西村亨のレビュー一覧

  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    ネタバレ

    最初はよく分からない点もあったが、徐々にのめり込めた。自分と重なる部分が多々あり、将来こうなってしまうのではないかと危惧した。仕送りが尽きない母のせいで自立しない自信を持てない自分でいていいと解釈する点もその人を試す行動を取って価値観を探る点も、否定された過去があるからこそ生じてしまう。主人公はASDとADHDの併発型で愛ではなく、主治医が必要なのではないかと考えた。前作も読みたい。

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    2025年05月19日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    著者の半分自伝的小説なのだろうか、ただ一本調子に続く生きづらさの吐露なのだが不思議とおかしみと中毒性があり、途中で思わず噴き出したりしながら一気に読み切った。

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    2025年02月25日
  • 自分以外全員他人

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    主人公の考え方に共感しながら読んでいたので、結末がよい戒めとなった。生きづらさの一因があるようにも感じた。

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    2024年12月20日
  • 自分以外全員他人

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    主人公の生活はとてもストイックで、とてもナイーブで共感できるところもあるが、究極の選択をしがちになってしまうのだろう。
    現代社会や人間関係がもたらす、疲弊をみごとに描いている。

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    2024年12月13日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    前作「自分以外全員他人」の主人公である柳田
    譲のモノローグが主体です。

    本当にこんな人が存在するのか?というような
    自分だけが良ければ、他はどうなろうと知った
    ことではない自分勝手な人間が多数出てきます。

    その中で淡々と、冷静に他人を分析しながら生
    きる柳田という主人公の未来はどうなってしま
    うのか。

    孤独を愛するのはいいです。しかし自分に絶望
    を抱いてはいけません。

    この先も柳田から目が離せなくなりそうで、続
    編を期待してしまう一冊です。

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    2024年11月21日
  • 自分以外全員他人

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    第39回太宰治賞受賞作品です。

    「小説版ジョーカーだな」が、読後の率直な
    感想です。

    自分は真っ当に生きているのに、なぜ世間は
    こんなに自分勝手で、他人のことを考えない
    人間があふれているのだ。

    もう生きるのに疲れてしまった男は自殺願望
    を抱えつつも、ちょっとだけ生きる喜びを時
    々見つけて、明日へと立ち向かう勇気を得る
    時もあります。

    しかし世間の嫌な部分は、圧倒的に主人公を
    攻撃してきます。

    最後に行き着く先は破滅か、開き直りか。

    よを達観する気持ちが湧き起こる不思議な一
    冊です。

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    2024年11月17日
  • 自分以外全員他人

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    評価は分かれるでしょう。
    まるで自分のことのようで、誰かに読んで欲しい。
    真面目に生きていると、周りの不真面目に振り回されておかしくなってしまう。
    そんな様子がとてもしっくりきました。

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    2024年10月27日
  • 自分以外全員他人

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    繊細さんが解脱を目指すも破綻する、という話だろうか。自己嫌悪と正義感でぐるぐるした挙句最後にキレる、というのは、芥川賞系の男性作家にはよくあるパターンで、読んでいて大抵気分が悪くなるのだが、この作品には珍しく共感できた。

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    2024年10月14日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    壊れたパソコンであっても、このパソコンじゃなきゃと思って買うのが結婚であり、長く一緒にいた『好き』だと私は思う。

    ありのままのダメな部分を変えていこうとする努力と思いがあれば、ありのままを好きになってほしいと思って良いんじゃないかな。
    主人公に、友達でもいいから何でも話せる人がいてほしい。

    辛いのに一気に読んでしまった。

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    2024年09月08日
  • 自分以外全員他人

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    繊細さゆえに生きづらさを覚え、このままでは他人に危害を加えて理想とする自分ではいられなくなってしまうから死へ向かう準備をする男の話。男が他人に対してイライラや不快感を感じるところは全てわかるものばかりで、私が男みたいに人より繊細なのか、みんなも同じようにイライラしてるけど顔に出してないのかどっちなのかわからないけど、とりあえず他人の言動に鈍感な人が死ぬほど羨ましくそうなりたいなと思った。
    他人に優しくしなきゃいけないと母の教えを堅実に守ってやってきたのに、みんな自分のことしか考えず生きているのよと母に言われ、これまでの人生の土台が全て覆る。幼少期の受けた親の言葉は呪いのようにずっと自分の頭にこ

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    2024年06月30日
  • 自分以外全員他人

