安堂ホセのレビュー一覧
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正直に言うと読みやすい。そして誰が話してるかわからない。しかしこれこそが本題な気がする。
我々から見た時異国の方々は個人としてよりも方々として見てしまう。例えばどっかのお国の方がこっちの国の人をやっち待った場合、どっかの国の人怖ええってなるわけ。けどこっちの国の人間がこっちの国の人間をいかようにして残酷なふりかけにしようと、こっちの国怖ええとはならず こいつ怖えってなるわけ。つまり個人として見れるか見れないかの話だ。たしか芥川賞…そう。その芥川賞の
デートピアを読んだ時から思っていたけど差別を許さないって感じがすごく伝わるフレーズがあるんだけれど、そんなことこちとら微塵思ってなくて、差別するなって側が勝手に差別作ってる部分もあるなあって著者が感じてほしい部分とは真逆に作用してしまってるのかもしれないけれど、差別の奥深さを知った。
文体は非常に読みやすい。そして馴染みにやすい
だからこそ身近に感じて怖さもある。
これを読んで安藤ホセを1ミリでも気になった人は是非、デートピアを読んでほしい。単行本だし読みにくいけど徹夜ですぐ読めるから読んでほしい。
ジャクソンひとりとはまた異なる性差別が、暴力が、残酷さが、本当は嫌悪しなくてはならないはずの奴らが、ここまで魅力的に物語に成られてしまうともうこちらとしては、もう。 -
Posted by ブクログ
怒りは屈折する。
人に降りかかった苦痛は、やがて怒りへと変わる。怒りは憎悪の対象を見つけ出し、暴力を加えることを許可する。私たちが生きる社会では怒りと暴力がはびこっている。憎悪の対象に暴力を振るう「青い」多数派を批判的に見ていた「赤い」自分自身でさえも、他の誰かの憎悪の対象にされる。やがて受け付けきれず、あふれた苦痛は怒りへと変わり自身も「青い」存在へと変わる。
〈イエロー〉から見た〈ブラック〉の人間。
〈単一の男〉から見たホモの男。
ヘテロからホモへ、ホモからホモへのアウティングという暗黙の暴力。
普段は目に見えない憎悪は、まるで〈やりたい〉から〈邪魔〉へと簡単にコマンドが切り替わるかのように、小さなきっかけで露呈される。
ヘイトクライムや差別問題に切り込み、読者に「赤い」自身を追体験させる批判的かつリベラル派な小説だと感じました。短く簡潔な文ながら、その一つ一つの言葉に複数の意味を持たせ、切れ目なく続く物語構成も印象的でした。
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Posted by ブクログ
恋愛リアリティショーを皮肉たっぷりに描いており、字幕や演者のステレオタイプな表現も過剰に描いていて、リアリティショー好きとしては分かる分かる、とニヤニヤしてしまった。近未来のリアリティショー?で設定が特殊で面白いし、何より文体のセンスが素晴らしすぎると思って読み進めたが、中盤主人公たちの過去の話になり、分からない単語が増えてきて置いてきぼりに、、
映像編集ソフトなどは辛うじて使っていたので分かったが、現代の若者言葉も多く、果たして芥川賞審査員はどこまで理解できたのだろうか、、?と疑問に思った。個人的にはあまり暴力的なストーリーは好きではないので、中盤の過去の話よりも恋リア部分のほうが共感できて読み応えがあった。
他の方のレビューでも作者の独りよがりになってる、みたいな感想が多いが、確かにまず一人称がコロコロ変わるのから始まり、それは徐々に慣れるが、上記マニアックな用語が飛び交ったり話題もどんどん変わるのでけっこう読みにくい。個人的には町田康のような言葉遊び?みたいな小説はあまり好きではないので、今後はそっち方面ではなくもっと読者が共感できるテーマで書いてくれたら良いなあなんて思ったりした。
でもそれ以上に文体のセンス(登場人物の名前のセンスも!)素晴らしく、新時代の作家感が凄くて、結果よく分からないけど良い!!みたいな感想になってしまう。芥川賞でもそこが評価されたのでは、、と正直思った。 -
Posted by ブクログ
近未来の東京を舞台に、AIとの恋愛を“擬似体験”できる「デートピア」で繰り広げられる人間模様が描かれていて、恋愛×AI×リアリティショーというユニークな組み合わせで、恋や感情の本質に鋭く迫っています。
テクノロジーと感情のズレや、便利さの裏で失われるリアルな関係性など、現代社会に通じる問題提起があり、SF設定ながら妙に生々しく感じました。
また、AIの完璧さと、人間の不完全さの対比が切なくもあり、読み進めるほどに胸に迫る場面も多かったです。
恋愛という普遍的なテーマに未来の視点を重ねる構成は今どきで、「恋とは何か」を問い直すきっかけになる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
タヒチ島()のリアリティーショーという設定で、序盤は結構楽しく読んだ。
バチェロレッテをイメージしてたけど、テラスハウスか!どっちも観たことないから詳しくはわからないが…
汽水とモモの過去場掘られるところも最初は良かったが、ダイモンのスタジオな話などが途中からまどろっこしく感じてきて、最後まで読み切るにはだいぶマンネリから打開できていなかった気がした。
純文学っぽく、これこれ!って感じで、アカデミー賞映画の造形というか、小ネタを色々挟んでいるのは軽妙であった。
芥川賞の選評を読んでも概ね納得。攻めたテーマとか奇抜性は良いけど、プロットがちょっと粗雑?
でもそういうところを踏まえても将来性を見込めば今はまだ発展途上でも受賞に値する気がした。
この会はゲーテとダブル受賞ということで、私は両方そこまで納得してないけど、他の候補作も読んでみたいと思う。 -
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作。恋愛リアリティ番組という、実際には作られて放送されている、あまり知らない部類の話を舞台にしていて、その男女を巡る色恋沙汰な話なのかと思いきや、むしろそれは単なる舞台であり、明らかにそこに登場する人物を通して、現代における人種、戦争、性、社会、世界などの捉え方に疑問を投げかける作品である。
三人称的に文章は描かれながら、『 』の使い方で、明らかに登場人物が「話している」ように、だがそれはテレビでよく見る字幕で正しくは伝えられておらず、敢えてミスリードを誘うように多用され、このデートピアという番組が本編、追跡版などであると同様に、その一部としてしか理解させてもらえないようで、まさにモニタなどを介しているような、別世界を感じさせる。
とは言うものの本来の恋愛リアリティの主ではないところが、実は文量的にも主であり、それは別世界でなく、明らかに今の世界への問題提起なのであろう。
なかなかに一読しただけでは理解はできなかったというのが本当のところかな。
この作家の他の作品も見てみるか。