花森安治のレビュー一覧
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もとは1954年刊のエッセイ集。戯れ文調の15篇。
軽薄を装いながら、当時の日本の世相に斬り込んでゆく。「暮しの手帖」の花森安治に慣れた人には、多少の違和感があるかもしれない。
「国会へ行きましょう」「女だけの政治」「サルまねのすすめ」「高価なものと美しいものと」「教祖芸術」「無茶苦茶の茶」「無茶人のおせっかい」「芸術祭おやめなさい」……、etc。「暮し」を欠いた政治や芸術や文化に対する抵抗と批判。スタンスは「暮しの手帖」の花森となんら変わらない。
(p.s. 当世(1954年頃)の流行りのことばとして「ギョギョ」が出てくる。あれはさかなクンのオリジナルではなかったのだ。) -
Posted by ブクログ
「それって昭和だよね」とか「めっちゃ、昭和じゃん!」とかいって「昭和」をつかう。
ちょっと聞いてほしい。(ちょっとではなく、長くなりました、ごめんなさい)
「昭和」というまえに、今の令和の源流である「昭和」のまんなかで、明治生まれの花森さんが何を語っているのか、読んで感じてほしい、と思う。
昭和生まれの還暦すぎのおじさんだけど、ぼくには、なつかしさではなく、「今」を感じる文章だった。
著者の花森安治さんは、19011年(明治44年)生まれ、『暮らしの手帖』の創業者だ。
この本は、昭和35年から昭和45年に、花森さんが『暮らしの手帖』に執筆したものから自身で選んだ29篇の文章でできている。
た -
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前回、花森氏のエッセイを初めて読んだのが「暮しの眼鏡」
それよりも格段に読みやすかった。
初出版は、戦争の痛手から日本もずいぶん立ち直って…しかし、焼け野原となったのは土地だけではなく、どこが境界線やらガイドやら分からなくなったのは、文化やモラルや政治も同じだったらしい。
やたらと元気で押し出しの強いものばかりが大きな顔をし始め、そうかと思えばお役所始めとする人間の頭の中は今だもって旧態依然…という混沌の時代だったらしい。
どうして「逆立ちの世の中」というタイトルになったのかは不明だが、花森氏の書き様は、どうも逆立ちして世の中を見ているような気がしてならない。
疑ってかかることを「眉つば」 -
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今読んでも、全く古びていない内容であった。
タイトルの記事は、水俣病を扱う記事だったが、
これを震災後の原発の問題に置き換えて読んでも
全くおかしくない。気骨のあるジャーナリストが
以前から警鐘を鳴らしてくれていたことが、今現在でも
解決されていないのだと、はっきりとわかる文章だった。
生活・戦争・ひとのありかた・これらを論じる時
当時よりも今の私たちの土性骨が抜けていることは
更に恐ろしい。
まして、もう著者はこの世の人ではないのだ。
読者に、これは他人事じゃないよと
「あなた」「君」と呼びかけ、膝を詰めるようにして
諄々と、烈々と語った人はもういない。
現在にも素晴らしい編集者はお -
Posted by ブクログ
もとは1953年刊。ラジオで話したことのトランスクリプト。
1951~52年、花森安治は、開局したてのラジオ東京(のちのTBS)で、週1回、「風俗時評」という番組を担当した。本書はそのうちの15回分を収める。雑誌「暮しの手帖」を創刊してまだ3年、肩書きは雑誌編集長や文筆家ではなく、風俗評論家だった。
トークは衣食住がテーマ。冒頭は「今朝は大変寒いようですね」とか、「今朝新聞をみておりますと」とか、「そろそろ新学期でもありますし」とか、かなりアクチュアルな入り方をする。
極めつけはこれ。「昨夜の毎日新聞の夕刊に、珍しく、男の風俗について面白い投書が出ております」で始まり、サラリーマンの服装につい