フランソワーズ・サガンのレビュー一覧

  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    タイトル「ブラームスはお好き」は、40歳を目前にした主人公ポールの青春時代を想起させ、ターニングポイントとなる大切な一言だった。

    女って、身体の特徴やバイオリズムの影響もあるから、多分何歳になっても複雑で繊細かつ微妙な心の動きをする。
    だから、男性が女性の気持ちを理解するのは、難しいこともあるのかもしれない(逆も然り)。

    結局のところ、慎ましいポールも、その恋人で自由を愛するロジェも、「慣れ親しんだ風景が楽」なのだろう。

    悲しいことに今の私は、そこに共感できてしまう年齢なので、ポールのことはなんか許せてしまった。

    この作品、サガンが24歳で書いた作品とのこと。
    随分と早熟だったのか…と驚いた。

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    2026年08月24日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    私に父がいたら、きっとこんなふうに感じたのかもしれない。まるで初恋の人を奪われたような感覚だった。聖書においてヘビは神に最も近い知的な生き物とされるが、美しいヘビが「パンを取ってくれた」という描写には、「知性」を与えてくれたアンヌが重ねられているのかもしれない。原文を切り裂けば鮮血が溢れ出しそうな生々しさがありながら、その内側にはぽっかりと穴が空いているような作品だった。

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    2026年08月23日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    ため息が出る美しさ!!
    こんなに余韻に浸っていたいと思える作品に出会えて幸せ。
    読んでいるとほろ酔いみたいなフワフワしたいい気分にさせてくれる…

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    2026年08月12日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    ネタバレ

    18歳でこんなに色々な立場の人間の感情を表現できるの凄い(特に男の)
    あぁ…美しくて悲しいものを読んだって感じ

    たまに「男の心情」みたいなのを書くのが上手い女性作家と出会うけど、18歳って…ただただ凄い

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    2026年08月06日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    普段の自分ならあまり好きではないであろう話にも関わらず和訳が読みやすかったのもあり不快にならなかった。
    若さ故の過ちの計画でまさかアンヌが死ぬとも思わず結局その後の2人は各々奔放に暮らしているのでもっとアンヌに男を見る目があれば等考え楽しめた。

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    2026年07月24日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    ネタバレ

    主人公、父、父の恋人の物語。
    主人公にとって、父の恋人は心地の良い存在だった。彼女は完璧超人。越えられない壁。不安をとりのぞいてくれる。
    邪魔者でもあった。一緒に暮らしていると不自由になる。でも不自由だからこそ心地よかった。
    そんな彼女をいつか越えてしまうのではないか。
    彼女がただの人間であると気づいたときの同情心。そして主人公は彼女の死への罪悪感に苛まれる。内面描写が上手く重なり合っていた。

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    2026年07月23日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    とんでもない話です。

    多感で奔放な一面のある少女が、彼女をとりまく大人たちから、愛について、家族について、形のないなにかを受け取ったり渡したりしてゆき、ゆっくりと事態が動きながらしかし突然に結末が訪れます。

    正直なところ「悲しみよ こんにちは」じゃねえよ、と言いたくなってしまう気持ちもあります。でも、彼女にはどうしようもなかったのではないかという気もします。

    そのような、若さゆえともいえる多面的で変わりやすく繊細な心情を、写真のように瞬間でとらえつつ、刻々と移ろっていく様を映像のように巧みに文章に写し取っていて、とても10代が著したものとは思えませんでした。

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    2026年07月13日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    シモンの求愛のあまりの若さに笑ったり、ロジェの色気に唸ったり、楽しい読書体験。
    読んでるだけでオシャレな女になれた気分になる。

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    2026年05月23日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    それぞれのキャラの心情が赤裸々に描かれすぎてて、読みながら気恥ずかしくてめちゃくちゃモゾモゾしちゃいました。

    タイトルになってるブラームスのところとか、トキメキすぎー!!!!ってツッコミまくりです。なんなら、最初から最後までずっとツッコミながら読んでました。

    フランスって小説でも映画でも結構歳上の人との恋愛を描くものが多いイメージなんだけど、年齢差がかなりの障壁になるような描かれ方だったのがちょっと意外でした。

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    2026年05月13日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    海外文学は今までほとんど読んだことがなく、おそらくフランス文学を読むのははじめて。
    雑貨屋さんでたまたま見つけ、おしゃれな表紙に惹かれて購入。

    主人公のポールは39歳。
    「「若い女性」から「若々しい女性」へ女としてのカテゴリーが変わっていく・・」とは、
    今年でまさに39歳になる私にとって、
    心中穏やかでいられないフレーズ。

    ロジェとシモン。二人の間で揺れるポール。
    歳を重ねるにつれて、
    色々なものでがんじがらめになってしまって
    (それが、社会的なものなのか、
    自分の意思なのか、なんなのか)、
    うまく動けないさまが、
    おしゃれな文章とともに語られていて、
    あぁ、心がモヤモヤしたり、ドキドキしたり。
    うまく言葉では言い表すことができない感情の揺れが、
    物語全体を通して表現されていると感じた。

    あとがきにも書かれていた「孤独」。
    これ、ほんと、どうしようもない「孤独」だな、と。
    スラスラ読んでいるようで、実はものすごく心をえぐられながら読んだ気がする。

