フランソワーズ・サガンのレビュー一覧

  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    ネタバレ

    初めて読んだのが高校1年の夏とかで、それ以来、毎年夏にこの小説のことを思い出していた。

    コーヒーと一緒にオレンジを丸かじりするシーンがやけに印象に残っていて真似っこするんだけど思ってたのと違う、を夏が来る度に繰り返してる。
    セシルの父譲りの自由奔放さに憧れたり、フランスのヴァカンスに憧れたり、この作品は小説としてより映画的なアイコンとして私の中に君臨している。
    セシルの万能感やわがままっぷりが可愛くてたまらなかった。
    父親の子供らしさやいい加減なところもキャラクターとしてチャーミング。
    親子共々の子供らしさが素敵なんだけど、それがこの物語の悲劇の輪郭を強くしている。

    セシルの言動によって周

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    2025年11月11日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    重苦しくて、身が切られるようで、空虚で投げやりな気分にさせるのに、滑らかで冷たい爽やかさと静けさを持つ作品。

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    2025年11月10日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    正しいやつは嫌われる、ただし美しければ少しまし、みたいなとこがフランスって感じ〜サガンまじ友達なりたい、て思う。

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    2025年10月26日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    セシルは血のつながった父を一人の男性として意識している。そこに亡き母の代替となりうるアンヌが現れ、大きな脅威となった。エルザのような軽い女性は許容できるという対比が、アンヌの存在をより際立たせている。
    さらに行間を読み、セシルとレエモンに肉体関係があったと解釈することで、セシルの行動や心理がより深刻で病的なものとして映り、アンヌへの敵意が絶望的な抵抗として響いてくる。
    1950年代のフランス文学作品でありながら、そこに描かれた複雑な愛情、嫉妬、所有欲は時代を超えて共通する感情であることを改めて確認した。正統派解釈と享楽的解釈の両方で楽しむことで、文学の醍醐味を存分に味わえる傑作である。

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    2025年08月31日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    あたしこの本だいすき。セシルあんたのやり方とか気分で動くやり方がときに残忍でほんと狂ってるよっていうのを赤裸々に思考回路まで丸出しで書かれてて読んでて声出して『コイツ、マジかよ、、』って言いながら読んだ、、
    全部理屈で決めたくなる時とかにまたこの本のこと思い出したいなあ

    読んだ後の余韻がすごいよ

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    2025年08月30日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    読んでる途中は早く物語が進んでほしいっていう感覚があったけど、読み終わったときすごくすっきりした気持ちになった。こころにも似てた。すごく哲学的だと思った

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    2025年08月12日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    自分を可哀想に思うのは気持ちよくて、それが当たり前のように書かれていて、そういう説明のない観念的な人間の本能、矛盾と情熱と快楽が混ざっていて、命なんていくつあってもきっと足りないようなストレスと刺激、美しい日々が描かれていた。フランス人の激しい恋愛はこんな感じか〜と思うと羨ましさと同時に自分では絶対にこなせないだろうなという感じがする。果たして幸せなのはどっちなのだろうか?神なき人間の悲惨さなのだろうか?

    全体的な雰囲気が映画 “Call me by your name” のように美しく、読んでいて鮮明に景色が浮かび上がり優雅な気持ちになれる、その世界にずっと浸れる感じが気持ちよかった。

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    2025年07月24日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    ブラームスのコンサートに行ったので、本も読んでみようかと
    『美しくあろうと情熱を傾け「若い女性」から「若々しい女性」へ女としてのカテゴリーが変わっていくことに抵抗していた』と言う一文を気に入って買った。サガン24歳の時の作品!でも、モーツァルトもそうだけど、一緒に暮らしたくないタイプってAIに言ったら「だからこそ、読むのが一番!聴くのが一番!笑 」って言われた

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    2025年07月20日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    避暑地での話だいすき。
    難しい言い回しじゃないのに、簡潔に感情を表現できている凄さ。これぞ文学。

    10代ならではの破天荒さ。わかるわかる。
    こうやって大人になるんだな。悲しみよ、こんにちは。

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    2025年01月05日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    18……同い年のはずなのに自分よりあまりに聡明で広い視点を持つ彼女は純粋に凄いなと思ったけど、
    でもやっぱりまだ大人ではないなと思う。もちろんのこと、わたしも。
    でも18で愛の物語をあそこまでリアルというか、その場で実際に起こっているような感覚で読めてしまうものを書けるのは、やっぱり環境とかもあるんだろうか。
    絶対に自分の持ち得ない、サガン独特の視点がとても面白かったし、愛をこの本いっぱいに感じた

