矢口高雄のレビュー一覧
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購入済み
ついに完結
釣り漫画の金字塔、釣りキチ三平もついに最終編です。今までの明るくほんわかしたふいんきと1線をがし、シリアスな内容ですがそこはキャラクターたちの力で湿っぽくなりすぎず、今まで出てきた話を上手く纏めながら読み応えのある内容になっています。
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Posted by ブクログ
コミックながらズッシリとくる...!
ただ楽しい、素晴らしい、ではなく残酷で切なかったり、複雑な思いなエピソードもあったりと、読者に色々考える機会を与えてくれる一冊でした。
狩りとは何か、、、。物が溢れスーパーで普通に肉が売られている現代に生きていると、圧倒的人間が優位になる武器「銃器」使っての熊撃ちはひどく残酷であるといった錯覚に一瞬陥る。でもそれは重大な勘違いで当時の山の人間は普通に「生きる」という行動をしていただけで、自然に最大限の感謝を払い、自然の恵みをそれはそれはとても大切にしていた。
マタギの文化、知恵、思想、北東北の自然を教えてくれる一冊でした。 -
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Posted by ブクログ
本来、人間は自然の一部である。
自然というフィールドにおいて、人間と他の動物とは対等であるべきなのだ。
大正四年十二月、三毛別羆事件として知られるこの事件は、二日で六名の死者を出す被害となった。
開拓民の村を羆が襲い、女子供を食べては、何度も現れる。
どこから羆が襲ってくるのか、村は恐怖に陥る。
一方、自分の縄張りで好き放題山を開墾する二本足を苦々しく思っていた羆はある日、彼らの家を襲うことにした。
自分の縄張りで何をしようと文句を言われる筋合いはない。
軒先のトウモロコシを食べていたが、ある時をきっかけに人肉の味を知ってしまう。(羆風)
かつては毛皮を目当てに狩猟対象だ -
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Posted by ブクログ
奥羽山脈の山里で、様々な野生動物と対峙するマタギたちの物語。
これまでにアイヌの熊打ちに関する書籍はいくつか読んだことがあるんですけど、東北マタギのツキノワグマ狩りの事はほとんど何も知らなかったので、とても興味深く読みました。
単なる狩猟技術の継承にとどまらず、「流派」や「信仰」の域にまで達しているマタギ独自の精神性……すごいなあ、もっと詳しく知りたいなあ。
全9章が収録されていますが、やはり「野いちご落し」が圧巻。次いで「オコゼの祈り」が切なくて切なくて。そして「樹氷」に度肝を抜かれました。
【目次】
章之壱・野いちご落し
章之弐・怜悧の果て
章之参・オコゼの祈り
章之肆・勢子の源五郎 -
Posted by ブクログ
単に「猫可愛い」というペット好きな方にはオススメできないエッセイ。
理由は著者が幼少時に体験したネズミ捕りや祖母の猫にまつわる話が残酷さ。
ただ、当時の東北、しかもドがつくほどの田舎の農村ではそもそもペットという感覚がないのが当たり前なので、決して著者が残忍な訳ではもちろんない。
あえて人間と生き物の共存をしっかりと伝えたかったからこそ、このエピソードを描いたのだと思うが今の時代は万人受けはできないだろうなぁ。
自分も東北の田舎出身で、そういうことが普通だったのだと教えられてきたから別段驚きもしなかったけれど。
飼い猫ナッコの死に姿を描いた絵が一番印象的だった。
矢口先生らしい、漫画家らしいお -
Posted by ブクログ
白水社から1987年に刊行されたものに「オーイ!!やまびこ5」より「百日咳」を加えた形で刊行。
中学校の頃に一度呼んだことがある。確かお茶の水の丸善で椎名誠の本と一緒に買ったのを覚えている。あとがきにも書いてあるとおり、教育界に反響を呼び、その後教科書にも一部が掲載された。非常に悔しかった。釣りキチ三平の著者でもある、人の文章で勉強がしたかった。
当時、釣りキチ三平の連載が終わり、3~4年が経ち表立って新作品が出ない著者がエッセイという形で読めるということは意外なうれしさがあった。
少年時代を描いたエッセイ集である。戦後間もない秋田の山奥の子がどのような生活を営んでいたか、遊び、 -