安堂ホセのレビュー一覧
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ネタバレ何とも形容しがたい物語だ。
登場人物の世界があまりにも私の世界とかけ離れていて、想像の埒外にある。出来事や感情に対して共感が全くできない。それでもリズミカルに繰り出される展開に心がざわざわさせられて読者を離さない。
それでもある場面には思考が掻き立てられた。本作の主要人物であるモモとキースがしたある行いに対して、モモの父親がキースを糾弾するところである。どうもこの父親表層的には理解のある良い父親であるようだ。しかし、彼の発言から人間の生々しさがなく無機質な印象がどんどん募っていく。子を育て守ることは「義務」であり、国の定める基準から外れるよう唆すことは「暴力」と定義づける。その発言や態度に -
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面白い、すごく引力をもった作品。
「モモ」の視点から「おまえ」=キースに向けた語りのような形で淡々と物語が進んでいく。「おまえは〇〇をして、〇〇だった」みたいな語り口がかなり特殊だな、と最初は思っていたけど、この物語を「だれかの主観」から語ることは難しいからかな、と思った。ある意味で視点はモモでもないと思う。
自分の欲望が誰かの暴力になる、という状態に対して、「域」を設定する、というキースの信条は面白いと思った。朝井リョウ「正欲」でも似たようなテーマがあったなと思う。
物語がずっと淡々としていてそこが魅力だなと思った。
恋愛リアリティショーの出演者を視聴者が世界の部品として扱う表現として、 -
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【どんな方におすすめ?】
ひどく平和ボケしている人。
普段「暴力」について考える機会がない人。
【感想】
前作(迷彩色の男)で、言葉の数は有限なのに、言葉で紡ぎだされる世界は無限なんだと知らされて、今回も読んでいて本当にワクワクした。この言葉とこの言葉を一緒に使うんだ~、ドッキングするんだ~って感じ。
【好きな場面】
渋谷の道玄坂(82ページ以降の描写)。
こういう裏の場所を実際に知らないとこういう場所を書けないと思うんだけど、現実とフィクションが絶妙に絡み合っていて、まるで私もこの世界にいるかのような、知っているかのようなバランスが絶妙にいい。
今回読んでいるにあたって、ご本人のアイデ -
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自分が言いたいことを言えるように読書を始めたけど、本作は、世の中に自分の知らない世界(同性愛者同士がまぐわう場所)があることを教えてくれたし、きっとストレートの人には表現できない感覚の描写がもう新鮮で、あっという間に読めた。描写に関しては、色や音の描写がリアルでそこが好きだ。
それにしても、ほかの作家と違うところは他に何だろうと考えてみたら、以下のことに突き当たった。
・いぶき以外の登場人物に名前がない(匿名性が高く、誰かにあてはまるかもしれない可能性を孕む)
・「男」と出てきたからといって次に出てきた「彼」と同一人物ではない。別人。これは男女の物語しか読んだことがなかったから起きてしまった -
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「ひとり」の物語にしてはならない
今自信を持ってたくさんの人におすすめできる現代文学作家があるとするなら間違いなく、安藤ホセさんじゃないでしょうか。
今や芥川賞作家の安藤ホセですが、実は芥川賞を取る前からこの人の描く作品には何かあるんじゃないかと思っていました。ジャクソンひとりもそんな中の一つで、ゲイを推しているだとか人種問題がどうと紹介には書いてはないけれど何かあると自分自身ゲイであるところから唯ならぬ匂いを感じてきました。
デビュー作ということもあり読んでみた感想はといえば、この人は読み継がれるのではと思うくらいに鮮明で新しい、文学作品として完成したものに近いのではないかと。朝井リョウや -
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ジャクソン一人、に続いてミックスのゲイの男性が主人公。こんな店が本当にあるの?と想像や知識の範疇を超えるストーリーラインではあるが、カミングアウトしていない職場で、事件をきっかけに一気に(その店に行っていたことまで含めて)知られてしまうかもという恐怖の日々が切実で、こういう気持ちで過ごしている人がきっと少なからずいるんだろうなあと悲しい気持ちになった。
レストランの場面も然り。海外ではよく見るが、日本では公の場でゲイカップルとして振る舞うとこういう視線を浴びているのかも。カミングアウトして生きることがヘイトクライムの対象になるという代償を伴うという恐れ。海外だって同じように陰で言う人は言うし -
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ネタバレ自分が実際に踏み入れたことのない世界、だけど確実に存在する世界を垣間見たような作品だった。
最初は慣れない異質さに読みづらさを感じたが、中盤からはテンポよくどんどん読めて、面白かった。4人の登場人物らが結託して彼らが過去に受けた嫌がらせのリベンジしていく場面は爽快だった。
数年前に、ブラックミックスの人と付き合ったことがある。どんなに物理的距離を縮めても払拭されなかった、彼との間に感じた心の隔たり。黒人ハーフとして日本で生まれ育つ彼にしかわからない苦しみや孤独感。その断片を感じ取ることはできても、彼らの背負っているものを完全に理解する事は一生できないのかもしれないと思うと悲しさも覚える。
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極めて2020年代的な物語。ひとつ前の時代に盛り上がったアイデンティティを巡る議論が、今や前時代的な価値観への回帰を多かれ少なかれ志向する者に「利用」されているようになっている感覚。権利が声高に叫ばれ、そこに侵害があった場合に大っぴらに声を上げられる世になったはずなのに、確実に澱は溜まっている感覚。社会は「狡くて」「凶暴に」なっているような。この時代の世界が纏う空気感がありありと言語化されていた。
「今」を今の言葉で冷静に見つめ、物語を現実の2020年代と否応なしに接続させる。一方でキャラクター設定舞台等はフィクショナルそしてかなりダークで、距離感というか読者としての自分の置き所のなさをおぼ -
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正直に言うと読みやすい。そして誰が話してるかわからない。しかしこれこそが本題な気がする。
我々から見た時異国の方々は個人としてよりも方々として見てしまう。例えばどっかのお国の方がこっちの国の人をやっち待った場合、どっかの国の人怖ええってなるわけ。けどこっちの国の人間がこっちの国の人間をいかようにして残酷なふりかけにしようと、こっちの国怖ええとはならず こいつ怖えってなるわけ。つまり個人として見れるか見れないかの話だ。たしか芥川賞…そう。その芥川賞の
デートピアを読んだ時から思っていたけど差別を許さないって感じがすごく伝わるフレーズがあるんだけれど、そんなことこちとら微塵思ってなくて、差別するな