西村亨のレビュー一覧

  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    前作「自分以外全員他人」が素晴らしかった作者の二作目。相変わらず、「令和の太宰治的」な主人公を取り巻く環境は厳しく、極端な恋愛下手(というかコミュニケーション下手)により、いつでも「後悔先に立たず」という人生である。笑ってしまえる描写もあるが、実際には就職氷河期以降の世代には、少なからず存在するのだろうな。何とか出口を見つけるためにも、さらに書き続けていって欲しいな。

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    2025年07月21日
  • 自分以外全員他人

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    文学あるいは小説とは、本来こういう作品のことを言うのではないか。人がどのように人生のレールから外れて行き、徐々に狂気をまとっていくのか。そして家族や恋人、信頼できる人たちとの関係性が、そのプロセス(もしくはスタート)にどう作用するのか。
    なんて分析したくなるのは、この作品をまともに受けとめるのが辛すぎるからかも知れない。
    破壊力と静謐さをあわせ持った強力な一作。

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    2025年04月03日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    本の雑誌が選ぶ2024年度ベストテンにランクインしていた本。

    アラフォーの柳田譲が姉の友達の友達を紹介され、焼肉を食べながらあれやこれや、と考えるところから始まります。
    なんというか、この柳田の感覚がずれていて、ツッコミどころ満載。笑っていいのか、同情したらいいのか、どう読めばいいのかわからなけれど、ページをめくる手かがとまりません。最後は過去の恋愛を回想して、彼なりの愛を説きます。

    真面目で、うだうだして、不器用で、全部自分が悪いと思う柳田。マイナスにしか向かっていけない哀しさがなんとも言えません。

    なかなか個性的で万人受けしない本だと思うけれど、私は大好き。読んで良かった!

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    2025年02月26日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    本の雑誌・年間ベストから。こじらせ男子の独白小説。かといってまったく人ごととも思えず、絶妙な既視感が味わえる。面白し。

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    2025年01月08日
  • 自分以外全員他人

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    世の中には人に迷惑をかける人がいる。それを正そうとする人もいる。正すことが度を超えれば、正義感は濁ったものになり、加害者になる。
    だから我慢して生きているけど、我慢にも限界がある。
    主人公はそんな感情を常に持っているのだろう。
    人の生死について、長生きしたいと思うことが当たり前のことではないと知らされる。
    死生観を考えさせられる本だった。

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    2024年11月30日
  • 自分以外全員他人

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    日々の生活の中で、少しずつ溜まってゆく不満、鬱憤。それらを解消、いや折り合いをつけるために我慢をしてゆく…その日々の“ガマン”がいつか爆発してしまう…“隣の芝生”は本当に厄介だ…“青く”見えてしまうものを、何とか“水色”に変えようとしていく。そんな行程でさえ鬱憤は蓄積されてゆく…世の中、“自分が可愛い”奴らで満たされている。“他人のためになることが幸せ”なんて結局のところ幻想に過ぎないのでは…そんな思いに真正面からぶつかってくれた清々しい一冊。

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    2024年11月28日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    苦しい
    なんて苦しいのだろう
    本を閉じようと思いながら最後まで読んでしまった
    語り手が生きているからだろうか

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    2024年11月13日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    新作でとるやないかー!
    この柳田さんは、前作の柳田さんと同一人物という認識で良いのだろうか。そうだとすると過去のお話になる。

    自意識と厭世にまみれた男の語りで、読んでいて共感もあれば軽蔑も(ちょっとだけ)する。軽蔑は同族嫌悪かもしれない。あと前作もそうだったけどこの人の本は小説を読む気力がマイナス状態の時でも読めて、ありがてぇ。救いがない物語なのに自分には救いになる。文章がスルスル入ってくるのと、主人公の柳田が自分と同等かそれ以上に暗くて(笑)、人生を恐れているからだろうか。繊細さって、現実に何の役にも立たないし、それを盾にして過剰防衛(攻撃)してしまったりするよね。
    玉絵ちゃんのキャラが結

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    2024年11月02日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    表紙で踊る文字に目がチカチカして、なんだか気になり手に取った。
    主人公がすごくピュア。細かい、弱い、自分にも人にも厳しい。良い人だけれど困る人。
    この人は生きてることがこわいんだな、と思う。

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    2024年10月20日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    面白いか、と言うと、面白い内容では無かった。
    ただ、誰の心の中にも、こういう自分の一面はあるのではないかと思った。究極につきつめたら、こんな感じに自分もならななくも無い気がする。
    本当に同じ思いで死にたい人がいたら、この本でも読んで、アホらしくて止めようと思えばいいなと思う。
    結局、マイルールに縛られて、どんどん苦しくなって破滅するだけ。仕事も辞めればいいし、他人に何かを期待するから裏切られるんだし、言わないから伝わらないんだし、あちこちに、回避ポイントあったのにな。

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    2024年10月14日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    わからない。
    このアラフォーは一見すると何も間違ったことはしていない。
    だけどいつの間にか逃げたようになっている。
    俯瞰してみても気付けるものではないと思うので、自分はこうならないようになるべくいろんな人と関わりを持ちたいとおもった。
    そして、いつの間にか逃げていることに少しでも早く気付けるようにしたい。

    このアラフォーに今後救いがあるとしたらボランティアやカウンセリングのような、人を見れる活動で心から繋がれる他人と再度出会う事だろうか。

    おもちろだった!

