026年02月28日
  • バリ山行

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    世間のすぐそばにありそうな話なのと聞き慣れた六甲山系の登山ルートが出てくるのが楽しかった。ごく一般人な主人公の杞憂な性格がもどかしく、連れてってとお願いしたのに別れる時に無視するところのリアルな描写が腹立たしくもあり愛おしくもあった。似たような山行を近所の低山でよくやってたのでバリの描写はとてもリアルで心躍った。あと勝手にバリやるのはいいけどマスキングテープ巻いちゃうのはダメだと思うw

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    2026年02月19日
  • バリ山行

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    バリ山行という、未知のカルチャーに触れられたのがシンプルに好奇心を煽った。

    生命の危険を感じると、日常の些細な悩みが吹っ飛んで、一つ引いて見られるようになる感覚。
    雨の中のキャンプでも似た高揚感/達成感のようなものを感じたことがあり、共感する部分がある。

    あの時に覚える無敵になったような感覚は、我々をどこに連れていくのか。それが気になる一冊だった。

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    2026年02月16日
  • バリ山行

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    思い出しましたよ。著者と唯一の共通点は、兵庫県立西宮北高出身であること。年齢はかなり違うと思いますが。北高といえば、遠足が全て六甲山系登山でした。3年間かけて縦走する。ありとあらゆるところから登って降りました。私が在学当時は山岳部が強かった。インターハイ出場していたのも良く覚えています。

    そんな記憶がめちゃくちゃ蘇る。そして私もかつて建設会社に勤めていたので、中の人の感じも我がごとのように親近感が湧いてくる。

    とにかく、なにかと自分に重ねて読んでしまったし、地元で知っている風景ばかり出てくるので、既視感ありまくりの作品でした。

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    2026年02月10日
  • バリ山行

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    芥川賞受賞作品

    彼に勧められて、気になって読んでみた

    めっっっちゃ面白かった!!
    私は登山等しないから新鮮で得れるものが
    沢山あった作品

    バリ登山というものも知れたし
    ストーリーもとっても良かった!
    人と山、山と人生を重ねて描かれてて
    妻鹿さんは山に、バリ登山になにか得れるもの
    があり、全てを忘れ山に行ってたんやろなぁと

    現実的な話も盛り盛りで、うわぁ、わかるわ
    ってすごいなったw

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    2026年02月02日
  • バリ山行

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    地図という"決められた枠"を脱け出し、目の前の出来事に自分の足で踏み出していく──その瞬間にこそ、本当の面白さが宿るのだと気づかされる。バリ登山と人生を重ね合わせた本作は、全編を通して前向きなエネルギーが満ち、生きることへの渇望を静かに燃やし続ける一冊でした。

    バリ登山というテーマ自体には賛否があるものの、「正しいかどうかではなく、行けるかどうか。行ける場所こそが自分のルートになる」という姿勢は、人生そのものに通じる力強いメッセージだと感じました。職場や家庭、人生の分岐点に迷いながらも前へ進む勇気をそっと後押ししてくれる作品です。

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    2026年02月01日
  • カメオ

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    『バリ山行』を気に入った母にプレゼントするために買った。プレゼントの前に読む。

    『バリ山行』と同様の読み応えに久々に浸れた。決定的な破滅でもなく、確実な安心感でもない、でも何か吹っ切れたような読後感が同じだ。これは、母も気に入るだろう。そもそも、出てくる地名がいちいちその辺の、よく行く、よく目にする地名だからより身近に思えるのがさらに良い。

    タイトルの『カメオ』。あの大理石でできたcameo、装飾品の女性の横顔的な、ペンダントトップのような、それを想起させるのに犬の絵が表紙ってどう言うことだろうかと思いながら読み始めたが。cameoとは全く関係なかった。

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    2025年11月09日
  • バリ山行

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    わざわざ危険な道を選んで山に入り「本物の危機」を愉しむ“おかしいのかもしれない”妻鹿さんと、妻鹿さんが気になって仕方ない主人公。人間、普通じゃない部分に魅力があるのかもなぁ。
    職場は変わらず危機的状況なのに、バリ山行前後で、問題の捉え方というか描かれ方が変わっているのが印象的だった。

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    2025年11月07日
  • カメオ

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    よく知る土地の名前が出てきて、その土地の空気感とか匂いもちょっとだけ想像してしまう。そして、私もむかしむかし建設業に関わったことがあるので、とってもよくわかる話。

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    2025年10月23日
  • カメオ

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    犬を連れた偏屈な男に、工事の妨害をされている会社の担当者が主人公。

