モモコグミカンパニーのレビュー一覧
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BiSHは誰か一人のものではなく、いろいろな人(メンバーやファン、スタッフその他の人々)の作り出した共同幻想的なものなのだなと改めて考えさせるエッセイ。
解散を決めてから解散するまで、メンバーの一人として分析的に、一人称の感情も交えながら、その時に考えていたことを記録してそのまま出してくれているので、細やかな考えの変化や、どれだけ大変だったかもよく分かる。
芸能人としての目線というよりは、普通の人がアイドルになってしまった。という苦しさがベースにあるところがやはり魅力的なのだと思う。
メンバーみなが解散に向かってそれぞれ向き合い自立していく過程だったのだなとしみじみ。
ただ、それを飛び -
Posted by ブクログ
「楽器を持たないパンクバンド」BiSHのメンバーモモコグミカンパニーによる解散までの約3年間の日々を紡いだ日記
私も、清掃員(BiSHのファンの愛称)だったので、特別な思いを持って読み終えた
外側から見ていると、とても順調に見えていた印象を受けていたが、彼女たちは彼女たちで色々な思いを持ちながら活動を行っていた事、終わりに向かって進まなくてはいけなかった事、あらためて知れてよかった
メンバー間のエピソードや自分自身のことが、屈託のない言葉で書かれていてとても読みやすい
彼女の紡ぎだす言葉には、勇気をもらえることが多く、人には向き不向きがあって当たり前でとても人間味を感じる所が私は好きだ。
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Posted by ブクログ
とても面白かった。
自分はBiSH解散後に音楽を聴き始めたので、リアルタイムで解散までの空気感、雰囲気を感じていないので、感想が的外れになっているかもしれない。
最初メンバーの中でモモコグミカンパニーが気になったのは、BiSHというかなり尖ったグループに、えらい普通な子がいるなと思ったからだ。
外見もそうだがインタービューの記事などを読むとすごく普通な感性をもっているなとも思った。
特に解散後に書店の中を回りながら購読していく動画を拝見したのだが、普通に将来に悩む若者といった内容だった。
普通である自分は何も持ち得ていない(と思い込んでいる)という劣等感、早く何者かになりたい、ならな -
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購入済み
タイトルからは想像できないほど息苦しい作品。
作者さんが芸能人ということで、もっと芸能界や業界の裏話的なことが書かれているのかと思いましたが、
それよりは人間の心の内にあるドロドロとしたものを描いていて引き込まれました。
友美はどうしようもないけど、それと同じかそれ以上にどうしようもない人々ばかり。
だけど、最後には少し希望も見えてよかった。
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BiSHのモモコグミカンパニーの書いた小説
登場人物たちは誰ひとり、キラキラしていなく、恋愛関係(人間関係)もうまくいかない。
皆、何か満ち足りなく、”本当のこと”を求めているが、いつまでも手に入らない。現実の自分はちっぽけで醜い。
登場人物たち夢中になっている恋愛対象は、皆相手から重要な存在として扱われていない。
報われない恋だからこそ、恋の純度が上がるというような耽美的な意味でもない。
メイド(アイドル)とファンの関係と二重写しになる。
虚構であるからこそあこがれられ、虚構であるからこそ手に入らない。
虚構と現実とのギャップ=生きることの辛さが突き詰めて書かれている。
また、 -
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Posted by ブクログ
BiSHのにわかファンになり、モモコグミカンパニーさん執筆の本書を読んだが、彼女の文才が冴えわたる小説だった。
アイドルになれなかったメイド喫茶店員の友美を主人公に、DV彼氏、マウントを取りたがる同僚女性、友美の熱烈ファン、と個性的なキャラクターが登場する。
友美は、中途半端に夢を諦めきれずメイド喫茶店員になったことを後ろめたく思い、自己嫌悪が強い。自分のネガティブな側面に焦点を当てて、他人と比較して、一層の劣等感に苛まれている。
誰しもが生きている限り、辛いことやしんどいこともあるが、どうしても他人は幸福に見えてしまい、妬んでしまうが、その人にはその人の苦しみがある。そんな当たり前のことに、 -
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BiSHのモモコグミカンパミニーさんのデビュー小説
アイドルとして活躍するモモコさんだからこそ表現できる世界観のように感じる作品でした。
また人間の吐き気のするほどの嫌な部分が見事に登場人物たちを形作っていること、そしてそれらはフィクションではなく現実を生きる私たちの中にもある部分でだということを感じられる作品でした。
読み終えたときに真っ先に感じたのは、この小説を歌詞にしたらどのようになるのかということ。そして、改めてモモコグミカンパミニーがとてつもない文才だということでした。
BiSH解散後のモモコグミカンパミニーさんのご活躍が楽しみになる一冊でした。