西村亨のレビュー一覧
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他人の行為に強く正しさを求める柳田。
少しHSPっぽいなと感じた。
同僚や客の自分勝手さばかりが目についており、そうした心の身勝手さがテーマ。
柳田は自己肯定感が低く、こんなダメな人間はいつ罪を犯すかわからないし、消えてしまった方がいいと思っている。
ただし、自殺について他人に迷惑をかけないためとする考えには、私はどうしても賛同できない。
柳田は他人のことは許せないのに、自分自身も人を傷つける行為をしており、結局は自分勝手だと思ってしまう。
作者は本書を、死のうと思いながら書いたらしい。
小説を書きたいという思いが救いになっている、という対談が印象的だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ追記
中盤の鬱で退職した人が診断受けて、主人公がそんな症状は診断受けなくても自分もある、と言ってるけどその人の目線では本当にしんどいかもしれなくて、そこも含めて「自分以外全員他人」ならもう物語で救われないね、と今の自分は思ってしまう
自分がいつか迷惑をかけてしまう前に死にたい、と言っていて本当に最後暴力に出るとは思わなかった。鬱屈した私小説らしきものが続くと思ったらそこで一気に創作になっていった。最後、管理会社の迷惑フォルダに入ってたけど対処します、のメールで終わってるのも良かった。
やさしくしてくれる人までブロックするのに、母のこともそれなりに恨んでいるのに家族のために保険金を残して死にた -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
文庫化されたというのに驚いて購入し、読んだ。
太宰治賞受賞作ということだが、(あまりまともに読んでいないため偉そうなことは言えないが)かなり太宰治を感じた。
文体がかなりオーソドックスで、陰鬱で、でも少し滑稽で、自意識を書いていて、何か自分を重ねてしまう。
僕の好きなタイプの小説だった。
だが反面、新しさは感じなかった。
久々に太宰治も読もうと思う。
P.18 独り身で大した苦労もなく、ただ生きているだけなのにしょっちゅう精神を病んでしまう自分が情けなかった。
P.122 たぶんもう他に生きようがないというか。これ以上無駄に生きればきっと、いつか取り返しのつかないことをしてし -
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ネタバレ『了解。他に食べたい物があったらまたLINEして。』
どこの家庭もだいたいそうなのかもしれないが、母は私が家に行くとやたらと食べ物を出してきた。心もとない小さな生き物を、とにかく大きくさせることに心血を注いでいた頃の名残りなのだろうか。もう十分大きくなった。今さら食べても仕方ないのに。
ここだけは穏やかに読めた。
確かに…ですね笑笑
ラスト、急に感情を爆発させるのにはびっくり。登場人物にそういう人いるいるって思うし
分からなくもないけど、そこまでイライラしたりこき下ろしたりしなくてもと思ってしまった。
イライラするのにもエネルギーが必要だろうに…
無関心は最大の防御。
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルが面白いと思って手に取った本だった。
本当の孤独とは、敷き詰められた愛を全て踏み超えた先にあるらしい。
本当の孤独にたどり着くことは愛によって憚られる話かと思っていたが、どうやらたどり着いてしまいそうな話だった。
冒頭に登場する女性が、以降綴られる主人公に対して感じた違和感やある種の苛立ち、そして共感の正体を明確にしてくれていた。
自分が卑屈であるのは幼少期の環境のせいであり、他人のために思考を巡らせた結果自ら身を引くことのできる優しい人間であろうとする、腹の底でそれを引き止められたいとも考えている。
悲しいことに共感してしまった。
聞こえは良くても実質は他人のために努力しよ -
Posted by ブクログ
ちょ!?ちょちょちょちょっとーー
(読後すぐの感想)
生きづらさを敏感に感じる主人公柳田
常に死にたい、生きるのを辞めたいと考えながら生きている。
追い打ちをかけるのがコロナ。
コロナ禍になり、人々が益々自分中心になり、我先にと他人を思いやる気持ちがどんどん薄れていく。
他人のちょっとした言動や行動が、自分の意図しないことが気になり出すのは、ある意味他人への期待値が高いのだろうな...とも思う。
凄く人間臭くて共感できた。
死にたいがために不食を試み、どんどん痩せてはいるものの、自転車に乗ると気分爽快になっているところは救われる。
最後の数ページの勢いが強くて、まるでホラーでした笑