渡辺正峰のレビュー一覧

  • 意識はどこからやってくるのか

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    対談本であるおかげで、話題があちこちに飛びつつ晦渋になりがちな部分もとっつきやすくはある。マインドアップロードの具体像なども述べられていて、それに対する哲学的な認識論・人間論のようなものも関心分野であるために対談の流れに乗って楽しめた。

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    2025年04月13日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    意識って何だろうか?
    ある研究者は、情報が意識なので、月の石にも意識はある、と考えているそうです。
    生き物の意識は、ニューロンの働きの中にあるようです。
    ニューロンひとつの働きは、機械で再現できるので、ヒトの脳内のニューロンをひとつずつ機械に置き換えていけば、最終的には脳を機械に置き換えて、機械の中に意識が宿るとのことです。
    そうなんだ〜と信じたい気持ちがありますが、その反対に、これってゼノンのパラドックスのアキレスと亀みたいなものじゃないかなと疑う気持ちがあって、現時点は、疑う気持ちのほうが強いです。
    どっちにしても、錯覚の絵があったりして、難しいけど知的興奮をひきおこす内容いっぱいで面白か

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    2025年03月06日
  • 意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く

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    来たぞ!傑作!
    これまで、意識の正体については、「科学的に全くの謎のままである」「究極的には人工的に再現可能な物質による構造体に過ぎない脳の情報処理の結果であるに過ぎない」という整理を自分の中の最も正解に近い席に座らせてきた。それを本書は突き崩した。
    物理的に脳の構造を詳しく調べても意識は見当たらない(これはユヴァル・ノア・ハラリも言っていた)。しかし、我々が実感しているとおり、意識=主観的感覚体験は確かに存在する(「わたし」という感覚すら錯覚に過ぎない という説は今でも支持するが、それにしても、その「錯覚」はやはり存在しているとしか言えないだろう)。しかし、例えば石ころには意識が宿っていない

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    2025年01月08日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    混みいった内容もありましたが、全体を通してとてもエキサイティングな内容でした。
    まず1章では、脳の情報処理のメカニズムについて述べられています。
    次に、2章で両眼視野闘争を例に出し、感覚器に入力されている=意識に上る、という訳ではないことを説明します。また、視覚野のどの箇所が意識に上るかどうかに連動して応答が変化するのかを調べた研究で、低次の視覚野よりも高次の視覚野の方が意識と関連しているニューロンが多いと述べられています。
    3章では、操作実験(脳に刺激を与えるような実験)を利用して、NCC(意識の生成に必要な脳領域)を特定する研究について述べます。
    4章では、主観的な経験である意識の、満たす

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    2024年04月01日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    90年代以降の脳科学の進展をよく解説してくれています。前半は基礎的な解説が多いですが、それらを踏まえて後半になると、機械でつくった脳半球と人間の脳半球を接合する構想などが登場。なんとサイバーパンクな!
    絵空事としてではなく、工学者でありながら脳の解剖学的構造や生理に真正面から取り組んでこられた科学者としての本気の考察で、とてもエキサイティング。

    意識にのぼる前に体が勝手に反応しているスポーツ選手の脳内で起こっていることなども本書で説明されていて、自動車を運転している時の危険回避の自分の体験などとも通ずるものを感じました。

    自分としては90年代は脳関係の本をずいぶん読んでいましたが、その後の

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    2022年09月30日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    私のようなに脳の処理能力の低いものにはなかなか難解な内容であった。が・・・
    機械処理としての脳は、例えば水車小屋に比べれば格段に複雑であるものの解明可能であるが、客観的に解明ができたとしても、脳の主観には一歩も近づかない、という考えには目からうろこが落ちる。この問題が分かれば機械に意識を宿らせることもできるかもしれないし、既に宿っていることが分かる!?かもしれない。そもそも科学的なアプローチでこの問題を解明できるのか、も分からない。そのような中でも、果敢にこの問題に挑戦している筆者をはじめとする研究者に、エールを送りたくなる。

