矢口高雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
矢口高雄『岩魚の帰る日 釣りバカたち【山釣り編】』ヤマケイ文庫。
矢口高雄の『釣りバカたち』から山釣り編12編と『岩魚の帰る日』を収録した合本文庫。
釣りの面白さと共に自然の厳しさと不思議、そしてその中に濃厚な人間ドラマを描いた矢口高雄の傑作の数々が楽しめる。
個人的には『移し岩魚』『枯尾花』『チライ・アパッポ』の3作が特に良かった。
『抱返り』『移し岩魚』『バチヘビ奇談』『カジカの卵塊』『毛バリの元祖』『Yのイニシャル』『S川の大ヤマメ』『イワナ酒』『枯尾花』『いろはトンボ』『いさご虫』『チライ・アパッポ』『岩魚の帰る日』の13編を収録。
定価1,320円
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購入済み
半世紀前の作品だが
今から半世紀も前の作品だが、未だにみずみずしさ 魅力を失っていない。まず水墨画を思わせる雪深い山村の風景描写が素晴らしい。人物描写は風景描写のタッチとは全く異なっていてかっちりとした時代を思わせるタッチであるが、背景の風景との好対照を描き出している。移り変わる四季の日常描写を主体としたスナップ写真のようなストーリーもなかなかである。
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購入済み
この昭和のかほり
矢口高雄さんが亡くなられる直前にマタギを読みました。この独特の世界観に興味を持ち、あらすじから自分好みのこの作品を購入してみました。発表は70年代ですが、矢口さんの若い頃の時代がモチーフなのですね。あの頃の昭和中期の田舎の喜びと苦しみが感じられ、スピンオフ作品や続編も読みたくなりました。
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購入済み
日本海中部地震…
…というのが、この作品で描かれている地震の正式名称だが、「秋田県沖地震」でも検索に引っ掛かる。
東日本大震災の津波被害とリアルタイム映像を見てしまった後では、規模の違いはあるが、心に響くものがある。特に、作者が秋田県内陸部出身で、津波というものに全く予備知識が無かったらしいのが、逆に同様な読者に発表当時、響いただろう事は、容易に想像出来る。
特に大袈裟な描写は無い。だから、良かった。 -
ネタバレ 購入済み
秋田沖地震が題材だが…
読んでみて、日本海での津波被害は歴史的に珍しいだけに、多くの油断があったのだな、と気付かされる。著者が秋田県の内陸部の出身だけに、この「油断」の表現が逆に迫力があるのだ。
これは、全巻読み通さねばなるまい。 -
Posted by ブクログ
(01)
残酷さがある.残酷はしかし,動物たちの世界に置かれたとき,とりわけマタギが駆け巡る山の哺乳類たちの生殺の関係に置かれたとき,やや残酷味は薄まる.
殺すのも当然,殺されるのも当然,突然死んでしまう偶然もどこか必然となるような山に向かってマタギは生きている.村人たちの日常をよそに,マタギたちは非日常を生きてるかのようでもある.地形に起伏があり,気象や植生も激しく迫るような場所を獲物を求め,さまよい,歩き,走る姿は,それだけでファンタジー(*02)でもある.
山の麓の村には電気もガスも水道も見当たらない.本書に収録された漫画が雑誌に連載されたのは1975年前後であったが,その頃の読者にして -
購入済み
なんだか懐かしい。
釣りキチ三平は自分が小学校1年生の時の漫画でした。
漫画見て、自分もやりたくてつり竿握った記憶があります。
ただ、魚紳さんの目が釣り針で見えなくなった場面がなんとも幼心にトラウマになって
とうとう針が怖くてやめてしまった記憶が・・・・。
あっ!!!漫画は面白いですよ。懐かしくて・・・。VSっていうのがいいです。