あらすじ
詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。
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暗い作品すぎて捨てるか迷った。
個人的に動物虐待が許せなすぎていい小説かどうか判断するどころではなくなってしまうため、前半は不快感が拭えなかった。
後半想像力が掻き立てられる文章に圧倒されやむなく保存。
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じっとり暗くて不気味、過剰なくらい装飾的で、美しい。まさにゴシック!という感じ。
「黒猫」の虐待描写でやや読み進めるのを躊躇ったけれど、それ以外は意外とさっくり読めた。
表される情景と同じくらい、文章自体も装飾的で読みやすいとは言えないが、独特の魅力と読み応えがある。
「ウィリアム・ウィルソン」の展開は、なるほどまさしくダブル。
「ライジーア」の妖しさが特に気に入った。
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推理小説の祖であるエドガー・アラン・ポーの代表作『黒猫』を始めとした6編が収録されたゴシックホラーで、ペストが大流行した中世ヨーロッパをモチーフにした『赤き死の仮面』や自分と瓜二つの存在に苦しめられる『ウィリアム・ウィルソン』などゴシック色が強く古典的名作とは思えない外連味の強さもあった。
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エドガー・アラン・ポーの代表作の黒猫、アッシャー家の崩壊が収録されているホラー系の短編集。
この2つよりも僕は、赤き死の仮面と落とし穴と振り子が面白かったです。
赤き死は、疫病が蔓延した世界で、王様が様々な人々を城に招待し、外界から隔離し王達は仮面舞踏会を開催される。
その舞踏会に血まみれの衣装を着て、死後硬直の顔になっている仮面を付けた道化師が現れて事件が起きていく所が怖かったです。
赤き死の設定が、コロナ禍で生きている僕達みたいで、道化師がコロナウィルスな感じがして不気味に感じました。
道化師の仮面も犬神家の一族に出てくるスケキヨに似ているなーと感じました。
落とし穴と振り子は、ある所に幽閉された犯罪者が、落とし穴に落ちそうになり、貼り付けにされそこに近づいていく振り子に斬られそうになるストーリーがスリリングで怖いと思いました。
この短編集もゴシック風で、アランポーらしいかんじの文体で怖さが凄く伝わってきた作品だと思います。
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いろんな作家に影響を及ぼしたと言われるポーを読まねばと思い、先ずはゴシック編を。
狂気、ひたひたと迫る恐怖、厳しい豪邸。どの作品も実に毒が効いている。最後まで気が抜けないストーリーも良い。本当にどの話も狂っている(褒めている)。
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「落とし穴と振り子」
何度読んでも、迫り来る振り子の描写にヒヤッと、ゾワゾワしてしまう!暑い夏の読書にぴったりかもしれない(?)。
「赤き死の仮面」
これまでに読んだ翻訳でのタイトルは「赤死病の仮面」あたりだったようなと思いつつ……翻訳者さんの解説を読むと、なるほど確かに!とうなづいてしまった。
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堕ちていく人がまざまざと書かれています。ホラー小説はポーを読んでから。黒猫だけでも読む価値あります。死や絶望、恐怖を描きながらもその先にある光をわかっていないとホラーって書けないと思う。
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六編からなる短編集。元祖ホラーな黒猫やこのご時世にピッタリの赤き死の仮面もいいですが、私的一推しは「落とし穴と振り子」!!これめちゃくちゃ面白かった!振り子のあたりは手に汗握るハラハラ感やし、ラストもスッキリ!
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昔読んだのは、誰の訳だったか。
これも再読。新訳で読み易い。そして何度読んでも『黒猫』怖い。『ライジーア」『赤き死の仮面』『アッシャー家の崩壊』『ウィリアム・ウィルソン』…あれ?全部いいな。今更だけれど、やっぱり凄いな、エドガー・アラン・ポー。今に続く原型がここにあるな。
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書かれた時代と翻訳のせいか、全体的に文章が仰々しくて読みずらく感じてしまった。それぞれの作品から、現代に生きる私は恐怖をそれほど感じないが、グロテスクで言い様のない不安や恐怖を読み手に伝える著者のエネルギーみたいなものを感じた。ポーの作品が、日本の江戸川乱歩に影響を与えたのを思うと感慨深い。著者の意図とは違うかもしれないが、人が本当に恐怖するものとは、人間の底のない想像力が作り出したものだと感じた。黒猫の言い伝え、伝染病、自分とそっくりな他人、奇怪な装飾、自然や芸術の底知れない力みたいなものへの。
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黒猫 (1843) 酒乱、猫の殺害、妻の殺害。屋敷もの。猫ドッペルゲンガーという面も。
赤き死の仮面 (1842) 流行り病から退避して豪奢な頽廃。屋敷もの。
ライジーア (1838) 美女再生。ふたりの女。
落とし穴と振り子 (1842) 拷問。
ウィリアム・ウィルソン (1839) ドッペルもの。屋敷もの。
アッシャー家の崩壊 (1839) 屋敷もの。早すぎた埋葬。美女再生。
何度目かのまとめて再読だが、思った以上に物々しい言葉遣いがいいムードを漂わせている。
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日本風にリメイクしたら正に怪談!