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    2021年11月21日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    ネタバレ

    知覚には遅れがあり、それが物理的感覚とのずれを生じさせる。これが意識の過去と未来の関係性に大きな影響を及ぼす。例えば、バッターが160kmの球を打つとき、その時およそ0.4秒で到達し、知覚には0.5秒の遅れが生じるから、この球を打つという命令をしたのは何なのかという問題が出てくる。つまり、意思を司る何かがあるのではないかということだ。
    意識の本質は、脳の客観と主観の境界にあると述べられている。脳の客観とは、三人称的に物が見えるという意識のメカニズムであり、脳の主観は、なぜ、物が見えるという意識(クオリア)が生まれるのかということだ。
    この本質に迫っていきたいが、そもそも科学というのは客観性を証

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    2021年04月01日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    結構難しかったので整理しながら読むといいと思う。最初から3章までは視覚に関する脳の機能を中心に様々な実験を通して脳科学的に意識の存在をどう研究するかについて述べている。時折出てくる研究とはなんたるかについての記述が面白かった。4章以降は意識を人工的に再現することについて迫っている。前半は前半で脳の具体的な話を一つずつ追う必要があるので難しかったが、後半は意識とは何かについて抽象的な話が展開されるのでさらにわかりにくい。だけどそのぶん読み応えが大きく、また初めて触れる分野だったのでとても面白かった。

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    2020年07月03日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    「未来のどこかの時点では必ず人間の意識を機械に移植することが可能になる。」をテーゼに脳神経科学者の立場で脳の基本的な仕組みの解説から、様々な実験結果を丁重に解説していき、ディープラーニングや哲学なども含めて、テーゼの可能性を検証する。ややもすると冗長な感じも受けましたが、真面目に科学する姿勢とはこういうことなのだなととても勉強になりました。また、我々は自由意志を持たない方向に議論が向かいつつあるとしながらも前野隆司教授の「受動意識仮説」に触れていないところが少し気になりました。

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    2019年08月18日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    人の意識を宿した機械。SFであるようなイメージが、はたして現実にできるのか。その前に、そもそも「意識」の定義ができていないと、何をもって意識が宿ったとできるのかさえ分からないと。という問題から本書は入っていきます。
    視覚という一つの感覚に焦点を当てて、それを見ている私たちは、それをどのように認識しているのか、その仕組みを分かりやすく説かれています。意識の定義など、雲をつかむようで到底できないと読み始めましたが、すごいことに本書はそれに光を当ててきました。意識というものの輪郭が見えてくる知的好奇心の満足を味わうことができる内容になっていると思います。
    そこから、その意識を、どのように機械に移植す

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    2018年12月28日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    脳の構造を解き明かし、意識の謎を探る。意識はニューロンの回路に宿るのか。生理学的に脳をいくら解き明かしても、意識の謎は残りそうに思う。

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    2018年10月19日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    色々この本はいいところがあるのですが、脳科学が確立されるに至った代表的な実験をざっくり概説してるところが好きでした。地道な「当たり前」の積み重ねである科学の営みから、意外な事実を見つけだす画期的な実験をするのがいかに大変か、ということも認識させられました。

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    2018年07月20日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    ネタバレ

    池谷先生の「進化しすぎた脳」より本書の方が意識について分かりやすかった。もしかしたら「進化しすぎた脳」の後にこの本を読んだからある程度の基礎知識のおかげで理解がしやすかったのかも知れない。いずれにしても、ただのシナプスの電気信号により意識(らしきもの)が発生するという生物の神秘には本当に脱帽する。哲学が捜し求めている「自分の存在」というものが結局は単なる偶発的な電気信号によって発生するというのはどう考えれば良いのだろうか。意識が視覚をコントロールし、見えないものが見えているように思うなどということを聞くと、やはり「自分の存在」はすべて虚構という哲学の問題に辿りつくように思う。意識は実は未来を先

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    2018年04月08日
  • 意識はどこからやってくるのか

