八木詠美のレビュー一覧

  • アンチ・グッドモーニング

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    ふゎーとしている。
    物語はさほど面白くないが、作品の浮遊感を味わえる人は最後まで読める。
    芥川賞候補作の基準はやはりわからなかった…

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    2026年08月18日
  • アンチ・グッドモーニング

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    タイトルが秀逸。優しい夫と暮らし、福利厚生のととのった会社で在宅勤務をこなす平凡な日々は、不眠という突然の症状によって崩壊する。
    眠ろう眠ろうとして、次々と脈略のない記憶ばかりよみがえってきてしまうようなシーンは身に覚えがあった。まんじりともせず白々と朝が来てしまったときのあの絶望感も。こちらの絶望などおかまいなしに、たやすく陽はのぼる。

    〈平日に休みを取って出かけるのはNと観劇に行って以来だった。日差しは厳しいが空気はからりとし、わたしはPCの画面の外にもこうして世界が広がり、水曜日の午後が存在することに歩きながら黙って驚き続ける。途中で街路樹の下を通る。葉の一枚ずつが語りかけるように光り

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    2026年08月01日
  • 空芯手帳

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    ネタバレ

    今年の芥川賞候補作家の著作(ノミネート作品ではない)で、太宰治賞受賞作。
    女性が社会的に無自覚に押し付けられているあれやこれやについて、わかりやすく考えさせる内容ではあるが、今回はこの本を読んで感じた「キモさ」について書こうと思う。
    主人公は、ふとしたことから会社で「妊娠している」と嘘をつき……そのままその嘘をつき通して出産、産休育休まで迎えるわけだが……。
    最後まで、別にこの嘘が暴かれるわけでもなく、物語は平和に(?)終わる。まぁ、これだけでもモヤモヤはするんだけど、なんかずーっとじわじわとキモかったのが、主人公が、この嘘をついたことに対して、1ミリも罪悪感を感じていないことだ。かといって、

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    2026年07月31日
  • アンチ・グッドモーニング

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    眠れなくなった女性が仕事をしながら優しいけれど丁寧な生活に変に潔癖なところがある夫と暮らし、変な幻覚に巻き込まれる話
    業務時間外の社内チャットは無視すればいいが、なかなかリアルな感じで胃が痛くなった
    唐突な幻覚は不思議で、さすが芥川賞候補という感じだった
    あるいは的な村上春樹感を感じたのはさすが村上春樹という印象

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    2026年07月26日
  • アンチ・グッドモーニング

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    なかなか。
    眠りにつくときの堂々巡りで語られていくスタイルはおもしろかった。
    夢の書き方もリアルで楽しめた。

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    2026年07月15日
  • アンチ・グッドモーニング

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    妄想?ファンタジー?
    主人公の思考回路が眠れないことで狂ってるのか、普通はありえないでしょ…っていう展開が広がってばかりいました。
    眠れないことはよく分かったし、一貫して不眠について書かれていることはブレなくて良かったと思います。
    きちんとタイトル通りでした。

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    2026年07月09日
  • 休館日の彼女たち

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    静けさのある物語だった。
    「私の心の奇妙なくぼみ」が印象に残った。
    普段あまり意識していないが、くぼみに触れる気持ちよさを思い出した。
    ヴィーナスの立場から考えたことはなかったが、飛び出すことのできない空間にいると考えるとせつなさを感じた。

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    2025年11月29日
  • 休館日の彼女たち

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    ネタバレ

    表現が詩的だからか、表現は美しいのだけど、ストーリーが掴みにくかった。
    週に一度、古代ラテン語が話せるアフロディーテの彫刻の相手になるバイトというほんのりSF設定(他の方の感想読むと、マジックリアリズムというのか…)なので、逆にその文体が丁度いいのかもしれないけど。
    なので私にとってはあまり響かず、雰囲気を楽しむだけに留まってしまった感覚は拭えない。

    人とのコミュニケーションが苦手な主人公が、その気持ちを強めると、レインコートが厚くなったり鬱陶しくなるのだというのは感じ。それがテーマな訳でもなさそうだし、かといって他にこれといった主軸が分からなかったので、ハマらなかったかな。

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    2025年01月25日
  • 空芯手帳

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    空芯手帳は、軽い衝撃を受けた、笑
    妊娠しているというウソをつき始めて、十月十日を超えても、ウソをつき通す主人公、柴田。
    妄想なのだけど、やけに現実味があって、その塩梅が狂気を感じさせる。
    時々、え、妊娠してるの?してないの?どっちなの?となる。笑

    妊婦のコミュニティに溶け込んでいるのも面白い。笑

    『妊娠というのは本当に贅沢、本当に孤独。』
    とな。、
    まだ体感としてはわからないけど、
    同じ女性だろうと、他人だから完全には理解しえなくて当然で、だからこそそれを前提にして、
    驕らず、謙虚に相手を思いやることが大切だと言いたいのかなぁ。

    あとは、自分を守るためには、時に嘘もつくこと。
    それが主人

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    2024年12月28日
  • 休館日の彼女たち

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    何とも突拍子もない設定の物語です。主人公は普段は冷凍倉庫の荷出し係として働く若い女性。ある日彼女はラテン語の会話能力を見込まれ、博物館に展示されるビーナスの話し相手になると言うバイトを斡旋される。
    大理石製のビーナスが会話をするというのも突拍子が無いですが、博物館も何処か非現実的な雰囲気があり、学芸員もなかなかの曲者。さらに主人公の住むアパートやその大家や住人も時代に取り残されたように奇妙です。意外に、奇妙そうで何故かまともなのが冷凍倉庫の仕事です。
    何か深遠なテーマがあるのかと思えば、主人公がまとっている(と認識している)人からは見えない黄色いレインコート~これは一種の対人プロテクタで、他人

