巽孝之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編集なんだけど最後まで読んでないです…。
モルグ街の殺人と群衆の人と盗まれた手紙だけ読んだので、そこだけ記述。
元祖密室殺人と言われているモルグ街の殺人だけど、あれ?このシーンみたことあるぞって思ったのが、その時直近でプレイしていた「レインコード」の場面。
あーじゃあトリックは縄梯子ね〜とか安直な考えで読み進めていたんだけど、あれ?これ縄梯子か?って途中で迷走する。
犯人オランウータンかよっていう衝撃的すぎる結末に短編ながらに横転した。
ミステリの世界の常識に惑わされた結果、ポーに翻弄されてしまった。
ポーの作品の中で出てくる名探偵デュパンは、ポアロとかとはまた違った英国紳士の渋さがあっ -
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Posted by ブクログ
今までゴシック色を意識して本を読んだことが無かったので、なるほど、これがゴシックなのかとなんとなくの実感を得ることができた。
かっちり整然とした(いわゆる格式高い)文章のせいか、読んでいて常に緊張感があったし、分厚い鉄のドアのような冷たさや重さがホラー要素と絶妙にマッチしてるなぁ、不吉だなぁと感じさせられた。
ライジーアが個人的な好みで、彼女の特徴をこの文体で表せる限りの美しい言葉をふんだんに使用して描いていたところが印象的だった。そのため、いかに彼女が美しいかが手に取るように想像できた。
他の作品と比べて、この作品には熱量(彼女への激しい思い)があり温かさを感じる気がするが、それ以上に積 -
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Posted by ブクログ
はじめてポーの作品に触れた。
私が愛してやまない夢水清志郎事件ノートシリーズの著者である はやみねかおる先生に影響を与えた作家。
夢水清志郎事件ノートを読んでいると、ポーの作品を彷彿とさせる描写がいくつか見られ、今回そのルーツを辿ったわけである。漠然とした感想だが、幼い頃に訳もわからずとりあえず暗記をして望んだテストの、真の答え合わせをしている気分で楽しかった。
さてポーの作品自体の感想にうつるが、非常に残虐でありながら美しく、非常に恐ろしいのに好奇心を刺激するような、私自身の心情の矛盾を肯定するようなものだった。
収録作品の中に、矛盾を孕んだ加害者意識について触れているものがあったが、まさ -
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Posted by ブクログ
ポーの作品は、言わずと知れた推理小説の嚆矢。アッシャー家の崩壊や黒猫など恐怖小説の著作でも有名だが、本短編集は推理小説6作から成る。
「モルグ街の殺人」は史上初の推理小説だとされているが、本文中に“わたしがひとつの超自然現象について詳述しているだとか、伝奇小説を執筆しているのだとか思ってもらっては困る(p18)”と断ってあるのが、当時はミステリーがどういうものか分からず誤解する人も恐らくいたのだろうなと想像すると面白い。真犯人は今や有名になってしまっているけれど、意外な謎解きで、いま読んでも十分楽しめる。
「群衆の人」は不条理な雰囲気の作品で、今回が初読。解説に曰く「アンチミステリ」だそ