ポーの場合一人称なので読み手から話を聞いているような感覚で読める。
黒猫はホラーではあるが死体の処理方法なども含めてミステリー要素もある気がする。
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ところどころ読みづらいけど、雰囲気は好き。
堕ちていく話、堕ちた底での話。
表紙のデザイン素敵だなぁ。
2と3もそのうち買ってみよう。
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Edgar Allan Poeの作品から、黒猫(1843)、赤き死の仮面(1842)、ライジーア(1838)、落とし穴と振り子(1842)、ウィリアム・ウィルソン(1839)、アッシャー家の崩壊(1839)のゴシック色の強い6編を収録した短編集です。ゴシックホラーのお手本というべき作品ばかりです。とにかく怖ければなんでも良いというような最近の作品と違って、じわじわと足元から恐怖がやってくる感じです。サイレント映画だけど、"アッシャー家~"を映像化した1928年の"アッシャー家の末裔"は観るべき作品の一つ。
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ニキータ・コシュキンのアッシャーワルツの元ネタだったので。あの旋律はこの部分かな〜とか思いをめぐらせつつ読むのが楽しかった。あとライジーアすき
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再読はほぼしない私だが、エドガー・アラン・ポーはお話について行くだけで精一杯なので2周するくらいがちょうど良い。巽孝之氏の解説を読んで結構満足。
『黒猫』は何度でも読める犯罪小説。
『赤き死の仮面』は初読時には雰囲気に惑わされていたが、7つの部屋は一体何を表しているのでしょうかね。最後が「死」を表しているのだとして、人生におけるターニングポイントのようなもの?それともすべて死にまつわる何か?うーんわからん。「仮面の人物に実体がなかった」というのも不思議だ。実体を伴わない方が恐怖が増大するというだけの理由でそうしたとは思えない。うーんわからん。結論:再読してもわからん。
『ライジーア』は意志は肉体を超越するということについてだけど。最後の"奇跡"については、ライジーアの意志なのか語り手の意志なのか、対象が謎ですよね。ポーの詩集も読んでみるかな。
『落とし穴と振り子』は幻想風味はなく、リアリティと臨場感溢れる脱出ホラー。まあまあ。
『ウィリアム・ウィルソン』はドッペルゲンガーを扱った恐怖小説。今読むとよくある話だなあと思ってしまいますが、やはりポーがこのジャンルの先駆者なのでしょう。
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ミステリー、ミステリ、ホラーの源流のゴシック小説を味わえた。推理小説(ミステリー)の祖ポーの代表作ということで、読んだ。城、幽霊、病、狂人、これらの要素に感じる不気味さ怖さは今のミステリーにも共通するものがある。3つ好きな順に並べるとしたら、黒猫=赤仮面>アッシャー。
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2009年に生誕200年記念として発行された全6篇の短編集。自分にとって初ポー。一言で表すとしたらやっぱり「ゴシック」!冷たく湿っている印象。
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さすが名作、面白かった。
どれも一人称で話が進むのだが、ポー自身が体験したかのようなリアル感と緊張感が良かった。文章は幻想性があって、そこが怖いような美しいような不思議さを感じさせてくれた。これがゴシックか。
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テレビでポーのミステリーについての番組を見てそそられて購入。
正直言って難解。
「ライジーア」という話は読めなかった。
ただ他の作品については得体の知れない不気味な感じとか、なんとも言えない恐怖、
それが難しくてもなんとなく伝わってくる。
個人的には「落とし穴と振り子」が一番読みやすく面白かった。
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面白かった
言葉が難しく内容がなかなか入ってこない
けれど奇妙で恐ろしいシーンははっきりと入ってきてとても恐い
黒猫は衝撃的すぎて気持ち悪かった
他の作品も最初はよくわからないけど読み終わると腑に落ちて次の作品に引きずるくらいインパクトが残る
元気な時に他の作品も読んでみたい
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今までゴシック色を意識して本を読んだことが無かったので、なるほど、これがゴシックなのかとなんとなくの実感を得ることができた。
