安堂ホセのレビュー一覧

  • DTOPIA

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    【どんな方におすすめ?】
    ひどく平和ボケしている人。
    普段「暴力」について考える機会がない人。

    【感想】
    前作(迷彩色の男)で、言葉の数は有限なのに、言葉で紡ぎだされる世界は無限なんだと知らされて、今回も読んでいて本当にワクワクした。この言葉とこの言葉を一緒に使うんだ~、ドッキングするんだ~って感じ。

    【好きな場面】
    渋谷の道玄坂(82ページ以降の描写)。
    こういう裏の場所を実際に知らないとこういう場所を書けないと思うんだけど、現実とフィクションが絶妙に絡み合っていて、まるで私もこの世界にいるかのような、知っているかのようなバランスが絶妙にいい。

    今回読んでいるにあたって、ご本人のアイデ

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    2026年01月25日
  • 迷彩色の男

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    自分が言いたいことを言えるように読書を始めたけど、本作は、世の中に自分の知らない世界(同性愛者同士がまぐわう場所)があることを教えてくれたし、きっとストレートの人には表現できない感覚の描写がもう新鮮で、あっという間に読めた。描写に関しては、色や音の描写がリアルでそこが好きだ。

    それにしても、ほかの作家と違うところは他に何だろうと考えてみたら、以下のことに突き当たった。
    ・いぶき以外の登場人物に名前がない(匿名性が高く、誰かにあてはまるかもしれない可能性を孕む)
    ・「男」と出てきたからといって次に出てきた「彼」と同一人物ではない。別人。これは男女の物語しか読んだことがなかったから起きてしまった

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    2026年01月23日
  • DTOPIA

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    一気読みだった  の、 だ、 が、
    何故一気読みだったのかがわからない  し、
    なんの話なのかすらもわからなかった

    物語のギアを度々チェンジする著者はその都度にアクセルを強く踏み込んでくる
    脳内で罵声と怒号が聞こえてくる
    「やれ!やれ!!もっとやれ!!もっともっと、もっともっとやり尽くせやり尽くせ!!!!」
    その罵声と怒号は煽られているのか煽っているのかとゆう判別すらもだんだんつかなくなってゆき
    アドレナリンがぶわぶわぶわと量産放出されてゆくのを感じた
    脳みそに直接なんか注射ブスってされたかな
    そのような感覚はあった  

    しかし何が起きたのか 何を読まされたのか 何を考えたのか語る言葉を私

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    2025年11月20日
  • ジャクソンひとり

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    「ひとり」の物語にしてはならない

    今自信を持ってたくさんの人におすすめできる現代文学作家があるとするなら間違いなく、安藤ホセさんじゃないでしょうか。
    今や芥川賞作家の安藤ホセですが、実は芥川賞を取る前からこの人の描く作品には何かあるんじゃないかと思っていました。ジャクソンひとりもそんな中の一つで、ゲイを推しているだとか人種問題がどうと紹介には書いてはないけれど何かあると自分自身ゲイであるところから唯ならぬ匂いを感じてきました。
    デビュー作ということもあり読んでみた感想はといえば、この人は読み継がれるのではと思うくらいに鮮明で新しい、文学作品として完成したものに近いのではないかと。朝井リョウや

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    2025年10月19日
  • DTOPIA

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    ネタバレ

    恋愛リアリティショー「デートピア」のロケを舞台としつつ、その出演者である二人の主人公の過去や、ショーを見た未来の視聴者の視点が混ぜ合わせられて構成されているから、標題のショーはある意味で退屈なのに物語自体には緊張感が漂っている。

    過去の事件や未来の出来事の語られる順番によって、人物や台詞、舞台の持つ意味、読者に与える印象が刻々と変わっていくのは、物語構造の面白さを感じさせた。

    最終盤は、そこに至るまでの展開やその不穏さに比べ落ち着いていて、少し物足りなさも感じるくらいだったけれど、時間もルーツも愛も力も暴力も、何もかもがミックスされて意味が変容していく世界を描いた小説だったから、明確なカタ