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    ネタバレ

    主人公の中にある他人を配慮しているという自負とナルシズム、異常な他責思考。自分を美化し、他人を敵か味方か、物事を善か悪かで判断する主人公、まさにこれがリアルな人間の末路では無いか。そのような「拗らせ」は第三者から見れば些細なボタンの掛け違いかもしれないが、本人はそのボタンを直すこともせず、ましてやそれが特別なものと勘違いしてしまう。本作では最低かつ良質な拗らせを味わうことができた。

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    2024年06月19日
  • 自分以外全員他人

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    太宰治賞受賞作というだけあって、最初から最後まで、え、この主人公は私では?と思わざるを得ない作品だった。
    ここまで思い詰めてしまっていると、こわいけど笑える。主人公の彼(私)は一貫して大真面目なのだから。
    タイトルを見て衝動的に購入した後、取り憑かれるように一瞬で読み終わってしまった。

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    2024年04月25日
  • 自分以外全員他人

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    1冊あっという間に読み終わった。
    共感できる部分もあり、そこは考えすぎじゃない?と思う部分もあった。
    主人公は常に何かに怒りの感情を溜めている様子があり、そんな神経質な部分が自分と似ているなと感じた。また、自分が思ってることは人も思ってるだろうという自他境界が曖昧な感じも共感できた。
    結局、人は人それぞれの価値観、軸で生きてるので、自分の価値観を大事に生きていこうと思った。

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    2025年12月21日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    柳田サーガ、という言い方をするらしい。前作『自分以外全員他人』より好きだった。柳田のダメさ、ダメなのに一丁前にプライドはあって自分を守ろうとしているところが、人間らしくて共感できる。格好つけない純文学なので、柳田サーガは好かれている印象があります。批評するというテンションにならない。この作品に批評はナンセンス。ただ好きか嫌いかだけ。『死んだら無になる』もそのうち読みます。

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    2025年11月20日
  • 自分以外全員他人

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    淡々とした数日間の物語という感じ。自分の中にもある嫌な部分と嫌なやつになりきれない凡庸さみたいなのがすごく自然に書かれててあんまり本を読んでる感がない。最後の展開も加速していく感じも、最悪なことはこうして起きるのかなと体感できた。

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    2025年11月10日
  • 自分以外全員他人

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    読むのが辛い。ご本人も巻末の対談で話してたけど、人間失格(のライト?版)を読んでいるような自分に当てはまるような当てはまってほしくないような、歳を重ねる度に増える些細なことへの苛立ちと、理解とがすごく良く表現されてる。おかしいのは自分か他人か。

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    2025年11月01日
  • 自分以外全員他人

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    ネタバレ

    主人公がところどころ自分すぎて苦笑してしまった…性格が暗い中年独身男性って皆、似たような感じなのかも(いや、もしかしたら既婚中年男性も?)。
    しかし、ネット上に流布している「45歳独身狂う説」も、こういう小説から来てるのだろうなと妙に納得してしまった。
    狂わない方法も、安全に狂う方法も探せばあるのに、主人公は境遇なのか視野狭窄からなのか、それにアクセスできないのがキツイ。
    そして、ラストが...救いなのか絶望なのかが分からなかった。
    死ななかったのだから、またやり直せると思うと救いかもしれないけど、それもまた地獄としか思えない...やはり、甘っちょろい理想だとしても、自らで人生を終わらせた方が

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    2025年10月27日
  • 自分以外全員他人

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    創作された物語というところは感じないくらいの人間味溢れる柳田の生き様でした。
    何とかギリギリのところで生きてる人間の生き方を読んでるみたいな気持ちになりました。

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    2025年10月05日
  • 自分以外全員他人

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    主人公の柳田が抱える小さな苛立ちや孤独は、誰の心にも潜んでいる感情の延長だと感じた。正義感や寂しさ、あるいは他者への攻撃性として姿を変えるその感情に既視感を覚える。だからこそ、ふとした瞬間に「これ、柳田と同じじゃないか」と思い返し、辞書のように本をめくってしまう。
    人との関わりにおける無神経さや善意のすれ違いが、自分にどう響くか。その受け取り方次第で世界はまったく違う色を見せる。それが、この作品を繰り返し読み返したくなる理由だ。

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    2025年09月24日
  • 自分以外全員他人

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    人間はどこまでも社会的な動物であるのに、何故にこれほど自分本位な人間が増殖したのか。生真面目が故に社会との折り合いがつかない中年男が、コロナ禍に於いて、「生きること」に見切りをつける。明確な痛みや苦しみは無くとも、澱の如く沈殿していく感情。不満と諦観の間で揺れ動き、ついには暴発してしまう主人公に共感せずにはいられない。

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    2025年09月17日