あらすじ
1983年。世の中は空前のおしんブームに沸いていた。漁に夫婦で出かけるため、もっぱら再放送で楽しんでいたシズさん。ビデオデッキがあれば、もっとゆっくり漁に出れるのに。旦那の徳さんにビデオデッキをせがんだ翌日5月26日正午。漁を終え港に戻る途中、船底をたたかれるような振動に襲われた。何が起こったかわからず港に着くとようやく状況が飲み込めた。大地震。漁師仲間と情報を交換する間もなく、港を大津波が襲いかかる!! 次々と転覆する停泊中の漁船たち。漁船の中には、徳さんがまだ残っていた。徳さんの運命やいかに!? 津波に巻き込まれたものと残された家族。そしてそれらの現実を追跡調査により追い求める者。釣り人であり漫画家の矢口高雄が、自然の厳しさと生命の尊さを真正面から描き出した鎮魂歌。全4巻。完結編。
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日本海中部地震…
…というのが、この作品で描かれている地震の正式名称だが、「秋田県沖地震」でも検索に引っ掛かる。
東日本大震災の津波被害とリアルタイム映像を見てしまった後では、規模の違いはあるが、心に響くものがある。特に、作者が秋田県内陸部出身で、津波というものに全く予備知識が無かったらしいのが、逆に同様な読者に発表当時、響いただろう事は、容易に想像出来る。
特に大袈裟な描写は無い。だから、良かった。