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    2024年10月08日
  • 自分以外全員他人

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    現代の純文学っていうのかな。
    主人公や取り巻く環境が、今の時代の苦悩を引き出しているのだろう。
    これを社会的に解決すべきと読むのか、どう受け止めるべきか悩んでしまった。

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    2024年08月25日
  • 自分以外全員他人

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    母親に自死を否定されてから終わるまでの疾走感がすごかった。柳田さんが最後執拗にまで人にイライラしていたのはシンプルに断食していて、栄養不足なだけなのと、狭い世界に閉じこもっている、というか自ら選択していると、視界が狭くなって、無駄にイライラするのかなと思った。人の行動にイライラするのって、エネルギーの無駄だなぁとコロナ中も何となく思っていたけど、今作を読んで改めて感じた。「自分以外、全員他人」ってタイトルから、もっと自分よがりな生き方をしている人の話なのかと思ったら、その逆で気にしいな人だったのが意外で面白かった。

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    2025年11月30日
  • 自分以外全員他人

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    真面目で繊細が故に、日々の些細なことでイライラと鬱憤を募らる主人公。
    終始暗くてあまり共感もないんだけど、主人公のポリシーみたいなものに惹かれて行く末が気になった。
    最後は、結局そうなっちゃうのかという感じ。

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    2025年11月29日
  • 自分以外全員他人

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    ネタバレ

    太宰治賞に納得。不本意ながらパチン、の瞬間が自分にも訪れたことがあるので目を背けながら読んだ。
    彼の話はどうやら続刊がある?ようなのでそちらも読もう。

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    2025年11月29日
  • 自分以外全員他人

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    ネタバレ

    追記
    中盤の鬱で退職した人が診断受けて、主人公がそんな症状は診断受けなくても自分もある、と言ってるけどその人の目線では本当にしんどいかもしれなくて、そこも含めて「自分以外全員他人」ならもう物語で救われないね、と今の自分は思ってしまう

    自分がいつか迷惑をかけてしまう前に死にたい、と言っていて本当に最後暴力に出るとは思わなかった。鬱屈した私小説らしきものが続くと思ったらそこで一気に創作になっていった。最後、管理会社の迷惑フォルダに入ってたけど対処します、のメールで終わってるのも良かった。
    やさしくしてくれる人までブロックするのに、母のこともそれなりに恨んでいるのに家族のために保険金を残して死にた

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    2025年11月20日
  • 自分以外全員他人

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    主人公の社会に対する視点、ぶつけることができない憤りを同じように感じているからこそ、自己投影ができた。
    どこかにこの憤りをぶつけてもいいと暴走しかけた時、自分は歯止めが効くだろうかと考えさせられた。

    真面目、誠実さだけを大切にしていたら、今の社会ではとても生きづらい。
    良くも悪くも程々の図々しさを持つことが大事だと改めて感じさせてくれた。

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    2025年10月27日
  • 自分以外全員他人

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    ネタバレ

    面白かった。
    文庫化されたというのに驚いて購入し、読んだ。
    太宰治賞受賞作ということだが、(あまりまともに読んでいないため偉そうなことは言えないが)かなり太宰治を感じた。
    文体がかなりオーソドックスで、陰鬱で、でも少し滑稽で、自意識を書いていて、何か自分を重ねてしまう。
    僕の好きなタイプの小説だった。
    だが反面、新しさは感じなかった。
    久々に太宰治も読もうと思う。

    P.18 独り身で大した苦労もなく、ただ生きているだけなのにしょっちゅう精神を病んでしまう自分が情けなかった。

    P.122 たぶんもう他に生きようがないというか。これ以上無駄に生きればきっと、いつか取り返しのつかないことをしてし

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    2025年10月18日
  • 自分以外全員他人

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    自己中過ぎだろ!と思う一方
    自分と重なる部分の多いこと。。。
    「そーだよなー」と「なんでそーなるんだよ」の絶妙なバランスが良かったです

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    2025年10月13日
  • 孤独への道は愛で敷き詰められている

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    3.8/5.0

    どうしようもなく、みっともなく、だらしない男の人生が殴り書きされている。
    技術や奥行きみたいなものは完全に無視した、直球ストレートな文章はある意味爽快だったが、もうこの類の小説は何度も読んでしまっているので、既視感は拭えなかった。

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    2025年10月09日