【感想・ネタバレ】源氏物語入門のレビュー

あらすじ

日本の古典の代表か,世界の文学か,色好みの男の恋愛遍歴か――.平安時代から現在まで,人々を夢中にさせつづける『源氏物語』って,いったい何が面白いのでしょう.物語の展開をたどり原文の言葉にも触れながらその秘密を探ります.初めて読む人から『源氏』ファンまで,千年生きる物語の魅力に今,出会ってみませんか.

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Posted by ブクログ

別に源氏物語に特別興味があったわけでもなく手に取りましたが、さすがは岩波ジュニア新書、入門に最適な内容に仕上がっています。
一度読んだだけではなかなか人の名前は覚えられませんが、源氏物語の何が面白いのかがよく分かります。

源氏物語が二部構成で、『幻(まぼろし)』巻までは光源氏の、それ以降は光源氏没後の薫と匂宮の話になっているということすら知りませんでした。DEATH NOTEのLが死んだあとの物語を思い出しました。

古典をただ楽しむ心を身につけるという意味で、こういうのを夏休みの宿題で読ませる、というのはどうでしょうか。

しかしこういうのは少し下品に読まないと人物を覚えられない気がしたので、下品にまとめます。

【藤壺】先帝の娘の高貴な女性。14歳のとき入内、5歳年下の光源氏(9)に慕われる。求愛されて拒み続けていたが、23歳のとき夜這いしてきた光源氏(18)と密通、のちの冷泉帝を懐妊。

【葵の上】左大臣の娘。16歳のとき、4歳年下の光源氏(12)が元服の際に結婚。妻としてあまり愛されなかったが、10年後、26歳頃に夕霧を出産する。生霊により死ぬ。

【空蝉】20歳頃(年齢不詳)、中流階級の人妻であったにもかかわらず、光源氏(17)に夜這いされる。その後も光源氏に狙われるが、衣一枚を脱ぎ捨てて逃げる。ブスだが小柄で気品ある。

【軒端荻(のきばのおぎ)】空蝉の義理の娘だが、年齢は16歳くらい(年齢不詳)。空蝉が光源氏(17)から逃げた際、同じ部屋に寝ていたために間違えて夜這いされる。グラマラスな美人。

【夕顔】19歳のとき、元夫(頭中将)の友人である光源氏(17)と関係を持つ。おっとりふわふわして可愛らしい。物の怪で死ぬ。

【六条御息所】大臣の娘で教養と気品を持つ美しい女性。7歳年下の光源氏と恋仲に。30歳、光源氏(23)のとき、生霊となって葵の上を呪い殺す。

【紫の上】藤壺の姪。藤壺と生き写しで、容姿・内面ともに理想的な女性。嫉妬深い。光源氏の8(〜10)歳程度年下。幼いときに光源氏に引き取られ、14歳頃、光源氏(22)と結ばれる。

【朧月夜】右大臣の娘で、六人姉妹の末っ子、弘徽殿女御の妹。16歳頃、宴の夜に光源氏(20)に忍び込まれて関係を持つ。東宮(朱雀帝)の妻となったあとも密会が続き、5年後にバレる。高貴だが奔放な女性。

【明石の君】紫の上の一つ年下で、身分は低い。18歳頃、明石に流された光源氏(27)と会い、20歳頃に明石の姫君を出産。

【明石の姫君】光源氏と明石の君の娘。養女として20歳くらい年上の紫の上に育てられる。

【玉鬘】夕顔と頭中将の娘。優れた美貌を持つ。母の夕顔の死を知らないまま育ち、21歳のころ光源氏(35)に引き取られ、体の関係を迫られる。

【源典侍(げんのないしのすけ)】60近いババア。

【末摘花】常陸宮の娘だが、今後の生活に不安。18〜19歳のとき、光源氏(18)と関係を結ぶ。ブスだがすごく一途。光源氏の二条東院に引き取られる。

【花散里】生活に不安。年齢は光源氏(25)と同じくらい。ブスだが一途で、穏やかで家庭的。夕霧や玉鬘の親代わりをし、光源氏の妻の中では紫の上に次ぐ地位になる。

【近江の君】頭中将の隠し子だと名乗り出た、田舎者。

【朝顔の姫君】親王の娘で高貴な女性。世間の目を憚り、少し年下の光源氏(32)の求愛を拒む。紫の上が最も脅威を感じた女性。

【女三宮】朱雀院の娘で、紫の上と同じく藤壺の姪。紫の上とはいとこの関係。15歳頃、いとこの夫である光源氏(40)の妻になる。世間知らずで主体性が無いが、天真爛漫。

