朱喜哲のレビュー一覧

  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    死後十年近くを経た2016年になって「トランプ現象を予言していた」と再評価されることとなったアメリカの哲学者リチャード・ローティの思想の全体像について、主著の『偶然性・アイロニー・連帯』を中心に置いて解説し、分断や分極化が進む現代においてローティを読むことの意義を説く。NHK番組の「100分de名著」のテキストがもとになっているということで、例え話等もふんだんに盛り込まれ、平易な文章でとてもわかりやすい内容となっている。
    リチャード・ローティについては、20年ほど前に大学の哲学の授業で触れたことがあり、もともと興味があったが、本書で改めてその哲学のアウトラインを理解することができた。自分や社会

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    2026年08月10日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    **本を読んだ理由**
    - [[三宅香帆]]が推薦していたから

    **この本を一言で**
    - 普遍的な真理を共有できない人々が、バラバラなまま共に生きる方法を考える本

    **本の要点3つ**
    - 自分の価値観や言葉も歴史や文化によって偶然につくられたものであり、絶対的ではない。自分の正しさを改訂可能に保ち、小さな共感から連帯をつくる。
    - 普遍的真理、哲学、宗教を公共的判断の絶対的根拠にすると、異なる背景を持つ人との会話を止める可能性がある。
    - 言葉は現実を記述するだけではなく、人間の認識や行動を変え、現実そのものをつくる。

    **自分への持ち帰り3つ**
    - 家族であっても「心から理解し合

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    2026年08月01日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    めちゃくちゃ良かった。真理や本質といったものはなく、文化も個人も偶然の産物に過ぎない、という主張はすごくしっくりくるし、好みでもある。それを認識することでこそ手を取り合う事ができる、というのも素敵。そう思うと、個々人がフラットというか、一つの尺度で優劣がつけられる存在ではないという感覚が自然と湧いてくる。
    この本を通して価値観が再記述されたと思うし、その過程は楽しかった。今後も自分の価値観を改訂に開き、再記述し続けるためにも、どんどん本(特に哲学書)を読んでいきたいと感じた。
    丁寧で謙虚な語り口も好み。長過ぎないのも読みやすかった。5章はちょっと難しかった。
    メタ(?)なところで行くと、今後自

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    2026年07月26日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    対談形式なんで独特の読みづらさがあり一周目は途中で挫折 2周目は線を引っ張り読み返しながら三分の二までを精読 仕事に生きるというか自分の講演にいっぱいヒントになった 面白かった

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    2026年07月26日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    世界が混迷を極め、先行きが見通せない世界が目の前にある。世界全体が、戦争を推し進めていく方向に進んでいるような気がする。停戦の合意を掲げながら、攻撃をしている。停戦を呼びかけても、意地でも戦争を続けている。力による現状変更を断行し、民間人の虐殺を伴う大規模な武力行使が続いている。それを世界の右傾化というべき時代かもしれない。世界は戦時下にある。そこにある分断と立場によって正しさが違っている。今の時代をどう見るのか?

    ちょうど、そのどうしようもない時代の問題意識に、フォーカスした本があった。
    そのバラバラな世界で、どう生きるのか?SNSで、世界は繋がっているのに、全く相容れないような対立があり

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    2026年07月25日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    哲学者ローティの歩みをたどりながら、「言葉」について考える一冊。

    ルワンダでのジェノサイドから分かるように、言葉、語彙、ことばづかいというものが人の命を奪うことがありうること。
    本質主義に囚われる限り、人権の概念すら「われわれ」と「やつら」を線引きし、攻撃してよいという正当化に繋がってしまうこと。
    一方で人は自分や自分が使う言葉、自分を表す言葉(終局の語彙)には可塑性があり、常によりましな方に向かっていくことができること。
    共感や感情を育む、それらに訴えるという意味で文学や報道の役割が決して小さくないこと。
    対話というより、非言語コミュニケーションも含めた、会話を諦めないこと。

    アイデンテ

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    2026年07月18日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    「分極化」「対立」が起こっているこの社会において、どのような態度で考えるべきかを、リチャード・ローティの哲学に沿いながら示唆してくれる一冊。

    新書なのだが、結果的には、前に読んだ「〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす」がコンパクトになったバージョン(その分、正義と善構想のあたりの議論が省かれていて、逆に読みにくかったかもしれない。)。

    この本で徹底的に問われているのが
    「残酷さを避けること」
    「そのために会話をすること」

    複雑になってしまったこんな社会の中では、もはや何か一つの「善構想」に対して一致はできないのは自明だし、そもそも社会というものは何かの「善構想」で一致するようにはできていな

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    2026年07月08日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    組織で賃金労働者やってると、すごく既視感のある話題だな〜と思う。社会の中での人文知の実装をとても丁寧にやっているな印象。素晴らしい。
    一つの用語をどこまで抽象度を上げて話すか?ということだけでもイデオロジカルな話だし。また、バザールとクラブの話も身に覚えのある人は多いのではないかと思う。親しい人の前では建前を取り払って語りたいものだからね。

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    2026年06月27日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    「私たち」という言葉づかいには、常に逡巡をともないます。そこには誰が含まれて、誰が含まれていないのだろう。最近そんな事をよく考えます。

    本書を友人に薦める際、ポイントにしている事があります。「正しさ」で殴り合っている渦中の人には届かないとしても、「殴り合っていたかも…?」と顔が浮かんだ人には薦めようと。後者は案外周りにたくさんいます。私たちの周りはそれらでしか成り立っていないのです。
    「どうせ」「やっぱり」と、シニカルで諦念に満ちた言葉を使う前に、彼ら彼女たちがどうしてその言葉づかいを獲得し捻り出したのか、思い浮かべながら会話を楽しみたい。自分の底に本書を置き、バランスを取るための支えにでき

