林信吾のレビュー一覧
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「ゆりかごから墓場まで」のイギリスを医療制度から分析した本。
NHS(National Health Service)という公的機関とプライベートの医療施設。
この2種類の医療施設でイギリスの医療制度が出来ていることが、
第一章では最初に説明されています。
NHSは付加価値税で運営されているため、薬代などを除いて基本的に無料。
けれど歯医者など一部の例外は無料でなく、むしろ高額なため、
そのような治療にはプライベートな民間の医療施設が利用されているのです。
税金はばっちり高いですが「高負担・高福祉」のため、
お金がないからといって医者にかかれないなんてことがないことが特徴。
「低負担(?)・ -
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イギリスの社会保障の状況について知りたいと思い、読んでみました。
イギリスの社会保障のあり方を知ることで、福祉国家のあり方の一つを知ることができる本だと思います。
とはいえ、決して、イギリスの社会保障は万全、というわけではありません。
どこの国でもそうですが、社会保障制度が整った時期と現在では、人口の構成も高齢化の度合いも家庭のあり方も経済状況も異なるので、従来の制度では、現状をカバーしきれない部分がどうしてもたくさん出てきます。
それでも、イギリスの社会保障制度には、とくに弱者への対応を中心に(中でも、若者への対応を中心に)、見習うべきところがたくさんあるように思います。
その一方で、日本 -
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これでもイギリスが好きですか?
はい。好きです。
イギリスが今も厳然たる階級社会であることは知っています。
イギリスは紳士の国でありますが、労働者の国でもあります。
ジェントルマンであることは、イギリスの文化や社会形式の中でのジェントルマンということであって、日本人からみたら、紳士的ではないこともあるでしょう。
でも、子どもの頃から読み親しんできたイギリス文学がやっぱり好きなのよ。
ディケンズ、オースティン、ブロンテ姉妹、コナン・ドイルにアガサクリスティー。
音楽だってイギリスさ。
ベイ・シティ・ローラーズもビートルズも〈普通は順序逆に書くと思うけど、許してね〉イギリスだもの。
映画も「小 -
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[ 内容 ]
いわく、「イギリスはゆとりの国」「大人の国」…。
そんなイギリス礼賛の風潮はまだまだあるが、ちょっと待った。
こういうのは、階級社会の「いいトコ」の不当な一般化にすぎない。
「ゆとり」にしても、むしろ「あきらめ」の果ての境地というべきだ。
歴史をひもとけば、ざくざく出てくる身勝手な悪行。
なんで日本人はイギリスがそんなに好きなのか?
好きならちゃんと現実から見習うべき。
愛するがゆえのダメ出し、イギリス一刀両断。
[ 目次 ]
第1章 さまざまな顔を持つイギリス人
第2章 イギリスびいきは「片思い」
第3章 「ゆとり」の正体
第4章 なんたる身勝手な「同盟国」
第5章 テロの遠 -
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イギリスの生活実態が書かれている著書です。
消費税が17.5%だから医療費が無料とのこと。しかし、だからイギリスの医療は国民にとって充実しているものになっているかというとそういう結果にはなっていないことがわかった。サッチャー政権が医療に資本主義の原理を盛り込んだせいで、イギリスの医療はアメリカのそれと似てしまったということがわかった。一番印象的だったのが、教育についての記述である。オックスブリッジという、オックスフォードとケンブリッジの大学名を足した名称であるが、イギリスの名門校に入るのは、家柄が不可欠になってくるとのこと。一言で言うと、生まれた階級である程度ランクが決まってしまうということで -
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斎藤貴男と林信吾が、いわゆる格差社会について対談するという内容。
私の不勉強を恥じるしかないのだが、論が政治的な話題に及ぶと、理解できない部分も多かった。
マルクス主義やら新自由主義やら保守主義やら、この本だけでなく他にも様々な本でよく見かける単語だが、それが何であるのかほとんど理解できていない状態。
社会について深く知ろうともせず、内外の動きはテレビニュースや新聞の見出しだけでざっと概観するのみ・・・という生活を続けてきてしまったのだから仕方のないことかもしれないが。
『下流社会』のように、具体的に「ある階層に属する者は○○を好む」などと単純な因果関係を示してもらわないと理解しにくいと感じて -
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ネタバレイギリスって良いイメージが大きい気がする。
テレビや雑誌は勿論、近くないからこそ想像とか憧れやすいし。
読んでるとイマイチ理解出来ないイギリスが見えてくる。
階級社会や人種問題考えてみれば当たり前な事だけど、英国紹介もので出てくることはほとんどない。
ダウントンアビーでは出てきてたけど。
例えに出てきた北朝鮮と韓国にびっくり。
北朝鮮は資源に恵まれてて、工業基盤があって、対して韓国は政府が若い韓国女性を日本に送り込んで風俗産業で働かせ外貨を稼いでいた。慰安婦とか言いながら、韓国エゲツな!
あとは戦争関連の話題かな。
英国に限らず、立ち回りが上手くないと戦争や、経済で勝ち残れない。負けた -
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天下分け目の関ケ原。徳川家康率いる東軍が勝利し、天下人への歩みを進めました。
という史実なんだけども、関ケ原の戦後始末の中、体よく利用された奥州の大名が、最後の下剋上チャンスを逃すまいと立ち上がったらどうなるのか?
という歴史ifです。
この巻では、史実の関ケ原を描きながら、フィクションへの導入です。下剋上目指して立ち上がったのは、伊達政宗。上杉・佐竹を味方につけて、いざ決戦の舞台へ、というところです。
いやいや、東からの奥州大名連もいいけれど、やはりここは西の黒田如水に動向が気になりますね。
息子の長政は、関ケ原直後ということもあって、家康と行動を共にしていますが、親父の如水がどう出るのか