安堂ホセのレビュー一覧

  • 迷彩色の男

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    怒りは屈折する。

    人に降りかかった苦痛は、やがて怒りへと変わる。怒りは憎悪の対象を見つけ出し、暴力を加えることを許可する。私たちが生きる社会では怒りと暴力がはびこっている。憎悪の対象に暴力を振るう「青い」多数派を批判的に見ていた「赤い」自分自身でさえも、他の誰かの憎悪の対象にされる。やがて受け付けきれず、あふれた苦痛は怒りへと変わり自身も「青い」存在へと変わる。

    〈イエロー〉から見た〈ブラック〉の人間。
    〈単一の男〉から見たホモの男。
    ヘテロからホモへ、ホモからホモへのアウティングという暗黙の暴力。

    普段は目に見えない憎悪は、まるで〈やりたい〉から〈邪魔〉へと簡単にコマンドが切り替わるか

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    2025年06月14日
  • DTOPIA

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    自分ならこのシチュエーションで彼に何と話すかと考えると、自己肯定できず吐きそうになるぐらいツライ

    【フレーズメモ帳】
    想像を絶する出来事について知ったとき、人は知ってもしょうごないことを、知ろうとし続けてしまう。事実を、自分にとって怖くないサイズへ分解するまで、問い1みたいなことを、ずっと。「これじゃあまるで、パパみたいだ」とモモは呆れた。

    自分にとってあたりまえの欲求が、他人にとって暴力になるとしたら、どうする?

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    2026年01月08日
  • 迷彩色の男

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    ネタバレ

    ゲイ向けのクルージングスポットで若者が刺され重傷を負う。主人公はその若者、いぶきと知人であり肉体関係にあった。主人公は同じ場所で別の男と出会い関係を深めていくが、男は次第に他者への暴力性を顕にするようになり、主人公はいぶきを刺したのも彼であると確信を抱くようになる。後半で男が将棋倒しを扇動するシーンが怖い。NPCとあだ名される主人公が終盤の行動に踏み切ったのはいぶきのこともあるけど犯行が続くのを止めようとしたのもあるんじゃないかと思った。巻き込まれた見知らぬ男性は気の毒だけども…

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    2025年03月22日
  • 迷彩色の男

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    色が見えてくるような表現、短い文章をたたみかけるような文体が印象的でした。かっこいい。性的指向や人種のミックス。マジョリティからのレッテル貼りと、それを逆に利用している主人公。アパートの郵便受けからいつも誰かに覗かれているような感覚。視覚的な印象に残るシーンが多かったです。

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    2024年01月14日
  • 迷彩色の男

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    前作もだったけど読解が難しく何度もページを遡った。自分の読解力では難しかった。でもつまらない、自分には合わないとはならず、わかるまでもう一度読んでみようと思わせる作品だった。細部は難しくでも物語全体の雰囲気がいいのだ。

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    2023年12月31日
  • 迷彩色の男

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    強烈な作品である。トラウマのように記憶に残りそうだ。ホモセクシャルで日本人と黒人のミックスである“私”は、ゲイが集まって乱交する店で、“私”の恋人であるいぶき(日本人と黒人のミックス)と楽しんでいる。いぶきは店で客に襲われ瀕死となる。なかなか表に出せないシチュエーションであり、“私”がクローズドな世界でいぶきの復讐をするのが、暗くて湿っぽくて臭くてドロドロしている。作者の詩のような文体は綺麗なのだが、世界観を色でたとえるなら汚れた黒である。世の中の闇を描いた感じは芥川賞候補にふさわしい。

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    2023年12月21日
  • 迷彩色の男

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    ネタバレ

    面白かった。テンポよく一気に読めた。

    恋人なのに、殺しちゃったんだ。
    ずっとこのタイミングを待ってたってことか。
    にしてもその為だけに迷彩色の男と関係を持ったとは考え難くて、彼と迷彩色の男はちゃんとカップルのように見えた。
    でもやっぱ彼にとってイブキが誰よりも大事な存在で、イブキのための復讐をしなければいけなかったってことかな?最後の解釈がちょっと難しかった。

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    2026年07月01日
  • DTOPIA

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    ネタバレ

    物語の構成が面白かった。冒頭部のインパクト大。全部が恋リアについてだと思いきや、物語の半分ほどは実は違う。多少生々しいが、それでも重すぎずに読めてしまうのが安堂ホセだなと思った。ジャクソン1人もそんな感じだった。個人的にはジャクソン1人の方が、友情物語でもあって、好きだったかな。

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    2026年06月28日
  • DTOPIA

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    タヒチ島()のリアリティーショーという設定で、序盤は結構楽しく読んだ。
    バチェロレッテをイメージしてたけど、テラスハウスか!どっちも観たことないから詳しくはわからないが…
    汽水とモモの過去場掘られるところも最初は良かったが、ダイモンのスタジオな話などが途中からまどろっこしく感じてきて、最後まで読み切るにはだいぶマンネリから打開できていなかった気がした。
    純文学っぽく、これこれ!って感じで、アカデミー賞映画の造形というか、小ネタを色々挟んでいるのは軽妙であった。
    芥川賞の選評を読んでも概ね納得。攻めたテーマとか奇抜性は良いけど、プロットがちょっと粗雑?
    でもそういうところを踏まえても将来性を見込

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    2026年06月10日
  • DTOPIA

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    賛否両論が多いと噂の。
    肌の色や男か女かで固定概念が決まる現象に杭を打つ作品。
    今流行りの恋愛リアリティショーに絡めるのはとても現代的で全く明るくない。

    皮肉も効いてグロ要素もあり確かに挑発的な展開だったな。
    無知のまま読み進めてやっぱり不発で終わってしまい無力な自分が嫌になる、、
    そして純文学の難しさが沁みる、、

