西村亨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の言動にまったく共感は出来ないけれど、他人を自分軸に置き換えては期待を裏切られ失望したり、血を分けた親にすらおぼえる絶望とやり場のない怒りを抱く彼に、自分以外全員他人だよ!と声を大にして叫びたくなった。
自転車置き場のくだりは、解説の町田さんと筆者との対談にもあったけれど、最初は客観的に頭がおかしいとレッテルを貼っていた類の人間に自分もなっているという、人間の身勝手で恥ずかしい部分が一見、コミカルに描かれている。ちょっと笑ってしまうシーンでもあったけれど、見ようによってはとてもシリアス。
人間は、生きていく辛さを抱えながら破滅へと向かっていく。破滅とは、「死」であり、それは遅かれ早かれどんな人間にも平等に訪れる。
それを頭と心で理解しながら生きて行かなくてはならないのが人間で、だから孤独とさびしさが常に付きまとう。
生きづらさって言葉、多様性と同じくらいに最近は耳にするし、昔に比べたら、そういったものが認知されている分、俄然生きやすいのでは?と思う私は老害かな。だって、「私、生きづらいんです!」って免罪符でやってはいけないことをする人間、増え過ぎ。
この手の本を読み、私だけじゃないって思える人は多そう。「自分以外全員他人」の前提を頭の隅っこに置きながらも自己主張もきちんと出来る、そんな世の中になればいい。 -
Posted by ブクログ
太宰を読んで「これは自分のことだ!と思った」というのをよく見かける。
自分は太宰を読んでそう思ったことはないが、この「自分以外全員他人」と椎名誠「さらば国分寺書店のオババ」がそうだなと思った。
40代にとって、10代や20代の思考回路が理解できなくて…いや理解出来るんだけど、同感してはいけないという昭和の倫理観が、若者への憎悪になっている。これは自分のことでもある。
いい時も良くない時もどっちでもない時もあるのが人生。FIREしたとて、それは変わらないんだろうなと。
仕事というのは基本的に大変でやりたくないことなので、だったらせめて自分のやりたいことを仕事にしたいものだな、と最近思う。これを読んで改めてそう思ったりした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公がところどころ自分すぎて苦笑してしまった…性格が暗い中年独身男性って皆、似たような感じなのかも(いや、もしかしたら既婚中年男性も?)。
しかし、ネット上に流布している「45歳独身狂う説」も、こういう小説から来てるのだろうなと妙に納得してしまった。
狂わない方法も、安全に狂う方法も探せばあるのに、主人公は境遇なのか視野狭窄からなのか、それにアクセスできないのがキツイ。
そして、ラストが...救いなのか絶望なのかが分からなかった。
死ななかったのだから、またやり直せると思うと救いかもしれないけど、それもまた地獄としか思えない...やはり、甘っちょろい理想だとしても、自らで人生を終わらせた方が心は安らいだ気がするので。
絶賛ミッドライフクライシス中の僕には他人事ではない小説でした!