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    2024年11月30日
  • 休館日の彼女たち

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    喋る石像や脱げないレインコート。そんな不思議に最初は戸惑いながらも、最後はじんわりとあたたかい気持ちで読み終えた。
    何だか私もインナーカラーを入れたくなった。

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    2024年08月12日
  • 休館日の彼女たち

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    生きてるのに息が詰まるような生きづらさを抱えるホラウチリカとヴィーナス。
    二人を繋ぐ、死んでしまった言語。

    ラテン語がもう使われなくなったように、物事に永遠はないのだと知ってこそ、生きるように生きられる。
    何かを待てるからこそ、生きられる。

    シンプルにしんどい話かと思っていたけど、希望の話だった。
    ホラウチリカがレインコートを着始めたきっかけは気になった。(授業の内容はきっかけの一つにすぎないはず)

    比喩表現が随所にちりばめられていて、個人的には読みづらさを感じた文章だったけど、結果的には面白かった。

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    2024年08月07日
  • 空芯手帳

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    ネタバレ

    「職場にキレて偽装妊娠。」の帯に惹かれて手に取った一冊。
    最初はコメディを読むくらいの感覚で面白おかしく読み始めたけど、主人公が母子手帳アプリを使い始めたり、マタニティビクスに参加したり…。妊婦健診でエコーに胎児が写った時には頭が混乱してこのお話をこの先どう読み進めて良いかわからなくなってた。
    だけど、「自分だけの場所を、嘘でも良いから持っておくの。人が一人入れるくらいのちょっとした大きさの嘘でいいから。その嘘を胸の中に持って唱え続けていられたら、案外別のどこかに連れ出してくれるかもしれないよ。その間に自分も世界も少しくらい変わっているかもしれないし」(P.173)という主人公の言葉を読んだ時

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    2024年06月20日
  • 空芯手帳

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    ネタバレ

    不思議な本でした。妊娠は嘘なのに、途中で妊婦健診や胎動の件があり、「あれ?実は妊娠してるの?」と思いきや…!?
    職場での女性ならではの仕事には共感できるけれど、バレた時のリスクを考えると私には真似できないなと思いました。

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    2024年06月05日
  • 休館日の彼女たち

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    ラテン語ってどんな言語なんだろう?
    会話文自体は斜体でラテン語は出てこない。

    帯の紹介文にあった主人公のアルバイト内容に惹かれて読み進めたが、文が途切れ途切れで読みにくかった。
    情景描写が少ないのかな?ある意味主人公の口下手さを引き立てていたのかもしれない。

    いや傷害!窃盗!という突っ込みはさておき、「むらさきのスカートの女」「コンビニ人間」と近い世界観を感じた。
    描写は少ないが、隣の男の子や大家さんのキャラが好き。

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    2024年04月01日
  • 空芯手帳

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    「職場にキレて偽装妊娠。」
    帯に惹かれて購入。
    訳がわからない内に物語が進んで、気付いたら先が気になりすぎて入り込んでた。
    その中でも淡々と続く日常。
    目に映る風景の描き方、文章は、正直最近よく見るなぁというのが感想。よく見かける言葉達の羅列〜とか思ってしまって、その若手新人感がどうしても刺さらなかったけど、後半で巻き返してきた。
    進むにつれて、ホラー?というか、世にも奇妙な物語感。なるほど、こうしてきたか、って感じ。

    知ってる感情はあった、そこの言語化は嬉しかった。
    もう少し感情部分が多くあればもっと好みだったと思う。

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    2024年03月02日
  • 休館日の彼女たち

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    ラテン語をヴィーナスと話すバイト
    小川洋子のような文だったけどどういう動きをしてるのかわかりにくいとこが多々あった

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    2024年01月27日
  • 空芯手帳

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    巻末の松田青子の解説が秀逸。

    私も「魔女」だったんだ笑

    自分の中に嘘を持つ。物語を詰めていく。それが「形」となるところは、映画になりそう。

    リアルに考えると会社のシステムはどうなんだ、とか、言い出したらキリがないが、これはそんな小説ではないのでいいのだ。

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    2023年10月10日
  • 休館日の彼女たち

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    ネタバレ

    何かしてあげたい、一緒に何かしたいと思う人がいれば自分の殻も破れるね。レインコートも捨て去って、2人の自由で明るい未来が待っている。

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    2023年10月04日
  • 休館日の彼女たち

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    なんかすごい作家さんに出会ったしまったな...(絶句)...。

    これは一体?
    一回読んだだけで感想を書いてしまっていいものか迷う。
    『コンビニ人間』を読んだ時の衝撃に近いものがある…。

    ホラウチリカが唯一心を通わせるのはヒトではなく、美術館のヴィーナス。
    彼女が纏うのは、世界から身を守るように厚みを増す、他人には見えない黄色いレインコート。
    でも、本当はだれもが皆、何かをまとっている...。
    生きるために身を置く倉庫の職場と、心を放つために訪れる休館日の美術館。
    その対比が何よりも鮮明にホラウチリカを語っているように感じた。
    2023.6

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    2023年08月11日