佐藤信之のレビュー一覧

  • 日本のバス問題 高度成長期の隆盛から経営破綻、再生の時代へ

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     日本のバス問題について解説したもの。京都市のオーバーツーリズムについて言及されているかと期待したが、どちらかというとバス会社の経営やバス事業そのものの展望などがメインの話であった。バス事業の経営難は根本に人口減少があり、新しい業態や自動運転などが進歩しても、あまり先の明るくない業界であると感じた。ただ絶対に無くてはならない交通手段であるだけに、赤字経営でもやっていかなくてはならないのはバス事業の難しさだと思う。

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    2025年11月29日
  • 通勤電車のはなし 東京・大阪、快適通勤のために

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    東京圏と大阪圏の鉄道の話。鉄道について、その究極の輸送力を発揮すべき通勤時の鉄道輸送力の推移をはじめ、人口動態や自動車など他の交通手段との比較等、深い科学的研究・分析がなされている。路線延伸や車両開発の歴史にも詳しい。今後将来に向けての問題点、解決案、展望等も参考になった。
    「東京の西側郊外に開発された田園都市は、最初は分譲地の販売は不調であったが、関東大震災の後は、日本橋あたりの裕福な商家の人たちが競って購入するようになり、住まいは山手、職場は都心と職住分離したことで、毎日通勤する人々が生まれるようになった」p6
    「通勤定期旅客が通勤によって失われた付加価値の1年間の総額は、6兆7000億

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    2018年10月21日
  • 日本のバス問題 高度成長期の隆盛から経営破綻、再生の時代へ

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    近所でも路線バスの減便が始まっているのでリアルタイムな時事問題として読んでみた。
    バスは公共交通機関の最後の砦、ベーシックスサービス。過疎化した地区、免許返納で、自家用車も使えない高齢者など、命綱。とはいえ民間企業が撤退し全て地方公共団体に、任せるのも無理がある。
    本書はそんな路線バスの課題と未来について語る一冊。
    自動運転の技術などもあろうが未来は暗い。
    日本の悲しい現実を知ることのできる、切ないが有用な一冊でした。

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    2025年10月28日
  • 鉄道と政治 政友会、自民党の利益誘導から地方の自立へ

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    我田引鉄と揶揄されるように鉄道は政治と結びつきやすい。そんな両者の歴史と近年の現況を概観した一冊。

    政治家が地元に鉄道を引くのは明治から昭和にかけての定番。都市伝説も含め多くの逸話がある。

    しかし、前提となる「鉄道=地域の発展」という発想が近年は崩れているという。長崎新幹線の通る佐賀県、中央リニア新幹線の通る静岡県から見ればタダの迷惑施設となっている。一方では富山県内や宇都宮市のLRT整備のような新たな公共交通のカタチも見え始めている。

    本書はそんな政治と鉄道の関係を明治から現代まで概観した一冊。国と地方の関係の変化や小選挙区制制などによる政治家の小物化(ビジョン提示から御用聞き、大衆迎

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    2021年07月07日
  • 鉄道会社の経営 ローカル線からエキナカまで

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    沿線の都市開発、観光地と直結した導線による攻めの経営と
    生活の足でありインフラとしての維持が求められる守りの経営。
    ここ数年はJR北海道での路線廃止が度々ニュースとなっているが
    歴史を紐解いてみるとかなり多くの鉄道が消えていったということに気付かされる。
    民営化による利点(サービス品質向上など)と公共性の両立をなんとか模索できないものか。なんとも考えさせられる。

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    2019年04月07日
  • 鉄道会社の経営 ローカル線からエキナカまで

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    大学講師が、鉄道会社について書いた本。たぶん鉄道マニアであろう著者が、鉄道を経営する会社に焦点を当て、鉄道事業、観光事業、地域開発、小売り事業などの切り口からその経営について分析している。データが豊富で歴史的考察も深く学術的によくまとめられていると思う。東京地下鉄をはじめとする首都圏交通網の開発経緯も詳しく書かれており、とても興味深く読んだ。写真もいい。
    「JR東日本:新幹線の路線1134.7km(15.1%)収入4920億円(29.3%)。首都圏在来線2536.2km(33.8%)収入1兆1170億円(66.4%)。残りの在来線3841.7km(51.1%)収入723億円(4.3%)。JR

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    2018年11月04日
  • 鉄道と政治 政友会、自民党の利益誘導から地方の自立へ

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    ●は引用、その他は感想

    題名は「鉄道と政治」だが、内容は政治が主で鉄道を含む交通政策の歴史が従。一般的な我田引鉄も述べられているが分量的にはかなり少ない。

    ●道路整備と空港整備には特別会計が設置され、いずれも中期整備計画を立てて計画的に整備が進められた。それに対して鉄道は、特別会計も国の整備計画も存在しなかった。鉄道の整備は、国鉄による長期投資計画による新線建設や改良があったが、これは国鉄という一企業の内部の投資計画であった。私鉄についても同様で、各社が個別に設備投資計画を策定し、それを集計する形で民営鉄道協会が中期計画を公表した。

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    2023年01月21日
  • 鉄道会社はどう生き残るか

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    鉄道会社の生き残り方を学ぶには少し物足りなさがあり、もう少し最新の鉄道会社の多角化についても触れてほしかった。一方で、海外含めた鉄道事業の成り立ちを学ぶには良い本だと感じた。

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    2022年09月06日
  • 鉄道と政治 政友会、自民党の利益誘導から地方の自立へ

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     中央リニアの静岡工区、西九州新幹線の佐賀県内のフル規格化。
     これらの計画がなぜ頓挫しているのかを、第一部で解説する。

