花森安治のレビュー一覧

  • 一銭五厘の旗

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    「それって昭和だよね」とか「めっちゃ、昭和じゃん!」とかいって「昭和」をつかう。
    ちょっと聞いてほしい。(ちょっとではなく、長くなりました、ごめんなさい)
    「昭和」というまえに、今の令和の源流である「昭和」のまんなかで、明治生まれの花森さんが何を語っているのか、読んで感じてほしい、と思う。
    昭和生まれの還暦すぎのおじさんだけど、ぼくには、なつかしさではなく、「今」を感じる文章だった。

    著者の花森安治さんは、19011年(明治44年)生まれ、『暮らしの手帖』の創業者だ。
    この本は、昭和35年から昭和45年に、花森さんが『暮らしの手帖』に執筆したものから自身で選んだ29篇の文章でできている。

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    2024年06月22日
  • 灯をともす言葉

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    「暮しの手帖」の創刊者、花森安治氏の言葉の数々。美について、国について、暮らしについて、政治、装い、戦争・・・。戦後間も無く描かれた文章のようですが、今にも通ずるものがあり、今だからこそ読むべきものなのかもしれない。何度も読み返したくなる一冊です。

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    2022年04月17日
  • 花森安治選集 第3巻 ぼくらは二度とだまされない

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    『花森安治選集3』に収録、ずうっと読みたいと思っていてやっと読むことができた詩。26頁にわたる散文詩だった。題名は、いわゆる『赤紙』の郵送料から来ているのだが、どこをとっても現在の状況に密着した問題意識で抜群の感受性と洞察力・表現力に感嘆。繰り返し〈庶民〉という言葉が使われそれを愛好する波風氏は心強く思う。先頭「ぼくら せいぜい一銭五厘だった」、文末「ぼくら こんどは後へひかない」。

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    2021年12月31日
  • 逆立ちの世の中

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    前回、花森氏のエッセイを初めて読んだのが「暮しの眼鏡」
    それよりも格段に読みやすかった。

    初出版は、戦争の痛手から日本もずいぶん立ち直って…しかし、焼け野原となったのは土地だけではなく、どこが境界線やらガイドやら分からなくなったのは、文化やモラルや政治も同じだったらしい。
    やたらと元気で押し出しの強いものばかりが大きな顔をし始め、そうかと思えばお役所始めとする人間の頭の中は今だもって旧態依然…という混沌の時代だったらしい。

    どうして「逆立ちの世の中」というタイトルになったのかは不明だが、花森氏の書き様は、どうも逆立ちして世の中を見ているような気がしてならない。
    疑ってかかることを「眉つば」

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    2017年02月04日
  • 一銭五厘の旗

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    今読んでも、全く古びていない内容であった。
    タイトルの記事は、水俣病を扱う記事だったが、
    これを震災後の原発の問題に置き換えて読んでも
    全くおかしくない。気骨のあるジャーナリストが
    以前から警鐘を鳴らしてくれていたことが、今現在でも
    解決されていないのだと、はっきりとわかる文章だった。

    生活・戦争・ひとのありかた・これらを論じる時
    当時よりも今の私たちの土性骨が抜けていることは
    更に恐ろしい。

    まして、もう著者はこの世の人ではないのだ。
    読者に、これは他人事じゃないよと

    「あなた」「君」と呼びかけ、膝を詰めるようにして
    諄々と、烈々と語った人はもういない。

    現在にも素晴らしい編集者はお

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    2014年03月13日
  • 花森安治選集 第1巻 美しく着ることは、美しく暮すこと

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    戦後の貧しい市井の生活を美しい暮らしに変えていこう。服装しかり、流行にとらわれず自身の欠点を魅力に変えていく工夫をこらしていけば、廃れない美しさをかもしだせるのではないか。ゴージャスとは真逆の輝きは日常の行動に内在する。そこに本当の幸せがあると確信する。

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    2023年04月28日
  • 一銭五厘の旗

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    『暮しの手帖』の編集長・花森安治さんの本。
    読み応えあります。
    時代を超えて読んだ後もなにか心にずっしりと残ります。
    私は特に、「リリス プレスコット伝」が好きでした。

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    2011年10月21日
  • 灯をともす言葉

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    がっつり花森安治の文章をまとめた本かと思ったら、よりぬき花森安治だった
    一つ一つの文章は短いけれど、言葉は痛切
    特に戦争の章
    一銭五厘、戦争が終わるとは夜に電気のスイッチを入れること…その時代を生き抜いた言葉をしっかり噛み締めておきたい

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    2025年04月17日
  • 灯をともす言葉

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    大学近くの古本屋さんで見つけて、普段なら買わないタイプの本だけど買ってみた。共感できる章も、(読んでいる時代が違うから当然なんだけど)うーんそれはどうかなぁってなる章もあって、でも花森さんが一つひとつの言葉を大切に生きてきたこととか自分の生きる世界を必死に見続けてきたことが伝わってくる本だった。私は日本文学を学ぶ身だからかもしれないけど、こういう本を読むとやっぱり言葉の力はあるって信じていきたいと思う。

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    2024年06月26日
  • 風俗時評

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    なんとなく、本屋さんで並べられていた
    新刊の中から表紙買いしたものなので、
    花森さんが「暮らしの手帖」の初代編集長
    というすごい方だということも知らずに
    なんだこのするどいこというおじさまは…
    と思いながら読み進めていました。

    半世紀も前にラジオで花森さんが語られた
    お話であるというのに、現在でも十分に
    通用するファッションについての話で、
    思わずひやりはっとすることもありました。

    そして、何でもかんでも流行に追随したり
    誰かにどう思われるか考えすぎて、
    自分の着たい服を着れなくなるなんて、
    人生一回、もったいないなと感じました。

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    2016年10月08日