あらすじ
眠りは突然奪われた。
仕事のチャット通知に追い立てられ、自分を失った「わたし」。
ウェルビーイングを強要する会社、丁寧な暮らしを推奨する夫、怪しげなeラーニング講師。安眠のために奔走するうち、いつしか不思議な世界に迷い込んで──。
ポジティブ至上主義の現代社会に反逆する、“不眠”アドベンチャー長篇!
デビュー作『空芯手帳』が世界26か国・地域で異例のヒット中!
世界が注目する著者による、新たなる“不眠”文学の誕生!
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Posted by ブクログ
本を1冊読んで、自分の生き方の痛いところを突いてくるようなセリフにひとつでも出会えたなら、その読書はそれだけで儲けものだと思う。
野上さんが倒れて飯沢さんが助けに来た場面。バッグの中を整理しながら、こちらの問いを聞き流さずに淡々と放たれたこの一言が、ずっと頭に残っている。
「賢いふりをしながらインスタントな手段を取り続け、ご自身を少しずつ弱らせているということです」
向き合って詰問するのではなく、手元を動かしながら逃げ場をなくすように吐き捨てられる描写のうまさも相まって、胸にぐさりと刺さった。
なぜここまで響いたのかといえば、完全に自分の癖を見透かされていたからだ。
これまで自己分析のノウハウを調べたりハウツー本を読んだりして、「やり方を学んだ」段階でどこか満足してしまうことがよくあった。
手軽でインスタントな手段を身につけ、賢くなった気になっていただけ。
実際には「学んだ」だけで、何ひとつ「変わって」などいないのに。
手軽な解決策に飛びついて分かった気になるのは、自分を守る「受け身」のようでいて、わかったフリで満足してしまっていた。
ノウハウを集めて満足するのをやめて、ちゃんと自分の行動を変えなきゃいけない。
つまり「やれ」ってこと。
それにしてもマジックリアリズムが村上春樹っぽく感じますね。私が村上春樹で育ったようなものだからそう感じるのかもしれませんが。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろかった。現代の理不尽さに、心の中で中指を立てながらも粛々と周りからの期待に応え続ける主人公。彼女の心の内側に対して共感しかなくて爽快だった。ハハ!っと笑えるところもあり。
Posted by ブクログ
人間が賢く管理してる風に見せかけて、意味があるのか?と思わずにはいられない疲弊していく毎日は、ホント「シャトルラン」のよう。死のロングウォーク。
慣れたり(自分に麻酔を打つ)、自分を癒すことにも限界があるのに、身体に良いとされるアレコレに努力を費やすのも無駄!と言うことを突きつけられる。
温厚な日本人もぱちギレて、人に迷惑をかけよう。