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    2025年08月28日
  • 迷彩色の男

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    ジャクソン一人、に続いてミックスのゲイの男性が主人公。こんな店が本当にあるの?と想像や知識の範疇を超えるストーリーラインではあるが、カミングアウトしていない職場で、事件をきっかけに一気に(その店に行っていたことまで含めて)知られてしまうかもという恐怖の日々が切実で、こういう気持ちで過ごしている人がきっと少なからずいるんだろうなあと悲しい気持ちになった。

    レストランの場面も然り。海外ではよく見るが、日本では公の場でゲイカップルとして振る舞うとこういう視線を浴びているのかも。カミングアウトして生きることがヘイトクライムの対象になるという代償を伴うという恐れ。海外だって同じように陰で言う人は言うし

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    2025年02月15日
  • 迷彩色の男

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     男性の夜の社交場であるクルージングスポットについて知ったのは、これが初めてだった。この刺激的な場所で、いぶきは何者かに殺される?のだが、犯人は?動機は?と何もかもよくわからないままスリリングに話が進行する。
     終盤、犯人と思われる男に出会し、新しく交際した彼とこの男は、私に刃物で刺される。これは、いぶきへの復讐だったのだろうか?
     このストーリーどういう内容だったのか今一つわからず、もやっとしたまま。

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    2024年06月10日
  • 迷彩色の男

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    安堂ホセさんの作品を読んでいたら、藤沢周さんの初期作品に感じた、文章から溢れ出るような衝動的暴力表現を思い出しました

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    2024年04月23日
  • 迷彩色の男

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    居心地の悪い空間に無理矢理入れられた時の感覚が鋭く刺さる本だった。心地よいものは常に人を退廃させるのだが,本作はちょうど真反対にある感じがする。

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    2023年10月15日
  • DTOPIA

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    極めて2020年代的な物語。ひとつ前の時代に盛り上がったアイデンティティを巡る議論が、今や前時代的な価値観への回帰を多かれ少なかれ志向する者に「利用」されているようになっている感覚。権利が声高に叫ばれ、そこに侵害があった場合に大っぴらに声を上げられる世になったはずなのに、確実に澱は溜まっている感覚。社会は「狡くて」「凶暴に」なっているような。この時代の世界が纏う空気感がありありと言語化されていた。

    「今」を今の言葉で冷静に見つめ、物語を現実の2020年代と否応なしに接続させる。一方でキャラクター設定舞台等はフィクショナルそしてかなりダークで、距離感というか読者としての自分の置き所のなさをおぼ

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    2025年12月28日
  • DTOPIA

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    ネタバレ

    前半は超絶面白かった。ただ、後半のキースが裏社会で働いているくだりは、ちょっと自分にとって現実味がなさ過ぎて心が離れてしまった。でも再びデートピアの時間軸に合流してからはしっかり面白かったし、全てが理解できなきゃいけないとも思っていないので、総合して良い作品だと思う。

    賛否ありそうな、映像字幕を過剰に意識したような細切れに『』で区切られたセリフは確かに読みにくかった。けど、「これは映像だぞ」と過剰に印象付けるようなこの演出もあって、とにかく「映像を読んでいる」感が凄かった。本当にネットフリックスの国際系恋愛リアリティーショーを観ているかのような気分だった。そして、番組の企画、番組が世間にもた

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    2025年10月05日
  • DTOPIA

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     こういう一人称の使い方ができるんだなと思った。
     テーマがたくさん詰まったお話。
     主人公と主人公の友人の父親の口論が小気味良かった。

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    2025年09月27日
  • DTOPIA

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    「それに現代のように、いち個人の行動とバックグラウンドとを安易に結びつける社会で、トラウマを開示することはつまり、人格をジャッジする権限を明け渡すようなものだよ。他人にべらべら教えるべきじゃない」


    Through my work with colleagues from different countries, I thought I had a good understanding of diversity in backgrounds and perspectives. But realizing that, in today’s world, people are often jud

