フランソワーズ・サガンのレビュー一覧

  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    幸せとは何か考えさせられる。人にはそれぞれ性質があってそれに合った生き方をすればいいと思った。別に高尚である必要もないのかも。高尚に生きたければ生きればいいし、軽い付き合いが性に合う人が「真実の愛」みたいなやつをやる必要もない。結局その人がしっくりくるかだから、そこに上下をつけることは違うと思う。
    自分がどう生きたいかを考えられて、その生き方に合う人に会えて、共に過ごせたら幸せなのかな。それがなかなか難しいのよな〜。

    0
    2025年09月06日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    先述の森瑤子の『情事』があまりに読後感が悪いというかしっくりこなかったので似て非なるこちらを。

    これなのよ、これ。
    この小説は1959年に23歳のサガンによって書かれたもの。23歳という若さで39歳という若くもかといって老いてもいるわけでもない女性ポールの心理をつぶさに描いている。
    その心理のキーとなるのは同年代の粗野で浮気性な恋人ロジェと、25歳の裕福な家庭に生まれ、ポールに一途な思いを寄せるぼんぼんシモン。
    長年結婚にも同棲にも踏み切らず、時に寂しい思いをさせられながらも、育んできた時間や愛着からなかなか気持ちを剥がすことができない恋愛と、瑞々しくて照れてしまうようなまっすぐさで求愛して

    0
    2025年06月27日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    女のいやーな感情を如実に表現している。色々な愛があって欲望があって。5人の複雑な関係が退屈しない。嘘をついたり駆け引きしたり、、うんうん、女性はそういう気持ちあるし、いざって時はやるよなあ、、と同じ女として、納得しながら読めた。

    0
    2025年06月16日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    タイトルだけ知っていたが、機会がなくて初読。
    南仏の、林の奥の白い大きな別荘でヴァカンスを過ごす、17歳のセシルとその父。父の若い恋人も一緒に過ごしていたが、父はそこに聡明で知的な女性アンヌを招待してしまう。思春期のシリルがヴァカンスで過ごす一夏の恋と、奔放で魅力的な父が2人の女性と過ごすスリリングさが描かれている。
    フランス映画のような美しさと繊細さ、怠惰で奔放な夏の海辺の雰囲気と、夏の終わりの寂しさと仄暗さ。とても魅力的な作品でした。

    0
    2025年05月30日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    パスカルっぽさ。
    セシルにとって恋愛や策略は、退屈や虚無から逃れるための手段にすぎない。それらは一見感情的な営みだけれど、実際には思考からの逃避であり、自己の情動の空白を覆う仮初の行動だ。掲題の台詞も、感じていない感情を感じているふりをするための形式的な記号にすぎない。
    爽やかだけど残酷で、冷たさが残る美しい小説。

    0
    2025年04月05日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読書会の課題図書だったので読んでみた。
    面白い!
    フランス映画を観ているような美しい俳優と風景が見えてくるようだった。

    父親は現実では私が苦手な人だけど、なんとも憎めない…というより愛されキャラだ。
    性に不真面目だけど、優しい人って厄介だよなー

    訳者後書きで著者のサガンにすごく興味を持った。自由に豪快に遊びながらも執筆を続けるサガン。すごいな。彼女を描いた映画が没後すぐに作られたとのこと。観てみたいな。

    0
    2025年03月29日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    主人公セシルの性格、生き方が恐ろしくも生き生きとして魅力的に感じた。恋愛は人を変えるという話はよく聞くが、変わらずに自分の人生を持ち続ける人もまたいるんだろう。良い意味でも悪い意味でも周囲の人に影響を与えて変化をもたらすアンヌと、それに抗って自己を貫こうとするセシル。お互いに相手を型にはめて概念的に捉え、1人の感情を持つ人間として見ていなかった。でも、それは共に間違いで、ちゃんと心があった。

    0
    2025年01月06日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「木曜日は本曜日」で上白石萌音ちゃんが、人生に影響を与えた本として紹介していた一冊。
    明るい話ではなくて、物語全体にどこか重くて気だるい雰囲気がある。
    矛盾した気持ちを抱えて、そんな自分が嫌になってくる感情や、自分が自分でいられなくなりそうな恐怖心の描写が丁寧でリアルだった。
    風景の説明も鮮明で、セシルが過ごした贅沢で暇なひと夏の空気感が読むたびに伝わってくるようだった。

    0
    2024年12月18日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    サガンの文章は非常に美しく、
    その描写は風景や情景を鮮やかに目の前に浮かび上がらせる。
    読むだけで心が満たされるような感覚を覚えた。
    物語には悲しさと切なさが漂っているが、
    それこそが孤独と愛の本質なのだろうかと考えさせられる。

    0
    2024年11月27日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    セシルの感情の変遷には驚かされる。アンヌについての考えがすぐに変わってしまうのが子供だと思うとともに家族についてずっと葛藤していることは父に対する思いやりと捉えることもできるのでその点は大人になりつつあるというふうに思えるのである。