(光源氏と関係を持った女性、年齢順)
(+38)源典侍
(+7)六条御息所
(+5)藤壺中宮
(+4)葵の上(妻)
(+3?)空蝉、軒端荻
(+2)夕顔
(+1?)末摘花(妻)
(+0?)花散里(妻)
(-4)朧月夜
(-8)紫の上(妻)
(-9)明石の君(妻)
(-25)女三宮(妻)

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2024年08月13日

Posted by ブクログ

源氏物語について、研究を重ねた作者が作品の概要を俯瞰しつつ解説した入門本。
基本的に現代語訳された上で中身の解説が為されているため、初心者でも受け入れやすく興味深く読むことが出来た。
作者・紫式部の意識や当時の異文化に触れつつも、いつの世も変わらない男女関係について確認している。直前に牛車についての本を読んでいたため、平安時代の貴族意識などもあまり突っかからず読むことが出来た。
源氏物語は登場人物がとても多く分かりにくいという印象が強かったものの、今作で時系列を追ってそれぞれの関係性に触れたため、案外と個性が目立ちわかりやすい人物像となっているのだなと思った。男女関係が主題だと思っていたのだが、政治的謀略を巡らせる男貴族や、男に振り回され続けて遂に自立の道を選ぶ女なども出てくるのが印象的。
ただ、相変わらず光源氏の印象は若干悪い。いくら高尚に語られていても、一夫一婦制の現代においては、何人もの女に目移りし、挙句の果ては情愛を捨てる光源氏の姿は、どうしても悪く映ってしまうのではないだろうか。そこら辺も含めて現代との文化差を感じた。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

岩波ジュニア新書にしては意外と重厚である。源氏物語の翻訳系譜を述べるなど大学1年生向きである。源氏物語を読まなくてもこれを読んだだけで大体あらすじが理解できる。

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2024年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 大河の「光る君」を見ながらTwitterを眺め、いろいろな背景を知りながらドラマを楽しんでるのですが、源氏物語にしぼって知りたいなと思った時に、非常にわかりやすい本でした。
時代や文化背景を織り交ぜつつ、文語の引用は最低限に、著者の解釈も交えつつ、絶妙な塩梅の読みやすさ。
とはいえ、源氏物語初見だと楽しむには厳しいので、やはりここは、あさきゆめみしを通読後、再読しつつページをめくるというのが、一般人には一番楽しめるのではとおもう。

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2024年12月15日

Posted by ブクログ

ある程度知識があって初めて理解でき、楽しめる内容。
ジュニア新書というには難しすぎるような気がする。入門というのは研究入門のことかな?

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

 今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」を観る前にまず理解を深める必要のあった『源氏物語』。まずは入門書からと思い読んだ『源氏物語入門』。千年読み継がれてきたその魅力を平易に解説している。好色・多情で一面では不誠実にしか見えない光源氏だが、権力者が一夫一妻に生きないことで救われる女性がいたという当時の現実、決定的な身分差を前提にして光源氏をめぐり意識し合う女性たち。現代と大きく異なる当時の制度や慣習と、時代を超えて共通する人間心理を解き明かし、長く人々を魅了してきたその秘密に迫る。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

これまで何度も源氏物語にチャレンジしてきたけど、なかなか難しくて完走したことはなく。これも簡単ではないのだけど、かなり読みやすくて、あ、この人物ってこんな感じだったのねとだいぶ理解できました。

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2024年01月07日

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