高木和子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
別に源氏物語に特別興味があったわけでもなく手に取りましたが、さすがは岩波ジュニア新書、入門に最適な内容に仕上がっています。
一度読んだだけではなかなか人の名前は覚えられませんが、源氏物語の何が面白いのかがよく分かります。
源氏物語が二部構成で、『幻(まぼろし)』巻までは光源氏の、それ以降は光源氏没後の薫と匂宮の話になっているということすら知りませんでした。DEATH NOTEのLが死んだあとの物語を思い出しました。
古典をただ楽しむ心を身につけるという意味で、こういうのを夏休みの宿題で読ませる、というのはどうでしょうか。
しかしこういうのは少し下品に読まないと人物を覚えられない気がしたの -
Posted by ブクログ
源氏物語の込み入った人間関係が整理できた!
ずいぶん狭い世界で恋愛してるんだねぇ。ビバヒル的だ。
こういう解説本を読んでは分かった気がするけど、時間があくと誰が誰の子なのか、妻なのか、因縁の人物なのか分からなくなってしまう。
この本はわりと薄いけど、桐壺の更衣から浮舟まで網羅している。
系図と照らし合わせながら読むと理解しやすかった。
タイトルにある「人はなぜ恋に落ちるのか」だけど、現代の恋とは全く異なるものだ。
貴族の男にとっては恋かもしれないが(しかもかりそめの)、見初められた女にとっては一族が生きるか死ぬかに直結するギャンブルのようなものに感じた。
そしてなぜ恋に落ちるのかはわからな -
Posted by ブクログ
源氏物語について、研究を重ねた作者が作品の概要を俯瞰しつつ解説した入門本。
基本的に現代語訳された上で中身の解説が為されているため、初心者でも受け入れやすく興味深く読むことが出来た。
作者・紫式部の意識や当時の異文化に触れつつも、いつの世も変わらない男女関係について確認している。直前に牛車についての本を読んでいたため、平安時代の貴族意識などもあまり突っかからず読むことが出来た。
源氏物語は登場人物がとても多く分かりにくいという印象が強かったものの、今作で時系列を追ってそれぞれの関係性に触れたため、案外と個性が目立ちわかりやすい人物像となっているのだなと思った。男女関係が主題だと思っていたのだが