     その後、第二部で明治から現在に至るまでの鉄道と政治の関わりをダイジェストでまとめる。

     第三部で、成功している事例(万葉線、富山ライトレール、福井鉄道)と、これからのLRT計画(宇都宮LRT)、そして災害復興についてが書かれている。

     内容としては、第一部だけが読む価値アリ。
     あぁ、道理で工事が進まないのね、ということが分かる。

     第二部での新しい発見は、明治期では軌道化が道路整備の代替手段だったということを知った。
     当時の道路は舗装はおろか土の道で、雨のあと

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    2021年05月18日
  • 鉄道と政治 政友会、自民党の利益誘導から地方の自立へ

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    明治から令和までの鉄道と政治の歴史をまとめた本。
    古今東西、我田引鉄の歴史も多く出てくる。

    鉄道建設は全体最適を求めるべき、ただし建設範囲が広いほど利権が絡みそれが大変と感じた。

    一方、富山など地域鉄道は成功している事例もある。

    リニア静岡、新幹線佐賀の話は地元に対し鉄道会社が細やかな説明、根回しを怠ったことがあったのではないかと。

    原敬内閣の時に広軌構想が否決されているなど、鉄道マニアの私でも新たな発見がある本。
    鉄道マニアにはお勧めです。

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    2021年05月09日
  • 鉄道会社の経営 ローカル線からエキナカまで

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    冒頭で青森のローカル線の細かい話が始まって少しつらいが、各種事例から帰納的に論じていくので進むにつれて理解しやすくなる。
    経営指標の数字を列挙する点が多いが、グラフなり表なりにまとめてあるともっと分かりやすいのに、とは思う。
    日本では新線敷設による収益拡大が望めないので異業種への拡大、という流れは出版当時(2014年?)よりもさらに加速している気がする。

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    2020年12月15日
  • JR北海道の危機 日本からローカル線が消える日

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    ■JR北海道が苦境にあることは周知の事実。その背景がなんだったのか知りたかった。
    ■国鉄民営化後、数多の誤算が続いたことは分かったが、国も北海道庁もJR北海道も他に何かできることがあったように感じる。
    ■先を見通した経営というより、列車の改良やダイヤ改正、特急のやりくりばかりなど小手先なことばかり書いてある。本当にこんなことばかりだったのか。
    ■北海道はその歴史的な成り立ちとして、国に頼りがちなところがあるが、ロシアと国境を接していること、食糧基地としての可能性など、一民間企業としての考え方には収まらない発想が必要な国家戦略的な企業だと感じているがどうだろうか。

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    2019年12月22日
  • JR九州の光と影 日本のローカル線は再生できるのか

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    時代の流れの中で、廃線など痛みを伴う施策を実施しながら上手く多角化を実施していることがよくわかった。
    JR北海道や四国と比べて都市人口などが多いことも経営が好調な要因であると思うが、観光資源を生かした事業やアミュなどのまちづくりなど想像以上に多彩なチャレンジをされている。書籍を読む中でJR九州が強く骨太な企業であることを感じさせられる。

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    2019年12月08日
  • JR北海道の危機 日本からローカル線が消える日

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    さまざまな近未来予測に手を出していますが、これは鉄道とりわけJR北海道に関する悲観的かつ危機的な予測を打ち出した一冊。
    それはそれで考えさせられますが、後半でJR北海道の路線や電車の推移を詳しすぎるほど解説してあり、この著者はきっと鉄道オタクなのだろうと思いました。

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    2018年01月16日
  • JR北海道の危機 日本からローカル線が消える日

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    行く末が心配なJR北海道
    興味深かったです
    JR九州の「鉄客商売」と合わせて読むと余計に考えさせられるかも

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    2017年10月21日
  • 通勤電車のはなし 東京・大阪、快適通勤のために

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    東京と大阪の通勤電車発達の歴史は面白かった。住んでたところと、住んでるところだし。
    地形を頭に浮かべる事が出来れば面白いが、そうでない人はどうなんだろう。話が学術的になってくるとつまらなくなる。もうちょっと野次馬的視点で見ても良かったのでは。

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    2017年09月25日
  • 新幹線の歴史 政治と経営のダイナミズム

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    整備新幹線の政治的な背景は面白くもあり、やや飽きる。むしろ戦時中から東海道新幹線開通までのストーリーのほうが物語として◎

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    2015年07月04日
  • 新幹線の歴史 政治と経営のダイナミズム

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     時は明治時代まで遡る。イギリスから鉄道を導入する際、1067mmの狭軌か1435mmの標準軌にするのか。

     この時の判断が、今も日本の鉄道に色濃く影を落としている。

     明治時代の広軌変更計画から満鉄あじあ号、そして戦後を経て新幹線が始まった。

     日本がなぜ鉄道分野において世界で競争力があるのか。それはモータリゼーション到来が予想される中、イギリスアメリカは鉄道に見切りをつけたのに対し、日本は新幹線を推し進める意思を持った人たちがいたからだ。

     東海道新幹線、山陽新幹線は在来線の輸送密度が限界に達し、輸送の抜本的な増設が必要だったのに対し、東北・上越は需要ではなく政治により造られたとい

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    2015年06月05日
  • 鉄道会社の経営 ローカル線からエキナカまで

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    上山に疎開した過去のある山之内秀一郎さんが山形のスキー場が閑散していることを憂い山形新幹線の実現に奔走したことが書いてあり、嬉しくなりました。

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    2014年04月27日
  • 鉄道会社の経営 ローカル線からエキナカまで

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    面白く読めました。
    幅広いテーマ、別な言い方だと一貫性がなかなか取れなかった印象があります。

    住んでいた家の近くにあった山口線など、西武線の歴史について、また鉄道会社の経営についての部分が印象に残っています。

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    2014年02月09日