松永K三蔵のレビュー一覧
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タイトルのバリ=バリ島のことかと思って、なんの前情報もなく読んでみました。
結果的にとても良かったです。
転職者なら経験するであろう新たな環境でどんなスタンスで進むか、探り探り模索する主人公 波多。
社内登山部の活動に参加して、ベテラン社員 妻鹿(めが)さんのバリ山行のことを知り、他の部員同様に批判的な見方をしつつも気になる存在に。
組織の新体制や、リストラのウワサなど、暗い雰囲気に包まれる社内。
そんな時、波多は妻鹿さんに一緒にバリ山行に行かせてくださいと頼みます。
一緒に行った登山で、波多が感じた恐怖とは。
その後の妻鹿さんの行動に爽快感すら感じました。
人生はまるで登山のようなもの、そし -
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読み終えた直後は、熊笹による切り傷やヘビや蜘蛛やマダニやその他ありとあらゆる不快なものの中へ好き好んで飛び込んでいく藪漕ぎという道楽のコンセプトに頭を焼かれたようになり、絶対に絶対に絶対に自分ではやらないが目も逸らせずにYouTubeで毎晩のように動画を漁った。国内の動画を見尽くして物足りなくなり、ふと思い立って海外のYouTuberにも手を伸ばし(bushwhackingと言うらしい)たが、熊笹から逃れられない日本の藪は世界最恐なのではという発見もあった。
あれから1年ぐらい経つが、全国至るところに熊の出没した去年の秋は、メガさんどうしているだろと折に触れて思っていた。どうぞご安全に。 -
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■はじめに
一気読みだった。140ページという中編の分量もさることながら、何より著者の文体が読み手を離さない。
純文学にありがちな、内面へ内面へと沈み込む心象描写を、あえて前景化させずに、状況・行動・やり取りの積み重ねを通じて葛藤を遺漏なく描く。
キビキビとしてソリッド。冷たくもなく、ハードボイルドにも偏らない、絶妙なバランス感覚が「一気読み」へと導いたと見る。さすがは「オモロイ純文運動」を提唱するだけあります!
■内容&構成
①前半─「お仕事小説」としての顔
物語の前半、正確には1/3余りは建設現場を舞台にした、きわめて現実的な「お仕事小説」として展開。
ここでの主役は隣人クレーマー -
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ネタバレめちゃよい。
主人公の気の好さが滲み出ているし、あまりに普通。普通だからこそ、追い詰められた結果、犬を遺棄しようと思ってしまうし、逃げてしまった後になって後悔の念に襲われるんだと思う。
誰にでも起こりうるエピソードだった。
なんやろ、やっぱり理屈であれこれ考えるより、いやそれも大事なんやけど、直感に従うべき瞬間っていうのは人生にいろいろあるよな、と感じた。
大袈裟かもしれないが笑。
自転車仲間の野犬に追われたエピソードから始まり、主人公が会社に命ぜられて用途不明の倉庫を突貫で建てさせられる。その隣地のいちゃもん男・亀男が飼っているブルテリア。突然ぽっくり逝った亀男に代わって、ブルテリアを育て -
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「人生、仕事か山ばかりじゃない。」
と、誰か私の夫に言ってください。
登山家のサラリーマン夫がうちにいるので、非常に面白く読ませていただいた。
(※夫の場合:仕事<山)
破天荒な夫ですら、バリは行かないらしいので、妻鹿さんはよっぽど変なんだと思う。実は、SNSで炎上したおかげで、儲けて退職というストーリーはないだろうか。
波多さんは、もっと視野を広げて生きるといいのになと思うけれど、日本のサラリーマンはこういう波多さんの考え方が王道なのかもね。
王道を行かなくても、何とかなるけど、バリは困難な道だね。
『バリ山行』の続きをもっと読みたい。
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Posted by ブクログ
「バリ」とは、登山における「バリエーションルート」のことで、舗装されていない道なき道を行くルートである。
本物語では、「社会のルールに則った生き方」と「社会から外れた自分の信じる生き方」(=バリ)が対比されて描かれています。
特に、社会での息苦しさを感じる人に刺さる作品だと思います。
"主人公の波多は、職場での人間関係に馴染めずにいます。そんな折に、ちょっとしたきっかけから登山部に入ります。
登山部は、同僚の松浦が仕切っています。松浦は安全第一をモットーに、入念に準備をして登山に臨むスタイルです。このら松浦のもと、同僚の登山部たちはワイワイ登山を楽しんでいます。
新たな趣味