    タイトルの「カメオ」とは、そもそもは妨害し続ける男の名前だが、一気に流れの変わる後半には犬の名前になる。
    引きこもり気味のクレーマーである中年男の言動も、その姉の振る舞いも、主人公の上司の仕打ちも、主人公のいい加減な不器用さも、すべてが無責任で理不尽だが、どこか可笑しさがにじむ。
    唯一魅力的なのは逞しい犬の存在で、主人公がどういう選択をするのかが気になって、一気に読み切った。
    芥川賞受賞作『バリ山行』同様、疾走感のあるユニークな作品だった。

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    2025年07月26日
  • カメオ

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    ネタバレ

    カメオ、って西洋人の顔のブローチ的なものを想像していたのだがまさかの展開。超ド級のクレーマーの出現、不細工だけどどこか愛嬌のある犬、その間で右往左往することとなる主人公。なかなかどうして面白かった。先日太宰治の『畜犬談』を読んだのだがそのバッドエンド版という感じで、畜犬談を非常に気に入った私としてはかなりツボにはまった。舞台の西宮も土地勘バッチリで楽しめた。そして犬の処遇がどうなるか、ということに密やかにハラハラ。お座敷犬で収まるタイプには思えず、スケールのでかそうな犬なのであの結末でもアリだと思う。

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    2025年07月07日
  • カメオ

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    物流倉庫に勤める主人公が、工期厳守の倉庫建築工事の担当となったが、犬を連れた隣地の迷惑な男がたちはだかり、さらにその連れていた犬と深く関わることになっていくというストーリー。
    純文学の範疇に入ると思うが、読ませる文章で面白く、良い読後感だった。クレーマーの男の描写も実にリアリティがあった。諸々の軛からの解放というのが一つのテーマなのかなと感じた。

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    2025年06月06日
  • カメオ

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    『バリ山行』で芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの「不条理な可笑しみに彩られたデビュー作」
    確かにね。主人公が建築指揮している倉庫の隣家のクレーマー男も、主人公に押し付けられた犬が本性を出してくる様子も、主人公を取り巻くあれこれが全部なんか不条理。でも不気味さではなく、それらに戸惑いつつ苦労している主人公はどこか滑稽です。
    ちょっと理不尽な小さな会社や、妙に職人気質な脇役。さらに主人公がきつい運動で自分の存在感を確認しようとする事など、『バリ山行』との類似点も多い。
    まだ、小説はこの2作だけの様です。まあ、じっくり面白い小説を書いていただければ。。
    ちなみに松永K三蔵さんのHPに以下の様な文章が有

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    2025年05月11日
  • カメオ

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    テンポが良くて、凄く面白かった!
    第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュ一作。第64回群像新人文学賞・優秀作

    「バリ山行」と同じように自然、心理描写が細やか。展開にハラハラして引き込まれた。
    個人的には最後、主人公の決断には⁇驚いたけれど、、、
    終始面白くて読めて良かった!

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    2025年04月26日
  • カメオ

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    「カメオ」は読む前と24頁あたりで頭の中で発音が変換した・・・。
    これは狙いか?

    前作もそうだったけど、今作も「何でこんなに面白いんだろう?」と思いながらも一気読みしてしまった。
    作者との相性ってあるのかな。
    主人公と私は何1つ共通点はないけど、共感できてしまう。特に劇的な盛り上がりがある訳でもないが、ずっとハラハラドキドキだ。
    リアルな人生ってハッピーエンドもバッドエンドもない。平凡だけど面白い。それを体感させてくれる作品だと思う。

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    2025年04月14日
  • カメオ

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    法律とか、社会規範とか、社内規定とか、明文化されたルールから取り溢れた問題への対応を間違えて、どんどん出口が塞がれていく話。

    設定されているルール無視で怒鳴り込んでくるクレーマーや言葉の通じない奴がノルマの障壁になっているときに、ルール通りに進めていると締め切りに間に合わないので、ルールからは少し逸脱するがその方がコストがかからずに解決できる、っていう方法があると、現場としてはそれを選ばざるを得ないときがある。
    とても小さな嘘を吐いてしまうようなものだ。
    でもその嘘と現実の整合性を保つために立ち回っていると、さらに厄介ごとがまとわりついてきて、仕事のためについた嘘に気がついたら自分の私生活が

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    2025年01月13日
  • バリ山行

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    人生を登山に例えて、とだけいうと陳腐な感じもするが同じ登山でもバリルートという、一般の登山道ではないルートを行く登山と会社人としての生き方を対比させた物語。

    道なんていうものは最初からあったわけではなく、誰かが切り拓いてそれが維持されるからこそあるのであって結局は自分が信じた道を行くしかない。バリルートを行く妻鹿さんは仕事でも自分の信じた道を進んでいたのだろう。

    会社が危ないのでは?との疑心暗鬼からどこかに道がないかを居酒屋で小田原評定を繰り返すものとか、我先に辞めるものとか色々ある中で妻鹿さんの態度は今風ではないけど一つの在り方と思うし自分と似てるとも思う。会社やそれを支える顧客に対して

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    2026年01月27日