八木詠美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
留学でお世話になった先生から久しぶりに連絡が来て、この本を紹介してもらった。
タイトルの“空芯”とはどういう意味なのだろう、と思いながら読み進める。
主人公の柴田さんは、「名前のない仕事」を押し付けてくる会社へのちょっとした抵抗のつもりで、妊婦を装うことにする。
定時帰りから始まり、マタニティビクス、アプリへの記録と着々と出産への過程を辿る彼女の姿は、活力に満ち溢れていて頼もしい。
しかし、その反面、空っぽのお腹を抱えたその姿は、どこか痛ましく、空虚にも思える。
偽装妊娠なのだから、もちろん夫も存在しない。夫無しで出産まで辿り着けてしまう──その事実に気づいた時、ある種の怖さが込み上げる -
Posted by ブクログ
ネタバレ職場で無意識に課せられてる雑用にキレて「妊娠している」という設定になった柴田さん…すごい。
いつバレるかとヒヤヒヤしましたが、そんなありきたりな展開ではありませんでした。
「妊婦」として抱えていた嘘が実体を持つ終盤には驚愕しました。
しかしそれも、柴田さんの“嘘”だったのかもな。産科でのエコーにまで嘘を吐き通して……
「妊婦」というカテゴリーにいるけど、外側から見ている柴田さんが冷静な目で描写してて面白かったです。エアロビとか。
本当の自分をわかってあげられるのは自分しかいない、というのを改めて考えると、孤独だけどなんと心強いものでしょう。
当たり前なのだけれど、日々に忙殺されると簡単に忘 -
Posted by ブクログ
来客後のコーヒーの片づけ…
煙草の吸殻が突っ込まれている
放置されたままだ…
「今日は片づけ、代わってもらえませんか!今、妊娠してて、コーヒーのにおいも、煙草の煙もダメだし…」
こうして主人公は妊娠5週目に入った…
もう冒頭からこの偽装妊娠がどうなっていくのか、心配で、心配で…
と思ったら、全く大丈夫だった…(笑)
妊婦になった主人公に余分な仕事や雑用を押し付けてくる人もいないし、定時に帰られるし、なんならみんな体を気遣ってくれる!
とにかく主人公の妊娠生活は淡々と進むのだ…
母子手帳アプリに記録をつけ、食事に気をつけ、マタニティビクスに通う…
しまいには、本当に妊娠しちゃたの?って思ったく