あらすじ
アラフォーの柳田譲の前に現れた三人の女との出会いと別れ。愛を求め、また与えようとして却って孤独へと突き進んでしまう魂の悲哀を描く太宰治賞受賞後第一作!
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最初はよく分からない点もあったが、徐々にのめり込めた。自分と重なる部分が多々あり、将来こうなってしまうのではないかと危惧した。仕送りが尽きない母のせいで自立しない自信を持てない自分でいていいと解釈する点もその人を試す行動を取って価値観を探る点も、否定された過去があるからこそ生じてしまう。主人公はASDとADHDの併発型で愛ではなく、主治医が必要なのではないかと考えた。前作も読みたい。
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著者の半分自伝的小説なのだろうか、ただ一本調子に続く生きづらさの吐露なのだが不思議とおかしみと中毒性があり、途中で思わず噴き出したりしながら一気に読み切った。
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前作「自分以外全員他人」の主人公である柳田
譲のモノローグが主体です。
本当にこんな人が存在するのか?というような
自分だけが良ければ、他はどうなろうと知った
ことではない自分勝手な人間が多数出てきます。
その中で淡々と、冷静に他人を分析しながら生
きる柳田という主人公の未来はどうなってしま
うのか。
孤独を愛するのはいいです。しかし自分に絶望
を抱いてはいけません。
この先も柳田から目が離せなくなりそうで、続
編を期待してしまう一冊です。
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壊れたパソコンであっても、このパソコンじゃなきゃと思って買うのが結婚であり、長く一緒にいた『好き』だと私は思う。
ありのままのダメな部分を変えていこうとする努力と思いがあれば、ありのままを好きになってほしいと思って良いんじゃないかな。
主人公に、友達でもいいから何でも話せる人がいてほしい。
辛いのに一気に読んでしまった。
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柳田サーガ、という言い方をするらしい。前作『自分以外全員他人』より好きだった。柳田のダメさ、ダメなのに一丁前にプライドはあって自分を守ろうとしているところが、人間らしくて共感できる。格好つけない純文学なので、柳田サーガは好かれている印象があります。批評するというテンションにならない。この作品に批評はナンセンス。ただ好きか嫌いかだけ。『死んだら無になる』もそのうち読みます。
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前作「自分以外全員他人」が素晴らしかった作者の二作目。相変わらず、「令和の太宰治的」な主人公を取り巻く環境は厳しく、極端な恋愛下手(というかコミュニケーション下手)により、いつでも「後悔先に立たず」という人生である。笑ってしまえる描写もあるが、実際には就職氷河期以降の世代には、少なからず存在するのだろうな。何とか出口を見つけるためにも、さらに書き続けていって欲しいな。
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本の雑誌が選ぶ2024年度ベストテンにランクインしていた本。
アラフォーの柳田譲が姉の友達の友達を紹介され、焼肉を食べながらあれやこれや、と考えるところから始まります。
なんというか、この柳田の感覚がずれていて、ツッコミどころ満載。笑っていいのか、同情したらいいのか、どう読めばいいのかわからなけれど、ページをめくる手かがとまりません。最後は過去の恋愛を回想して、彼なりの愛を説きます。
真面目で、うだうだして、不器用で、全部自分が悪いと思う柳田。マイナスにしか向かっていけない哀しさがなんとも言えません。
なかなか個性的で万人受けしない本だと思うけれど、私は大好き。読んで良かった!
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新作でとるやないかー!
