松永K三蔵のレビュー一覧

  • バリ山行

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    「この怖さは本物だろ?本物の危機だよ」
    『その危機に自ら踏み入っておきながら何の冗談だろう』
    妻鹿さんにとってのバリ。登山道ではない危険。
    「もう自分は何ものでもなくて、満たされる感じになるんだよ」

    『「本物」、それは山ではなく、街にある』
    波多にとっての危機とは。生活。会社。現実。

    妻鹿さんと波多のバリの様子がすごかった。
    最後、波多が見つけた青い花。ほっとしました。

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    2026年07月16日
  • カメオ

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    とにかく読みやすく、テンポよくすらすら読めてしまう。
    ストーリーもシンプルで普段読書をしない人でも、飽きずに一気読みできると思う。

    それゆえ、どこを切り抜いてもネタバレになってしまうので感想だけ。

    サラリーマンあるあるの感情に共感でき、主人公の気持ちは手に取るようにわかる。
    それとは裏腹に犬の気持ちの解釈がポイントなんだろう。

    本当の自分の気持ちに向き合うこと、犬の野生というか本能に従うこと、単純なようで難しい有様が作品から教えられた気がする。

    行け!行け!カメオ。

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    2026年07月13日
  • バリ山行

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    7月6日付日本経済新聞経の「プロムナード」欄に面白いコメントがあり、手に取ってみました。
    「バリ山行」サッパリ意味が分かりませんでしたが、このコメントの作者なら面白いかも、と。
    経験に基づく描写でもあるのでしょう、スラスラと読み進み素直に理解、感じられました。
    別の作品も読んでみたい。

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    2026年07月11日
  • バリ山行

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    仕事の知り合いから勧められて、手に取る。

    結論、とても面白かった。
    バリ山行を通して、本物とは何か?実感とは何か?に向き合う主人公の心情がリアルに描かれている。
    主人公の会社や職場での人間関係の動向と、バリ山行での経験が対比的に描かれており、共感できる部分も多々あった。
    バリ山行をしようとまでは思わないが、経験から感じるリアリティの重要さに改めて気づかせてくれた。

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    2026年07月11日
  • バリ山行

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    多くの読者が言ってるように“芥川賞なのに読みやすい“ということ。確かにそうでした。それはとても大切なこと。
    会社勤めを経験している人ならなおさらここに出てくる会社への不安、心配、人員整理、などに翻弄される気持ちがよくわかると思います。

    芥川賞は純文学の中で、今まで誰も書かなかった分野を開拓した小説に与える賞だと思いますので、この小説は山岳小説と仕事小説の融合という点で新しいフェーズを感じます。

    バリ山行とは、正規の登山道を外れて道なき道を行く「バリエーションルート」を指します。主人公がバリ山行しながら、仕事や人との関わりの本質を浮き彫りにしていきます。

    やや難読漢字が多く、せっかく良いペ

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    2026年07月11日
  • バリ山行

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    第171回芥川賞受賞作。
    中小企業ならではの微妙なパワーバランス、業績悪化への不安、そして良くも悪くも「まぁ、会社とはこんなもの」という諦めに似たリアルな空気感。この息苦しい社内で、ひとり浮いている妻鹿のとっぴな行動が、物語の軸となっていく。

    ちなみに、作中に出てくる関西弁の「自分」は、一人称ではなく「あなた」という意味。関西地方以外の方が読むときは、この言葉のニュアンスに注目すると、より登場人物たちの距離感がリアルに伝わってくるはずだ。

    作中で突きつけられる、「本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。」というセリフが胸に刺さる。
    道なき道を行く「バリ山行」は、現実の登山とし

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    2026年07月02日
  • カメオ

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    読みやすい、これにつきると思います。私自身、読むスピードが遅い、かつ多忙な中でも読める量も読みやすさに拍車をかけています。長編小説だと重い、けど短編小説だと物足りない、みたいな時に最適です。
    自分の身勝手さを主人公と重ねながら思い返すような一冊。

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    2026年06月29日
  • カメオ

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    「カメオ」?? 
    ブローチとか装飾品の?
    表紙は犬?
    といろいろ考えながら読み進めていくと…
    最後に、(それっ?!)ってなりました。
    伏線回収、おもしろかったです。

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    2026年06月27日
  • バリ山行

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    会社の仲間との楽しい登山から始まり、わくわく、共感しながら読んでいたら谷底に落とされるような展開。

    仕事も人生も見えやすいルートに従っていることが正しいように見えがちで、そこから外れる道もあるというシンプルな二項対立を纏いつつ、山道がこれまでの人々が作ってきた道であるように、そこあるのは線ではなく、面であると気づかせてくれる。

    すでに引かれた線でなく、ただそこにある面から、自分だけの線を引けるようになるか。

    ひらかれた可能性を感じさせるような本だった。

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    2026年06月14日
  • バリ山行

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     こういう登山小説があるのかと感心させられた。よく山登りは人生と比喩されやすく、そういう意味では多分に漏れずに本作もその王道とは言えるのではあるが、単に登山だけに止まらず、主人公波多の仕事や家庭などもリアルに描かれて共感も得やすいところがある。
     今や手軽に山登りができる環境が整い、YAMAPを使ったり、オシャレな装備を着こなし、会社の仲間で連れ立って登ることが主流のようになっており、むしろそれが当然のようになっているが、しかしそれは本来の山ではないのかもしれないと思わされた。
     妻鹿という仕事も職人気質の人物が、通常のルートから外れた山行を行う(バリエーション山行「バリ山行」)に同行すること