かっちり整然とした(いわゆる格式高い)文章のせいか、読んでいて常に緊張感があったし、分厚い鉄のドアのような冷たさや重さがホラー要素と絶妙にマッチしてるなぁ、不吉だなぁと感じさせられた。
ライジーアが個人的な好みで、彼女の特徴をこの文体で表せる限りの美しい言葉をふんだんに使用して描いていたところが印象的だった。そのため、いかに彼女が美しいかが手に取るように想像できた。
他の作品と比べて、この作品には熱量(彼女への激しい思い)があり温かさを感じる気がするが、それ以上に積乱雲のような暗くて厚い雲が全体を覆っているような不穏さを強く感じた。このなんとも言えない読後感はなかなか味わえないものだなと思う。
詩を登場させる作品がいくつかあり、解説でもその部分が非常に高く評価されていたが、私自身あまり実感できなかった(西洋的な考え方に乏しいのもあって)ために何度も読み返しては…うーん、となることも多かった。ただ、詩で表現される淡々とした狂気の描写は格式高い文章と相まって作品に一層の暗さと深さを醸し出していることは感じ取れた。
今の自分ではこの本の魅力を引き出すことができなかったので、また時間をおいてから読んでみようと思う。
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ポーの小説は初めてで、あまりノレないところもったけど全体的に良かった。
こんなにページが少ないのにここまで怖面白く書けるなんて!
この中だと表題作が一番好き。
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黒猫は面白い。動物や奥さんに対しての虐待に関しては胸が痛む。お酒には気を付けよう。
ウィリアムウィルソンは結局、多重人格なのか。違うのか。アッシャー家はリビングデッドものなのかな?
それにしてもポーはよくこんなに色んな雰囲気の話が思いつくなあ。現代によみがえっても、やっていけそう。
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本書のタイトルにもなっている黒猫と言う作品を読んでの感想
最初は読み終わって、ただ黒猫に踊らされた哀れな男の話という印象だったのが
改めて振り返るとアルコール中毒であった語り手をどこまで信じるか、読者を疑心暗鬼にさせられる
たった16ページにこんなにモヤモヤさせらせるなんて
ポーさんぱねぇっす
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はじめてポーの作品に触れた。
私が愛してやまない夢水清志郎事件ノートシリーズの著者である はやみねかおる先生に影響を与えた作家。
夢水清志郎事件ノートを読んでいると、ポーの作品を彷彿とさせる描写がいくつか見られ、今回そのルーツを辿ったわけである。漠然とした感想だが、幼い頃に訳もわからずとりあえず暗記をして望んだテストの、真の答え合わせをしている気分で楽しかった。
さてポーの作品自体の感想にうつるが、非常に残虐でありながら美しく、非常に恐ろしいのに好奇心を刺激するような、私自身の心情の矛盾を肯定するようなものだった。
収録作品の中に、矛盾を孕んだ加害者意識について触れているものがあったが、まさにその意識を追体験するかのようだった。
翻訳者の力量と、ポーの類稀なる心理描写が素晴らしかった。
時間のある時に原文を自身で訳しながら読むのも楽しそうだ。
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「アッシャー家の崩壊」構成がすばらしい。精神錯乱の心的表現は真に迫って、自分で感覚を得たことがあるかのようだ。「ウィリアム・ウィルソン」ドッペルゲンガー。ドストエフスキーの「二重人格」を彷彿とさせるが、発表はこちらの方が先のようだ。「黒猫」黒猫で象徴される古くからの不気味なイメージが盛り込まれている。2020.9.15
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黒猫・アッシャー家の崩壊
エドガーアランポーを初めて読んだが、ゴシック編というだけあって中世的であったり神話的であったりする作品が集まっているように思う。象徴物が人間の精神を蝕んでいく奇妙な話や、分身の話、永遠の美女の話、地獄の話などなど。ウィリアム・ウィルソンは古典的な分身の話であるが、まさに映画ファイト・クラブやビューティフル・マインドのような話である。統合失調症の症状として現れる自己の化身の幻想の話は、どことなくジキルとハイドを想起させる。ジキルとハイドは二重人格者の話であるが、ウィリアム・ウィルソンやファイト・クラブは自分の分身が見えてしまうという話である。古典的ながら楽しく読むことが出来た。(ファイト・クラブをみていたため、オチは予想できてしまったが。。。。)