安堂ホセのレビュー一覧
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怒りは屈折する。
人に降りかかった苦痛は、やがて怒りへと変わる。怒りは憎悪の対象を見つけ出し、暴力を加えることを許可する。私たちが生きる社会では怒りと暴力がはびこっている。憎悪の対象に暴力を振るう「青い」多数派を批判的に見ていた「赤い」自分自身でさえも、他の誰かの憎悪の対象にされる。やがて受け付けきれず、あふれた苦痛は怒りへと変わり自身も「青い」存在へと変わる。
〈イエロー〉から見た〈ブラック〉の人間。
〈単一の男〉から見たホモの男。
ヘテロからホモへ、ホモからホモへのアウティングという暗黙の暴力。
普段は目に見えない憎悪は、まるで〈やりたい〉から〈邪魔〉へと簡単にコマンドが切り替わるか -
Posted by ブクログ
近未来の東京を舞台に、AIとの恋愛を“擬似体験”できる「デートピア」で繰り広げられる人間模様が描かれていて、恋愛×AI×リアリティショーというユニークな組み合わせで、恋や感情の本質に鋭く迫っています。
テクノロジーと感情のズレや、便利さの裏で失われるリアルな関係性など、現代社会に通じる問題提起があり、SF設定ながら妙に生々しく感じました。
また、AIの完璧さと、人間の不完全さの対比が切なくもあり、読み進めるほどに胸に迫る場面も多かったです。
恋愛という普遍的なテーマに未来の視点を重ねる構成は今どきで、「恋とは何か」を問い直すきっかけになる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
タヒチ島()のリアリティーショーという設定で、序盤は結構楽しく読んだ。
バチェロレッテをイメージしてたけど、テラスハウスか!どっちも観たことないから詳しくはわからないが…
汽水とモモの過去場掘られるところも最初は良かったが、ダイモンのスタジオな話などが途中からまどろっこしく感じてきて、最後まで読み切るにはだいぶマンネリから打開できていなかった気がした。
純文学っぽく、これこれ!って感じで、アカデミー賞映画の造形というか、小ネタを色々挟んでいるのは軽妙であった。
芥川賞の選評を読んでも概ね納得。攻めたテーマとか奇抜性は良いけど、プロットがちょっと粗雑?
でもそういうところを踏まえても将来性を見込 -
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作。恋愛リアリティ番組という、実際には作られて放送されている、あまり知らない部類の話を舞台にしていて、その男女を巡る色恋沙汰な話なのかと思いきや、むしろそれは単なる舞台であり、明らかにそこに登場する人物を通して、現代における人種、戦争、性、社会、世界などの捉え方に疑問を投げかける作品である。
三人称的に文章は描かれながら、『 』の使い方で、明らかに登場人物が「話している」ように、だがそれはテレビでよく見る字幕で正しくは伝えられておらず、敢えてミスリードを誘うように多用され、このデートピアという番組が本編、追跡版などであると同様に、その一部としてしか理解させてもらえないようで、まさ -
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最初の印象を言わせば、読みづらい、複雑すぎると思ったけど、読み続けると印象が徐々変わっていった。
どう変わったかというと、黒人はモノリス(一体化)じゃないというテーマがアツくて、自分自身を深く刺さったのだ。
自分はブラックミックスの人として、こんな本が売られてるのがありがたい。
現代の世界の情勢に関して、ステレオタイプに頼りすぎると、人と人の間の距離が広がり、信頼・協力関係が崩れ、差別意識や怒りが次々と湧き上がり、社会が崩れてしまうことになると思う。
ステレオタイプって仕方がなく人間的な現象である。
そのような一般化された見方を真実として受け入れるかどうかは、個人の判断による。 -
Posted by ブクログ
恋愛バラエティというのは実際テレビでもネット配信でも見かける。南の島で開かれた「デートピア」そこに参加した1人のヒロインと10人の男。それぞれ国籍も人種も別、が、黒人はいない。
集められた島で、モモとキースは再開する。2人は10代の頃、親や国に言わせれば、加害者と被害者と呼ばれるような因縁があった。
いわゆる社会問題と言われるような、いくつかの情勢を交えながら、途中から話が時系列に語られる。モモという人物が、一人称なのか三人称なのか、私には理解しづらいまま、過去が紹介される。
全く別の世界の話のようでもあり、身近な話のようでもあり、読み慣れない物語に当惑しながらも、惹かれるものを感じて、何