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    2026年06月09日
  • バリ山行

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    昔よく行った六甲山。バリを進んでいく描写が鮮やかで秀逸。強靭な身体性と目の前の事実のみに向き合うことで得られる精神性。一つの事実をどう捉えるか。お仕事小説でもあり、山小説でもある。

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    2026年06月05日
  • バリ山行

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    自由に山を登るルートを決めて、崖でも藪の中でもとにかく行きたい所に行きたいように行くのが楽しそうだった。
    普段登ってる道が誰かによって用意されてるなんて考えたこと無かったから視点が増えた。
    実際、バリ山行についていくの大変かもだけど、何か男心くすぐる登り方だった。山登りたい。

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    2026年05月27日
  • バリ山行

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    「これが本物の恐怖」
    で、それ以外はいくら話し合ったって解決しない不安。

    本当にその通りなんだけど、
    そうだよな〜 と納得できないのが人なんだよな〜と、
    妻鹿さんの様に生きれたら楽なのかもしれないけれど、いろんなしがらみや不安に囚われて、それでも前に進まなくちゃいけない主人公の気持ちも、
    山で息抜きしたい気持ちも、妻鹿さんの気持ちを知りたいことも、
    なんとなく共感できる。

    奥様は本当に偉いよ。

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    2026年05月15日
  • カメオ

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    倉庫の施設保全担当である高見のもとに、本社から新たな倉庫の建設を命じられた。必ず期日に間に合わせなければならない高見の前に、不恰好な白い犬を連れた近所の男:カメオが立ちはだかる。彼のクレームはヒートアップし、現場に座り込み始める。犬を隣に座らせて———

    ただただ面白かった。
    人間のカメオの死によって、犬を預かることになった高見。彼の義理堅さには脱帽する。押し付けられた犬を、そうするしか無いものの、ペット禁止の自宅へと連れ帰り、その日のうちに数々のペット用品を購入する(餌とかお皿とかだけでなく、おもちゃとかも! )。そんな優しい彼は、犬を無意識のうちにカメオと呼び、なんだか愛着が湧いてきてしま

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    2026年03月09日
  • カメオ

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    『バリ山行』を気に入った母にプレゼントするために買った。プレゼントの前に読む。

    『バリ山行』と同様の読み応えに久々に浸れた。決定的な破滅でもなく、確実な安心感でもない、でも何か吹っ切れたような読後感が同じだ。これは、母も気に入るだろう。そもそも、出てくる地名がいちいちその辺の、よく行く、よく目にする地名だからより身近に思えるのがさらに良い。

    タイトルの『カメオ』。あの大理石でできたcameo、装飾品の女性の横顔的な、ペンダントトップのような、それを想起させるのに犬の絵が表紙ってどう言うことだろうかと思いながら読み始めたが。cameoとは全く関係なかった。

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    2025年11月09日
  • カメオ

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    よく知る土地の名前が出てきて、その土地の空気感とか匂いもちょっとだけ想像してしまう。そして、私もむかしむかし建設業に関わったことがあるので、とってもよくわかる話。

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    2025年10月23日
  • カメオ

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    犬を連れた偏屈な男に、工事の妨害をされている会社の担当者が主人公。

    タイトルの「カメオ」とは、そもそもは妨害し続ける男の名前だが、一気に流れの変わる後半には犬の名前になる。
    引きこもり気味のクレーマーである中年男の言動も、その姉の振る舞いも、主人公の上司の仕打ちも、主人公のいい加減な不器用さも、すべてが無責任で理不尽だが、どこか可笑しさがにじむ。
    唯一魅力的なのは逞しい犬の存在で、主人公がどういう選択をするのかが気になって、一気に読み切った。
    芥川賞受賞作『バリ山行』同様、疾走感のあるユニークな作品だった。

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    2025年07月26日
  • カメオ

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    ネタバレ

    カメオ、って西洋人の顔のブローチ的なものを想像していたのだがまさかの展開。超ド級のクレーマーの出現、不細工だけどどこか愛嬌のある犬、その間で右往左往することとなる主人公。なかなかどうして面白かった。先日太宰治の『畜犬談』を読んだのだがそのバッドエンド版という感じで、畜犬談を非常に気に入った私としてはかなりツボにはまった。舞台の西宮も土地勘バッチリで楽しめた。そして犬の処遇がどうなるか、ということに密やかにハラハラ。お座敷犬で収まるタイプには思えず、スケールのでかそうな犬なのであの結末でもアリだと思う。

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    2025年07月07日
  • カメオ

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    物流倉庫に勤める主人公が、工期厳守の倉庫建築工事の担当となったが、犬を連れた隣地の迷惑な男がたちはだかり、さらにその連れていた犬と深く関わることになっていくというストーリー。
    純文学の範疇に入ると思うが、読ませる文章で面白く、良い読後感だった。クレーマーの男の描写も実にリアリティがあった。諸々の軛からの解放というのが一つのテーマなのかなと感じた。

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    2025年06月06日
  • カメオ

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    『バリ山行』で芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの「不条理な可笑しみに彩られたデビュー作」
    確かにね。主人公が建築指揮している倉庫の隣家のクレーマー男も、主人公に押し付けられた犬が本性を出してくる様子も、主人公を取り巻くあれこれが全部なんか不条理。でも不気味さではなく、それらに戸惑いつつ苦労している主人公はどこか滑稽です。
    ちょっと理不尽な小さな会社や、妙に職人気質な脇役。さらに主人公がきつい運動で自分の存在感を確認しようとする事など、『バリ山行』との類似点も多い。
    まだ、小説はこの2作だけの様です。まあ、じっくり面白い小説を書いていただければ。。
    ちなみに松永K三蔵さんのHPに以下の様な文章が有

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    2025年05月11日