西村亨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『了解。他に食べたい物があったらまたLINEして。』
どこの家庭もだいたいそうなのかもしれないが、母は私が家に行くとやたらと食べ物を出してきた。心もとない小さな生き物を、とにかく大きくさせることに心血を注いでいた頃の名残りなのだろうか。もう十分大きくなった。今さら食べても仕方ないのに。
ここだけは穏やかに読めた。
確かに…ですね笑笑
ラスト、急に感情を爆発させるのにはびっくり。登場人物にそういう人いるいるって思うし
分からなくもないけど、そこまでイライラしたりこき下ろしたりしなくてもと思ってしまった。
イライラするのにもエネルギーが必要だろうに…
無関心は最大の防御。
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルが面白いと思って手に取った本だった。
本当の孤独とは、敷き詰められた愛を全て踏み超えた先にあるらしい。
本当の孤独にたどり着くことは愛によって憚られる話かと思っていたが、どうやらたどり着いてしまいそうな話だった。
冒頭に登場する女性が、以降綴られる主人公に対して感じた違和感やある種の苛立ち、そして共感の正体を明確にしてくれていた。
自分が卑屈であるのは幼少期の環境のせいであり、他人のために思考を巡らせた結果自ら身を引くことのできる優しい人間であろうとする、腹の底でそれを引き止められたいとも考えている。
悲しいことに共感してしまった。
聞こえは良くても実質は他人のために努力しよ -
Posted by ブクログ
ちょ!?ちょちょちょちょっとーー
(読後すぐの感想)
生きづらさを敏感に感じる主人公柳田
常に死にたい、生きるのを辞めたいと考えながら生きている。
追い打ちをかけるのがコロナ。
コロナ禍になり、人々が益々自分中心になり、我先にと他人を思いやる気持ちがどんどん薄れていく。
他人のちょっとした言動や行動が、自分の意図しないことが気になり出すのは、ある意味他人への期待値が高いのだろうな...とも思う。
凄く人間臭くて共感できた。
死にたいがために不食を試み、どんどん痩せてはいるものの、自転車に乗ると気分爽快になっているところは救われる。
最後の数ページの勢いが強くて、まるでホラーでした笑
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Posted by ブクログ
第39回太宰治賞受賞作。
「自分以外全員他人」というタイトル、良い。
太宰治賞は大好きな作家の今村夏子さんが過去に受賞されている賞なので毎年チェックしている。
「自分以外全員他人」の西村亨さんは太宰治賞の受賞のコメントで、昔から生きづらさを抱え、早く死にたかったと答えていたのが衝撃的だった。気になって西村亨さんの他のインタビューを読んでみたら、死ぬ練習をしていたとか、遺書を冷蔵庫に入れているとか…色々と驚きが多かった。
この本はタイトルにも惹かれたし装丁も素敵で、だいぶ前から手元にあった。買ってすぐに少し読んだ時、主人公の柳田譲が著者の西村亨さんそのものに思え、読みたいのに読んでいいのだ -
Posted by ブクログ
その通りじゃん!なタイトルに惹かれて読みました。
自分は柳田さんの言っていること、分かってしまう側の人間です、たぶん。「分かる」なんて簡単に言ってはいけないのだろうけど…。私小説なのか不明だが、世の中にこういう人がいる(いてくれる)と思うと、ちょっと救われる。こんな考え方も、生き方もある。私はそれを知るために、小説や映画に触れるのだと思う。
ただ、周囲への不満が抑えきれなくなる後半は、分かるけど今の自分には共感できない領域まで主人公が到達してしまい、読んでいて複雑な気持ちになった。
自分以外全員他人だと理解しているはずなのに、いちいち傷ついたり憎んだり期待したり。自分ばかり、何故、と思うか