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    2026年06月09日
  • DTOPIA

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    南の国で男たちがミス・ユニバースを奪い合う恋愛番組が舞台で、物語は想像もつかない方向へ加速した。
    ミックスルーツや性別の問題、差別が形を変えて残る今の社会のリアルが突きつけられていた。
    「多様性」という言葉で綺麗にまとめられている裏側の不気味さや、アイデンティティの深い悩みが剥き出しで描写されていて、そこに勢いを感じた。
    自分の無意識な偏見に気づかされる面もあった。
    ただ、自分の中ではまだ解釈しきれない消化不良な感覚が残る本だった。

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    2026年04月27日
  • DTOPIA

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    リアリティショーを舞台とした冒頭から物語が始まり、途中から登場人物たちのマイノリティ的アングラ世界で育った生い立ちが挟まれる構成で、それぞれは独立した筋書きとして面白く読めるが、そのバックグラウンドがあるからいったい何なのか?という疑問が浮かび、話の終わり方に際しても、その意図や繋がりが自分はあまり見出せなかった。

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    2026年04月13日
  • DTOPIA

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     芥川賞受賞作。恋愛リアリティ番組という、実際には作られて放送されている、あまり知らない部類の話を舞台にしていて、その男女を巡る色恋沙汰な話なのかと思いきや、むしろそれは単なる舞台であり、明らかにそこに登場する人物を通して、現代における人種、戦争、性、社会、世界などの捉え方に疑問を投げかける作品である。
     三人称的に文章は描かれながら、『 』の使い方で、明らかに登場人物が「話している」ように、だがそれはテレビでよく見る字幕で正しくは伝えられておらず、敢えてミスリードを誘うように多用され、このデートピアという番組が本編、追跡版などであると同様に、その一部としてしか理解させてもらえないようで、まさ

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    2026年04月02日
  • ジャクソンひとり

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    最初の印象を言わせば、読みづらい、複雑すぎると思ったけど、読み続けると印象が徐々変わっていった。

    どう変わったかというと、黒人はモノリス(一体化)じゃないというテーマがアツくて、自分自身を深く刺さったのだ。

    自分はブラックミックスの人として、こんな本が売られてるのがありがたい。

    現代の世界の情勢に関して、ステレオタイプに頼りすぎると、人と人の間の距離が広がり、信頼・協力関係が崩れ、差別意識や怒りが次々と湧き上がり、社会が崩れてしまうことになると思う。

    ステレオタイプって仕方がなく人間的な現象である。

    そのような一般化された見方を真実として受け入れるかどうかは、個人の判断による。

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    2026年03月16日
  • DTOPIA

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    ネタバレ

    ここのところ、こういうリアリティショー題材の小説って増えてるような気がする。装丁が気になっていたもの。芥川賞受賞作。個人的には合わない方の純文学だった。

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    2026年03月11日
  • DTOPIA

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    恋愛バラエティというのは実際テレビでもネット配信でも見かける。南の島で開かれた「デートピア」そこに参加した1人のヒロインと10人の男。それぞれ国籍も人種も別、が、黒人はいない。
    集められた島で、モモとキースは再開する。2人は10代の頃、親や国に言わせれば、加害者と被害者と呼ばれるような因縁があった。

    いわゆる社会問題と言われるような、いくつかの情勢を交えながら、途中から話が時系列に語られる。モモという人物が、一人称なのか三人称なのか、私には理解しづらいまま、過去が紹介される。

    全く別の世界の話のようでもあり、身近な話のようでもあり、読み慣れない物語に当惑しながらも、惹かれるものを感じて、何

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    2026年03月08日
  • DTOPIA

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    南国のリゾート地の波際のように人種、戦争、ジェンダーと様々なトピックが満ちては引いていく。内容もリゾートの日差しのように暗いところをスカッと照らしてくれる爽快さもあれば、肌を焼くように熱く、痛くもある。そんな本だと思いました

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    2026年03月04日
  • DTOPIA

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    歯切れの悪い言葉だが、理解できそうな部分もあれば、全く理解の及ばない部分もある、自分にとっての稀有な作品であると言ってもいいかもしれない。
    デートピアという地点から物語が始まり、いくつかのポイントから物語が大きくステージ移動する。
    それでもまたデートピアに戻る。
    デートピアに始まり、デートピアに戻るということだ。
    エンタメ小説を読んでいる時には味わえない感覚だった。

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    2026年02月28日
  • ジャクソンひとり

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    ネタバレ

    登場人物の名前以外の情報が少なくて、途中で誰が誰なのか混乱してしまったけど、ほらあなたもブラックミックスの人たちを見分けられないでしょ、と読者に突きつける目的でわざとこうしてるのだろうか?

    他にも基本的に情報量が少なくて、だからこそ客観性や諦念、軽やかさを感じた。

    パーティの最後にみんながわーって逃げるシーンが、全然爽やかな状況じゃないのに爽やかで、私には鮮やかな色がたくさん見えた。色とりどりの風船が一斉に空に放たれたみたいなイメージ。

    島本理生さんの解説の、「本来、小説とはたった一人に向けて書かれるものでもあるのだ。読書中は誰もが一人きりで、共有できない孤独と共有しなくていい自由がある

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    2026年02月15日
  • DTOPIA

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    正直ぶっ飛びすぎてて、これが刺さる人いるの?いるとしたらどんな天才?と思ってしまう。
    確かに文章は読みやすいし、先が気になって読み進めるんだけど、あれ?今私何のどんな部分を読んでるの?と迷子になる。
    文体も内容も新しすぎて、深くまで潜れなかった。他の人のレビュー読んでみよーっと。

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    2026年02月07日