あらすじ
眠りは突然奪われた。
仕事のチャット通知に追い立てられ、自分を失った「わたし」。
ウェルビーイングを強要する会社、丁寧な暮らしを推奨する夫、怪しげなeラーニング講師。安眠のために奔走するうち、いつしか不思議な世界に迷い込んで──。
ポジティブ至上主義の現代社会に反逆する、“不眠”アドベンチャー長篇!
デビュー作『空芯手帳』が世界26か国・地域で異例のヒット中!
世界が注目する著者による、新たなる“不眠”文学の誕生!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
不眠症の女性の話。
暗さはなくてカラッとしていて読み心地良い。
怪しいe ラーニング講師が良い味出してる。
世の中になんかこういうちょっと嫌な人いるよね〜を書く人がうまい作家さんだなと思った。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろかった。現代の理不尽さに、心の中で中指を立てながらも粛々と周りからの期待に応え続ける主人公。彼女の心の内側に対して共感しかなくて爽快だった。ハハ!っと笑えるところもあり。
Posted by ブクログ
⚫︎感想
芥川賞候補作品。一気読み。
読みやすい純文学。ラストも希望があって良い。
終盤の現実と非現実の往来が村上春樹的、悪魔的な出冬と救いの飯沢の対比が効果的であり、これは何のメタファーかな?と考えるのがおもしろい。エンタメ的な部分が多く、グローバル受けしそうな作品。
生きていくって、結局いつの時代も不自由だ。
その時、その時代の悩みがある。
結局人間は自分本位なんだから、受け身で居続けると壊れるし、かといって自己防衛、攻撃的な態度では社会でうまくやっていけない。避けようのない理不尽、違和感の蓄積、ありがた迷惑な親切や、過剰とも思える、鈍感力、スルー力、ウェルビーイング推進。傷つかないための指南は言葉を変えて流行るけど、本当はやっぱり傷ついていて、自分でも気づかないうちにやり過ごせなくなって「不眠症」。会社や社会に「魂」を売り渡すことが本当の意味で楽なのか?
野上に眠れる日が訪れるのか?を見守る感覚で読み進められる。
⚫︎本概要より
眠りは突然奪われた。
仕事のチャット通知に追い立てられ、自分を失った「わたし」。
ウェルビーイングを強要する会社、丁寧な暮らしを推奨する夫、怪しげなeラーニング講師。安眠のために奔走するうち、いつしか不思議な世界に迷い込んで──。
ポジティブ至上主義の現代社会に反逆する、“不眠”アドベンチャー長篇!
デビュー作『空芯手帳』が世界26か国・地域で異例のヒット中!
世界が注目する著者による、新たなる“不眠”文学の誕生!
Posted by ブクログ
あらすじにて、現代社会に疲弊する社会人という設定が面白く表現されていたので、気になって本作を手に取りました。面白いけど、2度目読むのは辛いんだろうなぁと思います。特に社会人歴が長くなればなるほど…
本作は、ウェルビーイングを形だけうたう企業で、心身ともに疲れ切り、不眠症になってしまった女性の物語。旦那さんが不眠対策を紹介するが、一向に不眠症が治らない。そんな中、主人公はメンタルクリニックに行くことを決意し…という物語。
極限環境下での人の精神状態が見事に描写されていて、社会人としては正直辛かったです。極限環境下での視野の狭さとか自分では気づかない体の限界等は、振り返ると思い当たる節があるなぁとヒシヒシと感じます。無自覚のストレスってやっぱり怖いですね…
個人的に1番印象に残ったのは、不思議な世界で出会った講師の言葉ですね。怖いですよね、安眠の代償に魂の一部を貰うって。そして、それが無自覚に行われてる現代社会の怖さも…
そんな社会人の怖さをヒシヒシと感じた本小説は社会人1年目とかで読みたい作品かなと思いました。
Posted by ブクログ
眠れない時のあのざらざらとした触感が表現されてて好き。手足が妙に熱いんだよね。魂の一部を明け渡しても眠りたい、と思ってしまう瞬間はある。開演直前に来る仕事のチャットは本当にイヤ。
Posted by ブクログ
不眠症の女性が主人公。何をしても寝られない苦しみは誰にでも大小あるが経験はあるのではないだろうか。そして不眠症になるきっかけは、きっと解消できない仕事のストレスであったりするのだろう。そこから脱出すれば不眠症も解決するのかもしれないが、解決策として魂を削る、または自分を消すといった死につながることくらいしかないくらいに追い詰められる。後半のファンタジックな展開は、不眠症からの脱出劇だろうか。不眠時の酩酊状態のように読み進められて、純文学作品としてはエンタメ作品のように読める。つまり、読みやすい。
Posted by ブクログ
会社員のリアルがすごい。人間関係や圧など、本当にその通りだと思う。
不眠症のことはわからないが、起きているときに夢のようなものを見るのだろうか。現実と夢や妄想の境目が曖昧になって溶けるような感じなのだろうか。もしそうだとしたら、伝わった。
Posted by ブクログ
前半は不眠に困る物語、後半からグッと展開する感じかしら。
メールにチャットに安全監視ツール?そんなんなら、出社したほうがマシかもしれない。
受け身、怒り、責任、ポジティブ、ヒヨコの名前がチャッピー。
Posted by ブクログ
ストレス社会の弊害「不眠」がテーマのお話
私も寝つきが悪いし、眠れず夜明けを迎えることもあるから共感する所が多かった!