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    「意識研究会」の活動の一環として行われた、哲学者信原幸弘と神経科学者渡辺正峰の対談をまとめたもの。意識のアップロードに関して自分の中で論点整理はできた。
    【目次】
    第一章 意識という「究極の問い」を問う
    第二章 哲学の意識、科学の意識
    第三章 「脳と意識」をめぐるテクノロジーの現在地
    第四章 自己同一性とは何か
    第五章 アップロードで根本から変わる「人間」のあり方
    第六章 アップロード世界のウェルビーイング

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    2025年05月10日
  • 意識はどこからやってくるのか

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    「肉体的な死」の後に、デジタル空間で「今までと変わらない生活が過ごせる」ことを目指す「マインドアップローディング」という技術を巡り、「哲学者」と「科学者」がそれぞれの立場から語り合う対談本。

    哲学的立場、科学的立場から「意識とは何か」「自己同一性とは何か」「デジタル世界における“ウェルビーイング”」といった様々な「“生きる”とは」という問題提起について語られる本書では、なによりも単純に「昨今の恐るべき技術進歩のスピード」に驚いた。

    「意識、無意識を含む脳の情報処理の全てを機械に移すことで、その機械に意識が宿り、今生きている世界と同じような形で、デジタル空間で生きていける」という「マインドア

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    2025年04月26日
  • 意識はどこからやってくるのか

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    好みが分かれる内容。たまたまテッドチャンの息吹を読んだ頃に読み始めたこともあって、個人的には興味深く読めた。SF的な読み方の筋肉がついてるかどうかな気がする。
    哲学者VS無邪気な自然科学者という構図の読み方としても面白かった。

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    2025年04月09日
  • 意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く

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    ●2025年3月26日、グラビティの読書の星で紹介してる女性がいた。6/9冊

    ●2025年7月14日、東京大学・書籍部にあった。2回目のセッションで寄った日。

    帯の「脳からコンピュータに意識を移す!」が、できたらいいのに!と思いチェック。

    ●2025年7月23日、メルカリで帯あり・美品あり。950円。

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    2025年07月14日
  • 意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く

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    スリリングで面白いが、この分野は何十年も同じ課題を蒸し返しているような感じも受ける。いつまでたっても、生体脳の謎については本質的なところでまだまだ解明には遠い(研究手法上の制約がキツイ)ということだと思う。

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    2025年02月24日
  • 脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦

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    ネタバレ

    「意識」とは何か?、をわかりやすく解説した書籍である。
    著者は大学で脳神経科学について研究している人物であり、脳神経科学について現在までにわかっていることと、それがわかるためにどのような研究、経緯があったのかの歴史も交えて解説されており、理解がしやすかった。
    ニューロンやイオンチャネル等の基本的な部分からの解説も非常にありがたかった。
    後半に向かうにつれ、徐々に複雑な内容となっており、意識の研究の部分は正直なところ理解できない部分も多々あり、特に実験の設計や解釈の部分は複雑だと感じた。
    また、著者自身、「意識」の根幹となる理解はまだ未解明であり学問としてもブルーオーシャンだと記載していたが、そ

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    2025年01月26日
  • 意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く

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    【本書の内容】
    ・なぜニューロンの塊にすぎない脳に「意識」がわくのか
    ・「意識の解明」と「不老不死の実現」一石二鳥の妙案
    ・右脳と左脳を切り離すと、二つの意識が現れる
    ・新型ブレイン・マシン・インターフェースで、脳半球と機械半球をつなぐ
    ・人工神経回路網に意識を移し替えることで、意識を解き明かす
    ・意識のアップロード後には、現実世界と見紛うばかりの世界が待つ
    ・アップロードされた「わたし」は「わたし」であり続けるか

    【目次】
    1章 死は怖くないか
    2章 アップロード後の世界はどうなるか
    3章 死を介さない意識のアップロードは可能か
    4章 侵襲ブレイン・マシン・インターフェース
    5章 いざ、意

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    2024年07月24日