【感想・ネタバレ】ジャクソンひとりのレビュー

あらすじ

東京のジムで働くジャクソンは、QRコードから拡散されたポルノ動画の男と噂される。真相を探り始めると自分そっくりな3人の男に出会い…第59回文藝賞受賞、芥川賞作家デビュー作。解説=島本理生

芥川賞作家・安堂ホセ
文藝賞受賞のデビュー作、待望の文庫化!

スポーツブランドの社内ジムで働くジャクソンは、着ていたTシャツのQRコードからポルノ動画が拡散され、その動画に映
る男ではないかと噂される。真相を探り始めると、自分そっくりな3 人の男に出会い……東京に生きるブラックミックスたちの鮮やかな逆襲劇。
解説=島本理生

\絶賛の声、続々!!/
ジャクソンが口にする「俺に気分があっちゃダメですか?」という台詞は物語を超えて読み手に問いかける。相手の立場がマイノリティーであるほど、私たちは一貫した主義主張と正しさを求めていないかと。
――島本理生(文庫解説・第59回文藝賞選考委員)

他者を個人として扱えば「はっきり敵とみなす勇気」が持てず、でも集団として見なせば容易に憎め、蔑め、殺すこともできる。それが私たちの生きる社会だと実感させられた。
――角田光代(第59回文藝賞選考委員)

こんなふうに分裂と統合を繰り返す快感と恐怖を同時に味わえる小説を、他に知らない。
――金原ひとみ

身体によって安易にカテゴライズされながらも、自分自身のその身体で生きて他者と出会うことが、痛みから生み出される言葉で描かれている。
――柴崎友香

ゲリラ戦を思わせる活劇の中で、増殖するジャクソンたちの意識の流れがリズムよく絡み、ドライブ感を高めてゆく。
――島田雅彦

本作が切り拓いた日本語文学の新しい可能性をこそ、私は評価したい。
――平野啓一郎

からっと明るい文章の中には浸食するような絶望があって、苦しい気持ちにさせられる。偏見に鋭く切り込んだ内容もさることながら、その描き方も面白い。
――斜線堂有紀

凄い小説で、本読みに強くおすすめしたい。「今までこんな話読んだことなかった!」と、「なぜ今までこんな話を読むことができなかったのか(その理由の背景に自分もいるはずじゃないか)」という思いでぐるぐるになる。
――王谷晶

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Posted by ブクログ

「ひとり」の物語にしてはならない

今自信を持ってたくさんの人におすすめできる現代文学作家があるとするなら間違いなく、安藤ホセさんじゃないでしょうか。
今や芥川賞作家の安藤ホセですが、実は芥川賞を取る前からこの人の描く作品には何かあるんじゃないかと思っていました。ジャクソンひとりもそんな中の一つで、ゲイを推しているだとか人種問題がどうと紹介には書いてはないけれど何かあると自分自身ゲイであるところから唯ならぬ匂いを感じてきました。
デビュー作ということもあり読んでみた感想はといえば、この人は読み継がれるのではと思うくらいに鮮明で新しい、文学作品として完成したものに近いのではないかと。朝井リョウや村田沙耶香が好きな人は気にいるとは思いますが、インパクトが一味違うといいますか、大衆向けに書いているとは思えない尖り方をしてならないですね。まるで特定の誰かに向けて書いているようなそんな作品でした。
素人の僕が語るのもおこがましいと思えるくらいに格が違うと考えます。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

正直に言うと読みやすい。そして誰が話してるかわからない。しかしこれこそが本題な気がする。
我々から見た時異国の方々は個人としてよりも方々として見てしまう。例えばどっかのお国の方がこっちの国の人をやっち待った場合、どっかの国の人怖ええってなるわけ。けどこっちの国の人間がこっちの国の人間をいかようにして残酷なふりかけにしようと、こっちの国怖ええとはならず こいつ怖えってなるわけ。つまり個人として見れるか見れないかの話だ。たしか芥川賞…そう。その芥川賞の
デートピアを読んだ時から思っていたけど差別を許さないって感じがすごく伝わるフレーズがあるんだけれど、そんなことこちとら微塵思ってなくて、差別するなって側が勝手に差別作ってる部分もあるなあって著者が感じてほしい部分とは真逆に作用してしまってるのかもしれないけれど、差別の奥深さを知った。

文体は非常に読みやすい。そして馴染みにやすい
だからこそ身近に感じて怖さもある。
これを読んで安藤ホセを1ミリでも気になった人は是非、デートピアを読んでほしい。単行本だし読みにくいけど徹夜ですぐ読めるから読んでほしい。
ジャクソンひとりとはまた異なる性差別が、暴力が、残酷さが、本当は嫌悪しなくてはならないはずの奴らが、ここまで魅力的に物語に成られてしまうともうこちらとしては、もう。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

ジャクソンひとりのはずなにの
ジャクソン何人もいて誰が誰だかわからなくなる
それでも誰でもよくなってくる
本のタイトルはよく聞いてたので買ってみたけどこんな内容だったとは
ハードゲイはなんかすごい世界だなあ(多分論点は違うと思う)
とても面白かった

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

面白いアイデアだけど、章の中で視点人物が前触れなく代わるのと、ラスト近くの残酷なシーン似てるついていけない

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2025年05月21日

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