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    2026年06月07日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    ずっと「中庸」でありたいと思っていた自分にとって、とても頷ける理論ばかりで読んでよかった。
    ローティの哲学についてもっと知りたいと思った。

    思想を知ったところですぐに実践に移すのは難しいし、それで社会が直ちに変わるわけでもないと思うが、それでも少しだけ今の社会への希望を捨てずにいさせてくれる本。

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    2026年05月31日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    100分de名著では理解しづらかったことが分かったような気がした、特に4章の連帯の章についてはいろいろ考えた。それぞれ個別の被害、残酷さの中の当事者にあるものたちがなぜ孤立してしまうのかあるいは時には対立してしまうのかということを考えた。

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    2026年05月22日
  • バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学

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    ローティの思想には初めて触れたが、
    非常に面白かった。
    自分の言っていることが100%正義で普遍的だと思っている哲学者に比べたらよっぽどまとも。

    可愛らしいカバーに惹かれて手に取ったがかなりガッツリ哲学書でした。

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    2026年05月21日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    取り上げられる話題は豊富だが、語り口も丁寧な3人の鼎談ということで読みやすかった。
    身近な問題から丁寧に考えていく。身の回りにいる近しい人に対し、まず大切に接していく。本書籍の主題では無いが、そんなことを考えた。

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    2026年04月04日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    イベントではなくストーリーで考える(紋切り型にはめるのではなく)
    対話は対立を深める、相手の話を聞く前に、相手を観察してみる、わからなさを抱えながら、相手を見てみる
    サードプレイス的な中間集団がなく、プライベートとパブリックが直接つながると、方言や自分の言葉がないから強いナラティブに絡め取られる

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    2026年03月19日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    ネガティブ・ケイパビリティ、知らない概念だった
    すぐ正解とか回答を求めたくなるけれど、あえてすぐに答えを出さない、じっくり考える、それに耐えられる力、許容する力のように解釈しました
    自分の中のナラティブ(物語)を持つ、流されない気持ちも大事だし、何もかもを自分ごとにしなくても良い、読んでいてそんな目線もあるのか〜と目から鱗な場面も多々、読めて良かった、構成考えて話の中心にいた谷川さんのpodcastをききはじめました!

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    2026年03月17日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    めちゃくちゃ面白い。
    谷川さん、朱さんの著書を齧ってから読んでいるので、各々の研究・思考というベースがあり、それを対談で発揮するとこういう展開になるのかと感動。

    『アイデンティティ』『社会秩序』『社会通念』は仮固定的なものであり、いくつかのノイズに晒されながら絶えず己を変化させつつある。という現代思想の立場を踏まえた上で読み解くべき一冊かと思う。


    以下、印象に残った箇所。
    【対話は自分の能力以上の力を発揮させる】
    人間の能力は「脳」単体ではなく、状況や周囲との相互作用の結果のパフォーマンスとして考えるべき。
    人との対話の中ではじめて浮かんでくるボキャブラリーもある。

    【諍いを生み出す「

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    2026年02月23日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    あなたがいることでこの会話ができる・この発言ができる。
    対話ってこうありたいなと思える3人の会話だった。ボキャブラリー自体を引き出し、引き出される関係で柔軟に展開される語りに非常に引き込まれたり、引き出されて視点を調節しなおしたりされる本だった。本書はネガティブケイパビリティというワードから創発される様々な論点(陰謀論、言葉遣い、アテンションエコノミー、SNS、ethic、中間共同体、観察、エピソード)で自由に話されている。
    終盤の、「イベントよりエピソードに焦点を当てる」という話は本当に腑に落ちた。別に目立たなくてもいい、自分自身がそこにアテンションを当てて手触りがある、他の人にはあまりアテ

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    2026年02月11日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    3人の哲学者たちが、ネガティブ・ケイパビリティにまつわるテーマについて、熱く対話を重ねる一冊。

    「あぁ、対話ってこんな感じで行われるのか~」
    話が広がり、深まることが、知的好奇心をくすぐる。
    本を読んでいると、自分もこの対話に参加したくなる。
    (3人の議論についていける自信はないけど汗)

    このような対話の場が現実にも広がると、なんだか日常がスッキリしそうだなと感じた。

    知的興奮にあふれる一冊であった。

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    2025年11月10日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    短絡的な理解、紋切り型の言葉遣い、敵味方思考、バカと言う優越。
    この時代をめぐる悪弊の流れに棹さす試み。
    たくさんの抜き書きをしました。

    願わくば、ネガティブ・ケイパビリティそのものをもっと掘り下げて欲しかった。
    しかし、それは自分に託された部分かも知れない。

    対話の面白さと限界も感じた。

    <ネガティブ・ケイパビリティについての思索>
    *どんどん決めて物事を進めていく。進まないのはつらい。ゴールが見えないのもつらい。そんなとき、強権的なリーダーが欲しいと思うが、現れたら現れたで、「自己」への抑圧は本当に苦しい。

    *ポジティブ・ケイパビリティの特質を列挙してみる。
    ・スピード感
    ・集約的

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    2023年12月18日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    付箋ぺたぺたして読んで、とっても感化されてしまった本でした……笑

    一問一答型への警句があるように、本書を手にとってしっかり読み込んだとしても、
    そんなにネガティヴ・ケイパビリティについての安直な回答は一切ないですね。

    鼎談テイストの構成が面白くて、
    陰謀論からSNS、アテンションエコノミーから倫理、公私とそのあいだの中間集団の意義まで、ほかにも幅広く話されていて、社会に関心がある方にはグイッと掴まれてしまうのではないでしょうか。

    面白かったです。

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    2023年06月10日