トムスタンデージのレビュー一覧

  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    19世紀のヨーロッパ。遠くへ情報を伝えるには、手紙で伝えるしかなかった時代から、モールス信号を電気で伝える電信が登場した。当初は国内に張り巡らされたケーブルはヨーロッパ中に広がり、ついに大西洋を渡る。
    情報が速く、安く伝わるようになった世界はさまざまな変革を迫られ、そして電話の登場により衰退するまでのノンフィクション。
    19世紀にすでに大陸間横断ケーブルが存在していたのは驚きだったし、ネットワークのなかで起こる悲喜こもごもの話達は、いまのインターネット世界とさして変わらないように感じる。
    どんなテクノロジーも、まだ見ぬ未来のテクノロジーに埋もれていくのが常。電信も電話の登場により駆逐され、電話

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    2025年11月15日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    面白かった!
    『19世紀にはテレビも飛行機もコンピュータも宇宙船もなかったし、抗生物質もクレジットカードも電子レンジもCDも携帯電話もなかった。ところが、インターネットだけはあった。』から始まる導入は名文。
    モールス信号でお馴染みの電信の歴史なのですが、インターネットを使っているとあるあるな話が19世紀でも何も変わらないことを知り、技術が発展しても人の考えることは一緒なんだなと思い知ることができる。長らく絶版だったようだけど、文庫で復刻してくれてありがたい。

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    2025年09月19日
  • 謎のチェス指し人形「ターク」

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    AI全盛の昨今、約250年前に作られた、チェスを指す自動機械のお話。オチは読んでもらうとして、ここからチャールズ・バベッジの解析機関や、エドガー・アラン・ポーのミステリーの元祖に繋がるとは思いませんでした。ただ、昨今のAIも、返ってくる結果が、専門家が見ると的外れなので、そういうフェイク情報をいかに排除するかが、課題だと思います。

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    2025年02月12日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    コンピュータも電球もなかった時代にインターネットがあった。こんなSFのような話が現実の歴史にあったと言うのは実に信じがたかったが、まさに言葉通りだった。インターネットが人々の社会、文化に与えた影響がそのまま伝心の時代にも起こっていたのだ。そしてこれからAIの時代を迎える我々にとっても温故知新として必携の一冊になるだろう。

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    2025年01月28日
  • 謎のチェス指し人形「ターク」

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    トム・スタンデージ『謎のチェス指し人形「ターク」』ハヤカワ文庫。

    2011年12月にNTT出版から単行本として刊行された作品の文庫化。

    なかなか面白いノンフィクションであった。現代でこそ、スーパーコンピュータやAIといった情報技術が進歩し、チェスや将棋といった分野で機械が人間を打ち負かすのは当たり前になっているが、1770年にチェス指し人形という物が創られていたとは驚いた。

    勿論、チェス指し人形にはトリックがあるのだが、当時の機械制御の技術が垣間見ることが出来、それが後のスーパーコンピュータやAIなどにつながっていくという点が面白い。


    1770年、ウィーン宮廷の官吏ケンペルはチェスを

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    2024年11月07日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    要は電信の誕生から衰退の物語。「ヴィクトリア朝時代のインターネット」とタイトルにあるように、現代のインターネットになぞらえて当時の社会にもたらしたインパクトを論じている。
    現代に生きる我々はインターネットやSNSといった新技術に対して唯一無二の革新とみなしがちであるが(クロノセントリシティーっぽい)、電信に対する人々や社会の反応を思い出すことで一歩引いて考えることができるかもしれない。

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    2024年09月16日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    電信の誕生と庶民の反応、犯罪への波及、恋愛への影響、戦争の変化、平和利用への期待、情報過多、新たな電話に取って代わられるまで

    驚くほどインターネットに類似していて面白い
    歴史に学ぶとはこのこと

    著者のトム・スタンデージにも注目

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    2024年09月11日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    歴史に詳しくなくても電報というサービスを知っている人は多いだろう。現代の日本では儀礼的な利用にとどまり、冠婚葬祭をメインに綺麗なパッケージとともにメッセージを伝えるサービスに変化しているのだが、かつては遠隔地に情報を伝えるための実用的な通信手段であった。

