松永K三蔵のレビュー一覧
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ネタバレめちゃよい。
主人公の気の好さが滲み出ているし、あまりに普通。普通だからこそ、追い詰められた結果、犬を遺棄しようと思ってしまうし、逃げてしまった後になって後悔の念に襲われるんだと思う。
誰にでも起こりうるエピソードだった。
なんやろ、やっぱり理屈であれこれ考えるより、いやそれも大事なんやけど、直感に従うべき瞬間っていうのは人生にいろいろあるよな、と感じた。
大袈裟かもしれないが笑。
自転車仲間の野犬に追われたエピソードから始まり、主人公が会社に命ぜられて用途不明の倉庫を突貫で建てさせられる。その隣地のいちゃもん男・亀男が飼っているブルテリア。突然ぽっくり逝った亀男に代わって、ブルテリアを育て -
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ネタバレ歩かせてもらっていただけの登山から、興味本位でバリに足を踏み入れる主人公・波多。なぜ妻鹿さんはバリに行くのか。会社の内情は気にならないのか。リストラが怖くないのか……。そんな波多の疑問をよそに、妻鹿は鬱蒼とした茂みの先へと進んでいく。
短編でありながら、まるで自分も関西の低山にいるかのような感覚に陥った。
数年前、それもバリにぴったりな冬に、正規ルートから外れて必死に藪を漕ぎ、どうにか辿り着いた六甲山山頂のことを思い出した。私の山行は、主人公が感じた恐怖ほどのバリではなかったが、それでも整備された登山道に出た時は、緊張の糸がぷつりと切れてそのまま道に倒れ込みそうになった。この本からは、僅かに -
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まず、バリ山行って?
登山道ではなく、バリエーションルート
つまり自分で道を探し作り登り進んでいく
波多は会社で登山に誘われ、サークル活動のように六甲山に登る
そんな中、バリ山行をしている妻鹿さんも同行することに
会社での仕事の行く末と、バリ山行の行く末がうまくリンクして面白い
もう、途中から妻鹿さんが気になって気になって仕方ない
ラストまで気になるし、なんなら読後も気になってる笑
自分も山登りしますが、バリ山行してる人なんて見たことない
いや、見えないところを登ってるんだな、きっと
やったら病みつきになるんだろうなぁ
達成感違うんだろうなぁ
(危ないけど)
サクッと読める
だって -
Posted by ブクログ
ネタバレバリ山行て何だと思い読んでみました。バリエーションルート、出来合いの登山道をつかわず藪の中に入りノコやピッケルを使って山の中を歩く、山頂を目指すわけではない。
ビルメンテナンス会社に勤める途入社の3年目の波田が付き合いから登山部に入る。仕事でも単独行動の多い四十代の妻鹿との六甲山へのバリ山行を舞台に非常な危険をともなう山にはいる。はじめは道なき道をかき分けて行く発見をして歓喜する波田であったが、急斜面で崖から落ち九死に一生を得る。そんな登山がなぜ面白いのこと妻鹿に食ってかかる。その時会社はきゅうちにあってリストラに直面し波田はリストラに合うのではと心配しているが妻鹿はリストラにあい波田が休暇