この柳田さんは、前作の柳田さんと同一人物という認識で良いのだろうか。そうだとすると過去のお話になる。
自意識と厭世にまみれた男の語りで、読んでいて共感もあれば軽蔑も(ちょっとだけ)する。軽蔑は同族嫌悪かもしれない。あと前作もそうだったけどこの人の本は小説を読む気力がマイナス状態の時でも読めて、ありがてぇ。救いがない物語なのに自分には救いになる。文章がスルスル入ってくるのと、主人公の柳田が自分と同等かそれ以上に暗くて(笑)、人生を恐れているからだろうか。繊細さって、現実に何の役にも立たないし、それを盾にして過剰防衛(攻撃)してしまったりするよね。
玉絵ちゃんのキャラが結構強烈で、でもいそうだな〜こういう女性〜!というリアルさがあった。
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表紙で踊る文字に目がチカチカして、なんだか気になり手に取った。
主人公がすごくピュア。細かい、弱い、自分にも人にも厳しい。良い人だけれど困る人。
この人は生きてることがこわいんだな、と思う。
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面白いか、と言うと、面白い内容では無かった。
ただ、誰の心の中にも、こういう自分の一面はあるのではないかと思った。究極につきつめたら、こんな感じに自分もならななくも無い気がする。
本当に同じ思いで死にたい人がいたら、この本でも読んで、アホらしくて止めようと思えばいいなと思う。
結局、マイルールに縛られて、どんどん苦しくなって破滅するだけ。仕事も辞めればいいし、他人に何かを期待するから裏切られるんだし、言わないから伝わらないんだし、あちこちに、回避ポイントあったのにな。
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わからない。
このアラフォーは一見すると何も間違ったことはしていない。
だけどいつの間にか逃げたようになっている。
俯瞰してみても気付けるものではないと思うので、自分はこうならないようになるべくいろんな人と関わりを持ちたいとおもった。
そして、いつの間にか逃げていることに少しでも早く気付けるようにしたい。
このアラフォーに今後救いがあるとしたらボランティアやカウンセリングのような、人を見れる活動で心から繋がれる他人と再度出会う事だろうか。
おもちろだった!
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3.8/5.0
どうしようもなく、みっともなく、だらしない男の人生が殴り書きされている。
技術や奥行きみたいなものは完全に無視した、直球ストレートな文章はある意味爽快だったが、もうこの類の小説は何度も読んでしまっているので、既視感は拭えなかった。
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母を嫌悪する男性主人公の作品はよくあるけれど、明確に母の「呪い」を嫌悪する男性主人公は珍しいように思う。起こる事象すべてが母の呪いのせいで、人生に自分に否定することしかおぼえてこなかった人。
この作品には3人の女性が登場するが、関係を頭でっかちに脳内のみで考えすぎて、優しさを先回りしすぎて、自分とも相手とも向き合えずに自滅してしまう。それも母の呪いというが、本当にそうなの?
この自己憐憫はとてもよくわかるわりに重苦しすぎず、さくさくと読み進めてしまえるので、もっともっとほかの作品も読みたい。次作も読みます。
Posted by ブクログ
タイトルが面白いと思って手に取った本だった。
本当の孤独とは、敷き詰められた愛を全て踏み超えた先にあるらしい。
本当の孤独にたどり着くことは愛によって憚られる話かと思っていたが、どうやらたどり着いてしまいそうな話だった。
冒頭に登場する女性が、以降綴られる主人公に対して感じた違和感やある種の苛立ち、そして共感の正体を明確にしてくれていた。
自分が卑屈であるのは幼少期の環境のせいであり、他人のために思考を巡らせた結果自ら身を引くことのできる優しい人間であろうとする、腹の底でそれを引き止められたいとも考えている。
悲しいことに共感してしまった。
聞こえは良くても実質は他人のために努力しようとせず、あわよくば自分だけ、ありのままで認められたいというズルい奴だと、はっきりと、主人公と共に諭された。
僕も、頑張ります、、
面白かった。
Posted by ブクログ
希死念慮や自責の念を抱える主人公の話。
その実言い訳がましさや、弱さが垣間見えるのも人間味があっていい。
何をやっても上手くいかない、というのを文にした感じ。
終始少し軽い。
度々家庭環境でこうなった、という文言が出るが、その言葉が出る回数に比べると、あまり深堀されて居ないように感じる。
若干ぼやっとした印象のままだけど面白かった。
スラスラと読める