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    2025年09月21日
  • DTOPIA

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    一度読んでみたかった作家。どこかの書評とあらすじを見て、きっと楽しめそうと手に取ったもの。両端の”番組・デートピア”の場面と、真中の回想シーンにざっくり分かれるんだけど、真ん中部分の意外なボリュームの厚さにちょっとビックリ。両端は単純にエンタメ的に面白く、真ん中が文学的なんかな、って勝手なイメージ。二人称の有効性が十全に発揮されているのも素敵。他作品も読んでみたいかも。

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    2025年09月03日
  • DTOPIA

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    まさに芥川賞受賞らしい魅力的な作品
    本の帯に惹かれ設定のユニークさから先入観で読み始めると、突然ページが終わり置いて行かれてしまうため、「難解で理解できない」という低評価が多い理由も納得。しかし本全体の時間軸や主張に立ち返り、そもそもの筆者の描く世界線を整えメッセージの本質を探りながら自分自身の"先入観を取り払い"見返すと、別の盲点に気付かせてくれる。純文学の魅力が溢れていた。

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    2025年08月16日
  • ジャクソンひとり

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    正直に言うと読みやすい。そして誰が話してるかわからない。しかしこれこそが本題な気がする。
    我々から見た時異国の方々は個人としてよりも方々として見てしまう。例えばどっかのお国の方がこっちの国の人をやっち待った場合、どっかの国の人怖ええってなるわけ。けどこっちの国の人間がこっちの国の人間をいかようにして残酷なふりかけにしようと、こっちの国怖ええとはならず こいつ怖えってなるわけ。つまり個人として見れるか見れないかの話だ。たしか芥川賞…そう。その芥川賞の
    デートピアを読んだ時から思っていたけど差別を許さないって感じがすごく伝わるフレーズがあるんだけれど、そんなことこちとら微塵思ってなくて、差別するな

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    2025年08月16日
  • DTOPIA

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    文章に凄い才能を感じる 下世話な内容かと思って読み始めたら、人間の深い部分が描かれていて、良い意味で裏切られた感じ。

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    2026年01月12日
  • 迷彩色の男

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    新しいことをしようとする気概は感じた。またストーリーの運ばせ方にも、抽象的な描写の多様で作家の特徴性を感じた。
    個人的にはラストがどうにもしっくりこない。ザ・日本の純文学的な終わらせ方には、それまでの文体とは違った固定概念のようなものを読み取った。

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    2025年07月05日
  • 迷彩色の男

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    怒りは屈折する。

    人に降りかかった苦痛は、やがて怒りへと変わる。怒りは憎悪の対象を見つけ出し、暴力を加えることを許可する。私たちが生きる社会では怒りと暴力がはびこっている。憎悪の対象に暴力を振るう「青い」多数派を批判的に見ていた「赤い」自分自身でさえも、他の誰かの憎悪の対象にされる。やがて受け付けきれず、あふれた苦痛は怒りへと変わり自身も「青い」存在へと変わる。

    〈イエロー〉から見た〈ブラック〉の人間。
    〈単一の男〉から見たホモの男。
    ヘテロからホモへ、ホモからホモへのアウティングという暗黙の暴力。

    普段は目に見えない憎悪は、まるで〈やりたい〉から〈邪魔〉へと簡単にコマンドが切り替わるか

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    2025年06月14日
  • DTOPIA

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    自分ならこのシチュエーションで彼に何と話すかと考えると、自己肯定できず吐きそうになるぐらいツライ

    【フレーズメモ帳】
    想像を絶する出来事について知ったとき、人は知ってもしょうごないことを、知ろうとし続けてしまう。事実を、自分にとって怖くないサイズへ分解するまで、問い1みたいなことを、ずっと。「これじゃあまるで、パパみたいだ」とモモは呆れた。

    自分にとってあたりまえの欲求が、他人にとって暴力になるとしたら、どうする?

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    2026年01月08日