    0
    2024年11月15日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    サガンが恋愛と孤独をテーマにしているということがよくわかった。24歳でこれを書いたのってすごい。
    涙で視界が滲んだ時にワイパーを使うっていうユーモアがお洒落だなと思った。

    0
    2024年09月18日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    セシルは恋人を利用し、エルザの父への未練を利用し、父の女たらしを利用し、アンヌを結果的に追い出した。
    誰にもそんなことは気取られないよう実行し、そして思い通りになった。
    愛している生活を守るために、正攻法では敵わないアンヌにセシルのやり方で戦いを挑んだ。そういう小説だったかなと思う。よく18歳でこんな心理をここまで描けたものだ。

    0
    2024年08月18日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    『悲しみよこんにちは』の煌めきには劣る気がするが、やはり恋愛小説の極地とも言うべきか。時代と国は違えど、女性が恋愛に際して感じる苦しみはかなり似通っているし、シモンの口説き文句が友達の口調に似ていて笑った。ロジェの行動が愛ゆえでなく所有者ゆえの行動であることや、恋愛をしていても人間がどこまでも孤独であることとか。何度も読み返したい小説。

    0
    2024年08月11日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    おもしろかった。恋愛小説だが、恋愛要素そのものは「いかにもフランス」ぽさがあって、良い意味で感情移入しなくて済み、純粋に人間模様として読めてよかった。共感性羞恥の恥ずかしいとか裏切られてつらいとかそういうのがない。いっぽうで年齢や人生におけるパートナー、その安定と不安定、みたいな視点は普遍的だと思うし、描写が丁寧で感心した。そして書いた当時作者のサガンは24歳ということで、よくその歳でこれが書けるな…

    0
    2024年06月02日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    なんか……フランスっぽい話だった。お父さんがかなりの放蕩ぶりだけど娘がそこまで嫌そうじゃないのは愛の国フランスだからなのか?私が読んだのは文学全集みたいなやつで、解説で「当時の中高年女性は汚れた本だとして年頃の子供には勧めなかった」と書いていたけど、まあそうだろうな……という感じはする。こんなに救いのない終わりだとは思わなかった。海外文学はやはり翻訳特有の読みづらさがあり、慣れないとなかなかスッと読めないなーと思った。あと、避暑地モノって映画でも良くあるけど、私は富裕層ではないので避暑地で過ごすバカンスに縁遠く、なんだか物凄く遠い話のように感じてしまうなーと思った。

    0
    2025年05月26日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    解説に書いてあるとおり1960年代の学生運動が盛んな時期、血気盛んな学生たちは男女問わずサガンを読んでいたというのだから、当時の時代にマッチした小説だったのだろうと思う。自分はセシルのような女性の考えを上手く咀嚼できなかった(読む年齢によっても違うのかもしれない)。
    終盤アンヌが激怒し出ていった時、父に「ばか、ばか!」ととんでもない難癖をつけ、「手紙を書きましょうよ!」と言う神経が全く理解できないけど面白くもあった。(父は「それはいい!」とか言うんだから、似たもの親子だな!と思いながら…)

    ところどころに出てくるセシルのセンチメンタルな感情と、それにともなう描写は綺麗ですーっと引き込まれてし

    0
    2025年04月28日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    18才で書く文章かよってのが第一の感想。しかし一方で不安定な年代が持つ敏感な感性があるからこそ持つことができる心理を表現できているんだろう。強烈。読み手の年齢によって感想は大きく変わるだろうね。
    主人公含め登場人物の性格が人間味がある。日本人とはやっぱり違うなとも思うけど、なぜか理解できる。しばらくしたらまた読み直すべき本だ。

    0
    2025年03月14日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    よく名作として挙げられていて購入した本。ズレたことを言えば、私もこんなふうにのんびりした夏を過ごしてみたい。主人公は多感な時期にこんな経験。途中までは、何が起こるのだろう?どんな結末に向かうのだろう?と思っていたけどラストの展開には呆然。心がついていかずどう受け止めたらよいやら。少しメンタルが落ちたというのが正直なところ。彼女(と父)は何を思ったのでしょうか。

    0
    2025年01月13日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    多感な時期の少女の心情の移り変わりの描写がすごい。冷静だったりバカげていたり、色んな感情がごちゃ混ぜになるのがリアル。

    本の本質とはズレるけど、やっぱり真面目なタイプと自由奔放なタイプは一緒にいてはいけないと思った。どっちも不幸になる。

    0
    2024年12月26日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    半世紀前に、それも18歳の女性が描いた物語と思うと…強烈な印象を受ける。
    才がある人間というのは若い頃から作品として形にしてしまう力があるのだろう。そして、その作品が世間に与える影響も大きいが故のものなのだろう。と思えてしまう。

    0
    2024年12月24日