不眠に悩まされる主人公の意識が、現実と非現実を行き来する様子をコミカルに、時にはスリルもあったりでとても新鮮でした
Posted by ブクログ
タイトルが秀逸。優しい夫と暮らし、福利厚生のととのった会社で在宅勤務をこなす平凡な日々は、不眠という突然の症状によって崩壊する。
眠ろう眠ろうとして、次々と脈略のない記憶ばかりよみがえってきてしまうようなシーンは身に覚えがあった。まんじりともせず白々と朝が来てしまったときのあの絶望感も。こちらの絶望などおかまいなしに、たやすく陽はのぼる。
〈平日に休みを取って出かけるのはNと観劇に行って以来だった。日差しは厳しいが空気はからりとし、わたしはPCの画面の外にもこうして世界が広がり、水曜日の午後が存在することに歩きながら黙って驚き続ける。途中で街路樹の下を通る。葉の一枚ずつが語りかけるように光り、風にのってさざめき笑う。わたしは息を止めてその様子に見入り、同時に少しだけ混乱する。30数年生きていても、いまだによくわからない。これだけの美しさを持ちながら、ときに信じられないほどの醜悪さを見せつけてくる世界をどのように信じればよいのか。〉
現代人はこのIT社会でつねに情報にさらされ、情報にアクセスするだけでなく情報からもアクセスされているのかもしれないと思った。
最近、我が家の夫の職場でも適応障害で休職する人が増えてると聞いたばかりなのでよけいに。
物語の終盤はマジックリアリズムで、ああそっちの方向性かーと少し残念だったけど、高熱のときにみる夢という感じで面白かった。
Posted by ブクログ
眠れなくなった女性が仕事をしながら優しいけれど丁寧な生活に変に潔癖なところがある夫と暮らし、変な幻覚に巻き込まれる話
業務時間外の社内チャットは無視すればいいが、なかなかリアルな感じで胃が痛くなった
唐突な幻覚は不思議で、さすが芥川賞候補という感じだった
あるいは的な村上春樹感を感じたのはさすが村上春樹という印象
Posted by ブクログ
妄想?ファンタジー?
主人公の思考回路が眠れないことで狂ってるのか、普通はありえないでしょ…っていう展開が広がってばかりいました。
眠れないことはよく分かったし、一貫して不眠について書かれていることはブレなくて良かったと思います。
きちんとタイトル通りでした。
Posted by ブクログ
意識を手放すという意味では眠る行為は小さな死なのかもしないけれど、そうなってくるとその小さな死によって目覚めている生の時間が支えられていることになる訳で、もっといえば不眠の場合は生の時間を消費して安らかな眠りの為に全力で健康を求めるようになってしまい、生と死、結局どちらのためにこの身体があるのか読んでいて分からなくなってくる。全体が長すぎる点、『不思議の国のアリス』のような夢的な世界観やラストの展開の手堅さが個人的にはややマイナスに働いて、つまらなくはないけれど面白いとまではいかないところに留まった印象でした。
Posted by ブクログ
読みやすかった。だけど読みにくくあって欲しかった。読者の中でも単純な人間であるからか、読みやすいとなると、なかなか語り手やその世界に漂う緊張感たるものが私には上手く伝わってこない。不眠という症状に見舞われている語り手ともっとリンクしたかった。そうすることができたならラストだってもっと効果的に感じられたのだと思う。だけど、この読みやすさだからこそなのか、どこかコメディのような雰囲気も感じられて、それはそれで面白かった。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ読みやすい。芥川賞の候補になる作品は小難しいイメージがあったが、偏見だったかもしれない。
眠れないことが物語の中心にあるのだが、それ以上に主人公の会社の歪さが気になった。個人的にリモートワークは働きにくく好きでないのだが、作中の働き方はより辛そうだ。
余談になるが、不眠状態で読むドストエフスキーの「罪と罰」はさぞ甘美だろう。