    実用サービスとしての電報は19世紀末、急速に発展した電信技術を用いて運用されていた。トム・スタンデージ『ヴィクトリア朝のインターネット』は電信技術の栄枯盛衰を楽しく解説しつつ、電信技術に人々が向けていた視線がインターネットへのそれと相似する部分があったことを示す一冊だ。

    本書はおおまかに序盤で電信技術の開発史を解説し、中盤で電信技術によっ

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    2025年08月10日
  • 謎のチェス指し人形「ターク」

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    ネタバレ

    面白すぎた
    引っ張って引っ張ってどん!という構成が好き
    なんとなく予想はついてもそれでもバレなかったというのは素晴らしい
    皆がタークを通して他の何かを見る、産み出す
    まさしく最初の人工知能 個人的には納得

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    2025年08月06日
  • 謎のチェス指し人形「ターク」

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    チェス指し自動人形の誕生からその真相までのノンフィクション

    以下、公式のあらすじ
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    1770年、ウィーン宮廷。官吏ケンペレンによる前代未聞の発明、チェスを指す自動人形(オートマトン)がベールを脱いだ。中東風の衣装をまとい「トルコ人(ターク)」と呼ばれた彼は人の手から手に渡り、欧米各地で興行が催される。チャンピオンすら打ち負かす腕前に観客たちは驚き、困惑した。本当に機械が「思考」しているのか? ベンジャミン・フランクリンを破りナポレオンとも対局、エドガー・アラン・ポーがその秘密に挑んだ、知られざる「AIの祖先」の世にも数奇な命運と真相。『ヴィクトリ

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    2025年02月26日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    ヴィクトリア朝時代のインターネットを読んだ。電信の発明やその発展が詳しく書かれている。

    電信って、「チチキトク、スグカエレ」みたいなメッセージを送る、古い時代のものだとぼんやりイメージしていたけれど、当時は蒸気機関と並んで称賛された技術革命だったそうで、そのイメージが覆った。考えてみれば、電信が出来る前は飛脚や伝書鳩で連絡をとっていたのだから、そりゃそうだ。

    発明された当時はペテンや黒魔術の類だと思われて、なかなか社会に受け入れられなかったが、一度電信の有用さが知られると熱烈的に普及していったらしい。そういった全く新しい技術がどのように受け入れられていったのか、当時の空気感が伝わるエピソー

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    2025年01月10日
  • 謎のチェス指し人形「ターク」

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    タークが単なる興行の出し物を超えて、現代のAIに繋がる壮大な旅を送っていたというのは、制作者の意図を超えたのだろうか、産業革命による機械の自動化と同時代を生きた人達にとって、タークは単なる見せ物から未来を予見させる、おっかない人造物に見えたのだろう。

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    2024年10月28日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    ヴィクトリア朝時代から比べると現代はいろいろなものが大きく様変わりした。
    そのなかでも現代において欠かせないものの一つに”インターネット”がある。インターネットの登場で情報へのアクセスの量は飛躍的に増大した。そして人々のコミュニケーションにも影響を与えており、インターネット以前以後でまったく違うものになった。
    と、自分は思っていた。だから仮に昔の人が現代にタイムスリップしたらインターネットに最も驚くだろう、と。
    しかし、違うのだと本書に記されている。
    インターネットの原型であるものがヴィクトリア朝時代には既にあったのだと。
    それが”電信”技術である。
    腕木通信という腕の形をした木の形で遠くに情

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    2024年10月07日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    【概要】
    19世紀はヴィクトリア朝時代。
    新しい発明であった「電気」を使って、国中でいや世界中で瞬く間に情報のやり取りが出来る「電信」が生み出された。
    電信はビジネスを加速化させ、恋愛を生み出し、悪用しようする人間を生み出した。
    まるで現代のインターネットを先駆けたかのような発明が100年以上前に生み出されていた!