    読後はしばらく物思いにふけりたくなる作品。

    何個かドキッとしてしまうお気に入りのフレーズがあり、
    書き留めておきたい。
    フランス文学って素敵かも。

    これから海外文学にも触れていきたいな、と思った。

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    2026年02月08日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    先述の森瑤子の『情事』があまりに読後感が悪いというかしっくりこなかったので似て非なるこちらを。

    これなのよ、これ。
    この小説は1959年に23歳のサガンによって書かれたもの。23歳という若さで39歳という若くもかといって老いてもいるわけでもない女性ポールの心理をつぶさに描いている。
    その心理のキーとなるのは同年代の粗野で浮気性な恋人ロジェと、25歳の裕福な家庭に生まれ、ポールに一途な思いを寄せるぼんぼんシモン。
    長年結婚にも同棲にも踏み切らず、時に寂しい思いをさせられながらも、育んできた時間や愛着からなかなか気持ちを剥がすことができない恋愛と、瑞々しくて照れてしまうようなまっすぐさで求愛してくる若い男との新しい恋愛の間で揺れ動くポールの気持ち。
    刻一刻と変わる心理描写が、ただの愛だの恋だのからではなく、女の賞味期限が切れかけているのでは…という不安が相まっていることが切なくて。

    明らかに時代背景も設定もセリフの古いのに、ましてや外国文学なのに、でも文章はまったく古くない!これは訳者さんも素晴らしのだろうけど、原文なくして、なのだから。
    こういうものを名著って呼ぶのだなと納得。

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    2025年06月27日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    サガンの文章は非常に美しく、
    その描写は風景や情景を鮮やかに目の前に浮かび上がらせる。
    読むだけで心が満たされるような感覚を覚えた。
    物語には悲しさと切なさが漂っているが、
    それこそが孤独と愛の本質なのだろうかと考えさせられる。

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    2024年11月27日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    サガンが恋愛と孤独をテーマにしているということがよくわかった。24歳でこれを書いたのってすごい。
    涙で視界が滲んだ時にワイパーを使うっていうユーモアがお洒落だなと思った。

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    2024年09月18日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    セシルは恋人を利用し、父の元恋人の未練を利用し、父の女たらしを利用し、アンヌを結果的に追い出した。
    誰にもそんなことは気取られないよう実行し、そして思い通りになった。
    愛している生活を守るために、正攻法ではかなわないアンヌにセシルのやり方で戦いを挑んだ。そういう小説だったかなと思う。よく18歳でこんな心理をここまで描けたものだ。

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    2026年09月23日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    『悲しみよこんにちは』の煌めきには劣る気がするが、やはり恋愛小説の極地とも言うべきか。時代と国は違えど、女性が恋愛に際して感じる苦しみはかなり似通っているし、シモンの口説き文句が友達の口調に似ていて笑った。ロジェの行動が愛ゆえでなく所有者ゆえの行動であることや、恋愛をしていても人間がどこまでも孤独であることとか。何度も読み返したい小説。

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    2024年08月11日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    おもしろかった。恋愛小説だが、恋愛要素そのものは「いかにもフランス」ぽさがあって、良い意味で感情移入しなくて済み、純粋に人間模様として読めてよかった。共感性羞恥の恥ずかしいとか裏切られてつらいとかそういうのがない。いっぽうで年齢や人生におけるパートナー、その安定と不安定、みたいな視点は普遍的だと思うし、描写が丁寧で感心した。そして書いた当時作者のサガンは24歳ということで、よくその歳でこれが書けるな…

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    2024年06月02日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    私には主人公や父親の心情を完全に理解することはできなかった。ただ、二人の姿を見ていると情熱的な愛とは、最初は激しく燃え上がるのにいつか静かにその熱を失っていくものなのかもしれないと感じた。
    例えるならば、夜空に咲いては消えていく線香花火に少し似ているんだと思う。燃えているあいだは鮮やかで目を離せないほど美しいのに、その輝きは永遠には続かない。最後に小さな火花を散らしながら、何事もなかったように暗闇へ溶けていく。
    愛も同じように、燃え尽きたあとに残るのは、幸福だけではないのかもしれない。むしろ、かつて確かにそこにあった熱を知っているからこそ、その後に訪れる静けさが、より深い悲しみとして残るのだと思った。
    『悲しみよこんにちは』という題名も、そんな「愛の終わりに残された感情」を、拒むのではなく、そっと迎え入れる言葉なのかもしれない。

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    2026年10月04日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    フランスを代表する恋愛小説の名作。
    18歳で描きあげたサガンのデビュー作であり
    彼女の1番の代表作。
    奔放のまま恋に動く17歳のセシルを中心に南フランスを舞台に、揺れ動く恋と狂気に翻弄されていきます。

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    2026年09月12日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    奔放に振る舞っているようで、大人達の心の機微を見逃さない観察眼を持った少女が父の再婚相手を追い詰めていく。セリフより心理描写が多くて繊細に感じた。

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    2026年09月09日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    思っていたより軽い作品だった。
    なんというか、日本でいう直木賞的な雰囲気であった。
    (もう少し重ためではあるけれど…)

    もちろんラストの喪失は悲しいものだし、主人公に同居する悲しさも人間らしく寂しいと感じる。
    おそらく、そこに至るまでにある恋愛のあれこれ、描写の瑞々しい部分に作品の良さがあるのだと思う。

    フランスの作家らしく生活と恋愛が一緒に在る作品だった。

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    2026年08月16日