松永K三蔵のレビュー一覧
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倉庫の施設保全担当である高見のもとに、本社から新たな倉庫の建設を命じられた。必ず期日に間に合わせなければならない高見の前に、不恰好な白い犬を連れた近所の男:カメオが立ちはだかる。彼のクレームはヒートアップし、現場に座り込み始める。犬を隣に座らせて———
ただただ面白かった。
人間のカメオの死によって、犬を預かることになった高見。彼の義理堅さには脱帽する。押し付けられた犬を、そうするしか無いものの、ペット禁止の自宅へと連れ帰り、その日のうちに数々のペット用品を購入する(餌とかお皿とかだけでなく、おもちゃとかも! )。そんな優しい彼は、犬を無意識のうちにカメオと呼び、なんだか愛着が湧いてきてしま -
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『バリ山行』を気に入った母にプレゼントするために買った。プレゼントの前に読む。
『バリ山行』と同様の読み応えに久々に浸れた。決定的な破滅でもなく、確実な安心感でもない、でも何か吹っ切れたような読後感が同じだ。これは、母も気に入るだろう。そもそも、出てくる地名がいちいちその辺の、よく行く、よく目にする地名だからより身近に思えるのがさらに良い。
タイトルの『カメオ』。あの大理石でできたcameo、装飾品の女性の横顔的な、ペンダントトップのような、それを想起させるのに犬の絵が表紙ってどう言うことだろうかと思いながら読み始めたが。cameoとは全く関係なかった。 -
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『バリ山行』で芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの「不条理な可笑しみに彩られたデビュー作」
確かにね。主人公が建築指揮している倉庫の隣家のクレーマー男も、主人公に押し付けられた犬が本性を出してくる様子も、主人公を取り巻くあれこれが全部なんか不条理。でも不気味さではなく、それらに戸惑いつつ苦労している主人公はどこか滑稽です。
ちょっと理不尽な小さな会社や、妙に職人気質な脇役。さらに主人公がきつい運動で自分の存在感を確認しようとする事など、『バリ山行』との類似点も多い。
まだ、小説はこの2作だけの様です。まあ、じっくり面白い小説を書いていただければ。。
ちなみに松永K三蔵さんのHPに以下の様な文章が有 -
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法律とか、社会規範とか、社内規定とか、明文化されたルールから取り溢れた問題への対応を間違えて、どんどん出口が塞がれていく話。
設定されているルール無視で怒鳴り込んでくるクレーマーや言葉の通じない奴がノルマの障壁になっているときに、ルール通りに進めていると締め切りに間に合わないので、ルールからは少し逸脱するがその方がコストがかからずに解決できる、っていう方法があると、現場としてはそれを選ばざるを得ないときがある。
とても小さな嘘を吐いてしまうようなものだ。
でもその嘘と現実の整合性を保つために立ち回っていると、さらに厄介ごとがまとわりついてきて、仕事のためについた嘘に気がついたら自分の私生活が -
Posted by ブクログ
人生を登山に例えて、とだけいうと陳腐な感じもするが同じ登山でもバリルートという、一般の登山道ではないルートを行く登山と会社人としての生き方を対比させた物語。
道なんていうものは最初からあったわけではなく、誰かが切り拓いてそれが維持されるからこそあるのであって結局は自分が信じた道を行くしかない。バリルートを行く妻鹿さんは仕事でも自分の信じた道を進んでいたのだろう。
会社が危ないのでは?との疑心暗鬼からどこかに道がないかを居酒屋で小田原評定を繰り返すものとか、我先に辞めるものとか色々ある中で妻鹿さんの態度は今風ではないけど一つの在り方と思うし自分と似てるとも思う。会社やそれを支える顧客に対して