    【感想】
    電信の前段階として塔を立ててパネルを交換することによって光学的に情報を送るテレグラフがフランスで生まれたという所がまず面白い。
    それでいて、光学式テレグラフに予算を投資してしまったので、電気式テレグラフ=電信を敷設するのが遅れたという話が世界史あるあるでまた面白い。

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    2024年09月28日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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     もちろん、19世紀に『インターネット」があったわけではない。しかし、『インターネット』に匹敵するものが実用化された。電信(テレグラフ)である。
      
     腕木通信(手旗信号を機械化しリレー方式でつないでいくようなもの)から、やがて電気通信へ。さらに海底ケーブルの伸展による世界規模のネットワーク等々。現代のインターネットと同様のインパクトがあり、その発展と社会的影響は、現在のインターネットと驚くほど酷似していた。仕様の共通化、暗号化通信の導入や、電信を利用した犯罪などは、昔も今も変わらない。

     あと、発明王のエジソンが電信で財を成したことにより、電球や蓄音機の開発につながったことなどは興味深い

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    2024年07月05日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    ヴィクトリア朝時代には、インターネットのように全世界を繋ぐ情報ネットワークが既に存在した。電話以前に普及していた文字通信サービス「電信」をインターネットの前身と捉え、その繁栄と衰退を描きだしたノンフィクション。


    電信とはモールス信号を使った文字通信のことで、要は今でも結婚式の謎風習として残っているあの電報である。19世紀半ばにアメリカとイギリスでほぼ同時に実用化され、誕生から20年足らずで海底ケーブルが大西洋を横断し、日本にまで電信網が引かれていた。1870年代には2万都市が繋がり、ロンドン-ボンベイ間通信の所要時間は4分!ものすごいオーバーテクノロジーだ。
    偉人伝に興味を持たずに育ったた

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    2024年06月07日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    けんすうさんが、この本を推してたので読みました。難しかったです。150年前にインターネットが誕生したという本書の切り口は面白いです。
    当時の人が今の時代を見たらなんで言うのかなと感じました。

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    2025年11月29日
  • 謎のチェス指し人形「ターク」

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    冒頭に書かれているが、いわゆるチェスをうつ自律した機械の話、ではなく、そう見せかけた機械と取り巻く人のお話。

    本文に生成AIの話が登場せず、初めは違和感を覚えたが、文庫版の出版は2024年、元になった単行本は2011年ごろみたい。

    タークがいわゆるAIの元祖かと言われると、そう言うものじゃないでしょと言う印象。
    もっと原始的な、機械と人の関係性の話と捉えるのがただしい。人と機械の違いとは何か?知能、思考とは何か?

    構成上仕方ないかもしれないが、よっぽど注意して読まないと出来事の時系列を追うのは難しかった。年号と人の名前を覚えるのが苦手で歴史を取らなかった怠慢な学生時代を送った身としては、

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    2025年08月24日
  • 謎のチェス指し人形「ターク」

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    ネタバレ

    いや。そりゃまぁそういうことなんでしょうけども‥色んな推理を否定しながら延々引っ張った挙句このオチか、というのは正直ありますよね。最後のディープブルーからAIへと付会していく流れもどこか読んでいて上の空になってしまいました。

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    2025年07月26日
  • ヴィクトリア朝時代のインターネット

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    ヴィクトリア朝のインターネットとは電信(テレグラフ)のことであり、本書はその電信の歴史を政治、経済、社会、文化など人類に与えたインパクトについて考察している。確かに電信がもたらしたインパクトはインターネットがもたらしたそれと似ていなくもない。というか似た面が浮き彫りになるような叙述がされている。しかし、たとえば既存の新聞メディアに与えた影響などは電信とインターネットでは大きく異なっているようにも思える。

    トーマス・エジソンが電信まわりの発明で財をなして、その後の発明に繋がっていったという話は面白かった。昔、どこかで読んだ気がしなくもないが……。

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    2025年03月13日