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    2024年12月12日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    恋や愛の最高に甘く幸せな瞬間や
    逃れられない孤独と安心
    ひとつのことから生まれる
    たくさんの感情を味わいました。
    25歳って
    なにかピークなのかも。

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    2024年09月15日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    ネタバレ

    とても面白いいい作品でした!
    思春期特有の気持ちの落ち着かなさや、大人への憧れ、勉強と恋愛との葛藤など、、
    気持ちの整理のつかなさや、どこかムカムカする様子など非常に繊細に書かれていて読んでいて面白かったです。

    本編も短いですので、いろんな人におすすめできる作品だと思います!!

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    2024年09月14日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    いやぁ〜…やっぱりいい!溜め息漏れます。
    サガンの文章、なんでこんなに美しいのでしょう。
    悲しみよこんにちはで稲妻に打たれたが、今回再販の新訳で読みました。本当に所々、ポストイットする部分あり、個人的に海外文学得意じゃないのに、良い読書堪能しました。話的になんか谷崎の痴人の愛を少しだけ思いだしながら。正直ポールに苛々しながら読んだが、実はポールの選択って最後すこ〜しだけ理解できた。そしてオチは悪夢?サガンの他作品も読みたい!マジで。

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    2024年08月20日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    ネタバレ

    内容だけを見るとポールやロジェにうんざりして敬遠しそうなタイプの話なのに、サガンの繊細で美しい筆致がうっとりさせながら読ませてくるからすごい。
    泣きながらも祝福されたかのように走り去っていくシモンと結局はロジェを選び、諦観と物憂さの日常に帰っていくポールのラストがもうなんとも言えず良かった。
    ポールの主人、あるいは所有者としての顔をするロジェに反してシモンはそんな顔しなかった。そんなシモンに心打たれながらもポールは息をするように浮気をし続けるロジェを待つ日々を選ぶ。
    ポールの放った「わたしもう歳なの」これがもう答えなんだろうな。
    ポールはロジェと過ごした時間が長すぎた。美貌も歳も未来もまばゆい

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    2024年07月11日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    ネタバレ

    18歳になるセシルと父親レエモンは、愛人のエルザも含めた三人で、地中海沿岸の避暑地に遊びに来た。セシルはこの地で、青年シリルと出会い、愛し合うようになる。
    そこへ、亡き母の友人であるアンヌが偶然やって来てレエモンは心を奪われ、エルザより夢中になる。
    レエモンはアンヌとと結婚したい、と心から願うようになり、今まで関係して来た女性たちを切り捨て、アンヌにプロポーズする決意をする。
    セシルは自由な父と子の生活が乱されることを恐れ、アンヌを生活から追い出そうとする。
    シリルとエルザを突き合っているように見せかけて、エルザとレエモンに再び関係をもたせてしまう。ショックのあまり、アンヌは車を走らせ、事故と

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    2025年01月15日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    ネタバレ

    美しい。あまりにも緻密に、繊細に、恋が、恋の愚かさと美しさが、描かれている。
    文体がとても好きだった。翻訳本でここまで文体を魅力的に感じたのは初めてだ。翻訳者さんが素晴らしいというのもあるのだろう。
    ラストシーンといい、恋とはいかに滑稽なものか、という。

    147 それでも彼女はシモンと暮らし、夜は彼の腕のなかで吐息を漏らし、時には自分から彼を抱きしめた。子供か、でなければ技巧に長けた愛人たちにしかできないような抱きしめ方で。所有欲にあふれながらも、所有というもののはかなさに怯えるあまり、その激しさに気づいていないような抱きしめ方で。

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    2025年11月16日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    あまり展開が無いな〜と思っていると要所要所で物語が動く。終盤の展開には驚いたが、セシルが色々見えていないのは若さ故だろうか。セシル怖い。

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    2025年10月12日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    人の気持ちを操作するような行動、相手を気遣うフリをして自分の思い通りにしようとするセシルの行動が怖いと思った。大事な人をなくしてしまった後に、その存在の大切さに初めて気づいたのでは取り返しがつかない。

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    2025年10月07日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    最近の展開の早い小説に慣れていたので展開の遅さに飽きかけていたところでびっくりするような結末。えー!っと思いながら終わった。昔の小説はすごい。

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    2025年09月23日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    「ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、わたしはためらう」

    凄い書き出し
    夏の終わりに読んでよかった、切なくもドライなバカンス小説

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    2025年09月18日